
明日からの投稿は帰京につき、お休みとさせていただきます。投稿の再開は5月の連休明け(5月7日)からとなります。
本日は非常に出来の良い?平福百穂の山水画を入手できましたので紹介します。

大正年間の作品でしょうか? この頃からの平福百穂の山水画の作品は円熟味が出てきますね。

秋渓漁夫図 平福百穂筆 その141
絹本水墨淡彩軸装 軸先骨 合箱
全体サイズ:縦2020*横548 画サイズ:縦1210*横410


表具に多少の痛みがあり、また全体にシミがあります。鑑賞には支障がありませんが、そろそろ改修時期にきている作品です。

平福百穂は最後の南画家と称されており、晩年の水墨山水画の評価は非常に高くなっています。

大正末期から昭和初期の没年まで円熟味が増してきますが、この作品はその片鱗をうかがわせています。

平福百穂と松林桂月が昭和初期の新南画と言えるのでしょう。

もともと筆致数の少ない画風の平福百穂ですが、その少ない筆致でより技量を深めています。

淡彩を交えた技法はお見事・・・。

人によっては山水画はみな同じという方が多いかもしれませんが、じっくり見ていくと違いが分かるようになります・・・・。

本作品は共箱ではありませんですので、作品中の印章のみとなります。作品の出来からも真作と判断できます。

掛け軸の山水画の数は多かれど、佳作と言える作品は数が少ないものです。