現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

横浜トリエンナーレ、2回目

2005-10-17 | アート感想@関東
横浜トリエンナーレ2005に行ってきた。これで2回目(1回目の記事→前編後編)。

元町・中華街駅もトリエンナーレ仕様(写真)。

前回紹介しなかった作品で、印象に残った作品を紹介。

【3号上屋 3B】

61 照屋勇賢《告知―森》:ハンバーガーショップの袋の中に繊細な造形がある作品。これまで府中などで観てきたので私はあんまり驚かなかったけど、初めてだとビックリするかも。同じ作家による《招待状》も良い作品だった。半開きのドアから聞こえてくるカザルスのチェロが美しい。

【3号上屋 3C】

63 クレイグ・ウォルシュ《クロス・レファレンス 35:27:02N/139:39:26E》:両側の壁に設置された巨大なスクリーンと、その中間に置かれたモニターで上映される映像作品。中間のモニターを見ながら左右に目を向けると、作品の仕組みがわかって面白い!

【ハトバ】

03 アトリエ・ヴァン・リースホウト《バー・レクタム》:FRPで作られた巨大な直腸。中はカフェになっていて、アルコールも飲むことができる。でも、ホットドリンクがティーバッグ等のセルフサービスなのが残念。

【4号上屋 4A】

24 堀尾貞次+現場芸術集団「空気」《あたりまえのこと》:会場内でさまざまな制作やパフォーマンスを行っているけど、なかでも《百均絵画》が面白かった。自動販売機のように100円玉を入れ、声で絵画を注文すると、1分ほどで下から作品が出てくる。《バカにした絵画》を注文して、どれだけバカにした絵画が出てくるか楽しみにしていたら、普通の抽象画っぽい作品が出てきた。裏の裏をかかれたかも……。

【4号上屋 4B】

07 ミゲル・カルデロン《ベートーベン・リビジテッド》:渋谷の名曲喫茶「ライオンカフェ」で、某首相のような髪型の客がスピーカーを前に指揮棒を振る映像。熱演する客とは対照的に、他の客が全く無関心なのが面白い。実は出演者全員がトリエンナーレ関係者とのこと。曲はベートーヴェン/交響曲第5番より第2楽章。同じ作家による《考える人》は前回紹介。

31 小金沢健人《スノーイング》:ノイズがかかったように色とりどりの雪が舞う映像。壁の高い位置での上映で、ちょっと離れて観ると大変美しい。同じ作家による2本の色が絡み合う映像《RGBY》も、シンプルだけど印象的だった。

41 ムタズ・ナスル《ジ・エコー》:左右2画面の映像。古いエジプト映画のワンシーンと、それを現代に再現した映像を、ほんの少し時間をずらして上映することにより、70年間何も変わっていないエジプトの状況を表現している。この手法を日本映画に応用したら面白いかも。

【4号上屋 4C】

19 ショーン・グラッドウェル《ラインワーク―ヨコハマ》:道路の白線や点字ブロックの上をスケボーで走る映像。足元の映像はスピード感と臨場感があった。あと、マップの位置は間違いで、正しくは4Bから入ってすぐのとこ(CHINATSUさん、情報どうもありがとう!)。3Bにも同じ作家による映像《アンタイトルド》があって、こちらはブレイクダンスをスロー再生したもの。

47 ピュ~ぴる《愛の生まれ変わり》:毛糸でぐるぐる巻きにされた建物の中に入ると、数万羽の金の折鶴が天井から下がっていて圧巻。奥に進むと、足元に不思議な雰囲気の映像があった。映像のラストもキレイ。

49 ロビン・ロード《アンタイトルド・シャワー》:白い壁に挟まれた狭い通路の奥には、シャワーを浴びる男性の姿。ドローイングによる黒いシャワーの水が何かを暗示しているようだった。

12月18日まで、会期中無休。

3回目!