Hei!(「ヘイ」って読んで「やあ」って意味)~義務教育世界一の秘密

義務教育世界一の国の教師養成の実態を探る旅。フィンランドの魅力もリポート!その他,教育のこと気にとめた風景など徒然に。

真言/オン・・・

2006年05月30日 | Weblog
誰が書いたどんな本で読んだかは定かでない。しかし,妙に納得し記憶してしまった真言がある。

ここで言う真言とは,広辞苑によれば「②(梵語mantraの訳語)密教で,真理を表す秘密の言葉。呪。陀羅尼。(後略)」である。かの弘法大師空海は,梵語で書かれている仏の言葉(真言)の不思議な力に着目し,あえて翻訳せずに梵語のまま日本に持ち帰ったという。

不動明王真言「ナウマク・サンマンダ・バザラダン・センダ・マカロシャダ・ソワタヤ・ウン・タラタ・カン・マン」や,観世音菩薩真言「オン・アロリキャソワカ」,釈迦如来真言「ナウマク・サンマンダボダナン・バク」などは比較的よく知られているのではないか。何らかの願いがある時,これらの真言を一心に唱えると,仏に通じ願いが叶うという。おまじないである。

さて本題。紹介したかった真言は・・・

「オン・ニコニコ・ハラタテマイゾヤ・ソワカ」

そう。既にお分かりのとおり,実はこれ,本当の真言ではない。「ナンチャッテ真言」(!バチがあたるか?)である。しかし,実にうまいと思わないか。怒りの業火に身を焦がしてしまいそうになったその時,この(ナンチャッテ)真言を心の中でひとたび一心に唱えれば,不思議と落ちつくという。怒りの炎を鎮めることができるのだ。ウソではない。私が試してみた。オススメである。

※仏教のことを取り上げてはみたものの,ここはいかがわしき宗教ブログに非ず。心配ご無用に(^o^;願います。
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授業と釣り

2006年05月29日 | Weblog
授業は釣りと似たところがある。

釣りをする時には,釣りたい魚がパクッと喰いついてくれるように,どんなエサを好むか,何匹のエサをぶら下げているのが一番喰いつきたくなるか,水面からどの程度の深さに仕掛けるのがいいか・・・等々,魚の習性を読みつつ,あれやこれやと仕掛けを考える。読みがうまく合っていれば見事に釣り上げることができるし,はずれると1匹も釣果がでないことになってしまう。

授業はどうだろう。子どもたちの本当の学力を高めるためには,学習内容に興味がわくようにし,よく考えたり子どもにとって新しい情報を採り入れたりすることができるようにしなければならない。発達段階や既習事項などの現状を見極め,学習の目標を達成するためにはどのような内容を扱うのがよいか,どのタイミングで何をどのように提示し考えさせるのがよいか。積極的に見せる情報は何か,見せない情報は何か・・・工夫の為所は無数にある。釣りと同じく,読みがうまく合っていれば見事に活発な授業が展開されるし,はずれると全く沈滞した授業になってしまう(沈滞した授業や威圧で静かにさせている授業を「集中した授業」であるなどと勘違いするのはもちろん論外だ)。

今,授業において「喰いつく」ことに着目して釣りと似た点を挙げたが,単に面白いことに反射するように誘導せよと言いたいのではない。喰いつくことは始まりにしか過ぎない。そこから彼らが能動的に自らの学びを始め工夫や探求をし確かな学力が得られるように,どんな授業も可能な限りの工夫をすべきだと言いたいのだ。

特に表現を主眼とする教科では,子どもが本当に表現したい主題を見つけることができるような指導の工夫,表現したい主題を最もよく表す材料や技法や視点などを見つけられるような指導の工夫が求められる。教師が一方的に決めたやり方を一方的に説明し,その説明どおりに「作業」させるようなやり方は,そもそも表現とはなじまない。それはどう転んでもやはり作業なのだ。釣り人になったつもりで授業の仕掛けを数多く作り,その工夫で子どもたちを授業でしか辿り着けない表現の高みに導いて欲しい。
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教育実習

2006年05月28日 | Weblog
そろそろ教育実習が始まる。

実習中君たちは,目の前にいる生徒たちに「作業」を指示することで満足することはないだろう。心から学習したくなるような仕掛けを考えるはずだ。そのためには,何より「見ること」と「考えること」といった内面的な活動を大切にして欲しい。

幸いなことに,附属には多くの授業名人がいる。君たちに見せてくれるその授業は,学習目標を達成するためのさまざまな仕掛けにあふれているはずだ。生徒の興味・関心を高めて内発的に動機付け,そこから始まる追究活動に導く授業は,君たちに教育の醍醐味を味わわせてくれるに違いない。

だからこそ,指導教員によって行われた,あるいは行われなかったあらゆることが,どのような意図に基づいていたのかを考え,質問し確かめて欲しい。ただ単に聞くというより,このように考えたのだけれどもそうでしょうかと聞くのだ。自分がまず考えること,そしてそれを確かめること。そのことによって,君たちは教師としての力量を,少しずつ高めることができる。

教育実習でうまい授業ができるなんて考えは,最初から捨ててしまえ。そんなことできるはずがない。だって,教職歴ウン十年の名人先生だって,悩みながら日々の授業をつくっているのだ。教育に関する知識をホンの少し聞きかじった程度の大学生に完璧な授業などできるはずがないではないか。もしできたと思ったら,むしろ大切なこと見逃していることを疑うべきだろう。それだけ授業は奥が深い。だから成功-失敗ではなく,ただ誠実に一生懸命やること,それだけだ。

健闘を祈る。
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因果

2006年05月25日 | Weblog
「因果」という言葉をご存じだろう。仏教用語だ。しばしば「応報」とセットで使われ「因果応報」と目にすることが多いはずだ。

因果の因は原因,果は結果。つまり因果とは,原因と結果である。世の中に起こるあらゆることには原因と結果がある。原因があればこそ,結果がある。結果あるところには必ず原因がある。

自分にとって良いことも悪いことも,元をただせばその原因になることが必ずあるのだ。だから,あらゆる事は偶然でなく必然だということにもなるだろう。もちろん,どうにも不条理な「因果」関係に納得できないということも少なくない。これが大いに心を悩ますのだ。ただ,自分の納得できる因果関係になかったとしても,別の人にとってみれば,それなりにつじつまがあっていることだってあるのだ。このことは観念して知っておくべきことなのかもしれない。決してあきらめよ,というわけではない。自らの行動が引き起こすことに注意しなけりゃということなのだ。

人と接する仕事をしていると,実にいろいろなことが起きるものだ。感激することも多いし,腹立たしいことも少なくない。ただ,冷静に状況を分析してみると,身に起こるどんなことも,自分がそれまでに行ったざまざまな行動や表情,心遣いなどが直接間接の原因になっていることに気付くのだ。良いことであれば,さらに増やしていきたい。悪いことであれば少しでも減らしていきたい。その鍵は原因をつくる私自身にある。
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授業で勝負すること

2006年05月23日 | Weblog
2006年5月22日早朝,大阪市の市立中学校で「ガラスが割れる音がする」と通報があり,駆け付けた警察官が校舎1階の窓に石や植木鉢などを投げ付けている同校2年の女子生徒3人を発見,逮捕・補導などした。3人は「勉強についていけず,むしゃくしゃしてやった」などと話している。

子どもたちのとった行動は言語道断である。認めることはできない。しかし,彼女らの「勉強についていけず,むしゃくしゃしてやった」という動機を考えると,このような状況にまで子どもたちを追い込んだ学校の学習指導について考えないわけにはいかない。

彼女たちは日々の授業でどれだけ追いつめられていたのだろうか。彼女たちは「わかる」ことをどれだけ求めていただろうか。それを思うと,胸が締め付けられるように痛い。中学校の教員を責めるという意味ではない。我々教育に携わる人間は,授業が持つ意味をこれまで以上に自覚し,授業を通して子どもたちに確かな学力を保障しなければならないということだ。

これまで放映された,学校が舞台になるさまざまなテレビ番組では,いつの時代も庶民の願いを反映した教員が登場する。そして必ずと言っていいほど,教員の人間性,人としてのあり方が注目される。だから,教員が人間味豊かな人物であることはもちろん我々庶民の願いであり,否定はできない。

ただ,それ以上に大切なのは,そして学校で最も大切にしなくてはならないことは,日々の営みである授業の質がどのようなものであるかにこそある。授業を行った結果として,授業を行わない自然状態に比べて「より良く変化する」事実があってこそ,授業を行う意味があるのだ。それだけ,日々の授業は重いことに気づかなければならない。授業の追究を忘れて,人間性で人を教育しようなどと考えるのは,傲慢でしかない。教育のプロであるなら,授業で勝負すべきだ。
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教育の奥義

2006年05月17日 | Weblog
教育の奥義とは何か・・・答えはこの写真にある。
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オランダはアムステルダム・スキポール国際空港で撮影した男子用便器だ。アホかと言われるが,実はこの便器の写真が撮りたくて,2年前の秋,わざわざオランダまで行ったのだ。フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」で有名なマウリッツハイス美術館でも同じ便器が使われていた。残念ながら日本では同じものを見たことがない。

この写真がなぜ教育の奥義を語るのか。便器の中に頭をつっこむつもりで「一歩前へ」眼を近づけて欲しい。便器の中に何かいるはずだ。そう,ハエだ。このハエこそが究極の教育の姿を我々に語ってくれる。

でもよく見ると,このハエ,どうもおかしい。動かないのだ。写真だから動かないのではなく,実際に便器に頭と手を入れてハエを捕まえようとしても(誰がそんなことするんだ!)動かない。弱っているのではなく,実はこれ,便器にプリント(印刷)されている。

前に「一歩前へ」なんて書いたけど,そう,便器ではしばしば,一歩前に出て用を足すことを求められる。ちゃんと書き物を貼ってくれているトイレも多い。しかし,オランダではハエ1匹である。す・る・と・・・

便器の前に立ったすべての男子の本能が突如として働きだし,一歩前へ歩み,便器の中央少し左にのんびりと休むハエにめがけてゴルゴ13のように正確に射撃を始めるのだ。誰も「一歩前へ」なんて求めないのに。結果として便器の周りが汚れない。OH!

「○○しなさい」なんて求めないのに自然と「○○したくなる」。これこそ,教育の奥義である。
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2005.10.13教科内容の総合的な取り扱い(技術工作/Aki Rasinen先生②/2)アップ

2006年05月12日 | Weblog
昨日に引き続いて,昨年ユヴァスキュラ大学で実施した授業観察及びインタビューなど,報告書に記載したことをアップ。
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2005.10.13/教科内容の総合的な取り扱い(技術工作/Aki Rasinen先生①/2)アップ

2006年05月11日 | Weblog
遅ればせながら・・・2005.10.13に行ったインタビュー概要をアップ。技術教育を取り上げて,教科の総合的な取り扱いを重視することについて。
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びみょう

2006年05月05日 | Weblog
いいか悪いかの判断がつかなかった時に「びみょう(微妙)」を使う人は58%。なんと10代では96%を超えていました。文化庁の行った調査(16歳以上男女3千人対象,有効回答73%)から。

では皆さんは「やばい」をどんな時に使いますか?・・・素晴らしいやすごい,おいしいなどの意味で使う10代は71%だったそうです。なるほど,テレビのバラエティ番組ではしばしば耳にするように思います・・・。

また「うざい」は全体で17%,10代で70%でした。皆さんも使っているのですか?そう,面倒くさいことや不快感を表す言葉ですね。

ことばの使われ方は時代とともに変わるとはいうものの,意味が通じれば何でも良いというのではないでしょうし,これらのことば,気さくな人柄を演出するということともまた違う気がします。前にも書いたように,ことばは人の心の内面を映すもの。だからこそ,自分の口が何を選ぶかをよく考えたいものですね。
(2005.7記)
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企業が求める資質

2006年05月01日 | Weblog
就職活動中の大学生で自分の「主体性」に自信がある学生は28%。一方,企業の84%は「主体性」を求めていた。「主体性」は,「自らやるべきことを見つけて積極的に取り組む」と定義したもの。

「実行力」に自信のある学生が35%である一方,企業の81%が「実行力」を求めていた。「課題発見力」に自信のある学生が39%である一方,企業の79%が「課題発見力」を求めていた。

上向きになってきたとはいえ,就職は依然難しいという。しかし,そもそも企業が採用したい人材になっていなければ,どうにもしようがない。企業は人「財」を求めているのだ。受かる人は一目瞭然,求められる人材であるかどうかは,君の「今」が決めている。今できなければいつになったって決してできはしない。Let's BEGIN!
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