チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「チャイコフスキー『交響曲第6番』における高音域木管の不遇」

2009年07月09日 01時17分26秒 | 悲愴中毒(おreたちdニasはない
いまは食中毒にご用心な梅雨期、
真っ最中である。そんな時節柄、
美人バドミントン選手の潮田玲子女史が、いまや
飛ぶ鳥を落とす勢いな芸能事務所
セントフォースに入団したそうである。私はそれよりも
池田信太郎との仲がどうなのか、というような
艶聞が大好きなミーハーおやじなので、
ナトリウム中毒といってもいいくらいなほど、
毎夜中に"ポテトチップ"を腹いっぱい食ってる。
そういえば、私は生まれてこのかた
「足がつる」という経験をしたことがない。
"グラビアアイドル"原幹恵女史と篠原涼子女史の
顔の区別もままならない拙脳な私のことだから
鈍感なのか。いずれにせよ、
カリウム過多症ではないにしろ、なんらかの原因で
カリウムが充分に足りてるのだろう。だから、
ナトリウムが欲しくなるのだ、と、
酒飲みの言いわけのようなことを唱えて
ポテトをツマミに安赤ワインも飲み干すのである。かつて、
炭坑労働者の中には、山の穴を開けるダイナマイトの粉末を、
砂糖代わりになめてた者もいたと聞く。それはともかく、
私のような塩分三昧な生活を続けてれば、
鬼が出るか蛇がイモがでるか……。が、
幼い頃からの怠惰な食生活はなおることはない。
三つ子の魂、百までも。ちなみに、8代め坂東
三津五郎の魂は六十八歳までだった。女優、
池上希実子女史のおじいちゃんである。その
役者名の「三」と「五」に挟まれた4つの歯(上下各2)、
を持つフグの毒は、テトロドトキシン(tetorodotoxin)。
tetra=4, odon=歯, toxin=毒, である。

さて、チャイコフスキーの「交響曲第6番」(悲愴交響曲)で、
フグというよりは不遇をかこつのは、
高音域木管楽器である横笛のフルートである。
その姉妹楽器のピッコロと合わせれば、計
4オクターヴの音域を覆う。ちなみに、ピッコロは
フルートより1オクターヴ高い音が出るので、
オッタヴィーノ(オクターヴの意)とも呼ばれる。ともあれ、
「悲愴交響曲」において、フルートがソロを与えられるのは、
第1楽章の提示部における第2主題の2度提示の合間、
モデラート・モッソ(ニ長調)で、
****♪ソーーー・ー、<ラ<シ・・<ド、ド<レ・<ミ<ファ<ソ│
  <ラーーー・ー>ミ>ド>シ・・>ラーーー・ーー●●│
  <レーーー・ー、レ<ミ・・<ファ、ファ<ソ・<ラ<シ<ド│
  <レーーー・ー>シ>ソ>レ・・>シー●●・●●●●♪
という、たった「4」小節のみ、である。しかも、
そこにはファゴット1管のカノンのカラミがあるので、純粋な
ドク奏とはいえない。華麗な魅力を
振るうこともフルートもなく、逆に、
低音域の魅力を際立たされただけである。いっぽう、
フルートに次ぐ高音木管であるオーボエも、
「悲愴交響曲」においては、ほとんど
旋律部を与えられなかった。
「白鳥湖」では、あの超有名な
「白鳥の歌」の節を任されたオーボエ、
「眠れる森の美女」でもその上品な音質を
チャイコフスキーによって効果的に引き出されたオーボエ。
それが、この「悲愴交響曲」では、
徹底的に冷や飯を食わされるのである。もっぱら、
チャイコフスキーに固有の使用法である「トランペットとのユニゾン」、
あるいは、その他の楽器との「重ね合わせ」、
でしか出番を与えられてないのである。この、
「HRバッターをバッティング・ピッチャーとして雇った」ごとき
使いかたには、逆に、チャイコフスキーの一分の隙もない
研ぎ澄まされた感覚が気迫充分に押し寄せてくる、
という思いを抱かせられる。対照的に、
最晩年のチャイコフスキーが多用したクラリネットとファゴットそれぞれの
暗い音色、そして、その混合音色を、この
「悲愴交響曲」でチャイコフスキーは最大限に活かしきった。
クラリネット(モツレクではバセット・ホルン=やや低いクラリネット)、ファゴット、
トランペット、アルト・トロンボーン、といった管に
soloやsoliを吹かせてる「悲愴交響曲」は、
「レクィエム」そのものなのである。
「きらびやかな色」を排し、ダルな「混合色」で彩った、
「ドク特な音色の世界」にチャイコフスキーの美意識は到達し、
そして果てた、のである。そして、
「悲愴交響曲」に大きな影響を受けたのちの作曲家の誰も、
この「音彩の世界」だけは真似できなかった。

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