映画食い倒れ。

~映画は人生のデザートです~

個人的覚え書きのため、たまにネタばれありです。

「(原題) Office Space」

2008年12月18日 | 映画~あ~
1999年 アメリカ映画

IT企業に勤める人々の不満やストレス、その爆発の仕方を描いた作品。私はコンピューター系の会社に勤めているのだけど、職場の人のほとんどはこの映画を見たことがあるらしい。もちろん、同僚のおすすめで見た次第です。
かなりB級で、日本ではDVD発売もされていないんじゃないかなぁ。ブラピと結婚する前のジェニファー・アニストンが出演しています。

通勤渋滞、毎日変わる仕事のやり方、会社の方針、いやな上司の圧力、個性的というかちょっと迷惑な同僚たち・・・いろんな要因が溜まりに溜まって爆発。スーツ着用を拒否、仕切られたデスク間の仕切りを取っ払い、終いには釣ってきた魚をオフィスでさばく。

ストレスが溜まるのはわかる。そういう上司、いるいる・・・とうなづきたくなる。でも、ついていけない。何で魚をオフィスでさばくのよ。ジェニファーがカンフー好きでそれをきっかけに仲が進展でもいいんだけど、「本文と関係ない」感じで無理やりっぽい。私個人としてはものすごく退屈だった。同僚たちにはすこぶる評判のようだけど。自分たちと共通するストレス、そして彼らの願望が映画の中でかなえられてるのか?もしそうだとしたら、わたし、まだ職場に馴染みきっていないのね、きっと。


10年も前の映画だけど、ジェニファーは全然変わってなくて驚きます。私的見所はそこ。だからといって彼女のファンではありませんけど。


おすすめ度:☆

「バスキア ~Basquiat~」

2008年12月18日 | 映画~は~
1996年 アメリカ映画

学生のときにDVDでみて、すごく楽しんで心躍った覚えがあるのだけど、久しぶりに見てみたら・・・あれ?全然感覚が違う。ここまで違うのも珍しいくらい。

フランス出身のバスキアはNYでアーティストとして成功しようと夢見る。公園にダンボールを置いてその中で眠り、なじみのカフェではソースをテーブルにぶちまけてスプーンや手を使って絵を描く。そこで出会ったジーナと恋人同士になるが、成功を手に入れていくにつれてジーナとの間に溝ができ(完全にバスキアが悪いんだけど)、自分の作品をめぐって人々が利権を争うようになり、信頼を寄せていたアンディー・ウォーホルが亡くなり、そして自分もオーバードースが原因で早死。

実在の芸術家の自伝映画です。このバスキア役の俳優さん(ジェフリー・ライト)が、抜群なのよ。そのものなの。いや、バスキア本人のことは知りませんけど、「演じている」と言う空気が無いの。この人、先日見た『007 慰めの報酬』に出ているらしいんだけど、いたっけ?・・・いや、いたっけ、というより映画の内容もほとんど覚えていないので思い出しようがないんだけど(殴)。恋人であるジーナ(クレア・フォーラニー)のきれいなこと。当時のNYだって人種差別はあっただろうから、バスキア(黒人)とジーナ(白人)カップルってそれだけで珍しかったんじゃないかと思う。

アーティスティックと言えば聞こえは良いけど、要は変わってるのよ、バスキア。だってテーブルにソースを塗りたくって、そこに指で絵を書くのよ。しかもまだ無名のとき、普通の人に受け入れられるわけが無いでしょ?でもジーナは受け入れてくれるのね。彼女がすごく魅力的なのよ。包み込むような優しさがあって、だからといって母親と息子のような関係ではなく、若いんだけど精神が成熟していると言うか。でもバスキアは自由奔放(+ジャンキー)で、ジーナを傷つけてしまうのね。そら離れていくわよ。


前回見て私がものすごく楽しめたのは、たぶんバソキアが生み出す絵に心うたれたんだと思うのよ。私の中には存在しない絵ばかりで、「こんな才能がいたの!?」と言う衝撃だったんだと思う。だから物語の内容は全然覚えてなかったんだけど(あ、毎度のことですが…)、バソキアのたたずまいとかアートが楽しくて新鮮だったんだと思う。10年後の今見てみると、自分の好きな芸術の傾向が前とは違うのね。それに自分の世界に無いあらゆるもの、例えば薬物だったりモダン・アートが生まれてくると言うその現場だったり、バスキアのむちゃくちゃだけどかわいらしさのある人柄だったり、そういうものを世の中の一部として吸収したかったんじゃないかと思う。それはドラッグを認めるという意味ではなく、「世の中にはそういう人もいる」というケースを自分の中に蓄積していく時期で、知らない世界を知りたくて仕方が無かったんだと思う。『バスキア』は私の知らない世界の話で、どう近所を探してみたって見つからない環境、出来事、状況だったから、学生だった私はそれが楽しかったんじゃないかと。


あらためて作品を見てびっくりしたんだけど、出演者がすごく豪華なの。
アンディー・ウォーホル役がデヴィッド・ボウイ。これがまた胡散臭いのよ。そこがいいんだけど。アンディーのマネージャーがデニス・ホッパー。バスキアのバイトの同僚が、ウィレム・デフォー。この映画の中でウィレム・デフォーに一番びっくりしたかもしれない。『プラトーン』の嫌な奴の役とか、マドンナと共演した『ボディーヒート』という3流映画とか。灰汁が強くてクセのある映画の出演が多いイメージなんだけど(バスキアも十分クセはあると思うけど)、この中のウィレム・デフォーはさわやかなの!たぶん映画の中で誰よりもさわやか。しかもちょっと髪が長めなのね。そしてアーティストの卵だったりするのよ。いやー、驚いたわ。ほかに、親友役にベニチオ・デル・トロ、ゲイリー・オールドマンやコートニー・ラブとか。この人はそのままの役だったけど。


・・・と長々と書きながら、実はちょっと退屈でした。映画の中に入り込むのが難しかったです。でバスキアという芸術家の存在や、現代アートへのとっかかり、それを取り巻く人間模様を知るにはいい映画かとおもいます。


おすすめ度:☆☆★



「フォー・ウェディング ~Four Weddings and a Funeral~」

2008年12月18日 | 映画~は~
1994年 イギリス映画

ヒュー・グラントとアンディー・マクダウェル主演のコメディーです。4つの結婚式と1つのお葬式を経て繰り広げられる、ヒュー演じるイギリス人青年チャールズとアンディー演じるアメリカ人女性キャリーの恋愛模様。日本の題名では『フォー・ウェディング』となっていますよね。英語の題名を知るまで、この「フォー」って数字の4の意味の「Four」ではなく「フォー」だと思っていました。そう、結婚するために、とか結婚に向かって奮闘する物語だと思っていたのよね。実際は4つの結婚式という意味でした。

私はこの映画を今回初めて観たのですが、テンポがよくてイギリス風味の笑いがちりばめられていて面白かったです。イギリス人、特に女性はこの映画が好きという人多いんじゃないかな。


私が初めてイギリスに来たのは2004年なのだけど、アンディーはイギリスのテレビCMによく出演していて、ちょっと驚いた覚えが。最近は彼女が映画に出ているのを全然みないと思ったら、久しぶりに見た彼女は化粧品のCMのなか。そのメーカーのキャラクターのようで、もう出ずっぱり。もちろん2008年現在も彼女のCM続行中。これってやっぱり『フォー・ウェディング』効果だと思うんだけど、実際のところどうなんだろ。


さて映画の内容はと言いますと、シャイなイギリス人青年と、なんだか大胆なアメリカ人女性がいくつかの結婚式(+お葬式)で何度も出会い、月日を経て晴れてカップルになるまでの物語。初対面でお互いに好意を持ち、ベッドイン。初めはお互い遊び。女性もすっきりしたもので後腐れなし。しかし2度、3度と友人の結婚式で再会し、毎回お泊りするにつれて、ヒューは彼女に思いをはせるように。でも彼女はするりと自分の元を離れて、別の男性と結婚。ヒューは元彼女との結婚を決意するのだけど、式の直前に彼女がだんなと別れたことを知る。

映画がコメディーで、アンディーはイギリス人女性とは違った魅力を持つアメリカ女性。確かにすごく輝いているのだけど、冷静に彼女の存在を考えてみるとこれがやな女なのよ。ヒューは完全に都合のいい男。これが男女の立場が逆だったら、映画になり得ないくらい。ヒューのことは完全に遊び。彼が自分に好意を持っていることも絶対わかっているはず。そうじゃなかったら、婚約者がいるのにヒューを誘ったり、ヒューの結婚式直前に「実は別れたの」なんて言わないわよ。魔性の女なのよ。絶対に恋愛においてライバルにはなりたくないタイプ。私個人としては、友達付き合いするのも結構きついわ。友達いるのかしら、この女。


でも映画って怖いわよね。こんなに恐ろしい女なのに、映画の中ではすごく魅力的なのよ。アンディーはこの役を勝ち得て、その後安泰だものね。魔性の女を演じたはずなのに、化粧品会社のキャラクター、ゲット!出演した映画のイメージでその後の仕事がうまくいかなくなることだってあるわけじゃない?ディカプリオはタイタニックのあと、そのイメージを払拭するのに何年もかかって苦労していたし。アンディーの場合は、人々が抱くイメージの上にうまく乗っかったとでも言うのかしら。うまい方法よね。

なんか、映画の感想になってないわね。面白かったわよ。ええ、とっても。主演の二人のみならず、周囲を取り囲む人々も個性豊かで、見ていて飽きない作品。若いヒュー・グラント、必見です。人気出るの、わかるわ。



おすすめ度:☆☆☆


いい画像がみつからなかったので、またのちほど。