大関暁夫の“ヒマネタ”日記~70年代大好きオヤジのひとりごと

「日本一“熱い街”熊谷発コンサルタント兼実業家の社長日記」でおなじみ大関暁夫が、ビジネスから離れて趣味や昔話を語ります

昭和問わず語り18 ~ 怪獣ブーム4

2012-03-16 | 昭和
怪獣ブームの話が途中になってしまいました。確かウルトラマンまでいっていたかなと。

ウルトラマンとくれば次はウルトラセブンですね。これは怪獣モノというよりも宇宙人モノ。巨大な怪獣が毎回登場して最後の対決シーンが見せ場だったウルトラマンとはやや違う展開でして、基本的には毎回異なる宇宙人が地球侵略を狙ってやってきてセブンと対決するというストーリーが前シリーズとは大きく異なる趣でした。話が難しいというか人間ドラマ(実際には人間と宇宙人の対話ドラマですが)というか、セブンがアパートの一室でちゃぶだいを挟んでメトロン星人と対話をするなんていう“名シーン”もあったりしました。

怪獣モノから宇宙人モノに移行したのには、実は大人の事情があったようです。当時怪獣ブームもピークアウト気味で予算が厳しくなっていたと。怪獣の着ぐるみ作りもそれなりにコストがかかっていたものの、さらなるコストはヒーローと怪獣が対決する町のミニチュア作りです。怪獣が倒されて町が壊れるところも見せ場ではあったのですが、確かにその制作作業たるやモデルとなる街のロケハンにはじまって設計、施工、色付等脚色…。なんでも着ぐるみとセット代で総製作費の大半を占めていたとか。これ毎週じゃたまらんわけですよ。その後のヒーローものである、仮面ライダーやゴレンジャーなどが、皆等身大の悪者を設定し空き地のような場所でばかりロケを敢行したのは、セット製作費の削減目的以外のなにものでもないのです。わずか最後の5分を盛り上げるために映画並みの製作費が投じられるのはいかがなものか、大人の考えは当然そうですよね。

当時子供の僕らは、「ウルトラマン」に比べてどうも消化不良気味でした。セブンがストーリー的に名作であると思えたのは、恐らく何度目かの再々放送で見た高校時代かなと思います。子供の頃は、話は理屈っぽいし、毎回等身大の宇宙人ばかりが登場して大きな怪獣の登場が減っちゃうしで、何気に不満を感じてたのは間違いありませんでした。でも毎週見てました。そんなセブンへの怪獣の登場数は少なかったけど、質は高いかなと思います。少数精鋭ね。セブンシリーズで一番有名な怪獣はエレキングでしょう。あれはウルトラシリーズでも1、2を争う怪獣デザインの名作です。あとは、セブンがピンチの時に助けてくれるカプセル怪獣の存在も魅力的だったな。ミクラス、ウインダム、アギラの3頭だったかな。これが弱いんだな、どれも。最初はイイ線いっていながら、だいたいやられてぐったりしたところで「戻れ!」って戻されるの。カプセルの中で死んじゃうんじゃないかと心配したよ、ホント。デザインでは、闘牛みたいな風貌で猫背のミクラスが可愛かったです。この後のウルトラシリーズの怪獣デザインの体たらくぶりを見るに、セブンが最後の栄光時代であることは間違いありません。

さてセブンの宇宙人モノ的性格ですが、実は円谷プロの宇宙人モノは映画も含めてけっこう歴史は古いんですよね。ただセブンに直結するのは、「ウルトラQ」のケムール人、「ウルトラマン」のメフィラス星人あたりです。超有名なバルタン星人は確かに存在感はあるんだけど、単なる地球征服者でちょっと動機が希薄なので、怪獣と同じ立ち位置と言うところが不満です。ケムール人は科学の力で寿命は延びたけれど肉体は衰えてしまい(あれ体が腐ってるんですよ。子供時分に臭い靴下を手にかぶせて「ケムール人だぁ」とか言ってたのはかなりいいセンスだったと自画自賛です)、人間の肉体を求めて地球に来るんだよね。メフィラス星人は武力によらない地球制服を宣言し、地球人の子供を人質にとって「あなたに地球をあげます」と言えって迫るんだったかな。あのシーンはその人質の子供と同世代の僕には本当に怖くてよく覚えています。「僕の所に来たらどうしょう」「あげますって言っちゃったらどうなっちゃうのかな」ってね。結局少年は絶対に「あげます」と言わずに、メフィラス星人は帰ったんですよ。これこそセブン系ストーリーの元祖ですよね。

そんなわけでウルトラセブンは、ウルトラマンとは見かけはともかく中身は全然違うヒーローものでした。あ、そうそう大切なことを忘れていました。ウルトラセブンと言えばアンヌ隊員。ひし美ゆり子さんね。ウルトラシリーズに登場した初めての“キレイなお姉さん”でした。「ウルトラQ」が終わって「ウルトラマン」が始まったときに、子供だって「え~っ、また桜井浩子(って当時は名前は知らなかったろうけど)」って思ってガッカリしたからね。子供心に紅一点女性隊員って大事だった訳で、アンヌ隊員は番組に別の花を添えてくれた貴重な存在だったのです。我々世代にはいまだにアンヌファンって多いみたいですよ。わかる、わかる。僕らにとって初恋の人みたいな存在なのかもしれません。