読了直後の率直な感想は「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」(笑)。
だってー。どれをとってみてもそうなんだもん。
子供の頃に感じた“どきどきわくわく”が、
大人になっても感じられるとは思いませんでした(^-^)。
ハーヴァード大学教授ラングドンにとって、事件の始まりは
ルーブル美術館館長ソニエールの死体が発見されたことだった。
グランド・ギャラリーでソニエールの死体は、ダ・ヴィンチの
有名な素描「ウィトルウィウス的人体図」をかたどっており、
その周辺には暗号の数々が残されていた。フランス警察から
捜査の協力を求められたラングドンだったが、そこに駆けつけた
ソニエールの孫娘で暗号捜査官のソフィーは、一目でその暗号が
自分にあてたメッセージであることに気付き…。
↑これは、ほんのさわりに過ぎません。ここから、どとーのように
ストーリーは転がっていきます。まさに、傾斜角度90度の
「どどんぱ」並の勢いです(意味なし)。
実際、事件が起こってから一応の決着をみるまで、正味12時間も
経っていないんですよね。そんな短時間に、あれだけのことがおき、
さらに、蘊蓄(情報)も盛りだくさんに詰め込まれているんだから、
ハードカバーで上下巻ってのも納得ですね。しかも、
そのボリュームを感じさせないストーリー展開は秀逸です。
この中で扱われる“歴史の謎”というのは、日本人にとってあまり
馴染みのないキリスト教で、結構深くまで掘り下げます。
が。宗教としてのキリスト教ではなく、宗教学や歴史学、そして
美術・芸術といった学問的な面からアプローチしていくので、
とても興味深く読み進めると思います。また、その歴史の謎だけに
とどまらず、アクションあり、意外な展開あり、人間ドラマありと、
いろんな面で楽しませてくれます。だから、その辺が
「インディ・ジョーンズ」だな、と(笑)。しかも、最後には
人の“心”に救われます。それがとっても嬉しい(^-^)。
頻繁に“暗号”が出てくるんですけど、これまたスケールが
でかい(笑)。解読するのはプロだから、案外スムーズに
解くんですけど(笑)、奥が深い。で。こういうものを見ていると、
改めて鯨さんってすごいなぁ、と(笑)。また後日報告しますが、
ぶん投げ本として名高い(笑)
「文章魔界道」、確かに
笑えるし、くだらないんだけど、奥が深いよねえ。
これは訳者の功績も大きいのでしょうが、主人公のラングドンが
象徴寓意図像学者ということもあって、彼の目を通して見る
景色が、象徴的でとても美しいんです。よく出てくる象徴(意匠)が
あるんですが、より美しく、そしてなまめかしく見えるんですよね。
書評なんかを見ていると、評価はまちまちですが、私は
とても楽しむことができました。洋モノは苦手なんですけど、
人物も場所もよく知っているものが出てくるので、日本の歴史モノを
読むより、もしかしたらスムーズに読めたかも(笑)。
お時間と体力のある方には、ぜひおすすめします(^-^)。
「ダ・ヴィンチ・コード(上)」「ダ・ヴィンチ・コード(下)」ダン・ブラウン