碧き地平線の記憶

この小さき世界の中で

日米の「失われた10年」の意味

2011-11-26 22:06:56 | Weblog
二つの目を引く記事が出ていたので、転載しておく。

●米経済、「失われた10年」に突入か 市場で悲観論広がる

[ニューヨーク 19日 ロイター] 米市場関係者の間で、米経済がすでに日本型の「失われた10年」に突入したのではないかとの見方が浮上している。同国では景気後退(リセッション)観測が浮上、政治不信も高まっている。
市場の見方が正しければ、米国経済は長期にわたって厳しい局面が続く恐れがある。日本と異なり、米国では貯蓄率が低く、家計の負債が高水準に達している。財政赤字は巨額で、バブル崩壊後の日本のような巨額の財政出動も難しい。債券運用会社パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)のポートフォリオマネジャー、スコット・マザー氏は「(日本と同じような)方向に向かっているとの確信を強めている」と指摘。「日本よりも厳しい状況に直面する可能性さえある」と述べた。すべてのエコノミストが日本型の長期不況を予想しているわけではないが、市場の警戒感は強い。10年物国債利回りは、住宅バブル崩壊から3年経った今も2%前後で推移。株価.SPXは4月以降、月間ベースで毎月値下がりしている。国内総生産(GDP)は今年第2・四半期時点でも2008年の危機前の水準を回復していない。ロイターのエコノミスト調査では、約3分の1の確率で1年以内に景気後退に逆戻りする可能性があるとの予想が出ている。
 

●2010年8月11日、英紙ガーディアンは日本経済に関するコラムを掲載。

いわゆる「失われた10年」は経済的な失敗ではなく、米国とは異なる発展モデルを選んだ結果だと分析した。

経済学者たちは長年にわたり、日本経済に不当な評価を与えてきた。
考えてみよう。世界経済が後退する中、米国の失業率は10%に迫っている。
格差と貧困は激化し、4700万人が医療保険に加入しておらず、中産階級の年金は脅かされている。
欧州もまたさまざまな問題を抱えており、急成長を続ける中国もバブルが懸念されている。

では、日本はどうだろうか?失業率は5%程度。格差も他国ほど鮮明ではない。
全国民が医療保険を享受し、今なお世界の主要輸出国としての地位を保っている。
平均寿命は世界トップクラス。乳児死亡率も低い。
教育水準は高く、犯罪、精神疾患、薬物乱用はいずれも低レベルにとどまっている。
炭素排出量も低水準ときわめてエコ。あらゆる面で日本は米国より優位に立っているではないか。
なぜ日本が米国やその他苦境に立たされている国の教科書とならないのだろうか。
米国の著名経済学者クルーグマン氏を筆頭に、経済学者たちは日本経済をたたき続けてきた。
「日本シンドローム」という言葉まで作られたほど。
しかし経済とは何のためにあるのか、もう一度考えてみるべきだ。
人々に繁栄と安全を与えるためか、それとも経済学者の理論とモデルに従うためにあるのか。
今の時代に与えられた重要な教訓は2つある。バブルは必ず崩壊する。
制限のない成長は環境を破壊する。
つまりもはや経済成長ばかりを求める時代ではなく、持続可能な発展を、お金を使わずに多くを成し遂げることを摸索しなければならない。
先進国が異なる成長モデルに切り替えることはたやすいことではない。
しかし日本、そしてドイツはそれを成し遂げた。
米国もまた両国にならうべきであろうし、現在の浪費型経済を改めれば、あるいは現在ほど多くの財政出動と成長計画を必要としなくなるかもしれない。 (2010年8月11日、英紙ガーディアン)

☆日本を無能な、劣等生の様に叩いてきた欧米が、今になってこんな事を言い出した。
思えば、過去に、どこの国も体験した事の無い、これでもかと襲う災害、経済危機、売国政治、3度もの被爆!
すべて我々、日本国民は、耐え、克服して来た。
もっと胸を張って、自信を持って、生きていけば良い。

ただ、これだけは言える、

やはり日本は、いつも世界の雛形なのだ。