秋海棠粗雑な日々

飼育している爬虫類を中心に紹介していきたいと思います。

続々Paroedura妄想

2024-09-26 13:01:40 | ササクレヤモリ(ソメワケ以外)
oviceps種には近縁となる種がおります。

このグループに含まれるのは本種の他にhomalorhina,fasciata,hordiesi等の種が
おりますがParoeduraとしては細身の体型に長めの前後脚を持っています。
oviceps種は別グループのカルストササクレ(karstophila)に似てはいますが体の
キールがノシベのほうが発達しておりカルストの体表は少しのっぺりして見えます。
同じグループのアンビローブ種(homalorhina)も同様にキールの発達が弱く感じます。
fasciata種は名前の通り体にバンド模様がありますから違うとわかります。
ということで画像の個体はノシベササクレ(oviceps種)もしくはノシベササクレの隠蔽
種の可能性が非常に高いと今は述べておくことにします。
このグループはマダガスカル北部に分布し生息地は石灰質です。これは多くのキョク
トウトカゲモドキ(Goniurosaurus)の生息地と似た環境であることは興味深いところ
です。石灰質が浸食された環境は多くの生物の進化に影響したことでしょう。
秋の夜長にヤモリを眺めつついろいろと考えるのは楽しいものです。答えは・・・
出ないでしょうけど。

続Paroedura妄想

2024-09-25 17:05:20 | ササクレヤモリ(ソメワケ以外)
ワイルドコートの生態が入荷した場合所謂混じりや採集者の間違いで別種が輸入
されることがあります。今回もそのようなことがありました。

お世話になっているショップさんから連絡がありました。〇〇が入荷しますがどう
されますかといった内容でした。
連絡をいただいた種は既に複数持っていたので今回は辞退することにしたのですが
後日送られてきた画像を見ると明らかに違う種です。ならばということで実物を見に
行くこととなりました。
ササクレヤモリグループはpicta種(ソメワケ)が余りにもポピュラー過ぎて他の種と飼育
方法なども混同されがちですがここではっきりと言えるのはpicta種がむしろこのグループ
において特異な存在なのです。多くの種がpicta種とは異なり幼体と成体の体色が大きく
違う点など共通点があります。シュトゥンプフやバスタール、アンドレンシス他多くの
種が幼体時は似たパターンの模様をしています。また飼育自体もソメワケより神経質で
ある程度飼育者に反応はしてくれますが臆病な個体が多いように感じられます。
本題に戻りましょう。この種は恐らくですがノシベササクレ(oviceps)もしくは近縁種では
ないかと連想されます。このグループはササクレヤモリとしては細身で吻が長く脚が長い
のが特徴です。和名をつけるのであればユウレイササクレヤモリグループとでも呼べば
良いでしょうか。話はまだ続きます。

とんぶり市を終えて。

2024-09-24 16:35:03 | イベント
自身の催しであるGecko Marketの興奮が未だ冷めやらぬうちにとんぶり市開催の日を
私は迎えました。

途切れることに無い来場者様たち、圧倒的なブース、グループ数。濃密な時間が
過ぎていきました。何よりも無事に終了することが出来て毎度のコメントとなり
ますがご来場いただいた皆様、運営者様、スタッフ様に心より感謝申し上げます。
Gecko Marketにご来場いただいたかたも多く好きなヤモリの話が出来て休む暇も
殆どありませんでした。更には沢山の差し入れをいただいてしまい今回も恐縮して
おります。
いろいろと思うところはありますがこれだけのブース数があってもその年の当たり
不当たりというものが存在することを感じました。友人にとあるヤモリを頼まれて
いるのですが数年前は相当な数を見ることが出来たものの今年は数頭しかも性別
確定が難しい大きさなどといったことがありました。相手が生き物ですから当然と
言えば当然です。生き物たちとの出会いも人の出会いも運あってのことです。
そして私は来月讃岐の地で運命的な出会いがあることを願い想いを馳せるのでした。

ラエビス孵化!

2024-09-18 17:05:18 | タキドロムス他
敬老の日を過ぎ9月も半ば。私は今か今かと孵化容器の卵をのぞき込んでいました。

レザー状の卵皮はアオカナヘビの卵のようにもっと膨張するものと勝手に考えて
いました。産卵から2ヶ月弱、卵を収納しているカップの隅から青いものが見え
ました。親をそのまま小さくしたような幼体は何ともおもちゃのようです。しかし
幼体から美しいですね。
運良くこの種の飼育繁殖歴入り口に私は立たせてもらう事が出来ました。
これからが本格的な小さな冒険の始まりとなることでしょう。
私は彼らから発せられるサインを何処まで読み取ることが出来るでしょうか。
人の感覚など鈍いものです。体中からアンテナを張り巡らせ臨みたいものです。

とんぶり市参加を控えて。

2024-09-17 00:00:00 | ソメワケササクレヤモリ

Gecko Marketが終わりホッとするのもつかの間、とんぶり市の日時が迫りつつ
あります。出品品目の詳細は販売ブログをご覧下さい。

今年はホワイト品種を強化すべくワイルドの雌との交配を試みなかなか良い個体を
得ることが出来ました。画像の個体もその中の1頭です。とんぶり市よりオス限定
ですが少数をリリースしようと考えています。個体差はありますがホワイト品種の
特徴である額の麻呂毛模様もうっすらと出ていて思いの外上手くいってくれたよう
です。ただこの個体たちをホワイト品種として出すことはありません。ただでさえ
不安定なポリジェネティック遺伝はそうそう安定して遺伝するものではありません。
ここから更に磨きをかけて初めて到達できるのです。安易な判定は質を低下させる
だけではなく気が付けば本来とかけ離れたものになっていきます。シビアな観察眼を
持ち決して妥協しなければきっと良いことがあるはずです。