チャイコフスキー庵 Tchaikovskian

有性生殖生物の定めなる必要死、高知能生物たるヒトのパッション(音楽・お修辞・エンタメ・苦楽・群・遺伝子)。

「千載一日...Singin' in the Rain(雨に歌えば)/ジーン・ケリー生誕100年」

2012年08月23日 00時44分32秒 | 寝苦リジェ夜はネマキで観るキネマ
今日、2012年8月23日は、米国の映画人、
Gene(Eugene) Kelly(ジーン(ユージーン)・ケリー、1912-1996)の
生誕100年にあたる日である。ケリーはジャーナリスト志望で、
ペン・ステイトに入れたインテリである。が、
折しも大恐慌のあおりで家計を助けなければならず、
ピッツバーグ大の経済に入り直した。とはいえ、
親からしてダンス好きだったようで、親が
ピッツバーグにダンス教室を開いたのがきっかけで
ダンスを教えることになった。そして、
この家内事業が軌道に乗ったのである。そうして、
ケリーにはNYへ、そして、ハリウッドへという道が開けた。
ともあれ、ジーン・ケリーといえば、
ミューズィカルである。そうである。
「雨に歌えば」なんである。アイデアル。
傘を小道具にしたタップ・アンド・ダンスである。
このスィーンをパロったのが、
いわゆるボルチモア・オリオールズのキャッチャーで親父がブロウドウェイ俳優だった
リック・デンプスィによる、雨でゲイムが中断されたときの
「雨の日のベイブ・ルース劇場」、
"Swingin' in the Rain"である。

それはともかく、このケリー単独スィーンの前に、
「(劇中の)映画をどうするか?」と、
ジーン・ケリーとデヴィー・レイノルズ女史とドナルド・オコナーが話し合う場面がある。
「ミューズィカルにしたら?」と、レイノルズは提案する。
オコナーは「ホット・ドッグ!」と叫び、ケリーは「ウーピー!」と唸る。その間に、
レイノルズ女史は「ハレルーヤー!」と歓びの声をあげる。
窓の外は本格的な雨なのだが。。。
ケリー: I feel this is my lucky day, March twenty-third.
オコナー: Ah, hold. Your lucky day is twenty-fourth.
   It's one-thirty already. It's morning!
レイノルズ: Yes. And what a lovely morning!
そうしてレイノルズ女史が
"Good Mornin'"と歌いはじめ、オコナーが受け、ケリーが絡む。
レイノルズ女史の箇所だけをかいつまむと、
♪グッ│>モー<ニン(ソ>ミー<ソー)...グッ│>モー<ニン(ソ>ファー<ソー)♪
イェッセルの「おもちゃの兵隊のマーチ」みたいで、
「キユーピー3分クッキング」が始まってしまうのではないか、
不正経理疑惑の馬場典子アナがまた戻って
小熊美香アナはピンチヒッターで終わってしまうのではないか、などと、
早計にして早慶な要らぬ心配をしてしまう。それはともかくも、
それからタップりと続く3人のダンス&ソングは、
振付というより殺陣ともいうべき見事なスィークエンスである。

この「ミューズィカル」映画には、オリジナルの歌はほとんどなく、
既成の歌を寄せ集めた、というところがまた特徴らしい。
"Singin' in the Rain"も、
"The Hollywood Revue of 1929"で使われたものである。
♪ソーーー│<ソーーー・ーーーー・・ーーー>ミ・>レーー>ド│>ラーーー・ーーーー・・ーーーー♪
遡れば、昨日が生誕150年にあたったドビュッシーの"Clair de Lune"は、
♪●ソ<ソ・ーーー・>ミーー│ー>レ<ミ・>レーー・ーーー│
ー>ド<レ・>ド<ミ・ー>ド│ー>シ<ド・>シーー・ーーー♪
であり、ベートーヴェンのピアノ・ソナータ第21番「ヴァルトシュタイン」の第3楽章は、
♪ソーッ│ソー・ー>ミ│>レー・>ソー│<ドー・●♪
である。逆に"Singin' in the Rain"ののちには、
マックス・シュタイナー(スタイナー)によって、「風と共に去りぬ」の
♪●●・ソー・・<ソー・ー>ミ│>レー・ーー・・ーー・ーー│
●●>ソー・・<ソー・ー>レ│>ドー・ーー・・ーー・ーー♪
「タラのテーマ」とされた。胸にジーンとくる動機である。
事業文章 随身銷毀 而精神万古如新
功名富貴 逐世転移 而気節千載一日
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「反骨作曲家のアキレスの腱/... | トップ | 「幕府賄方と十朱久雄」  »

コメントを投稿

寝苦リジェ夜はネマキで観るキネマ」カテゴリの最新記事