先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

道路も進化し続けていた!

2018年04月04日 18時57分54秒 | 日記

  

ベストカーという車雑誌が総じていた。 道路の走行音削減、耐水性、などで進化しているという。高速道路を走っていて「この舗装の部分だけ、やけに音が静かだなぁ」。そう思った経験はないだろうか。それは単に舗装が新しいからではなく、最近飛躍的に普及してきた「高機能舗装」だからなのだ。さて、この高機能舗装、いったいどんなものなのか? そして、どのくらい普及しているのか?


従来のアスファルト舗装に比べ、“いくつかの点”で優れる進化型の舗装が「高機能舗装」と呼ばれるモノ。見た目には従来の舗装とあまり区別が付かないが、実はかなりの優れモノなのである。

まず、最も特筆される機能が「排水性」だ。激しい雨が降り、路面に水溜まりができると、ハイドロプレーニング現象が起きやすい。これは路面とタイヤの間に一定以上の水が入り込むと、ブレーキが利かなくなる極めて危険な現象で、クルマやタイヤの性能だけでは防げない側面を持つ。このハイドロプレーニング現象対策として導入されたのが、排水性に優れた高機能舗装なのだ。


01 左車線が高機能舗装で、右が従来の密粒舗装。この写真からも排水性の違いが一目瞭然だ

 

そのしくみは次のとおり。従来の「密粒舗装」では、舗装内部までアスファルトの材料となる砂や砂利〈=骨材〉が詰まっており、耐久性に優れる反面、舗装表面に浮き水が発生しやすい弱点があった。そこで「高機能舗装Ⅰ型」では、舗装の表面から内部まで骨材の間に隙間を設けるように設計。これにより排水性の大幅な改善に成功している。

ところがデメリットもあった。高機能舗装I型は、排水性に優れる反面、路面が損傷を受けやすく、耐久性には劣る。そこで、さらなる進化版「高機能舗装II型」が誕生したのだ。このII型は、I型と同じく舗装表面は骨材の間に隙間を設ける作りになっているいっぽう、舗装内部は骨材がぎっしり詰まっている。つまり、排水性・耐久性ともに優れた舗装というワケだ。このように高機能舗装とひと口にいっても、2つのタイプが存在するのだ。

ちなみに、高機能舗装にはもうひとつ大きな機能がある。それは騒音の低減効果だ。つまり、排水性だけに優れた舗装と、騒音低減効果だけに優れた舗装が別々にあるのではなく、高機能舗装=排水性のよさと騒音低減効果の両方を兼ね備えたものを指すのだ。

NEXCO中日本によると、高機能舗装I型、II型ともに従来の密粒舗装に比べて、約3dBの騒音低減効果があるとされている。「3dBってそんなに違うの?」と思われるかもしれないが、実際に従来の舗装と高機能舗装で走り比べると、一般のユーザーでも明らかにロードノイズの違いを感じられるほど。その差ははっきり体感できるレベルいっても過言ではない。
img_10img_08
■密粒舗装(左)…耐久性○ 舗装内部まで骨材が詰まっている
排水性× 骨材が内部まで詰まっているので排水性に難がある
■高機能舗装II型(右)…耐久性○ 内部は骨材間の隙間が少ない
排水性○ 舗装表面は骨材間に隙間が多いので排水性にも優れる

 


排水性のよさ、騒音低減にも効果がある高機能舗装は、いつから採用され始めたのか? 高速道路各社に取材を進めると、その歴史は意外にも長いことが判明した。

高機能舗装の正式採用開始はNEXCO中日本管内では1998年から、NEXCO東日本では1999年と、今から15年以上も前。加えてNEXCO西日本によれば、1989年に東北自動車道で試験採用されたのが初めての事例とのことで、試験採用まで含めると今から25年以上前まで遡ることとなる。

さて、約25年前に初めて試験採用された高機能舗装は進化を遂げ、2003年頃には高機能舗装II型が導入されるようになる。そして、2010年度には高速道路全体の道路延長に対して71.0%を占め、さらに2015年度にはNEXCO中日本管内にかぎっては約86%を占めるまでに普及。

古くからある道路も含めてこの数値なのだから「新設道路では高機能舗装がかなりの割合を占めています」とNEXCO中日本広報担当者もいうように、新しい道路ではほとんどすべてが高機能舗装といえるほど高い採用率となっている。                                                                               

また、一般的に高機能舗装と呼ばれるのは、排水性のよさと騒音の小ささを兼ね備えたモノだが、これ以外にも優れた機能を持った舗装はある。そのひとつが「遮熱性舗装」だ。

日本道路建設協会に問い合わせたところ、しくみは「ガラスのビーズのようなものを入れた塗料を通常の舗装の上に塗布する」というじつにシンプルなもの。そして、その“ガラスビーズ”に太陽光が当たると、赤外線が反射し、路面温度が下がる。これで約10℃も路面温度が低下するというから驚きだ。しかも、散水が不要でそのぶん維持・管理コストも抑えられるというメリットも併せ持っている。

この遮熱性舗装の技術は2000年代半ばには確立され、2010年頃にはヒートアイランド現象が顕著な東京都心部を筆頭に実用化が開始されたという。

見た目の特徴は“色”。通常の舗装よりも明るめのグレーになっているので、比較的容易に見分けが付く。代表的なところでは、皇居前の国道1号線や、銀座の国道15号線、新橋の環状2号線(=通称マッカーサー道路、メイン写真)にもすでに採用されるなど、遮熱性舗装も徐々にメジャーな存在になってきているのだ。

%e6%b8%a9%e5%ba%a6%e6%af%94%e8%bc%83

 

いっけん目立たないけれど、道路の舗装技術は着実に進化を遂げている。日々のドライブ中、こうした舗装に意識を向けてみると、その進化をより実感できるに違いない。

 


米、車のドアを閉める音の超音速機開発へ

2018年04月04日 18時19分14秒 | 日記

 

日本の大学の航空学科を出た人にとっては垂涎の的だろう。しかし最近の日本にはわくわくするような製品が出てこない。2003年に制定された国立大学法人法や、総定員法更には大学全般に対する研究費カットによるところが多い。政治家はこの深刻な事態を早急に解決してもらいたいもの。
 

米航空宇宙局が計画する次世代超音速機の実験機のイメージ図。NASA提供(2018年4月3日入手)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】米航空宇宙局(NASA)は3日、米防衛・航空大手ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)と、ソニックブーム(衝撃波による大音響)を発生させずに超音速で飛行できる次世代航空機の実験機(Xプレーン)を開発する契約を結んだと発表した。2021年にも初の試験飛行を行う計画だ。

 契約額は設計、製造、試験を含めて2億4750万ドル(約270億円)。

 試験機は高度約1万6800メートルを時速約1500キロの速度で飛行し、騒音はソニックブームを起こさず、車のドアを閉める時の音(75デジベル)程度に抑えるとしている。

 早ければ2022年半ばに、データや住民の反応を集めるため米国の都市上空を飛行させることを計画。より静かな超音速飛行を実現し、「超音速航空による新たな商用貨物・旅客市場」を開拓することを目指す。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は先月、このプロジェクトの資金を全額政府が拠出する連邦予算案に署名。次世代機について「より高速の商用機を建設する米企業に新しい市場を開き、雇用を生み出し、国内都市間のフライト時間を半分に短縮する」と期待を示していた。