池袋犬儒派

自称「賢者の樽」から池袋・目白・練馬界隈をうろつくフーテン上がり昭和男の記録

アビダルマ哲学要諦(33、最終)

2024-08-15 14:15:36 | 日記

サンガハの最終章である第9章は、理論でなく実践に関するものである。この章のタイトルは「瞑想科目の概論」であり、「清浄道論」の要約のような形になっている。ここでは、「清浄道論」で徹底的に論じ尽くされた瞑想方法の全てを簡潔に吟味し、瞑想、集中および内察の両面で、進歩の段階を概観している。この章が要約している名作「清浄道論」と同様に、ここでも悟りに至った人間とその果報および寂滅を4タイプに分けて説明している。

「アビダンマッタ・サンガハ」は、このような構成を取ることにより、アビダンマが目指す究極的な救済の道を強調したかったのであろう。心や物質の理論的分析はすべて、最終的には瞑想の実践に収束し、この実践が最高点に行き着いて、仏教の聖なる目標、すなわち無執着による心の解放に到達するのである。(了)

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