この版画の魅力は鮮やかな魚体の色を木版で表現するために版木を数多く使用し何十にも色を重ねて摺るという「原色木版二百度手摺り」といわれる方法で製作されている点であり、原画作成の麦風のみならず彫師、摺師の熱意と努力も凝縮されているとのことです。 . . . 本文を読む
当方の好きな画家のひとりです。1800年(寛政12年)数え36歳で若隠居し、花街での遊蕩を好み、吉原の老妓の門弟も多かったようです。粉本に依らない軽妙洒脱な画風で人気を博し、当時の狩野派内で最も有力だった狩野栄信のライバルと言われたくらいです。居宅に高楼を建てる趣味人で、『画道伝授口訣』という著作もありますので、既成路線の狩野派にあってかなりの識人であったように思います。 . . . 本文を読む
富田渓仙は初め狩野派、四条派に学びながらも、それだけでは飽き足ることはありませんでした。京都で学んでいた富田渓仙は、仏画であったり、洋画、南画などの新しい世界に心が惹かれて行き、次第に仙厓義梵、富岡鉄斎の独創的な世界観に傾倒をしていきます。
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落款に「六十八翁 鵞湖王瑾写 押印」とあります。「鵞湖」とはむろん諏訪湖のことです。「天龍道人」と落款に記するようになったのは70歳頃からであり、それ以前の作品で現在遺っている作品数は非常に少ないと思われます。
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模写と考えるのが妥当と思う方がいるでしょうね。当方もその考えは捨ていません。ただともかくここまで整理するのには多大な労力が必要でした。愛好者の「すぎぴい」さんのコメントはたいへん参考になりました。本当にありがとうございました。 . . . 本文を読む
蒐集するだけでは蒐集家とは言えないのかもしれません。作品を整理して系統立てて、作品の周囲の知識も得て、そして作品の本質を見抜いて、最終的に鑑識眼を身に付けるのが骨董における蒐集する者が歩むべき道・・・・。
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第6回新文展に入選した「花譜」を、ある美術評論家がただ一言、「温藉な画境」と評しています。聞き慣れない言葉ですが、心広くやさしく、しとやかなことを言うそうです。千種が到達した世界を表すのにもっともふさわしい言葉であるかもしれません。
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戊戌(1838年 天保9年)八月□□十□六日寫 登 押印」とあり、渡辺華石が亡くなる三年前の45歳頃の作。蛮社の獄(ばんしゃのごく)は、天保10年(1839年)5月に起きているのでその前年となります。真作なら最晩年に近い貴重な作品となります。
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無落款の作品ゆえ本作品が田中頼章の作であるかどうかは全く解りません。箱書に「小林精一」なる人物がそのように記しているのみが根拠です。我が家には田中頼章の山水画の作品が以前からあり、馴染みのある画家ですが、このような神仏を描いた作品は珍しいと思います。
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題名の「ナザレ」は有名なイスラエル北部地区の中心都市のことではなく、海に面していることからポルトガルの首都リスボンから北へ約120kmの位置にあるナザレという海辺の村であろうと思われます。
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