Hei!(「ヘイ」って読んで「やあ」って意味)~義務教育世界一の秘密

義務教育世界一の国の教師養成の実態を探る旅。フィンランドの魅力もリポート!その他,教育のこと気にとめた風景など徒然に。

いとなみ展 -母と子の絵画展-

2023年08月21日 | アート・動画

いい展覧会です。お薦めです。ぜひご覧になってください。

三根ゼミの卒業・修了生である篠原佳恵さんが,お子さんの縁さんと共に,母と子のリアルな「生きる」痕跡を通して,生涯にわたってアートに関わり続ける喜びを教えてくれます。

なによりいいのが,画像上半分に示されているのかな,縁さんの手がもたらす,自己判断・自己決定の結果。

形や色や材料に表れたこの造形は,縁さんが気に入った,あるいは気に入らなかった,その結果を表すものです。

そう。これは縁さんの人格そのもの。だから,これこそが「自己」表現なのですね。そしてこれが肯定されて「自分」→「私」になる。

会は昨日から始まりました。第2日の今日は奇しくも篠原さん!(^^)!回目の記念日(のはず)。記録にも記憶にも残る展覧会でしょう。おめでとうございます。

■場所■府中天満屋(広島県府中市府川町186番地の1)

■会期■8月20日(日)~27日(日)9時~20時
※最終日は17時まで。

■出展者■篠原 佳恵・篠原 縁
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原爆78忌

2023年08月06日 | Weblog
あの日から三四半世紀をすぎ,ヒロシマが七十八年目の朝を迎えた。毎年のことだが,過去の文章を使い追記する。

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原子爆弾[Link(Wikipedia):リトルボーイ]。

大国の思惑によって,当時の広島市の人口35万人(推定)のうち9万 - 16万6千人が被爆から2 - 4か月以内に死亡・戦死し,原爆投下後の入所被爆者も含め56万人が被爆したとされる。

[Link(Wikipedia):広島市への原子爆弾投下

私自身は戦後の大阪市生まれでヒロシマの惨禍を直接は経験していない.。しかし,40年くらい前に広島大学の学生だったあの日,「平和教育」という講義で藤井敏彦先生に問われた。

「君たちは原爆死没者慰霊碑の碑文は誰がつくったものか知っているか。ヒロシマに学ぶ学生として世界の人たちに平和を伝えるとき,碑文をどう英語で伝えるか。」

全く答えられなかった。当時の浜井信三広島市長の要請によって碑文文案を執筆したのは雑賀忠義広島大学教授,英訳は次の通りだそうだ。

Let all the souls here rest in peace; for we shall not repeat the evil.

2017年7月7日に国際連合総会で核兵器禁止条約が採択され,2021年1月22日に発効してから,今年は3回目の原爆忌を迎えた。

[Link(Wikipedia):核兵器禁止条約

残念ながら我が国は世界唯一の戦争被爆国でありながら,この批准国に名を連ねていない。

78年前と同じように朝から照りつける日差しが眩しく暑い。今日は鎮まりし者たちへの祈りの日。

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平和宣言

78年前の原爆投下の日を、まるで生き地獄のようだったと振り返る当時8歳の被爆者は、「核兵器を保持する国の指導者たちは、広島、長崎の地を訪ね、自らの目で、耳で、被爆の実相を知る努力をしていただきたい。あの日、熱線で灼(や)かれ、瞬時に失われた命、誰からも看取られず、やけどや放射能症で苦しみながら失われていった命。こうして失われた数え切れない多数の人々の命の重さを、この地で感じてもらいたい。」と訴えています。

本年5月のG7広島サミットで各国首脳が平和記念資料館の視察や被爆者との対話を経て記帳された芳名録は、こうした被爆者の願いが各国首脳の心に届いていることの証しになると思います。また、慰霊碑を参拝された各国首脳に私から直接お伝えした碑文に込められた思い、すなわち、過去の悲しみに耐え、憎しみを乗り越えて、全人類の共存と繁栄を願い、真の世界平和を祈念する「ヒロシマの心」は、皆さんの心に深く刻まれているものと思います。こうした中、G7で初めて「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」が独立の文書としてまとめられ、全ての者にとっての安全が損なわれない形での核兵器のない世界の実現が究極の目標であることが再確認されました。それとともに、各国は、核兵器が存在する限りにおいて、それを防衛目的に役立てるべきであるとの前提で安全保障政策をとっているとの考えが示されました。

しかし、核による威嚇を行う為政者がいるという現実を踏まえるならば、世界中の指導者は、核抑止論は破綻しているということを直視し、私たちを厳しい現実から理想へと導くための具体的な取組を早急に始める必要があるのではないでしょうか。市民社会においては、一人一人が、被爆者の「こんな思いは他の誰にもさせてはならない」というメッセージに込められた人類愛や寛容の精神を共有するとともに、個人の尊厳や安全が損なわれない平和な世界の実現に向け、為政者に核抑止論から脱却を促すことがますます重要になっています。

かつて祖国インドの独立を達成するための活動において非暴力を貫いたガンジーは、「非暴力は人間に与えられた最大の武器であり、人間が発明した最強の武器よりも強い力を持つ」との言葉を残しています。また、国連総会では、平和に焦点を当てた国連文書として「平和の文化に関する行動計画」が採択されています。今、起こっている戦争を一刻も早く終結させるためには、世界中の為政者が、こうした言葉や行動計画を踏まえて行動するとともに、私たちもそれに呼応して立ち上がる必要があります。

そのため、例えば、私たちが日常生活の中で言葉や国籍、信条や性別を超えて感動を分かち合える音楽や美術、スポーツなどに接し、あるいは参加して「夢や希望がある」といった気持ちになれるような社会環境を整えることが重要となります。皆さん、そうした社会環境を整えるために、世界中に「平和文化」を根付かせる取組を広めていきましょう。そうすれば、市民の支持を必要とする為政者は、必ずや市民と共に平和な世界に向けて行動するようになると確信しています。

広島市は、世界166か国・地域の8200を超える平和首長会議の加盟都市と共に、市民レベルでの交流を通して「平和文化」を世界中に広めます。そして、平和を願う私たちの総意が為政者の心に届き、武力によらず平和を維持する国際社会が実現する環境を作ることを目指しています。また、被爆者の平和への思いを世界中の若者に知ってもらい、国境を越えて広め、次世代に引き継げるようにするために、被爆の実相に関する本市の取組をさらに拡充していきます。

各国の為政者には、G7広島サミットに訪れた各国首脳に続き、広島を訪れ、平和への思いを発信していただきたい。その上で、市民社会が求める理想の実現に向け、核による威嚇を直ちに停止し、対話を通じた信頼関係に基づく安全保障体制の構築に向けて一歩を踏み出すことを強く求めます。

日本政府には、被爆者を始めとする平和を願う国民の思いをしっかりと受け止め、核保有国と非核保有国との間で現に生じている分断を解消する橋渡し役を果たしていただきたい。そして、一刻も早く核兵器禁止条約の締約国となり、核兵器廃絶に向けた議論の共通基盤の形成に尽力するために、まずは本年11月に開催される第2回締約国会議にオブザーバー参加していただきたい。また、平均年齢が85歳を超え、心身に悪影響を及ぼす放射線により、生活面で様々な苦しみを抱える多くの被爆者の苦悩に寄り添い、被爆者支援策を充実することを強く求めます。

本日、被爆78周年の平和記念式典に当たり、原爆犠牲者の御霊に心から哀悼の誠を捧げるとともに、核兵器廃絶とその先にある世界恒久平和の実現に向け、被爆地長崎、そして思いを同じくする世界の人々と共に力を尽くすことを誓います。

令和5年(2023年)8月6日
広島市長 松井 一實
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