映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

「ハプニング ~ The Happening~」

2008年06月23日 | 映画~は~
2008年 アメリカ映画

「シックスセンス」「サイン」「ヴィレッジ」とちょっと独特のセンスの作品を作る、Mナイト・シャマラン監督の最新作です。今回の「ハプニング」はどんな不思議映画なのでしょう?

舞台はアメリカ・フィラデルフィア。ミツバチが突然姿を消し、いったい何が起こったんだろうね…と思っていた矢先、突然人々が次々死んでいきます!しかも何か病魔に冒されて、ではなく「自殺」していくのです。でも何が原因なのかわからない。とにかく人々は、その謎から逃げようとフィラデルフィアを出ますが、その手は田舎町にも伸びてきて人々を「自殺」に追い込んでいきます。


ね?何がなんだかさっぱりわからないでしょ?
でもね、これ結構面白かったです。「原因不明の何か」によって「次々に人が死んで」いって、「生き残った人たちは逃げ惑う」というのは、映画の鉄則。今年だけでももう何本も同じ鉄則を使用してます。その原因は「吸血鬼」だったり「新種のウィルス」だったり。そしてそういうのに感染した人は、今度は生き残っている人間を襲い始める・・・というのがお約束なのだけど、ここがシャマラン先生です。「自殺」するんです。その方法とか光景とか、なんだか今までに感じたことの無いような胸のざわつきを覚えます。ありふれた映画の鉄則なのだけど、細かいディテールが独特のシャマラン風味で、ほかの作品とは一線を画しています。

では俳優陣を見ていきましょうか。主演はマーキー・マーク…改め、マーク・ウォールバーグ。彼が学校の生物の先生役、というのがすでに無理のある設定で面白いです。実際、彼が登場したシーン、声出して笑っちゃいましたもの。見事な「出オチ」です。これ、なかなか出来ることじゃありません。どんなに理屈を並べても、学校の先生には見えないの。だってマーキー・マークだから。「これは無理があるわぁ。先が思いやられるわね」と心配したのですが、とにかく映画の内容と映像が独特だから、そちらに引き込まれてしまってマークが先生だろうがなんだろうが気にならなくなります。まぁ、確かに生命力は強そうよね、マーク。

そしてほかの俳優たちの「華のなさ」がこの映画ではいい方向に作用しています。「華がない」=「普通」→リアルな一般人 なの。この理屈、かなり無理やりですけど、映画を観ればわかっていただけると思います。「ああ、なんかこういう雰囲気の人っているよなぁ、たまに」って思う感じ。マークの奥さん(ゾーイ・デシャネル…でいいのかしら?的確に読めません)とか、同僚のめがねの先生とか。逃げた先で出会う夫婦とか。マークの奥さん、アメリカ人なんだけどなんだかイザベル・アジャーニを思い起こさせました。この方、『エルフ』に出ているらしい。ウィル・フェレルのクリスマス映画なんだけど、ああ、歌ってた人かなぁ。歌手でもあるみたいだし。

この映画を見る前に私が一番心配していたのは、「Mナイト・シャマランが出演しているのでは?」ということ。Mナイト・シャマランはこの映画の監督です。でもね、最近のこの方の映画では、なんと「自分が出演」しちゃうと言うことが多々ありましてね。特に前作の『レディー・イン・ザ・ウォーター』では重要な役どころとしてガッツリ出演。主役であるはずのポール・ジアマッティよりも、彼の印象の方が強く残るほど。でもね、彼が出演しなくてはならない理由なんて、私には探し出せないんです。きっと「だって、出たかったんだもん」ということなのでしょうけど。また、このお方インド系アメリカ人で、目鼻立ちくっきり。インド系なんだけど、整形前のマイケル・ジャクソン(BADとかBeat ITでブイブイ言わせてた絶頂期のころ)に似てるんです。あ、あくまで私にとってはですけど。そう、印象が強いの。強すぎるの。だから彼が映画に出演しちゃうと、彼の存在感が強すぎてバランスが崩れるのね。もう、これが心配で心配で。

でも皆さん、いいお知らせです。彼、ナイト・シャマランさん。今回は映画に登場していません!!!今回は監督のお仕事に集中されたご様子。映画も作品としてうまくおさまっています。


ところで、舞台はフィラデルフィアと書きましたが、実はわたくし、今作品の詳細をネットで調べるまで舞台はニューヨークだと思い込んでいました。だって、冒頭がセントラルパークなんだもん。だからニューヨークの学校勤務かと思ってたんだもん。でもウィキペディア曰く、「フィラデルフィア」が正解のようです。

日本では7月26日から公開。



おすすめ度: ☆☆☆☆