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地球似の系外惑星を2つ発見、生命存在の可能性

2019年06月28日 13時56分03秒 | 日記

NationaGeographicsによると「地球似の系外惑星を2つ発見、生命存在の可能性」 地球からわずか12光年先で小さな恒星ティーガーデン星の「ハビタブルゾーン」を周回しているという。恒星が小さく放つ光も弱いため、長い間、その存在が気がつかれなかったという。

 

 ティーガーデン星のイラスト。約12光年先にある、とても光の弱い赤色矮星だ。年老いた暗い星だが、天文学者らによると、「ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)」と呼ばれる範囲を2つの惑星が周回しているという。(ILLUSTRATION BY WALT FEIMER, NASA)

 

地球からわずか12光年しか離れていない小さな年老いた星の周りで、地球サイズの岩石惑星を2つ発見したと、天文学者のチームが6月12日付けで学術誌「Astronomy & Astrophysics」に発表した。いずれも液体の水が存在してもおかしくない軌道上にあるという。

 主星である恒星はティーガーデン星と呼ばれ、少なくとも80億歳だと科学者たちは推定している。太陽の2倍近くの年齢だ。したがって、その周囲を回る惑星もおそらく非常に古く、私たちが知るような生命が進化するのに十分すぎるほどの時間を経ている。そして今のところ、激しい振動や、こうした恒星がよく発生させるフレアの兆候はほとんどなく、ティーガーデン星はとても静かだ。

 近くて静かなこの惑星系は、次世代の宇宙望遠鏡を使って地球外生命の兆候を探そうとしている天文学者には、とても魅力的なターゲットになるだろう。

「どちらの惑星も、生命が存在できる可能性があります」。論文の著者の1人で、スペイン宇宙科学研究所のイグナシ・リーバス氏はこう話す。「本当に生命が存在できる星なのか、ひょっとして既に存在しているのか、いずれ分かるでしょう」

近いけれど暗い星

 2つの惑星が周回する星の光はあまりにも弱く、2003年まで存在すら知られていなかった。発見者は、それまで検出からもれていた近くの暗い矮星を探そうと、天体のデータ一式を調べていたNASAの天体物理学者ボナード・ティーガーデン氏だった。

ティーガーデン星は、質量が太陽の9%という小さな恒星だ。超低温M型矮星と呼ばれ、岩石惑星が7つあるM型矮星のトラピスト1と同じく、光のほとんどを赤外線で発している。そして、地球からティーガーデン星までの距離はトラピスト1系までの3分の1しかないため、より研究しやすいと言える。

 リーバス氏らが参加する系外惑星探査プロジェクト「カルメネス」では、スペインのカラル・アルト天文台を拠点に342個の小さな恒星について惑星を探していた。ティーガーデン星はそのひとつだった。

 研究チームは3年にわたってティーガーデン星を観測し、周回する惑星の影響で揺れ動いたり引っ張られたりしていないかを確かめた。最終的に200余りの観測データにより、ティーガーデン星のそばに小さな惑星が2つあることが示された。質量はどちらも地球の約1.1倍で、1つ目の惑星である「ティーガーデン星b」はわずか4.9地球日で軌道を1周しており、もう1つの惑星「ティーガーデン星c」の周期は1周11.4日とされた。

ティーガーデン星と新たに発見された惑星のイラスト。私たちの太陽系から、この赤色矮星系までの距離はおよそ12光年ある。比較のため、太陽系のイラストを挿入図として示している。(ILLUSTRATION BY ANDREAS HOUGARDY, UNIVERSITY OF GÖTTINGEN)
 

不気味なほど静か

 惑星があると報告する前に、研究チームは黒点やフレアなど、まず恒星固有の現象を調べなければならなかった。これらの現象は観測データの「雑音」を増やし、惑星を見つけにくくする。実際のところ、悪名高いほど活動的で、大規模なフレアを噴き出しやすい赤色矮星ではかなり難しいことがある。しかし、ティーガーデン星は不気味と言っていいくらい静かなため、惑星の証拠を得るのは普通よりずっと簡単だった。

「観測データはとても多く、恒星も非常に静かにしているので、別の説明が成り立つ余地はほとんどありません」とリーバス氏は言う。「ですから、惑星を見つけたのは明白だと胸を張れます。両手の小指を賭けてもいいぐらいです」

「とても説得力のある惑星の候補です」と、米ハワイ大学のローレン・ワイス氏も同意する。「データの質に感心しました」

 しかしながら、賛同をためらう点も少しあるとワイス氏は指摘する。第1に、ティーガーデン星の自転の周期が正確に分かっていないことが挙げられる。この種の動きは、惑星の情報と間違えやすい。

 とはいえ、「恒星の自転が1つの惑星の影響のように見えることはあっても、2つの惑星があるということにはならないはずです。惑星2つのうち、少なくとも1つは本当にあるでしょう」とワイス氏。

 第2に、惑星が推定よりも速く恒星の周囲を疾走している可能性もあるとワイス氏は言う。その場合、生命が存在する可能性は打ち砕かれるかもしれない。

「それでも、こうした専門的な懸念は些細なことです」とワイス氏は話した。「この星の周りに本当に惑星があるなら、その公転周期が誤っていたとしても、惑星はやはり惑星ですから」

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