1日1話・話題の燃料

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著書『芸術家たちの生涯』
『ほんとうのこと』
『ねむりの町』ほか

1月9日・ジミー・ペイジの音

2024-01-09 | 音楽
1月9日は、仏作家、ボーヴォワールが生まれた日(1908年)だが、ロックバンド「レッド・ツェッペリン」のギタリスト、ジミー・ペイジの誕生日でもある。

ジェームス・パトリック・ペイジは、1944年に英国イングランドの西ロンドン郊外で生まれた。父親は産業人事課の管理職で、母親は医者の秘書だった。ジェームズの家にはなぜか、ギターがあり、彼は12歳のときはじめてそれを弾いた。
ギターフリークの彼は19歳のころ、アートスクールに通いながらスタジオ・セッションにギターで参加するようになり、21歳のとき、ソロでレコード・デビュー。
22歳で、ロックバンド「ヤープバーズ」に参加。ヤードバーズは、エリック・クラプトン、ジェフ・ベックと、名ギタリストが代々在籍した伝説のバンドである。
24歳のとき、ヤードバーズが解散し、ペイジは、ボーカリストのロバート・プラント、ドラマーのジョン・ボーナム、ベーシストのジョン・ポール・ジョーンズとともに「レッド・ツェッペリン」を結成した。バンド名は「鉛のツェッペリン号(飛行船)」の意味で、どうせすぐに落ちるだろうさ、というジョークだった。
レッド・ツェッペリンは米国でコンサート・ツアーをおこない、それからデビュー・アルバムを発売した。アルバムは発売前の予約だけで5万枚売れたというから、当時のツェッペリンのライブの魅力たるや恐るべしである。
「レッド・ツェッペリン II」「レッド・ツェッペリン IV」「プレゼンス」などを発表した後、ペイジが36歳のとき、ジョン・ボーナムの死亡によりバンドは解散。その後、ペイジはソロとして、またユニットとして音楽活動を続けている。

ペイジが曲を作り、プラントが詞を書き、それをバンドで仕上げるというスタイルのレッド・ツェッペリンは、アンプを大音響で鳴らしてライブツアーをしてまわり、スターになったライブ・バンドである。彼らはまた、シングル・レコードをほとんど出さず、もっぱらアルバムを売ったアルバム・バンドである。この二つがツェッペリンの特徴である。

ツェッペリンの音楽、ペイジのギター・サウンドの攻撃的な印象は、独特のものだった。聴く者にマンジンガンを浴びせてくるような戦闘性が音楽にこめられていて、音が騒音のように耳を逆撫でする。その昔、マンガ「ゴルゴ13」に、捕虜にした敵を縛り上げ、ヘッドホンをつけレッド・ツェッペリンを聴かせる拷問シーンがあった。でも、聴き込んでいくと、その騒音に似た音楽がなぜか心地よくなってくる。「胸いっぱいの愛を」「ロックンロール」「天国への階段」「アキレス最後の戦い」など、名曲である。

「天国への階段」は、ある女性が天国への階段を買うというフレーズからはじまる幻想的な歌だが、その後半にあるつぎの歌詞が、彼らの音楽の特徴をよくあらわしている。

「もしも、とてもハードに聴きこんだなら(And if you listen very hard)
 その音はついにきみに届くだろう (The tune will come to you at last)
 そのとき、すべては一つとなり、一つはすべてとなる(When all is one and one is all)
 そうして転がる石は動かぬ岩となるのだ。(To be a rock and not to roll.)」(AZLyrics.com: http://www.azlyrics.com/)
(2024年1月9日)



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