夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

大日本魚類画集 NO68 ナマズ図 大野麥風画

2019-10-31 00:01:00 | その他
この版画の魅力は鮮やかな魚体の色を木版で表現するために版木を数多く使用し何十にも色を重ねて摺るという「原色木版二百度手摺り」といわれる方法で製作されている点であり、原画作成の麦風のみならず彫師、摺師の熱意と努力も凝縮されているとのことです。 . . . 本文を読む

宝舟図 狩野素川筆 

2019-10-30 00:01:00 | 掛け軸
当方の好きな画家のひとりです。1800年(寛政12年)数え36歳で若隠居し、花街での遊蕩を好み、吉原の老妓の門弟も多かったようです。粉本に依らない軽妙洒脱な画風で人気を博し、当時の狩野派内で最も有力だった狩野栄信のライバルと言われたくらいです。居宅に高楼を建てる趣味人で、『画道伝授口訣』という著作もありますので、既成路線の狩野派にあってかなりの識人であったように思います。 . . . 本文を読む

観音 富田渓仙筆

2019-10-28 00:01:00 | 掛け軸
富田渓仙は初め狩野派、四条派に学びながらも、それだけでは飽き足ることはありませんでした。京都で学んでいた富田渓仙は、仏画であったり、洋画、南画などの新しい世界に心が惹かれて行き、次第に仙厓義梵、富岡鉄斎の独創的な世界観に傾倒をしていきます。 . . . 本文を読む

贋作考 戊辰四幅のうち秋冬双幅 釧雲泉筆 文化5年(1808年)頃など

2019-10-24 00:01:00 | 掛け軸
模写と考えるのが妥当と思う方がいるでしょうね。当方もその考えは捨ていません。ただともかくここまで整理するのには多大な労力が必要でした。愛好者の「すぎぴい」さんのコメントはたいへん参考になりました。本当にありがとうございました。 . . . 本文を読む

髪を梳く女 木谷千種筆

2019-10-21 00:01:00 | 日本画
第6回新文展に入選した「花譜」を、ある美術評論家がただ一言、「温藉な画境」と評しています。聞き慣れない言葉ですが、心広くやさしく、しとやかなことを言うそうです。千種が到達した世界を表すのにもっともふさわしい言葉であるかもしれません。 . . . 本文を読む

蔵王権現図 田中頼璋筆 

2019-10-16 00:01:00 | 掛け軸
無落款の作品ゆえ本作品が田中頼章の作であるかどうかは全く解りません。箱書に「小林精一」なる人物がそのように記しているのみが根拠です。我が家には田中頼章の山水画の作品が以前からあり、馴染みのある画家ですが、このような神仏を描いた作品は珍しいと思います。 . . . 本文を読む