現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

ICC、表参道

2005-10-30 | アート感想@関東
風邪もほぼ治り、久々の展覧会巡り。

まず、初台のオペラシティ内にあるICCへ。

アート&テクノロジーの過去と未来

最初に、前林昭次の《ものと音、空間と身体のための4つの作品》の整理券をもらいに行く。早い時間に行ったのでそれなりの待ち時間だったけど、11時頃には2時間待ちになっていた。休みの日に行くなら、時間の余裕を持って行ったほうが良いかも。

実験工房ナムジュン・パイクなど、メディア・アート黎明期の資料的な展示も良かったけど、何と言っても体験型作品が面白い!私が特に気に入ったのは以下の2作品。

佐藤慶次郎の《エレクトロニック・ラーガ》は、二つの端子に手を触れると音が鳴る作品。指先で触れると低い音が鳴り、手のひらを当てると高い音が鳴る。触り方を変化させると音程が上下するけど、この動きはインドのラーガという旋法らしい。楽器系作品にヨワい私、時間を忘れて遊んでしまった。

江渡浩一郎の《Modulobe》 は、CGで描かれた骨組み状のモジュールをトラックボールで操作する作品。モジュールによっては、すぐに転んでしまうものや、逆になかなか倒れないものがあったけど、そういった作品を立たせたり、倒したりするのが楽しかった。

このほか、岩井俊雄の名作《時間層II》や、ブラックライトが妖しく光るヨシダミノルの《バイセクシャル・フラワー》もあり。でも、原田大三郎の出品は都合により中止とのこと。残念!

最後に、予約していた《ものと音、~》を観る。ヘッドホンを着けて、「ラジオ」、「窓」、「メトロノーム」、「闇」の4つの部屋を体験する作品だけど、最後の「闇」の部屋が最も印象的だった。部屋の中を移動すると、それに合わせて光が変化し、それが終わると……。

NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]にて、12月25日まで、月曜休館。
11月23日から一部展示替え。


初台から電車を乗り継ぎ、表参道に移動。

take art collection 2005 「美術百貨店」

なんとか最終日に滑り込み。アートフェア形式の展覧会で、若手から大御所まで、比較的求めやすい値段の作品も並ぶ。でも、「買ってもいいかな?」と思った作品は、ことごとく売約済み……。

結局、何も買わなかったけど、スパイラル・ペーパー104号に掲載されていたさとうりさの「阿部ちゃん」シリーズが実際に観られて満足。あと、大巻伸嗣先日観た3展覧会のインスタレーションの一部分を出展していた。

スパイラルにて、10月30日まで(終了)。


児嶋サコ SAKOO -彼女のなかの森の中-

ナディッフの入口には、6体の可愛らしい小動物などが……と思ったら、全身に待ち針が刺さっていて痛々しい。この作品は参加型で、観客は1本ずつ待ち針を刺すことができる。それにしても、狙ったかのように痛そうなところに刺さっていた。

壁が緑に塗られた中央の展示スペースには、森の小動物が描かれた油彩画がかかっていた。そして、床には木のベッドが置かれ、小動物の立体がいくつか置かれていた。見た目はカワイイ小動物たちだけど、観ていて何か不安がこみ上げてきた。目が……キレイすぎる!?

このほか、児嶋サコがハムスターに扮したパフォーマンスのビデオ上映もあり。

ナディッフにて、11/27まで、会期中無休。

青山・表参道情報

2005-10-28 | アート情報その他
今週、会社帰りに青山・表参道のギャラリー巡りをしようと思っていたけど、風邪ひいて休んだりしたため、それどころではなくなってしまった。

日曜日(10/30)なら行けると思うけど、会期が迫っているものもあるので、私が把握している展覧会をとりあえず羅列。ご参考までに。

渡辺剛-Mt-@ギャラリーGAN(10/29まで)

オノ・ヨーコ「私たちはみんな水。」@ギャラリー360°(10/29まで)

take art collection 2005 「美術百貨店」@スパイラル(10/30まで)

平行芸術展最終回@青山小原流会館(11/5まで、日休)

児嶋サコ SAKOO -彼女のなかの森の中-@ナディッフ(11/27まで、無休)

山口晃情報

2005-10-26 | アート情報その他
日本橋三越で、「現代の絵師」山口晃の個展が開催されるとのこと。
個展「山口晃展」

会期:2005年11月22日~27日
会場:日本橋三越新館7Fギャラリー
日本橋三越で現代アート展って珍しいかも。
ニュースソース→ミヅマアートギャラリー

三越ホームページ開設10周年記念キャンペーンで無料招待券のプレゼントもあり(締切り:10月31日)。

風邪ひいた……。

2005-10-25 | Weblog
風邪ひいて、熱を出してしまった。
今日は大事を取って会社を休むことに。

それにしても、私が夏以外に風邪をひくなんて……。
(ナントカがひく夏風邪)

季節の変わり目なんで、皆さまもお体にはお気をつけ下さい。

サスティナブル・アートプロジェクト

2005-10-23 | アート感想@関東
爽やかな秋晴れの今日も展覧会巡り。

サスティナブル・アートプロジェクト2005
台東・言問通り現代美術展 『言の伝え―町も人を見つめる―』


藝大の教員・学生などによるアートイベント。言問通り沿いの「いったんその目的や役割が失われた場所」3箇所にに作品を展示。MAPに地元の広告が入っているのが微笑ましい。

最初に、旧平櫛田中邸(写真)へ。この建物は「大正期に建造された日本初の近代的なアトリエを併設した木造住宅」で、作品展示の場としてリノベーションされたもの。肝心の作品が霞んでしまいそうなくらい魅力的な空間だった。廣瀬智央の《メイルプロジェクト09》はこちら。

旧平櫛田中邸で印象的だった作品は、平野昌史の《ごわごわになってしまったものをふわふわにするための時間(とき)》。天井の高いアトリエを半透明の布で緩やかに仕切り、そこに降り注ぐ柔らかな光の中をシャボン玉が舞う。そんな幻想的な作品だった。

続いて、上野桜木空き地へ。谷中霊園内のこの場所は、行列のできる洋菓子屋「パティシェ イナムラ ショウゾウ」のすぐ近く。中村政人の《メタユニット・プロジェクト05》はこちら。

上野桜木空き地で印象的だった作品は、中村宏太の《フードバランス》。工事用重機がコンテナを持ち上げようとしている姿は圧巻。コンテナの中を覗くと、大量消費文明を皮肉った映像&インスタレーションだった。重機・コンテナとの関連が良く分からなかったけど、とにかくパワーを感じさせる作品だった。

言問通りを延々と歩き、旧坂本小学校へ。遠いのを承知で歩いたけど、やはりレンタサイクル「自電車」を借りれば良かったと後悔。保科豊巳の《成都ビエンナーレ2005 インスタレーションドキュメント》はこちら。

旧坂本小学校で印象的だった作品は、佐藤一岳の《トシノス −坂本−》。廊下に突如出現した工事用仮塀の中を覗くと、寝床やちゃぶ台があるのにビックリ。テレビにそこでの生活風景が映ってて面白かった。このほか、森元嶺の巨大トントン相撲《トントンずもう-朝顔と共に-》や、岩井優の資源ゴミ回収ボックスで組み立てられたテーブルなどの《びんかんダイニング》も気に入った。

10月30日まで、月曜休み。

六本木ギャラリー巡り

2005-10-21 | アート感想@関東
今日は六本木のギャラリー巡り。映像作品に収穫あり。

以下、特に印象的だった展覧会。


ブブ・ド・ラ・マドレーヌ 「人魚の領土- 8月の水」

元ダム・タイプのメンバーで、アクティビスト及びセックスワーカーとして活動を続けているブブの個展。作品は床に投影された映像《8月の水》の1点だけ。ギャラリーの空間にはモノが何もなかったので、展覧会が終わったと勘違いして通り過ぎそうになってしまった(汗)。

《8月の水》は、ブブが水を繰り返し飲む線画のアニメーションから始まる。そして「8つの体液(=人魚の棲家である水)」が文字で表示されたのち、走るブブのシルエットとともに、広島・長崎の原爆を連想させるエピソードが文字で流れていく。戦争を題材にした作品の中には、強すぎるメッセージ性が作品の魅力を損なっているものもあるけど、この《8月の水》は押し付けがましさが感じられず、ストレートに胸に響く作品だった。

オオタファインアーツにて、10月22日(明日)まで。


奥村雄樹 トランスファー

爪や唾液といった「汚い」材料による「美しい」作品を発表してきた奥村雄樹の個展。こちらも作品は踊り場の壁に投影された映像《トランスファー》1点だけ。この映像、今までとは全く別の作風だった。

どこにでもあるような風景の中、黄色い風船が揺れている。突然、風船が割れ、ワープしたかのように別の場所で風船が揺れる映像に切り替わる。ただこの繰り返しなんだけど、何だか惹き付けられる映像だった。田中功起に通じるものがあると思ったら、DMの解説は田中功起だった……。

最後に風船が意外な場所にワープ。思わず探してしまった。

HIROMI YOSHII FIVE(ギャラリーミンミンの上のさらに上)にて、10月29日まで、日・月・祝休廊。

村上隆、ラジオ情報

2005-10-19 | アート情報その他
土曜の夜、村上隆と某有名社長の対談がオンエアされるとのこと。
10.22(sat)27:00-28:00(10/23(日)am3:00~)
TOKYO FM(FM80.0MHz)で、何かが起きる!?
この二人に共通するものを感じるのは私だけだろうか……。

私はいったん寝て、起きられたら聴くつもり。

10/25追記
対談の内容がアップロードされていた!
http://event.livedoor.com/murakami/talk01.html

横浜トリエンナーレ、2回目

2005-10-17 | アート感想@関東
横浜トリエンナーレ2005に行ってきた。これで2回目(1回目の記事→前編後編)。

元町・中華街駅もトリエンナーレ仕様(写真)。

前回紹介しなかった作品で、印象に残った作品を紹介。

【3号上屋 3B】

61 照屋勇賢《告知―森》:ハンバーガーショップの袋の中に繊細な造形がある作品。これまで府中などで観てきたので私はあんまり驚かなかったけど、初めてだとビックリするかも。同じ作家による《招待状》も良い作品だった。半開きのドアから聞こえてくるカザルスのチェロが美しい。

【3号上屋 3C】

63 クレイグ・ウォルシュ《クロス・レファレンス 35:27:02N/139:39:26E》:両側の壁に設置された巨大なスクリーンと、その中間に置かれたモニターで上映される映像作品。中間のモニターを見ながら左右に目を向けると、作品の仕組みがわかって面白い!

【ハトバ】

03 アトリエ・ヴァン・リースホウト《バー・レクタム》:FRPで作られた巨大な直腸。中はカフェになっていて、アルコールも飲むことができる。でも、ホットドリンクがティーバッグ等のセルフサービスなのが残念。

【4号上屋 4A】

24 堀尾貞次+現場芸術集団「空気」《あたりまえのこと》:会場内でさまざまな制作やパフォーマンスを行っているけど、なかでも《百均絵画》が面白かった。自動販売機のように100円玉を入れ、声で絵画を注文すると、1分ほどで下から作品が出てくる。《バカにした絵画》を注文して、どれだけバカにした絵画が出てくるか楽しみにしていたら、普通の抽象画っぽい作品が出てきた。裏の裏をかかれたかも……。

【4号上屋 4B】

07 ミゲル・カルデロン《ベートーベン・リビジテッド》:渋谷の名曲喫茶「ライオンカフェ」で、某首相のような髪型の客がスピーカーを前に指揮棒を振る映像。熱演する客とは対照的に、他の客が全く無関心なのが面白い。実は出演者全員がトリエンナーレ関係者とのこと。曲はベートーヴェン/交響曲第5番より第2楽章。同じ作家による《考える人》は前回紹介。

31 小金沢健人《スノーイング》:ノイズがかかったように色とりどりの雪が舞う映像。壁の高い位置での上映で、ちょっと離れて観ると大変美しい。同じ作家による2本の色が絡み合う映像《RGBY》も、シンプルだけど印象的だった。

41 ムタズ・ナスル《ジ・エコー》:左右2画面の映像。古いエジプト映画のワンシーンと、それを現代に再現した映像を、ほんの少し時間をずらして上映することにより、70年間何も変わっていないエジプトの状況を表現している。この手法を日本映画に応用したら面白いかも。

【4号上屋 4C】

19 ショーン・グラッドウェル《ラインワーク―ヨコハマ》:道路の白線や点字ブロックの上をスケボーで走る映像。足元の映像はスピード感と臨場感があった。あと、マップの位置は間違いで、正しくは4Bから入ってすぐのとこ(CHINATSUさん、情報どうもありがとう!)。3Bにも同じ作家による映像《アンタイトルド》があって、こちらはブレイクダンスをスロー再生したもの。

47 ピュ~ぴる《愛の生まれ変わり》:毛糸でぐるぐる巻きにされた建物の中に入ると、数万羽の金の折鶴が天井から下がっていて圧巻。奥に進むと、足元に不思議な雰囲気の映像があった。映像のラストもキレイ。

49 ロビン・ロード《アンタイトルド・シャワー》:白い壁に挟まれた狭い通路の奥には、シャワーを浴びる男性の姿。ドローイングによる黒いシャワーの水が何かを暗示しているようだった。

12月18日まで、会期中無休。

3回目!

横トリ、テレビ情報

2005-10-15 | アート情報その他
明日のNHK「新日曜美術館」は、横浜トリエンナーレ特集。
10月16日 日曜日放送
新日曜美術館
「体感!アートサーカス 横浜トリエンナーレ2005」
NHK教育 9:00~10:00、20:00~21:00
BS Hi  深夜0:00~1:00
出演は川俣正、黒田晃弘、堀尾貞治。これは必見!

ニュースソースは下記。
横浜トリエンナーレ イベントカレンダー
goo テレビ番組ナビ - 新日曜美術館


写真の歴史展 第4部@写美

2005-10-10 | アート感想@関東
恵比寿の東京都写真美術館に行ってきた。

10周年記念特別企画 東京都写真美術館コレクション展 写真はものの見方をどのように変えてきたか 決定版!写真の歴史展 第4部「混沌」 現代、そして未来へ

やけに長いタイトルだけど、要するに写美の充実したコレクションを用いて、写真の歴史を概観しようという展覧会。終章を飾る第4部「混沌」では、1970年から現在までの作品を展示。この時代だと、写真とアートの境界が極めて曖昧。

特に印象的だったのが、森村泰昌の《Mother(Judith I)》、佐藤時啓の《ブロッコリ、「Photo-Respiration」より》、安斎重男の《草間彌生 1976年8月 東京、「Photo-collage '70's」より》の3点。でも、これらの写真家/作家の作品が1点ずつだったのが残念。

他にも、荒木経惟杉本博司藤原新也畠山直哉宮本隆司などの作品が良かった。日本人ばかり挙げたけど、もちろんシンディ・シャーマンなど外国人の作品も多数。

展示室の外には、《カメラ・オブスクラ(暗い部屋)》が設置してあった。中に入り、暗闇に目が慣れてくるにつれて、逆さまになった外の景色が壁にぼんやりと浮かんでくる。ちなみに昼限定(10時~16時)。

11月6日まで、月曜休館。

このほか、コンテンポラリーダンスの展覧会が二つ開催中。お好きな方はどうぞ。

最後に、美術館のパソコンで所蔵作品を検索してみたら、写真家/作家ごとに数枚~数十枚の充実したコレクションがあった。今日観たのは、コレクションのホンの一部だったのか……。

杉本博司展@森美術館

2005-10-10 | アート感想@関東
六本木の森美術館に行ってきた。休日でも雨の日の午前中だったのでさすがに空いていたけど、観終わって下界に下りたらチケット売り場が長蛇の列……。ダヴィンチ展目当て?

杉本博司 時間の終わり

世界的に活躍する杉本博司の代表的シリーズを集めた回顧展。モノクロ写真から派生して、近年は建築的な作品も手がけていて、この展覧会の展示デザインも本人によるもの。

最も印象に残ったのは、真っ黒い部屋に展示されていた《海景》シリーズと《能舞台》。《海景》シリーズは、世界中の海を同じ構図で撮影したモノクロ写真。杉本の言葉どおり、古代人も同じ風景を見たと思って観てみると、悠久の時の流れに身を任せているよう。《海景》に囲まれた島のような《能舞台》は、装飾が徹底的に排除されていて清々しい。でも、この部屋で鳴っていた池田亮司のサウンドは、キーンとした音でちょっと苦手。

《建築》シリーズも印象的だった。無限の倍の焦点距離で撮影したモノクロ写真は、はっきり言ってピンボケ写真。杉本によると、これは「建設前の建築家のイメージ」で、ピンボケでも優秀な建築は「溶け残る」とのこと。確かに、《サヴォア邸》や《光の教会》など、名建築と呼ばれるものはピンボケでも魅力的だった。

直島にある《護王神社》の1/100模型や写真も良かった。直島行きたいよう……。あと、護王神社に奉納された能「屋島」の映像もある。これは必見!

最後に、私が気に入った杉本の言葉。
「芸術は芸術的野心のない物にも宿るのだ。」(観念の形)
「どんな虚像でも、一度写真に撮ってしまえば、実像になるのだ。」(剥製)
「過多な情報は無に等しい。」(劇場)

2006年1月9日まで、10月19日休館。

イサム・ノグチ展ほか@MOT

2005-10-09 | アート感想@関東
東京都現代美術館(MOT)に行ってきた。実に9ヶ月ぶり。

美術館に着くと、チケット売り場に長い行列ができていてびっくり。アニメ・マンガや印象派に頼らなくても、イサム・ノグチならこんなに入るのか!

イサム・ノグチ展

モエレ沼公園(札幌)のグランド・オープンを記念した回顧展。師のプランクーシのコピーのような抽象彫刻に始まり、「地球を彫刻する男」になるまで、約50点の作品を展示。

もっとも印象に残ったのは、高さ3.6メートルの花崗岩の彫刻《エナジー・ヴォイド》。この作品は、少しねじれた輪の形をしていて、まわりを一周すると、色・形ともに様々な表情を見せてくれる。MOTの大空間にぴったりの作品。

また、この夏オープンしたばかりのモエレ沼公園を模型(1/500)、写真、映像などで紹介していたのも良かった。この公園はいつか行ってみたい。屋外には公園の遊具が展示されていて、大人も子供も思いっきり楽しんでいた(写真)。ちなみに、ここだけは写真撮影可能。

このほか、「こどものためのガイドブック」や「子供のためのワークルーム」など、子供向けの企画が充実していたけど、大人でも十分に楽しめる内容だった。

11月27日まで、月曜休館(ただし10/10開館、10/11休館)。

東京府美術館の時代 1926~1970

東京府美術館で開催された4つの展覧会(下記)を、所蔵作品などにより再現した展覧会。日本近現代美術史を一望できる良い企画だった。

1926年 第一回聖徳太子奉賛美術展覧会
1940年 紀元二千六百年奉祝美術展覧会
1949~63年、日本アンデパンダン展(読売アンデパンダン)
1970年 第10回日本国際美術展(東京ビエンナーレ)人間と物質

12月4日まで、月曜休館(ただし10/10開館、10/11休館)。

常設展示 MOTコレクション 1920年代の東京/1960年代以降の美術

「東京府美術館の時代」展に日本の近現代作品を持って行ったためか、1階はいつもと逆回りで、現代にシフトした構成になっていた。おかげで舟越桂高柳恵里小沢剛横尾忠則の作品をまとめて観られて満足。

2階はいつものサム・フランシスのほか、1920年代の東京を描いた版画の特集展示。もちろん、最後のシメは宮島達男

12月18日まで、月曜休館(ただし10/10開館、10/11休館)。

CET05

2005-10-08 | アート感想@関東
セントラルイースト東京2005(CET05)に行ってきた。

このイベントは、東京のセントラルイースト地区の空きビルや空き家を使って、アート・建築・デザイン等の展示を行い、街全体をミュージアムにするというもの。去年も行ったけど、地図を見ながら建物を探すオリエンテーリング的な楽しみもある。

最初にCET SHOP(B17)でガイドマップとレンタサイクルを調達し、雨に降られながらも駆け足で展示を巡る。結局、日本橋、神田/大手町、馬喰町の3エリアのほとんどを回ったけど、八丁堀エリアには行けずじまいだった。

別格だったのは、日本橋ステーション(日本橋エリア、N02)で行われていた二つの特別企画展。この展示のみ有料だけど、どの作品も水準以上で500円の価値は十分にあった。なかでも私が気に入ったのは、Enlightenmentによる映像インスタレーションと、大日本タイポ組合による全ての文字が消えた写真。時間のない人や、あまり歩き回りたくない人は、この展示だけを観るのも手かも。

空きビル等を使った展示で一番のオススメは、新野圭二郎(馬喰町エリア、B19)の展示。写真《別れた二人の再会プロジェクト(思い出の場所にて)》や、インスタレーション《ある若手建築家の昨年度の年俸》など、下世話な作品が盛りだくさんで思わずニヤリ。ちなみに、CET04で話題になった「ひきこもり」の展示も、この作家によるもの。

そのほか、特に印象に残った展示は以下のとおり。

【神田/大手町エリア】

K05 二七(天野謙佑+村上貴紀)
K06 福津宣人
K06 長岡勉/田中正洋
K09 福山正紘

【馬喰町エリア】

B04 イノリナ/カワムラリュウイチ
B05 パルコキノシタ
B09 白光温泉-Experimental- (※17:30~)
B13 真柄奈津子
B14 岩城研究室@東京電機大学
B16 まくらデザインプロジェクト

冒頭の写真は、エマニュエルムホー×(株)中川ケミカル(馬喰町エリア、B12)の作品。

10月10日まで。

荒川修作情報

2005-10-07 | 建築
荒川修作+マドリン・ギンズによる「三鷹天命反転住宅」の内覧会参加者募集が始まった。でも、入居希望者のみ対象で、現場見学だけの内覧会を行ってないのが残念。あと、講演会(11/7~10)の四日連続券を買うという手もあるけど、四日連続で早く帰るなんてまず無理だし……。

詳細はこちら。
三鷹天命反転住宅 入居希望者内覧会のお知らせ