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夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

リメイク 氏素性の解らぬ作品 白磁双龍耳瓶 伝唐時代? 

2019-03-08 00:01:00 | 掛け軸
先週末はひな祭りの段取り・・。掛け軸の次は小さなお人形。



客用トイレの前に飾りました。市川鉄琅の作ですが、市川鉄琅の作品は本作品を始めいくつか紹介していますので、市川鉄琅についてはそちらの
記事を参考にしてください。



市川鉄琅の作品は好みもあるでしょうが、平櫛田中の作品に比して手頃なお値段というのが魅力です。



本ブログで紹介した「福の神」や「聖観音像」などはその佳作と言えると思います。



本日紹介する作品は氏素性の解らぬ作品です。

いつ頃購入した作品か忘れてしまいましたが男の隠れ家の書院つくりの棚にしばらく飾ってあった作品です。写真撮影を碌にしていなかったので帰京の際に宅急便で送り、展示室で写真撮影したのでこのたび投稿いたします。

氏素性の解らぬ作品 白磁双龍耳瓶 伝唐時代?
誂箱
口径70*胴径200*底径105*高さ370



同封されたいた購入時の当方の記録には「唐時代として売られており、根拠を問うたところ『唐時代というのは、形からと土が枯れているとことから発掘品と判断いたしました。』」との説明書がありました。・・・本当かな?



首が長く、肩から双龍耳が上に伸び、ボタンのようなものが取り付けてある作品です。少なくてもこの器形は中央アジアのフォルムに影響を受けたもので、初唐の頃に流行したスタイルのようです。



薄い灰釉薬が透明感と暖かみを感じさせる趣があります。胎土は割と厚い、あくまでも割と・・。本品は取手部分が補修されており、当方で再度、金繕いで補修しておきました。



唐時代の保証はむろんありませんが、最近の近代作ではなく時代にはもしかしたら信憑性があるかもしれません。



近代作と見分ける点は「形がすっきりしている点」で近代作は「ずんぐりとした模作が多い」とのこと。また土が白い点で、近年の作は「黒っぽい土」を使用していると言われています。この点から近代作との大まかな区別はできるらしい。



口の左右を龍が噛む形の龍耳壷は六朝時代の末から唐時代にかけて流行した器形 。ギリシャの「アンフォラ」と呼ぶ器形に似た双耳壷で耳の形が龍で中国的になっています。



卵形の胴体は底部に向かって引き締まり、下を少し余して上質白色の胎土の上に透明な釉をかけているのが特徴です。



二匹の龍が両側から口縁を噛んだものが肩部と口縁につながって取手となっていますが、脆いので決して今では持ってはいけません。



胴中央部にパルメット文の貼花があるのが珍しく上手品と言われています。



北方の白磁窯で焼かれたものと推測されている唐代の陶器は「南青北白」といわれ、北の白磁と南の青磁に代表される(宝相華文は唐代に流行した一種の理想花)ものです。



唐時代の陶磁器には西アジ アの影響が強いものが多く見られるますね。

下記の二つの作品は唐三彩の「龍耳瓶」の作品です。

三彩貼花龍耳瓶 唐時代・8世紀                          三彩双龍耳瓶  唐時代・8世紀 
 重要文化財 東京国立博物館蔵                                九州国立博物館蔵

 

白磁では下記の作例があります。

白磁龍耳瓶
愛知県陶磁美術館蔵



展示室にてしばし愉しみました。



骨董蒐集は常に整理と勉強と反省とそしてなにより愉しむことが肝要です。逆に言うと「集めるだけ集める、整理しない、勉強しない、真贋にこだわる。」ことはあまりよくないようです。


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