芥川龍之介【大正十二年九月一日の大震に際して】
芥川が関東大震災に関連して書いたものの集成。次のような目次になっています。
一 大震雑記
二 大震日録
三 大震に際せる感想
四 東京人
五 廃都東京
六 震災の文芸に与ふる影響
七 古書の焼失を惜しむ
被災時、芥川は三十一歳であり、田端に住んでいました。この小文集では、震災の様々な側面を写していますが、文体、トーン、テンションがそれぞれ微妙に異なっています。大震災が与えた精神的動揺を引きずっているのでしょうが、同時に、この作家の複雑な内面も垣間見えるような気がします。
語釈
一游亭(いちゆうてい) 洋画家・随筆家の小穴隆一(1894~1966)の俳号。小穴は、芥川と特に親しかった。
後架(こうか) 洗面所、便所。
撞木杖(しゅもくづえ) 握りの部分がT字型になっている杖。
私行(しこう) 私的な行為。
薬研(やげん) 生薬を粉末にするための道具。
丹(に) 硫黄と水銀が化合した赤土。
床上(しょうじょう) 寝床に入ったまま。
孟浪(まんらん) 軽率な行動。転じて、根拠のない言説。
天譴(てんけん) 天による咎め、天罰。
蒼生(そうせい) 多くの人々。人民。
仁人(じんじん) 仁の徳を備えている人。
溌皮(はっぴ) ばちかわ。三味線でバチが当たる部分に貼った皮。
芥川が関東大震災に関連して書いたものの集成。次のような目次になっています。
一 大震雑記
二 大震日録
三 大震に際せる感想
四 東京人
五 廃都東京
六 震災の文芸に与ふる影響
七 古書の焼失を惜しむ
被災時、芥川は三十一歳であり、田端に住んでいました。この小文集では、震災の様々な側面を写していますが、文体、トーン、テンションがそれぞれ微妙に異なっています。大震災が与えた精神的動揺を引きずっているのでしょうが、同時に、この作家の複雑な内面も垣間見えるような気がします。
語釈
一游亭(いちゆうてい) 洋画家・随筆家の小穴隆一(1894~1966)の俳号。小穴は、芥川と特に親しかった。
後架(こうか) 洗面所、便所。
撞木杖(しゅもくづえ) 握りの部分がT字型になっている杖。
私行(しこう) 私的な行為。
薬研(やげん) 生薬を粉末にするための道具。
丹(に) 硫黄と水銀が化合した赤土。
床上(しょうじょう) 寝床に入ったまま。
孟浪(まんらん) 軽率な行動。転じて、根拠のない言説。
天譴(てんけん) 天による咎め、天罰。
蒼生(そうせい) 多くの人々。人民。
仁人(じんじん) 仁の徳を備えている人。
溌皮(はっぴ) ばちかわ。三味線でバチが当たる部分に貼った皮。