茫庵

万書きつらね

12音ソネット練習 - 彩雲洞日記 第一回

2011年12月20日 22時34分05秒 | ソネット

12音日本語ソネット練習。ソネットで物語詩を書いていきます。

のつもりだったのですが、なんかギャグっぽくなってしまいました。

タイトルの彩雲洞の彩雲は李白の詩に出てくる彩雲にちなんで。

あとは易学や五術の内容を盛り込んで、壮大なストーリーに仕立てていければ

いいなと思っています。

 

12音ソネット練習 - 彩雲洞日記 1



乾坤開びゃく以来時隔つこと幾星霜

気の真髄をあつめたるあまた精霊繚乱す。
いずれが神か、妖怪か。摩訶不思議な神通力を、
余すところなく発揮して、あるいは人を幻惑せしめ、
あるいは民を驚かす。

人間(じんかん)の世、まさに百鬼夜行の時。
いま、天地万物の理(ことわり)を究め、
乱れし秩序を回復せんとする一群あり。

叡知勇気仁愛の真髄を知らんと欲さば、
すべからく看よ 彩雲降魔(こうま)の譚(たん)。

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時は未来、処は宇宙。
いつの世にても変わらぬは、
天地星晨の運行と人の性。


第一回

人の歴史のはるか前、
宇宙の真気、集散の、
果てに生まれし精霊の、
魔力満つるや覇気の冴え。

人の歴史の少し前、
力増したる精霊の、
群れを束ねる頭領の、
さても不敵な面構え

あまた星々そこかしこ、
國を造りて栄えしが、
いつしか夢と消えにけり。

伝説の國、今いずこ
残るは遙かなる山河、
主人の帰還を待ちにけり。


これぞ不思議な物語、始めの一節。


12音ソネット練習 - わざわいの後で

2011年12月20日 22時10分35秒 | ソネット

12音、つまり七五調もしくは五七調の日本語ソネット練習を始めます。

ルールは、1行12音で作るほかは10音と同じです。

最近日本児童文学社協会の詩論研で震災の詩を書く事になったので、

そのお題で作ってみました。やはり12音の方がリズミカルになるようです。

 

あの日、私は客先常駐で作業をしていて、電車が止まったので

徒歩で自宅まで帰りました。地元ではそんな事とは比較にならない程の

被害が出ました。しかし、関西まで行くと、話題にすらなりません。

 

逆に、阪神淡路の震災の話題が東京でどれほど上がったでしょうか。

私はあの時は徳島にいてひどい揺れを経験しました。徳島には被災者が来ましたし、

直後は電話も繋がらなくなるなど影響が出ました。

また、鳥取島根の大地震のニュースを私はロンドンのTVで観ましたが、

東京に帰ってくると、「なにそれ?」程度の扱いでした。

 

良くも悪くも人の世とはそうしたもの。関係の薄い所は薄いなりに役目があり、

営営と各自が自分の役目を果たす事で全体のバランスを保っていく、と思います。

無関心を気取るのも、ヒステリックに義人ぶるのもどこかおかしい、そんな気がします。

 

 

12音ソネットの試み - 天地暴れし後

春浅し 午陽傾く
肌を刺す 寒さ厳しき
澄み渡る 故郷の景色
懐かしく 心に描く

禍福の差 感慨深く
なお残りたる 桜の木
命あつめて 華(はな)ひらき
香(か)は到る あの空遠く

知る者は 敢えて語らず
知らぬ者のみ 流言す
教訓は いつか消え去る

災いは 相手選ばず
なれが元へも 到来す
夢夢忘る べからざる