Hei!(「ヘイ」って読んで「やあ」って意味)~義務教育世界一の秘密

義務教育世界一の国の教師養成の実態を探る旅。フィンランドの魅力もリポート!その他,教育のこと気にとめた風景など徒然に。

[aetube] How to draw a sketch クロッキーの仕方

2008年06月09日 | Weblog
youtubeをはじめとしたinternet動画を,どのように教育利用できるか探っている。第一弾として,[aetube](エーイーチューブと読む)なるデータベースを,遅々としながらも鋭意作成中だ。

テストとして,少々前になるが「How to draw a sketch クロッキーの仕方」というのをつくってみた。描いているのは博士課程前期1年のYさん,学部時代は芸術学部で油絵を専攻,卒業後専門学校でファッションデザイン関係の講師をした後(今年も在職のまま),教育の勉強をしたいと,今年度から本学大学院に入学した。10分間という時間制限以外は何も指示せずに,「クロッキーしてみて」とだけ言って彼女にやってもらったのがこの動画。

[aetube] How to draw a sketch クロッキーの仕方


意外な描き方だった。デッサンだっていう人も少なくないだろうが,「ほうほう,描き方っていろいろだねっ」とも思う。こんな様々な描き方がきちんとアーカイブ化されて初めて,本当の基本が導かれるのではないか。

さてさて,なぜこんなことを始めたか。

芸術のもつ教育効果を本当に生かすためには,本人の自己判断・自己決定が不可欠だ。杜撰を承知で言えば,自己判断・自己決定ないところに表現はない。誰かの指示があってそのとおりに手を動かしたとしても,そこに自己判断・自己決定がなければ,それは山本鼎が大正時代に指摘したように「塗った役目をしただけ」に過ぎなくなるのだ。

その指導。本人が自己判断・自己決定できる意志と能力を持っている場合には,「突き放し」が必要なケースがある。しかし逆に,突き放してしまうと自己判断・自己決定できないような場合もある。そんなときに突き放すのは,単に指導放棄しているに過ぎないことになる。適切な対応は学習者の実態によって違うのであって,指導者は指導の内容と方法を場に応じて変化させる能力が必要だ。

問題は,突き放すと自己判断・自己決定できない場合だ。ではどうするか。例えば,具体的な方法を複数提示し,どれを選択するか,あるいはそれらを選択するか選択しないか,さらには,それらをヒントに今一度自分で考えてみるか,などの判断ができるようにするのだ。こんな方法は,生徒の自己判断・自己決定を保障し促すことにつながる,有効な一つの方法だろう。今回お見せしている[aetube]は,自己判断に迷った児童・生徒にそのような場を提供することを一つの目的としている。

※[aetube]でつくってほしいもののリクエスト,映像素材を提供してくれる人,お手伝いをしてくれる人・・・いろいろ募集中!あ,ボランティアですけど
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする