池袋犬儒派

自称「賢者の樽」から池袋・目白・練馬界隈をうろつくフーテン上がり昭和男の記録

イエス・キリストの知られざる日々(まえがき)1

2020-04-23 06:55:18 | 日記
まえがきの部分をご紹介。

まえがき 日本語全訳の発刊にあたって

 本書は十九世紀末に出版されたベストセラー本である。専門家との間で激しい論争を巻き起こした問題の書でもある。いったい何が衝撃的だったのか。言うまでもない、本書では、福音書に記載されていないイエス・キリストの人生の空白期間、すなわち十三歳から二十九歳まで、彼はインドなど東方世界にいて修行したという主張がなされていることである。作者ノトヴィッチは、その証拠となる経典をチベット僧院で見つけ、その訳文を本書で初公開したと言う。

 この「核心部分」だけを目当てに本書を手に取られる方は、十中八九がっかりなさると思う。実際、私自身、原著を読み始めた時に面食らった。北方インドの旅行記が延々と続き、イエスのイの字も出てこない。当時の秘境の旅行記として、それなりには面白いが、ほとんどの読者は騙されたような気分になるだろう。実際、この本を英訳したヴィラチャンド・ガンディーは、この長い旅行記は読者を退屈させるという理由で、この部分は抜粋という形でしか訳していない。
この章の最後で、ようやく「イッサ」という言葉が仏教僧の口から出てくる。ノトヴィッチは、僧侶の話を聞きながら、イッサとはローマ教皇のことではないかと考えるが、会話が進むうちに、これがイエス・キリストを指していると気が付く。その事情を記した経典が残っていると聞いて、ノトヴィッチは強い関心を示す。旅行の最後で、思わぬ形で彼はその文書の内容を知ることができるようになる。





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