木場公園北端のMOTに行ってきた。
カルティエ現代美術財団コレクション展
カルティエ現代美術財団(パリ)の世界で初めての大規模なコレクション展。質・量はもちろん、作品サイズまでハイレベルな展覧会だった。企画展示室の全フロアを、一つの展覧会で使用するのは久しぶりかも。
1階の展示で特に印象に残ったのは次の3点。ライザ・ルーの《裏庭》は、実物大の裏庭を模した立体作品だけど、花や草の表面が全てビーズでできていてキラキラと輝いている。よくもまあ、これだけのビーズを組み合わせたもんだとしばし唖然……。ロンミュエクの《イン・ベッド》は、ベッドに横たわる巨大な女性像。部屋に入った瞬間、驚きのあまり声を出しそうになってしまった。生まれたばかりの赤ちゃんにとって、母親はこれくらいの大きさとのこと。リチャード・アーシュワーガーの《クエスチョン・マーク/3つのピリオド》は、“...?”をそのまま立体化した作品。そのまんまの感想だけど、見ているこっちまで“...?”って気分になった。
2階の小展示室では、美術界のシンデレラ・ガール松井えり菜の油彩、《宇宙☆ユニヴァース》と《えびちり大好き!》を展示。まだ学生さんなんだけど、ビッグネームの作品に負けないくらいの存在感で、財団がGEISAIで即買したのも分かるような気がした。GEISAIで観たときは、作家がオルゴールのネジを巻いてくれたけど、さすがに今回それはないみたい。
3階の展示で特に印象に残ったのは次の3点。トニー・アウスラーの《ミラー・メイズ(死んだ目が生きている)》は、1.8mの球体に眼の映像を投影したもの。この球が展示室にゴロゴロと10個転がっていて、観客はその間を歩いて抜ける。ちょっと不気味な空間だった。デニス・オッペンハイムの《テーブル・ピース》は、長さ18mの細長いテーブルの両端に2体の人形が座っていて、お互いなにやらワケの分からないことをわめいている。コミュニケーションについて考えさせられる作品。アルタヴァスト・ベレシャンの映像《我々の世紀》は、ロケット打ち上げの記録映像を編集した作品。カットが次々と切り替わり、打ち上げへの期待とともに、不安な気持ちもかき立てられていく、そして……。
地下の展示で特に印象に残ったのは次の2点。ウィリアム・ケントリッジの《ステレオスコープ》は、木炭画で人間の孤独を淡々と描いたアニメーション。物語は良く分からなかったけど、なぜだと胸がじーんと熱くなった。サラ・ジーの《立ち上がるものは全て収斂する》は、ガラクタ(?)をツル植物が伸びるように展示したインスタレーション。MOTの巨大な吹き抜け空間に、ものすごく栄える作品だった。
東京都現代美術館(最寄り駅:清澄白河)にて、7月2日まで(月曜休館)。
カルティエ現代美術財団コレクション展
カルティエ現代美術財団(パリ)の世界で初めての大規模なコレクション展。質・量はもちろん、作品サイズまでハイレベルな展覧会だった。企画展示室の全フロアを、一つの展覧会で使用するのは久しぶりかも。
1階の展示で特に印象に残ったのは次の3点。ライザ・ルーの《裏庭》は、実物大の裏庭を模した立体作品だけど、花や草の表面が全てビーズでできていてキラキラと輝いている。よくもまあ、これだけのビーズを組み合わせたもんだとしばし唖然……。ロンミュエクの《イン・ベッド》は、ベッドに横たわる巨大な女性像。部屋に入った瞬間、驚きのあまり声を出しそうになってしまった。生まれたばかりの赤ちゃんにとって、母親はこれくらいの大きさとのこと。リチャード・アーシュワーガーの《クエスチョン・マーク/3つのピリオド》は、“...?”をそのまま立体化した作品。そのまんまの感想だけど、見ているこっちまで“...?”って気分になった。
2階の小展示室では、美術界のシンデレラ・ガール松井えり菜の油彩、《宇宙☆ユニヴァース》と《えびちり大好き!》を展示。まだ学生さんなんだけど、ビッグネームの作品に負けないくらいの存在感で、財団がGEISAIで即買したのも分かるような気がした。GEISAIで観たときは、作家がオルゴールのネジを巻いてくれたけど、さすがに今回それはないみたい。
3階の展示で特に印象に残ったのは次の3点。トニー・アウスラーの《ミラー・メイズ(死んだ目が生きている)》は、1.8mの球体に眼の映像を投影したもの。この球が展示室にゴロゴロと10個転がっていて、観客はその間を歩いて抜ける。ちょっと不気味な空間だった。デニス・オッペンハイムの《テーブル・ピース》は、長さ18mの細長いテーブルの両端に2体の人形が座っていて、お互いなにやらワケの分からないことをわめいている。コミュニケーションについて考えさせられる作品。アルタヴァスト・ベレシャンの映像《我々の世紀》は、ロケット打ち上げの記録映像を編集した作品。カットが次々と切り替わり、打ち上げへの期待とともに、不安な気持ちもかき立てられていく、そして……。
地下の展示で特に印象に残ったのは次の2点。ウィリアム・ケントリッジの《ステレオスコープ》は、木炭画で人間の孤独を淡々と描いたアニメーション。物語は良く分からなかったけど、なぜだと胸がじーんと熱くなった。サラ・ジーの《立ち上がるものは全て収斂する》は、ガラクタ(?)をツル植物が伸びるように展示したインスタレーション。MOTの巨大な吹き抜け空間に、ものすごく栄える作品だった。
東京都現代美術館(最寄り駅:清澄白河)にて、7月2日まで(月曜休館)。