ファーウェイの世界シェアは日本勢のはるか先をいく Photo:VCG/gettyimages

I. 最初の指摘が、東京大学社会科学研究所の丸川知雄教授のNTTがNECに600億円出資してファーウェイに対抗する国産5G連合を作るという件で、。

①ファーウェイとNECの5Gに関する特許数も、日本と中国の5G加入者数も雲泥の差だ。これを覆すのに600億円の投資では全く足りない。

②NECの世界シェアから見ても、安く高性能な5G機器を作れるとは思えない。③しかし親会社が出資した手前、ドコモはNECから機器を買わざるを得ないだろう。NTTファミリー復活は失敗への道だ。という見解を披露。

 

II.次の指摘に挙げられたのが、日本のM携帯電話メーカーの話。

20年前の話で、中国出張の際、日本のM社製の携帯電話を買ったが、その携帯電話は電話番号を登録する時に、人名を漢字で入力することができないのである。ショートメッセージも漢字では書けない。漢字の国で商売をしているにもかかわらず、人名の登録もショットメッセージも、アルファベットを使わないとだめなのだ。その代わりオランダ語やイタリア語、ドイツ語などヨーロッパの言語はたくさん使える。M社は投入した市場の要請を無視していたという。

その後、数年が経つと、日本企業は中国の携帯電話市場から相次いで撤退。シェア上位には日本勢の姿はそもそも最初から存在していなかったが、スマートフォン登場後、中国の携帯電話市場は米アップルのiPhone(アイフォーン)の独壇場となった。日本の携帯電話メーカーにとって、中国市場はみるみる遠ざかってしまった。それだけではなく、事業存続の基盤としての日本国内市場も次第に失われていったと指摘。

 

III.NTTドコモ出身の松永裕司氏の記事『5G連合「NTT x NEC」の資本提携は、脱ガラパゴスの鍵となるのか』(Forbes JAPAN、6月29日配信)を引用しながら、

①まず、世界の5Gの基地局など通信インフラのシェアは、ファーウェイの30%を筆頭に、エリクソン、ノキアの3社が市場の4分3を占める。国内トップとされるNECでさえ、全世界のわずか0.7%のシェアしか持たない。

②開発費に2兆円を注ぎ込むとされるファーウェイに対し、600億円の出資でどこまで巻き返しが可能なのか?事業会社ではなくホールディングスであるNTTがどこまで技術供与が可能で、ドコモなどのグループ企業を巻き込んで行くのか?

IV. 未だに、人口1億2000万人という内需を抱えて来た日本国内メーカーは21世紀になった現在も、国内市場優先という哲学から抜け出せずにいると指摘。