映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

「ワン・ミス・コール ~One Missed Call~」

2008年04月07日 | 映画~わ~
2008年 アメリカ映画

日本映画『着信アリ』のハリウッド・リメイク版です。『リング』『ダーク・ウォーター』『呪怨』と日本のホラー映画のリメイク版が最近本当に多いですね。『リング』や『呪怨』の場合はリメイクで資本はアメリカですが、日本版と同じ監督を採用していたりもしますが、今回はアメリカ人監督です。エリック・バレット(Eric Balette)という方ですが、この監督のほかの作品は私の知らないものばかり。作品のポスターのデザインを見た感じでは、ホラーっぽいものもあったのでこういう作品すきなのかもしれません。

さて肝心の映画ですが、映画冒頭から脱力です。ホラー映画なのですが、全然怖くない。わたくし、いろいろホラー映画見ていますが、ホラー映画が好き、または得意なわけではありません。恐ろしく怖がりです。そんな怖がりな私が見ても、怖くない。

一生懸命怖がらせようとはしているんです。その努力はいたるところに伺えるのですが、残念ながらまったくの逆効果で、映画の内容とは関係なかったり意味を成さないものになっていたり。単に「ドッキリ要員」として動員された小道具たちがたくさん。

『着信アリ』って、聞きなれない着信音が携帯から流れてきたと思ったら、自分が死ぬ時の悲鳴や会話が録音されている…という心理的な恐怖を描いた作品のはずなんですが、今回の『One Missed Call』ではビジュアル的な怖さに頼ってしまっているんです。怖さというより「驚かせる」「びっくりさせる」と言ったほうが的確です。

日本の怪談やホラーの恐ろしさって、あるひとつの大きな出来事が人々を震え上がらせるのではなく、いくつもの小さな不思議な出来事が積み重なってじわじわと恐怖心が煽られるというものですよね。

もちろん『One Missed Call』はアメリカ映画なので必ずしも同じ方法でなくてもよいし、「怖い」と感じる部分も日本人とは異なるのかもしれませんが、「おかしな電話メッセージを聞いた後に必ず死んでしまう」というのは「お化けがでた」とか「死体が動いた」というような見た目の怖さとは種類の違うもの。「観客を怖がらせる」ための恐怖のイメージがものすごく短絡的でした。

ただ、原作は当たり前ですが『着信アリ』ですし、物語の複雑さや細かなディテールはもちろんよいです。でもこのよさを生かしきれていないのが本当に残念。


主演女優のShannyn Sossamon(なんて読むのかしら…シャニン・ソサモン?)は頑張っていたと思います。私には「孤軍奮闘」と言う言葉が浮かんだほど。これで彼女までだめだったら、最後まで見れなかったと思う。この人どこかで見たような気がする…と思い調べてみたら、ジョシュ・ハートネット主演の『恋する40デイズ』で相手役の彼女だったのですね。独特の雰囲気のある女優さんです。

ほかに刑事役にエドワード・バーンズも出ていますが、彼がパッとしなかった。様々な映画に出ている俳優さんなのですけどね。

でもね、一番のドッキリは・・・デイブ・スペクターです。「日本がらみ」という力を発揮しているのかどうかわからないコネクションを思い切り使ったと思われるこの配役。本当にいてもいなくてもいい役なんですけど、あるシーンではやたら出てくる。彼の存在に気づいたのは映画館にいた客の中で私以外にいなかったはず(だって日本人、私だけだったし)。でもなんというか優越感に浸れない、どうでもいいトリビアみたいな…。



おすすめ度:★  これを見るくらいなら、本家『着信アリ』を見てください。



******追記(7月15日)******
日本でも7月19日(土)から公開されるようです。題名も「着信あり」ではなく、ハリウッド版の題名そのままの様子(この記事のタイトルもそれにあわせて変えました)。テレビCMよく見ますね。さて、日本の皆様の反応はいかに!!!


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