デビルメイクライ4（XBOX360版）

何だかんだ、このブログも随分長く続けている。俺は「継続は力なり」を必ずしも支持しないが、まぁ一朝一夕でやれたことじゃない。
つってもやってることは、ほぼずっと同じだ。ゲームをやって、感想を書く。あと月一で雑なこと。それも概ねゲーム関係だが。
ずっと同じだから、各記事もなんちゅーか並列な感じで、目玉記事的なものはない。俺自身の思い入れもどれも大体同じくらいだ。
しかしながら、「閲覧回数」では結構差が出ている。俺はアクセス解析を見ているので、それがよく分かる。
閲覧一位は何と言っても「クーロンズ・ゲート」だ。検索到達回数は常に上位で、「これ今大流行じゃね？」と錯覚しそうになる。
次点は日々バラバラだが「FE覚醒」「ディノクライシス3」「グランディア3」「MOTHER2」「NINJA GAIDEN3RE」辺りが多いかな。
こういうのは検索の妙であって、無論記事の質がいいからって話じゃない。先行者利益って側面も多大にあるし。
まぁGoogle大先生に感謝ってことだ。webの向こうから、誰かの検索が、俺と繋がる可能性を持つ。不思議だねぇ。しみじみ。

さて。閲覧回数は「検索の引っ掛かりやすさ」次第であるが、「頂くコメントの数」についてはどうだろうか。
これもまぁ、閲覧回数と比例するところはある。けど俺視点で強く感じるのが「批判的に書いた感想ほど貰いやすい」というものだ。
クーロンズ・ゲートやMOTHER2、グランディア3なんかは好例だな。批判に同意なのもあれば、「それは違うのでは」というのもある。
もちろん良し悪しの話ではない。俺は俺のプレーした感想を書いている。反論を頂いても、内容を曲げようと思ったことはない。
また反論コメントも、俺を悪しざまに言うような人は少ない。皆さん紳士的だ。ありがたい話である。これからもお願いしますである。

……で。そんな「反論を多く頂いた」中で、最も印象に残っているゲームが「デビルメイクライ3スペシャルエディション」である。
書いたのは今から4年前。そしてその内容は、もう徹底的な批判だった。多分このブログで最も悪く書いたゲームだと思う。
プレーしていて感じた圧倒的な不快さが、俺のリミッターを完全に破壊した。あんな気分で感想書いたゲームは他にない。
ただこのゲームは「世間一般では評判が良い、寧ろ名作扱い」であった。クソゲーなどではもちろんない。「褒めるのが自然」なのだ。
そして俺自身、そのことは肌で実感していた。プレーしていて甚だ不快ではあったが、「出来が悪いゲーム」だとは終ぞ思わなかった。
だから苛立ちに染まった感想を書きながら、一方で「何故なんだ！？」という疑問が止まらなかった。これは、おかしいのである。
「カプコンのアクションの3作目」である。ついでに言えば、世間的には名作である。それが面白く無いどころか、異常に不快って。
自分の経験上あり得ないことが起きて、わけが分からなかった。ただ、このゲームを二度とやりたくない気持ちはハッキリしていた。
一応ノーマルとハードの難度で2周したが、それが限界だ。それ以上の「苦行」をやるほど俺は暇でも酔狂でもない。
俺は全てのゲームをプレーし、更にそれをいずれ再プレー出来れば最高だと思っている。俺の理想の「ゲー道」だ。
……が、例外はあった。DMC3SEだけは、やりたくない。俺は全てのゲームを愛せはしない。残酷な現実を突き付けられた。はぁ。

そんな苛立ちに塗れた感想文には、多くの人からコメントを頂いた。もちろん、全てじっくりと読ませて頂いた。
俺に同調的なものもあれば、やはり人気作品、反論も多かった。俺自身の「謎」だから、それらは特に何度も読み返させてもらった。
……まぁでも、結局分からないものは分からない。そりゃそうだ。俺と誰かじゃ感じ方が違う。この真実は決して覆せない。
だが、それで仕方ないと終わらせるわけにもいかなかった。何故なら「次」があるから。続編が。「デビルメイクライ4」が！！
俺はこのシリーズを1～4まで集めてからプレーを開始した。今思えば最悪の行為だが、当時は何ら疑問を抱いていなかった。
「カプのアクションシリーズが面白くないわけないんだから」という絶対的安心感の下、入手先行のプレーになったのである。
それがどれほど俺を苦しめたか。普通なら、合わないシリーズなら脱落すればいい。だが、先に買ってるのだ。それを無視は出来ない。
3SEは二度とやりたくないが、4はそうはいかない。いずれプレーし、決着を付けねばならない。そこは絶対に譲るわけにはいかない。
だから俺は、力を蓄えた。頂いたコメントからデビメイの良さを読み取り、ゲームを前向きに受け取ろうと心の矯正を図った。
3SEで不快だった部分を思い出し、それに耐えられるようイメトレをした。事前の心構えにより、忍耐力が上がると思ったからだ。
もちろん焦りは禁物。我がゲー道に期限はない。時が来れば自然にやる。そしてその時はいつか必ず来る。
2016年、時は来た。前年からソフトを開封し、説明書を読んで気合を育んでいたのだ。……大袈裟？　DMCを知らんから言えるんだよ。
準備は、少なくとも俺基準では、万端。今回も世間的評判は上々だ。ダメゲーでは決してない。ならきっと、通じるものがある。
大いにビビり、仄かな期待を込めて、プレーを開始した。今度こそ、今度こそは。俺とゲームは、分かり合えるんだから……っ！！！


結果、玉砕しました。
3SEに勝るとも劣らない凄まじいストレスとムカつきに苦しみ、3回ほど本気でコントローラーを投げ付けました。
デビルメイクライ4、全く俺に合わない、つまらないを遥かに越え、憎しみさえ覚えさせられるゲームでした。
非常に残念だが、これが現実である。俺だって、もちろん頑張ったさ。けど。でも。腹が立って腹が立って、仕方なかったんだ。はぁ。


うーん。何かなぁ。もうよく分からない。一周回って今は穏やかな気分だし。
取り敢えず……前作で一番不快に思った「攻撃力が低すぎること」だが……これは、今回さほど感じなかった。
敵を倒すのにコンボが必要なのはもちろん変わらないが、まぁ殴っていればそのうち死ぬ。感覚的には、前作より楽だったように思う。
しかし、DMCがそれで俺を許してくれるはずがない。今作は「敵に攻撃が通らない」時間が非常に多く、また長いように思う。
ガードが硬かったり、霧に包まれていたり、体から電撃を放射しているから触れるとこっちがダメージを食らったり……実に様々だ。
もちろん、それらへの対処法はある。敵の裏に回ったり、攻撃を重ねて霧を剥ぎ取ったり、銃撃で電撃を止めたり……あるにはある。
けど、なぁ。これは前作の攻撃力にも繋がるんだが……「割に合わない」んだよ。労力と、その効果が、釣り合ってない気がするんだよ。
たかが雑魚敵のガードを必死になって掻い潜る。電撃放射で好き放題暴れる奴の攻撃を必死で避けて、隙を見て銃撃パンパン。
それが攻略、それがゲーム性と言えばそれまでだが、俺は今作の調整に常に「理不尽」を感じた。俺ばっか不遇で、損をしているような。
敵は防御性能糞高くて、スーパーアーマー持ちで、多勢で襲ってきて。何より機械が動かしてるんだから、労力も何もない。
……「ゲーム」に対して何を言ってるんだと我ながら思うが、不平等に感じられて仕方ない。割に合わない。やる気になれない。
敵の打倒に、攻略に燃えられず、どんどん気持ちが萎えてしまう。ああ、まさにデビメイの感覚だ。4年前の悪夢は続いていた。はぁ。

雑魚でそうなんだから、ボスはもっと凄い。攻撃をガンガン当てられる奴もいるが、その際は前作譲りの「減らなさ」で萎えさせられる。
そこにボスらしい激しい攻撃が加わり、イライラとムカつきで目の前に火花が散る。ボスをこんなに憎めるゲームは他にない。
ボスは強大だから、演出として余裕こいて笑っていたり、ブツクサ呟いていたりする。これがまたムカつくことこの上ない。
人型のボスは回避性能が非常に高く、捕まえて殴ろうとすればスイスイ飛んで逃げて……ああああああ！！ がぁああああ！！！！！
あるボスはバリアを張っていて、まずそのバリアを壊し、本体に追撃を入れれば、ようやく攻撃のチャンスタイムを得られる。
しかしバリア破壊後は異様に回避性能が上がり、こちらの攻撃は空振りばかり。……しばらくするとバリアを復元し、振り出しに戻る。
もうね、頭に血が上ると言うか、憎しみでビームが出そうというか。こんなに人を憎んだことは近年なかったかもしれん。人？　さぁ。
二次元キャラを偏愛し「俺の嫁」なんて言う奴は腐るほどいるが、ゲームの敵にここまで憎悪を抱いた人間は俺くらいじゃなかろうか。
それほどに、今作のボスどもは腹立って腹立って不快でムカついて……がああああ！！　……はぁ。

そうして気持ちが波打つと、プレーが雑になる。敵の攻撃を避けようともせず、連打でテキトーに済ませようなどと考えてしまう。
そんなことをしたら、当然被弾は増える。ますますイライラが募る。以下悪循環である。実に俺デビメイであった。どうしてこうなった。
けど、真面目に丁寧にやったらやったで「割に合わない」感覚が強くなるから、結局イライラが募る。もう、無理ゲーである。
そして、周知の通り、このシリーズは「スタイリッシュアクション」を標榜している。華麗に敵を倒せてこそデビルハンターである、と。
コンボを繋げていくと、画面上に7段階のプレー評価が表示される。同じ技だけを使っていてはダメで、多彩さと華麗さを求められる。
……しかし、途中で敵の攻撃を食らうと？　一瞬で、評価は2段階下げられる。連続で食らえば、最低レベルからやり直しだ。
これも、激しく俺の気持ちを苛立たせる。評価が上がるだけならいいが、攻撃を食らうと明確な「ダメ出し」をされる。
まるでゲームに馬鹿にされているようだと感じる。……言いがかりなのは百も承知。けど、このシリーズにだけは、そう感じてしまう。
つまるところ、今作のゲーム性が全て俺に逆方向で作用している。これではお手上げである。ムカつきが止まらない。はぁ。

要素の多さも問題だ。今作はスタイリッシュアクションを名乗るだけあり、やれることが多い。多彩さこそ正義という世界である。
新主人公のネロはまだマシだが、ダンテになると4つのスタイル（十字キーで自由に変更）を最初から全開放され、混乱必至。
それだけでも勘弁してくれという気持ちだったのに、先に進めば新武器がガンガン手に入り、ますます混乱する。般若の面である。
ネロの方も、実はトリガーでパワーを溜めて威力を上げるという非常にわけの分からんシステムがある。あんなの使えるかボケ。
まぁ実際のとこ、それら全てを使う必要はない。出せる技だけでも戦えないわけではない。だがそれだと当然ランクは上がらない。
イライラが溜まりに溜まっている俺は、こういうとこでも「ゲームに馬鹿にされている」ように感じる。舐められている、と。
ダンテは最終的に銃3種、剣3種を切り替え可能になる。そこにスタイルチェンジがあり、更に銃の一つは変形も可能で……
頭がおかしくなりそうである。雑多な要素を奥深さ・楽しみに感じられない。実に不幸な話だが、そんな現実だった。はぁ。

操作性に関しても悪いと思う。ボタンを使いまくるのは当然として、その忙しい操作がどうしてもしっくり来ない。
今作では狙う敵を固定する「ロックオン」が非常に大事で、これをしながらでないと出せない技も多い。
ロックオンしながら前（後）にスティックを倒して攻撃、だ。……これが非常に暴発もしくは不発になりやすくイライラしまくった。
これは視点問題も絡んでるのかなぁ。キャラの向きが戦闘中にコロコロ変わるから、「前」もそれに合わせて変わる。
さっきまでキー上入れ攻撃で突進だったのに、次の瞬間には後ろでないと出なくなったりと……理屈は分かるが、指がついてこない。
「溜め撃ち」「少し待ってからボタンを押す」という操作にも終止慣れず、これまたイライラが募った。
今作はとにかく「連打馬鹿」に対して厳しい。ゲームで敵を攻撃する際、要求以上の連打をする癖がある人はいないだろうか？
俺はまさにそのタイプで、このゲームとの相性は最悪である。要所要所でその染み付いた癖が出て、攻撃が途切れたり、暴発したり。
イライラからテキトープレーになるとますます加速し、連打連打。猿な突進攻撃連発と連打だけのゲーム。スタイリッシュとは何かね？
何かもう、ホント……生まれてすみませんと言うか……。怒りを通り越して謝りたくなるゲームだ。謝罪ゲー。はぁ……。

今作をやっていてビリビリ感じる製作者の鉄の意志は「初心者のことなど知ったことではない」だ。そんなものは見えちゃいねー。
膨大な要素と、しっくり来ない操作性。だがそれらを身に付ければ、さぞスタイリッシュな戦いが可能なのだろう。想像はできる。
今作はプレーヤーのその状態を念頭に作られている。キャラを華麗に動かせることが前提、常識。その信念が画面から伝わってくる。
そこには「誰でも最初は初心者」「やり続けても下手な人間もいる」なんて気配りは微塵もない。寧ろ下手なのが悪いと言いたげだ。
確かに今作にもイージーモードはある。イージーだとさすがに簡単で、ボタン連打の猿プレーでも恐らくクリアーは可能だろう。
だがそれでキャラ操作が身につくわけじゃないから、上の難度に行けば当然ドン詰まる。結局ゲーム的には何の解決にもなっていない。
ちなみにボタン連打でそれなりのコンボを出せる「オートマティック」機能はあるんだが、それはそれでコンセプト的におかしいだろう。
俺はノーマルたる「DEVIL HUNTER」モードからプレーを始めたが、このモードでも詰まりまくった。だが何とか突破し、クリアーした。
んで2周目「SON OF SPADA」に入れば……まぁ、最下級の雑魚への対処は上手くなってたかな？　でもその程度でしかない。
中級以上の雑魚やボスはこの難度から本気を出してきて、あちこちで俺の人権を蹂躙する。無論、ストレス値は常時フルスロットル。
難しいのはいいよ。けどさぁ、ゲームなんだから、階段用意すべきじゃねーの？　誰もが飛翔して上階に行けるわけじゃないんよ？
……分かってくれんか。4作目にしてこうなんだから、もうシリーズを貫く方針なのだろう。下手糞は死ね、と。一理ある。はぁ。

俺は、今作には「トレーニング」「トライアル」モードが必要だと思う。申し訳程度のチュートリアルではない。ンなの役に立たん。
キャラと敵の種類・数を選択し、好きなように戦い、研究が出来るトレーニングモード。こちらの体力を無限にすることももちろん可能。
分かる人は分かるだろうが、これは対戦格闘ゲームに常備されているモードである。格ゲーでは対戦より寧ろトレモが重要だったりする。
そしてトライアル。これも格ゲーではよくある、設定されたコンボを出せるようチェレンジするミニゲームモードだ。
トライアルで適当なコンボを10個くらい見せてくれれば、こちらはそれを知り、真似が出来る。そうすれば応用も効くというものだ。
上手く出せないなら、トレモで好きなだけ練習すればいい。本編と違ってHPに制限はないから、心ゆくまで試し、考えられる。
本編の難度は結果的に下がるだろうが、今作はクリアー云々より「スタイリッシュに戦ってほしい」ゲームであろう。
プレーヤーの腕が上がり、高いコンボランクで倒せるようになれれば、それに越したことはないはず。……多分。はぁ。
「ブラッディ・パレス」という戦闘に特化したモードもあるが、そうではない。「練習に特化」したモードが欲しかったんだ。
それがあれば、少なくとも研究・練習はしただろう。練習なんだから、本編のような地獄の苛立ちを覚えることもなくやれるはず。多分。
無いものねだり、かねぇ。実際ないからねぇ。どうしてこんなゲームを皆はやれるんだろう。どうしても分からない。はぁ……。


戦闘部分はそんな感じの悪夢だったが、「移動」はどうだろうか。これも前作では非常にムカつき苛立ち腹が立つ要素であった。
……こちらは、前作のほぼ延長線上にあった。つまり今作でも、非常に非常にムカつき苛立ち腹立って腹立って……ああああ！！
取り敢えず、足が遅い。シリーズ伝統のモッサリゆったりとした走りで、長い距離を移動させられる。駆け抜ける快感などない。
一応今作では、しばらく走り続けると速度が上がる「ダッシュ」というスキルがあるんだが……これの発動が、矢鱈と遅い。
何でこんなとこにケチケチするんだか……戦闘バランスに影響するからか？　じゃあ敵がいないときは即発動とか、あるだろうに。はぁ。
まぁでも、速度は我慢できる。動けば進んではいくんだから。問題は、マップだ。今作でも血管沸騰マップが健在だった。嗚呼。

前作の感想でも書いたが、こういうゲームの移動に面白さはない。同じ所で戦ってても飽きるから、あくまで彩りとして存在するのだ。
だから移動で困ることは、この手のゲームとしてはおかしいと思う。そこにゲーム性も面白みもない以上、苦痛にしかならないからだ。
……今作でも、苦痛バリバリだった。一本道でいいのに、何で別の道を行けるようにしてるんだろ？　隠し要素があるわけでもないのに。
序盤はまだいいが、マップが出揃った頃（今作は同じマップを行ったり来たりすることが多い）から、悪魔の悪夢が始まる。
分かり難く、把握し難く、移動していて不安にさせるようなマップ。絶妙に間違いルートを選ばせるマップ。イライラする事この上なし。
ここでも戦闘面と同様、製作者の鉄の意志を感じる。「プレーヤーがマップに習熟していて当然」だと。ンなわけねーだろ死ね糞が。
確かに一度は通ったさ。けどその繋がりを、たった一度で記憶してると思うのか？　俺らパンピープレーヤーを何だと思っている。
メニュー画面からマップの確認は可能だが、「ゲーム画面」とは全然違うので、恐らく役に立たない。余計混乱するだけだ。
ミッションの開始時に、橋が繋がるムービーが入る。そこへ行けということだ。確かに見覚えはある。あそこに行けばいいんだな。
……どうやって行くんだよ。ルートなんか覚えてないよ。俺が悪いのか？　そう、お前が悪いのだ。製作者はハッキリそう言ってる。
道に迷っている間、激しい苛立ちと共に、底抜けの虚しさを感じた。俺は一体何をやっているんだろう。ゲームってなんだっけ。はぁ。

回数は少なかったが、「ペナルティ戦闘」にも無性に腹が立った。デビメイ恒例の、赤い膜に囲まれた強制戦闘である。
正解ルートでのそれなら分からないでもないが、進行上のミスでいちいちやらされると……心臓が窄まるようなストレスに襲われる。
ネロには「スナッチ」というワイヤーアクションのような能力がある。戦闘だけでなく、移動にもそれを使うことは多い。
ゲーム序盤に、このスナッチを連続でやっていくシーンが登場した。だが序盤なので俺は不慣れだ。連続成功など出来そうにない。
だから何度も失敗した。下に落ちて、元の場所まで戻らされた。それは構わない。ジャンプアクションではよくあることだからだ。
……問題は、その落下地点で「毎回」強制戦闘をやらされることだ。毎回だよ。怒りのあまり目が赤くなりそうになった。悪魔かよ俺。
結論を言えば、このスナッチはボタン連打で成功する程度のものだ。けどそんなこと最初は分からない。試行を重ねて身に付けるのだ。
その試行の最中、何度も落下する俺を、嘲笑うかのような強制戦闘。俺がそんなに悪いのか。ここまでやるほどのペナルティなのか。
今作をやっててビンビン感じた「製作者に馬鹿にされている」という被害妄想が最大限に膨らんだシーンだった。絶対に許さない。
もう一度言う。あそこまでのペナルティを用意すべきシーンなのか。そんなに俺を不快にさせたいのか。ゲーム序盤で！！　……はぁ。

あーそれと……これも前作と変わらず、各種ムービーにも苛立ちを増幅させられた。「ご褒美」どころか真逆の効果である。
ダンテは言うに及ばず、ネロも「イケてる」タイプの若者で、多くの場面で余裕ぶった態度を取る。そして、非常に強い。
ボスの攻撃をゆうゆう避けたり、銃撃一発で息の根を止めたり。……実際のゲームでは、銃撃なんて1ドット減るかどうかなのに。
そうした「俺TUEEEEE!!」なムービーはデビメイのお約束ではあるが、ゲームに破壊衝動を抱いている俺には火薬を増やす効果しかない。
そんだけ余裕なら、もっと楽に倒せるべきだろが糞が。つーかもうお前が自分で動けよ！　俺はお前を動かすのもう嫌だよ！！！
明らかに小物な情けない研究者の敵も、ボスになったら当然強大になるし。ゲームイメージと実際の展開が全く噛み合っていない。
……はいはい、俺が下手なんが悪いんだよ。あーもうムカつく。イラつく。不愉快だ。どうしてこんなゲームをやっている……っ！？

ゲーム中には、本編に関係ないミニゲーム課題「シークレットミッション」が隠されている。全部で12個用意されている。
クリアーすれば体力増アイテムを貰えるので、やる価値はある。失敗しても何度も挑戦可能なのは今作とは思えない親切設計だった。
……ただ、課題が面白いとは思えなかった。これもまた「全部把握してる人向け」だった。わからん殺しばっかりでウンザリだった。
まぁ隠しミッションだからそれはいい。……けど、「食らったダメージが本編にも残る」のは納得いかない。非常にムカついた。
シークレットミッションには戦闘絡みのものも多く、そうなるとダメージを食らうこともある。それが本編に戻っても残るのである。
じゃあダメージが嵩んで死ねば？　そのままゲームオーバーである。おえおえおえ。舐めてんの？　なんでそう俺を怒らせるの？
本編に関係ない隠し要素やないか。だったら、ここでの体力は独立計算でいいじゃないか。なんでそう意地悪設計ばかりするんだよ。
攻略サイトガン見により一応コンプしたが、俺と今作の果てしなき「合わなさ」を痛感した。分かり合えない。どこまでも。はぁ。


はぁ。それ以外の要素はどうだろう。
物語は、製作者曰く「次世代機に相応しいものになるよう気合を入れた」らしい。今作の発売は8年前、確かにまだそういう時期だな。
最初にダンテが悪もんとして登場するが、ネロとキリエ以外の連中があからさまに真・悪もんだから、まぁ展開は見え見えである。
キリエの兄貴は、立ちはだかるにしても、生身でいてほしかったな。お前まで悪魔化してどーすんのよ。情けない。
大ボスであるはずの神像がいまいちカッコ良くも強くもない（ただし非常に面倒臭いボスで、イラツキ度は凄まじい）のはどうか。
実質のラスボスが爺ってのも盛り上がらない。敵の描写が全体的にまずかったと思う。まぁ正直どうでもいいんだが。
味方側は、主人公を変更するという思い切ったことをやった。ちなみに俺は説明書を読むまでネロを今作のダンテだと思っていた。
だってダンテって作品毎に人相がガラッと変わるやん。あれくれー変化の範囲内かなと思ったんだよ。畜生。はぁ。
ゲームはムカつくことこの上なかったが、ネロのキャラは新主人公として成功していたと思う。賭けに出た甲斐があったな。
一方でヒロインのキリエが特に能力もなくただの攫われ姫なのはどうか。デビメイ女キャラがそんなんじゃすぐ殺されるぞ。多分。
ダンテは途中からネロと交代するが、それまでは二度もボスとして戦うことになる。二度目の際は非常に強く、当然イラツキMAX。
馬鹿げた回避性能でこちらの攻撃を避け、パンパンと手を叩いて挑発してきたりする。コイツ殺す。この悪魔めがぁ！！！
使用キャラとしては、前述の通りややこし過ぎてやってられん。もう勝手にしてくれって感じ。パンドラとかホント意味分からん。
ゲームの感触が感触だから、残念ながらキャラも物語も好きにはなれん。彼らには罪はないと思うが。ごめんな。はぁ。

グラフィックは、非常に綺麗だと思う。ここは驚かされた。本当に8年前のゲームか？　次世代機、恐るべし。今はもう旧世代機なのに。
人物はさすがに少し荒いと感じたが、背景は十分以上。港の風景なんてガチで現代レベルだ。……いや、俺には分からんごめん。はぁ。
また、前作までの強い不満だった「どこもかしこも暗すぎる！」は、ほぼ完全に解消されていた。今作ではどの場面も、ちゃんと見える。
明るめの場所も多く、この点だけは「改善」を強く感じて満足だった。……ゲームを楽しめれば、サイコーだったんだけどねぇ。
今作の翌年に発売された「バイオハザード5」のグラフィックも凄まじかったし、この頃のカプコンは活きが良かったんだろうなぁ。
昔のゲームにグラフィックの美しさを感じるって、ある意味悲しいことだね。今のカプコンゲームは？　うーん。はぁ。

音楽。今回もいつも通り、戦闘中はノリのいい洋楽が流れる。……が、言うまでもなく、これもイライラ増幅装置である。
今作の演出は全てが「上手い人間」に向けて作られている。下手カスはそんな上級のノリについて行けず、ただ不快さだけを溜めていく。
そういや、英語ボイス・日本語字幕さえもムカついたなぁ。なーんか下に見られてる気がして。完全に坊主憎けりゃの世界であった。
実際今作のキャラは「スカした」言い回しを多用するから、翻訳には向いてないように思う。声優に喋らせてほしかったな。
「スペシャルエディション」では日本語ボイス入っているらしいが……今作の時点じゃ予算なかったんかね。はぁ。
主題歌をかのラルク・アン・シエルが担当してるのは知らんかったから、OPデモを見た時は驚いた。これはまぁ良かったと思う。
……返す返すも、ゲームにハマれていればなぁ。前向きな感触を得られていれば、他も全部良いように受け取れたんだろうなぁ……。


ふぅ。
ノーマル、ハードモードはクリアーした。シークレットミッションはコンプし、ブルーオーブも全部集めた。
この辺で、勘弁してほしい。本当は最高難度「ダンテマストダイ」をクリアーしてケリを付けるつもりだったが、無理である。
ゲームの腕じゃなく俺の精神が持たない。ブラッディパレスも同様。この辺で勘弁してほしい。俺の負けです。それでいいから。
30時間くらい頑張った。疲れた。こんなに疲れるアクションはない。怒りで精神的に疲れたし、操作が忙しいから手も疲れた。
俺なりに入念な前準備、十分な心構えで挑んだデビルメイクライ4。大失敗であった。買わなきゃよかった。やらなきゃよかった。
今更何を言っても遅い。疲れた。正直、心残りはある。けどこれ以上やると、マジでハードを壊してしまうかもしれんから……。

シリーズは今作の後、海外製「DMC」と、4の完全版「スペシャルディション」が発売されている。
ナンバリングは随分出てないから、そろそろPS4・XBOX Oneでの「デビルメイクライ5」が発表されるのかもしれない。
そんな続編達への、俺の決意はもちろんこうだ。

俺はもう二度と、デビルメイクライシリーズをやりません。

結局それが一番だ。本来なら、1作目か2作目でこうしておくべきだったんだ。先にシリーズを揃えた愚行が全ての元凶だった。
書き忘れたが、今作に悪魔の如き憎悪を抱いても、「クソゲー」とは感じなかった。前作同様に、出来の良いアクションである。
それが分かっていながら、憎しみすら覚える。ことここに至って事態は明白。まぁ至らなくても明白だが。「合わない」のである。
人の世から何故争いがなくならないのか。合わないからである。もちろん分かり合える存在もいるが、そうでないものもいるのだ。
分かり合えない人間とは、どうあっても分かり合えない。宿命・運命の次元の話だ。人類みな兄弟だが、兄弟は他人の始まりなのだ。
そして、そんな分かり合えない人間とは、どうすればいいか？　争いで決着をつけるのも一つの手だが、一番は「離れること」であろう。
お互い距離を置き、関わらないようにする。さすれば気にすることもなくなり、争う必要がない。現実的に最も優れた解決法だ。
ゲームだって同じである。合わないゲームをわざわざやってヘイトを育む必要などどこにもない。プレーしなければいいのである。
その意味で、今作と前作に関しては、全面的に俺が悪い。先にシリーズを揃えたことで不要な縁を作り、こんな事態を産んでしまった。
ゲームに罪はない。ムカつきが絶頂を越えた今、俺はデビルメイクライに申し訳無さを覚えた。ごめんなさい。俺が悪かったです。はぁ。

でも、今回で、悪夢は終わった。もう俺の手元にデビメイはない。離れられた。お互いがこれからは平和に暮らせるのだ。
俺から近寄らない限り、両者の距離が縮まることはない。俺は我がゲー道を歩み、デビメイはスタイリッシュアクションを追求する。
平和な世界が、訪れたのだ。ああ、今はとても穏やかな気分だよ。ありがとうデビメイ、ごめんなさいデビメイ、
……そして、さようなら、デビルメイクライ。もう、やらない。俺は全てのゲームを愛せはしない。デビメイだけは、止めておく。
はぁ……。









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