現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

KIRIN ART PROJECT 2005

2005-10-03 | アート感想@関東
月島に行ってきた。

KIRIN ART PROJECT 2005タマダプロジェクトアートスペース

ゲスト作家と、公募で選ばれた4組の作家が同一テーマで作品を作り上げる展覧会。公募で選ばれた作家は、それぞれ第一線で活躍するキュレーターのサポートを受けて制作を行うというのがミソ。

ヤノベケンジがサポートしたのは、淀川のゴミなどを使って作品を作る淀川テクニック。旧作のほか今回の新作として、淀川のゴミを発泡スチロールトレイに梱包し、これを壁一面に配置した《ゴミ淀川産》。ゴミ・屋外というイメージと、手堅くまとめた作品とのギャップが面白かった。

椹木野衣がサポートしたのは、スタンダードな油彩画を描く大森隆義。非常にマトモな人物&風景画で、こういう絵を観るのは本当に久しぶり(苦笑)。それにしても、あの椹木野衣がこのような作家を選んだのが衝撃的だった。

後藤繁雄がサポートしたのは、顔面フィギュアのアニメーションを制作するカワイオカムラ。ちょっとクセのある映像で、ハマる人はハマりそうだけど……、私とはツボがちょっと違うみたい。

そして残念だったのは、五十嵐太郎がサポートした建築家石上純也による《テーブル》。花瓶や食器などが載ったテーブルを良くみると、天板と脚が信じられないほど薄くてビックリ!このベニヤみたいな天板は、実は厚さ4ミリの鉄板で、もともと丸まっていたものとのこと。それを構造計算の結果、見事にバランスさせて……のはずだったけど、調整中のため天板が台で支えてあった。これでは台無し!

ゲストの束芋の作品は、360度スクリーンの映像作品《ギョニる》。ギャラリー小柳で観た手のひらの複合体がワサワサしてて、グロテスクな「事件」も起こる。でも、これまでの作品ほど気持ち悪くなく、むしろ美しいとさえ感じた。単に私の感覚がマヒしてきただけなのかもしれないけど。

全体として、去年観た「ハイ・エナジーフィールド」よりずっと大人しい印象だった。まあ、去年のはそれまでの集大成だから比較する方が悪いんだけど。

10月23日まで、会期中無休。

その後、KPOキリンプラザ大阪に巡回(10/29~12/11)。