池袋犬儒派

自称「賢者の樽」から池袋・目白・練馬界隈をうろつくフーテン上がり昭和男の記録

仏教は真に思索する人のためにある パウル・ダールケ 『仏教と科学』(1913)序文より

2024-08-06 09:43:00 | 日記

パウル・ダールケの英訳本を最初に読んだときは、本当に驚きだった。19世紀末という段階で、これほど仏教の本質に通じている人間がいたのかと思った。この「仏教と科学」の最初の版が出たのは、たしか1903年。その段階では、相対性理論も量子力学も存在しない。にもかかわらず、そのような科学の方向性を示唆する言葉が著書のいたるところに出てくる。

この書の前半部分を抄訳としてデジタルブックで発行したが、私自身が科学的知識が乏しいせいで、後半部分の翻訳は途中でギブアップした。

そして、このデジタルブックを宣伝するために作った動画が以下である。

 

これはダールケが作った欧州最初のビハーラ(テーラワーダ仏教寺院)

 

仏教は真に思索する人のためにある

パウル・ダールケ

『仏教と科学』(1913)序文より

 

Paul Dahlke “Buddhism and Science” (1913年)

「仏教と科学」パウル・ダールケ

シーラーチャーラ比丘がドイツ語から英訳

 

パウル・ダールケ(1865~1928)はドイツの医者・仏教学者である。

ベルリンのホメオパシー医院で働く傍ら、世界を旅行し、セイロン(現スリランカ)で初期仏教に出会う。

二度目の世界旅行では、主にセイロンに滞在し、僧侶からパーリ語や仏教理論を学び、修行を体験した。帰国後、『ダンマパダ(法句経)』等をドイツ語に訳すとともに、ベルリンに欧州で最初の仏教寺院(ビハーラ)を建立した。

この『仏教と科学』は、ダールケの代表作の一つである。この中で、彼は、この世界を理解する思考システムとして信仰(ダールケの頭にあったのは主にキリスト教)と科学と仏教を挙げ、唯一仏教だけが真理を与えうると説いた。

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