Hei!(「ヘイ」って読んで「やあ」って意味)~義務教育世界一の秘密

義務教育世界一の国の教師養成の実態を探る旅。フィンランドの魅力もリポート!その他,教育のこと気にとめた風景など徒然に。

逃げずに正面から

2011年06月30日 | 教育・研究・ひとの育ち
教育実習では多くのことを学べる。本当に学ぼうとする姿勢と正しくものを見つめる目を持っていさえすれば。

ある学生が話してくれたのだが,学校で子どもとコミュニケーションを取ろうと思ったとき,うまくできなかったそうだ。それを見た指導教員は,学生に「嫌われることを恐れていて教師として指導すべきことをしていないのではないか」と指摘をしてくれたそうだ。

それを聞いた学生は「教師は表面的に心地よいことを話すばかりではダメで,本当に子どものことを思ったら,耳に痛いことでも,嫌われそうなことでも,逃げずに正面からきちんと指導しなければならない。それが本当に子どもを大切にすることだ。」と深く理解し,どんなことでもきちんと指導しようと心に決めたそうだ。

私からは「本当にそれがわかっているのなら,今,耳に痛いことを敢えて言ってくれる人に対して心から感謝できるはずだろう」と返した。本当の理解を期待したい。
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バスの中の人

2011年06月27日 | 旅行・交通
通勤で高速バスに乗っていると,いろいろな人のいろいろな様子を見かける。

大きく口を開けて寝込んでしまっている人,外でも自宅でもなかなか休みを取ることができず,バスが唯一の安息の場なのだろうか。一方,時間を惜しむように本や雑誌を読んでいる人も。キャリアアップを目指しているのか,自分の人生を豊かにしているのか。はたまた泥縄で予習をしているのか。様々な人間模様が見られる点で,バス車中はとても興味深い場の一つだ。

先日,通常席が満員になり補助席を出さなくてはならない状況になった(高速バスは立ったままでは乗車できない!)。その時,補助席をゆっくりと慎重に動かし,ほとんど音も立てず丁寧に倒して静かに座る人がいた。立ち居振る舞いの美しさは一朝一夕に身につくものではないから正直感動した。

他にも,自分のアタッシェケースを必ず網棚というか,頭上スペースに置く男性にも時々出会う。その人は乗客が乗ってこないというところまでバスが進むと頭上スペースからアタッシェケースを取り出し自分の横に置き直される。自分の荷物がこれから座ろうとする人の心理的な圧迫にならないよう配慮されているのがよくわかる。単に座れるとか座れないとかの問題ではなく,後から乗ってくる乗客が座りやすいように細やかに心遣いされている様子は見倣いたいものだと思う。バスの中は人柄が自然と現れる場なのだ。
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藍染め 絞り

2011年06月24日 | アート・動画
本日4コマ目,藍染めの絞りを行った。単に実技をするのではなく,それをどのようにワークショップ指導者として進めるかの視点で行ったもの。今日は本番前の試行であって,今日の検討を基にワークショップを実施する予定。そのことによって教員や指導者としての教育実践的資質を高める,のだ。

ワークショップのリードは広島市立大の染織を卒業し本学大学院で美術教育を学んでいる丹内さんによる。そしてサポートしてくれるのは学部生の深田さんや研究生の王さんだ。実際のワークショップまでにはまだまだブラッシュアップしていくはずだから,ますます期待が高まるぞ!
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エキスパート教員の研究発表

2011年06月03日 | 教育・研究・ひとの育ち
今週の木曜日,広島県教育委員会による平成22年度エキスパート研修修了認定者の研究発表会が広島大学で行われた。

私が昨年度1年間関わらせて頂いたのは,呉市立広中央中学校の金元博基先生。1年間で10回程度の研修を大学で行い,修士論文と同等の研究を行うことが課せられていた。

実はこの金元先生は広島大学のご出身,また私も学生時代から知っており,後輩にもあたる人物だ。学生の時にはすごーくかっこいい男!という印象が強かったのだが,久しぶりに再開したら,それに加えて素晴らしく実力のある先生になっておられた。感激もの!

今回行った研究題目は「関心・意欲を高める鑑賞指導の工夫改善ー「対話による鑑賞」と「アートゲーム」を通してー」だった。芸術の授業は得てして全体論的に評価されることが多く,分析的な視点が欠落しがちだ。もちろん教科の特性をふまえればそれはそれで必要なことなのだが,しかし分析的に検討をすることで見えてくることもある。

この研究では,「対話による鑑賞」と「アートゲーム」を組み合わせた提案授業が鑑賞意欲や言語化意欲,さらには鑑賞能力をも高める上で有効であったことが確認された。特に,アートゲームによって見る視点を獲得したことが鑑賞意欲の高まりにつながり,更に対話によって他者と交流を図りながら鑑賞能力を高めていった展開は,新しい学習指導要領で示される鑑賞領域の改善を図る上で大きな示唆を与えてくれるものであった。

広島大学の卒業生がエキスパート教員として広島県の教育をリードしてくれることは,殊の外うれしいことだ。更なる研究の発展を期待したい。ね,金元先生,これは始まりですよー(^_^)v。


呉市立広中央中学校の金元博基先生


研究の概要


成果と課題
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気持ちのいい二人

2011年06月01日 | 教育・研究・ひとの育ち
通勤のバス待ちのために並んで列をつくっていた時のこと。私の目の前の女性に「おはよう!」と声をかける女性が現れた。

様子からして友人の大学生らしいのだが,二人が一言二言話し始めた瞬間,私は「困ったな」と思ってしまった。「弱ったな」だったかもしれない。それは,ある注意をしなければならないかもしれないという不安がよぎったからだ。

というのは,以前同じような状況のそのときに,あとから来た大学生がそこでしゃべり込み,バスが来るとそのまま列の並びを無視してバスの中に入ってしまうことがあったからだ。簡単に言えば順番抜かしだが,一回や二回ではない。

さすがに私でも,目の前でそのような振る舞いが行われたときには,知らない若者ではあっても「きちんと後ろに並んでバスに乗りなさい」と注意したことがある。

しかし,自分と離れたところでそれが行われたときには,それもバスがやってきて列が動き出した状況で追いかけてまで注意することはしていない。

注意することはそれだけでエネルギーのいることだ。見知らぬ人に対してだったらなおさらだ。いろいろな(!)危険を冒してまで注意をするというより,できるだけ知らぬふりで関わらないのが得策というのが大方の正直な気持ちなのかもしれないとも思う。ホントはそれじゃあいかんのだが,敢えて注意をする負担感は小さくない。

ところが心配をよそに,後から来た女性は友人との話の後そのまま列の最後尾に歩みを進めた。注意せずにすんで,心の中では正直ほっとしていたと思う。そして目の前にいた女性はそのすぐあとに友人を追って同じく列の最後尾に並び直していた。当たり前といえば当たり前の行動なんだが,それがあまり期待できないこのご時世,とても気持ちの良い二人だった。


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