池袋犬儒派

自称「賢者の樽」から池袋・目白・練馬界隈をうろつくフーテン上がり昭和男の記録

ベルベル人の宗教観

2020-09-02 10:51:51 | 日記
北アフリカ(マグレブ)にいるベルベル人のほとんどはイスラム教徒であるが、アラブ系とちょっと温度差があるように思う。



物の本によると、彼らは一時ユダヤ教を受け入れていた時期もあったらしいが、ローマ人が入ってくるとキリスト教化され、アラブ人が入ってくるとイスラム化された。19世紀にはいって来たフランス人は特に宗教を矯正し、なかったので、大方はイスラム教徒のままになった。

つまり、ベルベル人にとって、イスラム教はどうせ圧政者による押し付けなのである。イスラム教を誇りとしているアラブ系とは、そこが微妙に違うように思う。



したがって、私の同僚だったベルベル人は多くが世俗派で、礼拝などまるでしなかった。

同僚のベルベル人とアラブ人が宗教について激しく議論しているのを聴いたこともある。アラブ語が上手でないため、議論をするときはフランス語になり、私も横で聞いていて理解できるのである。

もちろん、ベルベル系の同僚は宗教を「馬鹿々々しくて社会に有害でもある」と主張し、アラブ系はそれに激しく怒っていた。



90年代にアルジェリアが内戦状態になった時、テロ反対の大運動を展開したのはカビリー地方(つまりベルベル系)だった。



パリで親しかったアルジェリア人はほとんどがベルベルで、宗教にも一定の距離を置いていた(ばんばん酒を飲んでいた)。



いまYoutubeでも、カビル語(ベルベル語)の動画がいっぱいアップされている。

彼らの存在は、今後のフランスの状況を大きく変えていくかもしれない。


テロ反対運動 犠牲者の写真を掲げながら

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