Hei!(「ヘイ」って読んで「やあ」って意味)~義務教育世界一の秘密

義務教育世界一の国の教師養成の実態を探る旅。フィンランドの魅力もリポート!その他,教育のこと気にとめた風景など徒然に。

空き缶を拾う人たち

2006年12月11日 | Weblog
今朝方,広大中央口という,大学本部に最も近いバス停でのこと。先に停車したバスから降りる人たちを見るともなしに眺めていた。

すると,年の頃50前後だろうか,妙な動きをする数名の人たちが目に入った。バスから降りて職場に向かうであろう急ぎ足の踵を返し,1メートルほど戻って腰を曲げ手を伸ばしているのだ。

ん?何をしているんだ?

彼らの伸ばした手がつかんだものを見て,ようやく事情が呑み込めた。空き缶である。バス停のベンチ周りに缶コーヒーだろうか,2~3の空き缶が転がっていたのだ。それらを拾い,手に持ったまま彼らは目の前から消えた。ほんの数秒の出来事だ。

ベンチの前を横切ったときに空き缶がふと視野に入ったのだろうが,彼らはどうしてこのような行動をとったのだろう。寒い朝のことだから,1秒でも早く部屋の中に入りたいと思うのが人情だ。それなのに,である。

おそらく,大学本部に最も近い,玄関口とも言えるバス停に空き缶が転がっているのは,広島弁でいう「ブサイク」な状況だと思われたからだろう。事務職員の方なのか教員なのかは分からないが,こんな人たちが本当に広大を愛し支えているんだと思わざるを得なかった。一方,自分が同じ状況で同じように行動しただろうかと考えると,正直なところクエスチョンマークだ。反省しきりである。

広島大はUI(University Identity)の目指す人物像として「挑戦する意欲を持ち,行動を起こす人材」をイメージしている。巨額な研究資金を得たり集客力の高い行事を行ったりすること「も」もちろん大切だが,空き缶を人知れず拾うといった目立たない行動を行う人たちによって「も」,本学は支えられている。どちらも目指す人物像であることを忘れずにいたい。
コメント
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