オランダ沖を航行していた自動車運搬船で25日深夜、火災が発生した。
最初は電気自動車が25台ほど積載されたと報じられた。しかしその後、それが500台近いことが明らかになった。船をチャーターしていた川崎汽船がそう言うのだから、これが正しいだろう。
そして火元がどうやら電気自動車らしい。具体的にはリチウムイオンバッテリーだ。
この数字の変動から窺えるが、なんらかの隠蔽操作も行われている可能性がある。
フォルクスワーゲンは自社の自動車が載っていたかどうか調査中と言ったらしいが、1週間近くたっても調査結果らしきものは出てこない。後述の専門家が言うには、今やあらゆる新車はバーコードで週7日一日24時間体制で監視されているので、今現在どこにあるかは即座に分かるらしい。なぜフォルクスワーゲンは調査にそんな時間をかけているのか?
さてこの事故。もう事件と言ったほうがいいかもしれない。
電気自動車が火元の可能性が高いが、もしそうだとすると、こんな船に誰が乗りたいと思うだろうか。
今回は自動車運搬船なのでいわゆる一般乗客はいなかったが、もし何百人もの乗客が載っているフェリーで同じ様なことが起きて、かつそれが海のど真ん中で起きれば、とんでもない悲劇となる。それこそ火を見るよりも明らかだ。
そしてもし電気自動車への切り替えがどんどん進みフェリーに積まれている自動車が全部電気自動車という時代になったら、このリスクは想像を絶する。
更にさらに。
今はまだ電気自動車は黎明期なので世に出ているものはほぼ新車状態。積載するバッテリーもいわゆる純正品が多いだろう。しかし今後電気自動車が普及して中古車が当たり前に普及する時代になれば、積載するバッテリーも安い非純正品が蔓延する。
当然、質の悪いパチもんが増えるだろう。中国あたりの怪しげなメーカーは手ぐすね引いて待っているだろう。
欧州のエリートが夢と仰ぐ電気自動車天国が実は地獄だった、という羽目に陥らないとも言えない。
たまたま見たオーストラリアの自動車専門家が、この事件を取り上げて大きな警鐘を鳴らしている。
Runaway 500 EV meltdown on cargo ship: Proof our cities aren't ready for full EV deployment
オーストラリア英語だが意外を聞き取りやすい。英語のリスニングの練習としてもお薦めだ。
私なりに動画主の発言をまとめてみた。
(1)この船は "Dutch Oven" と名前を変えるべきです。これは electric, chemical oven だから。
(2)これを「火」などと呼んではいけません。キャンプファイヤーで皆が囲む「火」や、消防士が消火のために放水する、我々が普通考える「火」とは異質なものだからです。
(3)Dutch Ovenが呈しているのは止めることができない化学反応で、これと闘うことは不可能です。実際、オランダの沿岸警備隊は消火活動を行ってません。マスコミは消火活動が行われていると繰り返し報じていますが。
(4)沿岸警備隊はただただ、待っているだけです。現状ではできることはそれしかないのです。
(5)プロ知識を一つ。内燃機関の自動車(つまりガソリンやディーゼル車)の新車が船に積まれる時、工場出荷時に一台あたり5リットルの燃料が搭載されるので、船にたどり着いたときにはこれが4リットルくらいになってます。船にざっと2500台が積まれると仮定すると、燃料は合計で1万リットルとなります。これが2500台の個々の自動車の封印されたガソリン容器に4リットルずつ分散されます。それらは燃えるためには空気と接する必要があります。
(6)プロ知識をもうひとつ。火災対策としては格納庫内への空気を遮断する方法が取られます。格納庫には窓はありません。換気を止めれば火は消えるか、勢いが抑えられます。ただし、燃えるために空気が必要な「火」であることが条件です。
(7)バッテリーではこうは行きません。
(8)バッテリーは分解時に自ら酸素を発しますが、これが大きな問題です。
(9)リチウムイオンバッテリーはガソリンよりも熱くなり、なり長く燃え続けます。消火も難しい。消えたと思っても、何時間も、場合によっては何日間も再発火します。
(10)電気自動車は今や宗教であり、批判すれば宗教を侮辱するのかと謗られます。
(11)ここで事実を述べます。1台あたり400キロのバッテリーが500台分あるとします。合計で20万キロのバッテリーです。
(12)つまり自燃できる(self-sustaining)、言葉を変えると熱暴走(thermal runaway)する化学反応物質が200トン積まれていることになります。
(13)Dutch Oven は今や文字通り海に浮かぶ窯です。毒性物質の嵐を撒き散らす溶鉱炉です。
(14)これがDutch Oven が未だに燃え続ける理由です。
(15)これは事実であり、人の感情(宗教のことを言っているのだろう。訳注。)とは無縁のことです。
(16)フォルクスワーゲンの広報担当者は「当社は鋭意調査中である」と言ってますが、更なる情報の提供はできてません。テスラからコメントは得られてません。ウォルフスブルク(フォルクスワーゲンの本部所在地)はそんなに遠く離れてませんけど。
(17)大手自動車メーカーが自社の車がこの船に載っていたことを把握できない、などというこがあり得るでしょうか?
(18)フォルクスワーゲンが5日かけても調査結果が出ないなんてありえるのでしょうか?
(19)先日、世界最大級の組立工場の自動車積載ドックを見学したことがありますが、全ての車はバーコードで管理されて、所在地状況は常時把握され追跡されていました。フォルクスワーゲンの典型的な対応です。まあ、すぐには認めたくないのでしょう。例のディーゼル事件に比べればまだ犯罪とまでは言えませんが。
(20)このDutch Oven は長さ200メートルの海に浮かぶ駐車場です。近くには世界遺産の地域があります。極めて毒性の高いガスを無限に撒き散らしてます。
(13)これは事実です。
(14)そのうち沈むかもしれませんが、積載物とともに全損となることは間違いないでしょう。
(15)内包するエネルギーを無駄に消費し、誰の得にもならない形でCO2を発散してます。そして毒性ガスは風任せで漂っています。
(16)この事件の教訓は何でしょう?
(17)この Dutch Oven は、私自身が将来遭遇するかもしれない電気自動車の悪夢の大規模な実演とも言えます。電気自動車の夢想家(utopian)がその存在を認めたくない現実を垣間見るものです。
(18)オーストラリア人として想像もしてください。シドニーのオペラハウスの地下駐車場を。1200台分の駐車スペースが用意されてます。
(19)防火対策は換気措置のスイッチを切ることです。出口は一つです。将来、電気自動車のユートピアが実現すれば、ここに停められる電気自動車は優に500台はを超えるでしょう。Dutch Oven が起きるのにはそのうちの1台で不良が生じれば十分です。
(20)電気自動車のほうがガソリン車よりもより頻繁に燃えるということはありません。そんなことは言ってません。しかし一旦燃えると、その結果は壊滅的です。
(21)Dutch Oven は、皆さんの近くにある大都市地下駐車場で将来起きうる悲劇の一つのモデルとも言えます。
(22)バッテリーパックについて言えば、たとえばテスラXには7000個の電池(セル)が搭載されてます。そのうちの一つでも不良が発生したと考えてみてください。松明に火が付いたようなものです。あっという間に他のセルに延焼します。そして回りの電気自動車、ガソリン車に延焼します。消防士ができることはありません。多くの人が命を失うことになるでしょう。大量の毒ガスが発生します。コバルトからも毒ガスが出ます。コバルトはガスを吸うまでもなく、肌に付着するだけで大変なことになります。
(23)駐車場の中にいる人だけが被害を受ける、というものではありません。毒ガスに襲われ、多くの人がドアに殺到します。中には小さな子を抱える人もいるでしょう。
(24)運良く歩道で犬の散歩をしていただけの人でも、排気口から出てくる毒ガスを吸い込めば終わりです。ビクトリア州で電気自動車火災に対応した消防士二人がコバルトの毒ガスを吸引したため、一生残る身体障害を被った事案がありました。
(ここで動画主はオーストラリアの政治家数人を取り上げ、彼らの怠慢ぶりを非難します。)
(25)電気自動車の充電装置を車庫の中に設置しようと思う人もいるかもしれません。車庫の上には子ども部屋か主寝室が来るかもしれません。ここでプロからのアドバイスです。それは止めたほうがいいです。電気自動車は充電中にメルトダウンする可能性が他の場合に比べて高いです。充電器はできるだけ居住区から離して設置しましょう。少なくとも外壁に設置してください。家の内側はダメです。
(26)次回、もし地下駐車場に車を停める時は、まず、できるだけ充電器から離れたところに停めてください。次に出口を確認すること。緊急事態が発生したときに車に乗って逃げることは現実的ではありません。とにかく足で走って逃げること。
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と、ここまで書いていて、突然、ディスプレイが消えた。パソコンが何故か強制シャットダウンしたようだ。
慌てて再起動した。結構なテキストをブログに書いたので、その労力が泡となったら目も当てられない。
幸い、強制保存が発動して、無事テキストは全部残っていた。
さて、上記動画が指摘するとおり、この船舶火災は電気自動車の危険を白日のもとに晒したと言える。
かって気球が世界を騒がし、熱気に包まれた時、ヒンデンブルグ号爆発事故が起きて気球はこの世から消えた。
今回の Dutch Oven もそんな歴史的な事故になるような気がする。
とはいえ、欧米各国の政府や大手自動車メーカー、そして既存マスコミは、その隠蔽、矮小化に必死かもしれない。
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今税理士事務所からメールが来て、私が昨日送った会計資料が問題ないとのこと。
少々訂正があるようなので、それを待つこととする。
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ホリエモンほどチャレンジを厭わず繰り返している日本人もいない。
何と言っても刑務所まで入っているからね。
今度は別府でお湯かけフェスをするらしい。
お湯を観客にぶっかけるらしいが、先日、大阪の韓国系フェスの放水事故で死者が出た。そんなことにならないように気をつけてもらいたい。
しかしこんなフェスに出かける人がいるのだろうか?