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著書『芸術家たちの生涯』
『ほんとうのこと』
『ねむりの町』ほか

11月9日・カール・セーガンの夢

2018-11-09 | 科学
11月9日は、細菌学者、野口英世が生まれた日(1876年)だが、天文学者でSF作家のカール・セーガンの誕生日でもある。

カール・エドワード・セーガンは、1934年、米国ニューヨーク市で生まれた。父親はウクライナからやってきたユダヤ系移民で、服を作る職人だった。
カールは、小さいころから空想小説をよく読み、宇宙を想像する子どもだった。彼は奨学金を得て、17歳の年にシカゴ大学に入り、物理学を学んだ。さらに26歳で天文学と天体物理学の博士号を取得した後、カリフォルニア大学バークレー校の研究員となった。
28歳の年からはスミソニアン天体物理観測所で研究員となり、ハーバード大学、コーネル大学などで教鞭をとった。
彼は宇宙生物学、天体生物学のパイオニアで、地球外に知的生命体がいるかどうかをさぐる宇宙探索計画を推奨し、NASAと組み、惑星探査機、マリナー、バイキング、ボイジャー、ガリレオの実験など多くの宇宙計画に関わった。34歳からは科学雑誌「イカロス」の編集長となり、一般の人もおもしろく読める科学記事を書き、核戦争が起き起こす「核の冬」を訴えた。
彼の著書『コスモス』はテレビでシリーズ化され、彼のSF小説『コンタクト』は映画化された。
セーガンは骨髄異形成症候群のため、1996年12月、ワシントン州シアトルで没した。62歳だった。

1970年代に米国で宇宙探査機が相次いで打ち上げられた。宇宙探査機パイオニア10号、11号には、人類のことを絵や図で紹介した金属板が搭載され、ボイジャー1号、2号にはメッセージを記録したレコード盤が積まれていた。いつか宇宙のどこかで、どこかの星の生物が、これを見るか聞くかして、宇宙の片すみに地球があり、人類がいるということを知ってくれることを願って。
この地球外知的生命体をさぐる試みの提唱者がセーガンだった。
子どものときに想像した夢を、そのままロケットに積み込んで発射したようで、すばらしい。技術開発とか軍事競争とかばかりでは、科学も疲弊してしまう。やっぱり夢がないと。夢を忘れていないだろうか、と自身を振り返る。
(2018年11月9日)


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