Potter's Diary

私の生活諸々と陶芸作品の紹介(ヒューストンより)

To Vienna & Berlin 1 (Berlin Philharmonie)

2020-03-16 | 音楽

先日ベルリンフィルのマーラーの交響曲3番を聴きに行ってきました。この曲はマーラーの曲の中でも私の一番好きな曲です。特に6楽章が好きです。ずいぶん以前のことですが、ワシントンDCのNathional Mallを散歩していた時に、陸軍か海軍かのバンドがこの部分だけを公園の中で演奏していました。それが本当に染みるように心の中に入ってきたのを今でも鮮明に覚えています。「死ぬ前にはこの曲を聴きながら死にたいものだ…」と思ったものでした。最近、夫も死ぬ前にはこの6楽章を聴きたいと思っていることがわかり、同じような事を考えてるんだなぁ、と感心。この交響曲は合唱が入って、6楽章まであるとても長い曲なので、なかなか全曲を通して聴くことはなかったのですが、今回もいつものように3日間の演奏を全て聴きましたが、6楽章まで、一気に流れるような演奏は、毎回心が震える時間でした。特に最後の6楽章が静かにはじまる時、涙がこぼれ落ちそうでした。

樫本大進さんのソロの部分はそれはそれは美しく、(いやぁ〜、どの楽器も美しかったのだけれど…)でもこの曲があんなに複雑な演奏形態で演奏されてるなんて、見るまで知りませんでした。マーラーってやはり天才なのね。頭の中でどういう風にしたらあぁいう曲想を楽譜にできるんだろう…。あぁ、それにしてもあれだけの曲をあんな風に美しく演奏するベルリンフィルはやはり凄い!いつも思うんだけど、ベルリンフィルのダブルベースの音、いつもお腹の中にまで響いてきます。彼らの演奏の仕方が他のオケと違う。なんていうのか、全力で演奏している。一人一人が全力で音を出して、それがビシッと揃っているからスゴイ。

指揮者はとても若いベルリンフィルに初めて登場したLorenzo Viotti(予定の指揮者が病気で急遽彼に替わったとのこと)という方。素晴らしかったです。演奏後、演奏者たちが引き上げた後、アンコールで再度呼び戻された指揮者。

あぁ、こんな演奏を生で聴くことができた私は本当にラッキーだと思います。夜中に夫と二人でそれぞれコンピュータの前に座って発売と同時にチケットを取った甲斐があったというものです。今時は時間さえ気にしなければ、インターネットで、世界中どこにいてもチケットが手に入ります。ホントに便利な世の中になったものです。ほんの数年前はベルリンフィルのウェイブサイトはドイツ語だけで、おまけに電話予約だったので大変でした。今はディジタル・コンサートホールというのもあって、会員になれば、いつでも今までの演奏が見られます。

そうそう、この演奏会の10日後、コロナバイラスの影響で、ベルリンフィルの演奏会も中止になっているようです。危なかったなぁ。で、今、ディジタル・コンサートホールが無料で見られるようになっているようです。お時間があったらぜひマーラーの3番、見てください。あんな演奏は滅多に見られるものではありません。

 


To Vienna & Berlin 2

2020-03-06 | 旅行


ホテルの裏にあったベートーベンの像

ベルリンフィルを聴きに行く前にせっかくなのでウィーンに寄りました。そして前回行けなかったところに行ってきました。ウィーンという街も本当に見るところが多い街で、多分何度行っても満足なんてしないんだろうなぁ、と思われますが、とにかく今回はVienna Passとバスや電車などにも乗れるPassを前もって買っておいたので、それを有効利用すべく動きました。

初日はレオポルド美術館。前回も行ったのですが、私の大好きなウィーン世紀末の画家たち、エゴン・シーレやクリムト、ココシュカなどの作品が満載の美術館なので_。エゴン・シーレの描く独特な世界と渋い色合いに目を奪われます。若くして病死してしまったけれど、もっと長生きしてたらどんな作品を描いていたんだろう…。彼は1918年に始まったスペイン風邪が原因で亡くなったのだそうだけど、それからほぼ100年後の今、Covid-19でパンデミックが起きているのは何かの偶然かしらねぇ…。スペイン風邪では世界の人口の25〜30%が感染して4千万人から5千万人が亡くなったって…。考えただけでも恐ろしい。歴史ってそういう流れなのかなぁ。この記事をなかなかアップロードできなかったのも、こんな状態で自分の楽しかった記憶を辿るのがしんどいというか_。でも記憶はどんどん遠のいていくので、新鮮なうちにとは思いながら…。

 

そしてこれはクリムトの作品。
 

 

そしてココシュカ。マーラーの妻、アルマ・マーラーの恋人だった人。ボストン美術館には彼女を描いた作品がありました。

 

ゆっくりと絵を見た後、美術館のカフェテリアへ。ここのカフェは依然と違ってAsian tasteのカフェになっていて、お寿司やタイ風のカレーがあり、お箸がテーブルに並んでいました。そして、このビール、”エゴン・シーレ ビール”です。ちょっと興奮。

午後からはシェーンブルン宮殿の庭にある動物園へ。これはマリア・テレジアの夫が創った、世界最古という歴史的な動物園。動物を眺めながら食事をしていたというなんとも優雅なお話。宮殿の庭はこんな時期だというのに花が咲き、木々が美しく刈り込まれていました。

動物園は広大な庭の右の奥にありました。


もう夕方近くになっていたけれど、思ったほど寒くなくて、結構動物たちは活発に外で歩き回っていました。”お散歩したり食事をしながら見るために動物園を造ろう”というその発想がすごい!フツーの人じゃないんだなぁ、やっぱり。

二日目はマーラーと彼の妻のアルマ・マーラーのお墓へ。今回ベルリンフィルでマーラーの交響曲3番を聴く事ですし、ウィーンに寄った理由の一つがこのお墓参り。マーラーは51歳と比較的早くにウィーンで亡くなっていますが、妻のアルマさんは85歳でニューヨークで亡くなっています。でもお墓は二人ともグリツィングという地域にあるグリツィング墓地にあるというので、電車とバスを乗り継いて行ってみました。

広大な墓地を迷う事10分以上。そして入り口にお墓の地図があって、有名人の名前が書いてある事を発見。ようやく発見。

まずはマーラーさんのお墓。

とてもシンプルなもので、お墓に誰がのせるのか、石が山盛りでした。

そしてアルマさんのお墓はその裏側。近いんだけど、ちょっとずれた背中合わせ。

音楽家として、あれだけのすごい曲を作り続けたマーラーと妻のアルマさん、二人はどんな人生を一緒に歩いたのかしらねぇ。そしてマーラーの死後、ウィーンの世紀末の画家たちに愛されながら、自分の人生を駆け抜けたアルマさん。ちょっと憧れてしまう…。そんな二人がここに眠る…。

これでマーラーの交響曲3番を聴く準備万端!