池袋犬儒派

自称「賢者の樽」から池袋・目白・練馬界隈をうろつくフーテン上がり昭和男の記録

アビダルマ哲学要諦(32)

2024-08-11 11:03:29 | 日記

第6章をもって、アヌルッダ師は、4つの究極的な真実に関する分析論を完了したことになるが、アビダンマの全体像を描くには必要不可欠な重要議題がまだいくつか残っている。これらは、最後の3章で採り上げられる。第7章「カテゴリー概論」は、4つの究極的真実を様々なカテゴリー方式を使って整理するが、主な方式は次の4つである。すなわち煩悩の概要、異なる倫理的特性を持つ項目を集めた混合カテゴリーの概要、悟りの必要条件の概要、アビダンマ存在論を全ての総括した全体的な概要である。本章は、「分別論」に強く依存しており、「法集論」にもある程度基づいている。

第8章「縁起の概論」は物理的および心理的な現象の相互関連性に関するアビダンマ教説を紹介するためのものであり、これによって究極的真実の分析作業を統合的作業で補い、これらの機能的な相関関係を解明している。この解説文では、総括として、パーリ聖典にある縁起について、2つの代替アプローチを紹介している。1つは、経典でよく採り上げられ、「分別論」(VI)において経とアビダンマの両面から分析されている縁起の方法である。この方法は、生と死のサイクルである輪廻に人を結びつける因果パターンについて、条件付けを考察する。もう1つは、24の条件関係を持つパッターナの方法である。この章の最後は概念(paññatti)の短い説明で終わっており、少なくともその意味内容については「人施設論」に依拠している。

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