8月29日は、韓国の俳優ペ・ヨンジュンが生まれた日(1972年)だが、米国の歌手、マイケル・ジャクソンの誕生日でもある。
マイケル・ジョセフ・ジャクソンは、1958年、米国インディアナ州のゲーリーで生まれた。父親は製鉄所の従業員だった。貧しい家庭のきょうだいたちは、男だけの兄弟で音楽グループを組み、父親からベルトで打たれながらレッスンを受け、クラブに出演し、コンテストに出るようになった。マイケルも5歳のころからグループに参加した。
マイケルが8歳のとき、彼らは「ジャクソンファイブ」を結成。モータウン・レコードと契約し、11歳のときに「帰ってほしいの」でデビュー。マイケルがリードボーカルをとったこの曲は、いきなり全米チャートのナンバーワンに輝いた。
マイケルは、13歳のときにソロとなり、映画の主題歌「ベンのテーマ」をヒットさせた。以後、プロデューサーのクインシー・ジョーンズと組んで「オフ・ザ・ウォール」「スリラー」「バッド」など、大ヒットアルバムを連発し、その人間離れした華麗なダンスで、世界をあっと言わせた。
33歳のときに発表したアルバム「デンジャラス」からは、クインシー・ジョーンズと離れ、マイケルはメッセージ性の強い楽曲で独自色を打ちだした。そうして以後、人種差別反対、世界平和、児童保護、人種を超えた友愛などのメッセージを、音楽を通じて世界に向けて発信しつづけた。
音楽活動のほか、慈善事業、チャリティー活動も意欲的で、世界でもっとも多くの慈善団体をサポートしたポップスターだった。
2009年6月、英国でのコンサートの準備中に、米国ロサンゼルスで没した。50歳だった。死因は、麻酔薬であるプロポフォールの急性中毒で、謀殺説もささやかれている。
マイケルは生前、子どもたちを自宅の遊園地に招いていっしょに遊んだり、子どもたちといっしょにステージに立ったりした。そうやって、世界の未来をになう子どもたちを大切にとアピールし、世界の友愛を説いた。マイケル本人は幼いころからステージに立って働かされたため、小学校もまともに行っていない。ふつうの少年時代というものを過ごしたことがない。だから、よけいに子どもたちに、子どもらしい時代を過ごさせたいという思いがあったのだろう。
マイケルというと、まず、そのダンス・パフォーマンスの魅力に目がいくのはもちろんだけれど、彼のもうひとつの魅力は、その切々とした歌唱にある。
1990年代だと思うけれど、マイケルが東欧をコンサート・ツアーでまわった際の映像を見ていて気づいた。コンサート会場は、まるで1960年代のビートルズのコンサート風景のようで、詰めかけた東欧のファンたちは、ステージでマイケルが失恋の歌などを泣きそうな感じで情感たっぷりに歌い上げると、叫び、もらい泣きし、興奮して倒れ、失神して運びだされる者までいた。マイケルの、あの一所懸命、心をこめて歌っている姿勢が人の心をつかむのである。マイケルの歌は、心にひびく。いい歌手だった。
(2021年8月29日)
●おすすめの電子書籍!
『ロック人物論』(金原義明)
ロックスターたちの人生と音楽性に迫る人物評論集。エルヴィス・プレスリー、ボブ・ディラン、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ジミー・ペイジ、デヴィッド・ボウイ、スティング、マドンナ、マイケル・ジャクソン、ビョークなど31人を取り上げ、分析。意外な事実、裏話、秘話、そしてロック・ミュージックの本質がいま解き明かされる。
●電子書籍は明鏡舎。
http://www.meikyosha.jp
マイケル・ジョセフ・ジャクソンは、1958年、米国インディアナ州のゲーリーで生まれた。父親は製鉄所の従業員だった。貧しい家庭のきょうだいたちは、男だけの兄弟で音楽グループを組み、父親からベルトで打たれながらレッスンを受け、クラブに出演し、コンテストに出るようになった。マイケルも5歳のころからグループに参加した。
マイケルが8歳のとき、彼らは「ジャクソンファイブ」を結成。モータウン・レコードと契約し、11歳のときに「帰ってほしいの」でデビュー。マイケルがリードボーカルをとったこの曲は、いきなり全米チャートのナンバーワンに輝いた。
マイケルは、13歳のときにソロとなり、映画の主題歌「ベンのテーマ」をヒットさせた。以後、プロデューサーのクインシー・ジョーンズと組んで「オフ・ザ・ウォール」「スリラー」「バッド」など、大ヒットアルバムを連発し、その人間離れした華麗なダンスで、世界をあっと言わせた。
33歳のときに発表したアルバム「デンジャラス」からは、クインシー・ジョーンズと離れ、マイケルはメッセージ性の強い楽曲で独自色を打ちだした。そうして以後、人種差別反対、世界平和、児童保護、人種を超えた友愛などのメッセージを、音楽を通じて世界に向けて発信しつづけた。
音楽活動のほか、慈善事業、チャリティー活動も意欲的で、世界でもっとも多くの慈善団体をサポートしたポップスターだった。
2009年6月、英国でのコンサートの準備中に、米国ロサンゼルスで没した。50歳だった。死因は、麻酔薬であるプロポフォールの急性中毒で、謀殺説もささやかれている。
マイケルは生前、子どもたちを自宅の遊園地に招いていっしょに遊んだり、子どもたちといっしょにステージに立ったりした。そうやって、世界の未来をになう子どもたちを大切にとアピールし、世界の友愛を説いた。マイケル本人は幼いころからステージに立って働かされたため、小学校もまともに行っていない。ふつうの少年時代というものを過ごしたことがない。だから、よけいに子どもたちに、子どもらしい時代を過ごさせたいという思いがあったのだろう。
マイケルというと、まず、そのダンス・パフォーマンスの魅力に目がいくのはもちろんだけれど、彼のもうひとつの魅力は、その切々とした歌唱にある。
1990年代だと思うけれど、マイケルが東欧をコンサート・ツアーでまわった際の映像を見ていて気づいた。コンサート会場は、まるで1960年代のビートルズのコンサート風景のようで、詰めかけた東欧のファンたちは、ステージでマイケルが失恋の歌などを泣きそうな感じで情感たっぷりに歌い上げると、叫び、もらい泣きし、興奮して倒れ、失神して運びだされる者までいた。マイケルの、あの一所懸命、心をこめて歌っている姿勢が人の心をつかむのである。マイケルの歌は、心にひびく。いい歌手だった。
(2021年8月29日)
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