碧き地平線の記憶

この小さき世界の中で

「はやぶさ」 地球へ!

2010-05-29 21:19:25 | Weblog
今日も伊勢は、陽射しは強かったですが、夕方は秋のようでした。

はやぶさ君の、定期報告と、とても素敵な関係者さんのブログを
発見したので載せておきます。

2010年4月27日

一点突破全面展開
はやぶさプロジェクト 國中 均

「第1期軌道変換までは宇宙技術に没頭させてもらったけれど、それ以降は仕事内容がすっかり変質した。着陸許可取得・安全審査実施・輸出入手続き・契約業務・ロジスティクス・各種会議の設定・運用班員編成・予算管理・情報管理・労務管理・・・等など、研究開発とはかけ離れた分野と付き合わざるを得なくなり、髪がすっかり白くなって、老眼鏡が手放せなくなってしまった。イオンエンジンを作ることにはプロフェッショナルだったとしても、これらの業務には全くの門外漢なので、運営手腕や解決手法に全くもって知見がない。もがき苦しみ、疲弊し力尽きて、奈落に沈んでいった。

プロジェクトが瀕死の時、「はやぶさ」が自らこれら問題を一気に払拭した。11月のイオンエンジン故障からの復帰。一連のニュースリリースや報道によって、はやぶさミッションの状況が公知となった。地球帰還が絵空事でなくなり、はやぶさプロジェクトの課題を、JAXAだけでなく日本さらに世界と共有することになった。世界一丸となって課題の解決に当たる体制となった。ぐずぐずしていると有無を言わさず地球に突入してくるのだから。まさに「ブレークスルー」「一点突破全面展開」。技術が世界を変える瞬間を目の当たりにした気がした。

とうとう6月に「はやぶさ」が地球に帰還する。ここまで大切に懐に抱いてきた虎の児(http://www.isas.jaxa.jp/ISASnews/No.267/isas.html)の「リエントリーカプセル」が大気の壁を突き破り、正確にウーメラに着陸するであろう。そして次の新しい世界を我々の眼前にもたらすことを心待ちにしている。」 
いったい、どんな素敵な方なのか、お顔、拝見したいです!


「はやぶさ」は、先週 5月12日に、搭載の星姿勢計(STar Tracker: STT)のCCDセンサを用いて、故郷である地球と月の撮影を行いました。

地球はまばゆいばかりに明るく、画像は強いスミアの影響を受けましたが、月もくっきりと写っています。(地球 -8.3等、月 -4.6等)

地球は、現在いて座とやぎ座の間に見えています。
「はやぶさ」は、一路地球を目指して、時速およそ18000kmで航行中です。

2010年5月28日
今週のはやぶさ君とそのスタッフたちは、力を合わせて、5日間にわたるTCMを行いました。
TCMは軌道補正マヌーバのことで、はやぶさ君の場合にはイオンエンジンを使ってこれを行います。エンジンの出力や、はやぶさ君とそのエンジンの向きに気を使いながら、目的の軌道になるように、じわじわと加速していきます。

今回のTCMは、TCM-2と呼ばれていて、TCM-0から数えると3回目です。
木工作品を作るとき、まずのこぎりで切りだしてから、やすりをかけて形を整えていきますよね。最初は目の荒いやすりでガリガリ削りますが、最後のほうには目の細かいやすりを、表面の状態を確かめながらかけていきます。
これに例えると、3月27日までのイオンエンジンの運転が、のこぎりで形を切りだすところ、各TCMが、徐々に目の細かいやすりを使いながら形を整えていくのにあたります。

そして、これからしばらく、はやぶさ君はじっとしたまま、位置と速度を精密に測ってもらいます。(はやぶさ君本人はじっとしていても、はやぶさ君と地球との距離は順調に近づきますよ)

2010年5月27日00時00分(日本時間では、5月27日の09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離7,477,120km、赤経8h37m43s、赤緯29.96度(かに座)にいます。
はやぶさ君から見て地球の方向には、けんびきょう座が見えます。

今も我らが、はやぶさ君は、地球を目指して、超高速で飛んで来ています。

「惑星探査機「はやぶさ(MUSES-C)」
打上げロケット M-Vロケット5号機
打上げ場所 内之浦宇宙空間観測所
形状 約1m×約1.6m×約2m
太陽電池パドルの端から端まで約5.7m
質量 質量510kg(含燃料)」

こんなにも小さな、はやぶさ君! ガンバレ!

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