腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

The Maw

2019年07月07日 19時07分33秒 | XBOX360ゲーム感想文
【ハード】XBOX360(XBOX Oneでも互換プレー可能)
【メーカー】Twisted Pixel Games
【発売日】2009年1月21日
【定価】1,029円(DL専売 税込)
【購入価格】0円(Games with Gold入手)
【プレー時間】5時間

「無料でゲームが出来る」……そんな冗談のような話が現実になり、もう結構な時が流れた。今では何も珍しくない。
「ゲームにお金使うなんて馬鹿じゃないの?」て価値観の人も、恐らく多くいるだろう。自分もゲームはやるのに、だ。
全くもってよく分からん話だから、あまり考えないようにしている。俺とは違う世界、俺とは違う人種の話だしな。
が。それらは正確には「基本無料」である。無料でプレー可能だが、コンテンツ内で何かしら金を要求されることがある。
そもそも在り方が「オンラインゲーム」であり、従来型の独立ゲームとは違う。その意味でも俺とは違う世界の話なのだ。
では「従来型ゲームの無料」はあるのか? ……これも、今では普通だ。といっても、主流は「使用権の貸与」である。
貸与だから完全に自分のものではない。……ええい面倒臭い。「ゲームをくれる」、これこそが完全無欠の無料ゲームだ!!

で。そんな完全無欠の無料ゲームの先駆けは、「Games with Gold」だった。XBOXライブ課金者へ進呈されるゲームだ。
「課金してるんだから無料じゃないだろ」と言われるかもしれんが、ライブの主体はあくまでネットサービスであるはず。
実際初期にはこんなのなく、後で追加された。だから俺はGwGこそ、人類史上初の「定期的完全無料ゲーム進呈」だと思ってる。
いや素晴らしい。だって、毎月タダでゲームくれるんだぜ? こんなに嬉しいことはない。神サービスとしか言いようがない。
XBOX360全盛期には俺も格ゲーネット対戦目的でゴールドに加入しており、毎月ゲームが増えた。実に幸せなことだった。
多分、こんなサービス今後は二度とないだろう。XBOX360のシステム的に貸与がやりにくかったというだけだろうしな。
……しかし、XBOX360が第一線を退くと、GwGも徐々に規模を小さくしていった。まぁ当然のことなので、それに文句はない。
今でも毎月(月2回?)の提供は続いているが、選出タイトルは「過去にも選ばれたもの」ばかり。それが何ヶ月も続いたり。
完全に形骸化しているが、「ないよりはマシ」だ。ちなみにGwGタイトルは全てXBOX One互換に対応している(多分)。
MS的には、少しでもXBOX Oneへの移行を促すための施策なのだろう。個人的にもXBOX360の現役感が続いてるので嬉しいしな。

「The Maw」である。このゲームは何年か前にGwGで提供され、以後も何度も何度も提供タイトルに選ばれているのだ。
俺は現状ゴールド会員ではないが、GwGタイトルは概ねチェックしている。だから「このゲーム何回目やねんw」と思っていた。
それに加え、今作のパッケ絵(DL専売だけど)はMawという1つ目の化物がでかく描かれており、印象に残りやすかった。
だからある日、人生が嫌になって心に隙間が出来た(アホか)時、ふと「Mawでもやってみるか」と思い立ったのである。
これも何かの縁だ。ゲーム内容は全然知らんが、安価ゲーだから多分規模は小さいだろう。気楽にプレーできるはず。
ちなみに今回はXBOX One互換ではなくXBOX360でプレーした。何となく、XBOX360のGwGタイトルってとこを強調したかった。
プレー開始。タダゲー、タダゲーである。もうその時点で十分面白いよな。「夢のゲーム」がここのある。……はぁ。


ぬぅ。今作は、3Dアクションに分類される。操作キャラを動かしフィールドを歩き回り、ゴールを目指す。
しかし非常に驚くべき特徴が一つある。何と今作、ダメージの要素がないのである。つまり操作キャラが無敵なのだ。
敵はいるし攻撃はしてくるが、それに触れても吹っ飛ぶだけでHPが減ったりはしない。何度食らってもリスクは一切ない。
更にフィールドには穴や針はなく、敵以外の死亡要因もない。要するに今作、ゲームオーバーが存在しないのである。
いやはや。見た目からして子供を意識してるとは思ったが、まさか死がないとは。こんなの任天堂でもやらないであろう。
日本ではさておき、XBOX360は世界で「天下を取った」と言えるハードだ。当然ユーザー層も非常に幅広かったはず。
俺からすればイカつい洋ゲーのイメージばかりが強いが、こんな風に子供層に訴えかけるゲームも作っていたんだな。
死がないのだから、今作は言うまでもなく非常に簡単なゲームである。誰にでも、数時間でクリアー可能であろう。
つってもゲーム性は無論ある。ダメージがないだけで敵に行動は邪魔される。何も考えずにやれるゲームではない。
図らずも、今の俺に適したゲームだったかもしれん。縁とは面白いものだ。ゲームはテキトーに選ぶのが一番かもな……。

さて、今作は3Dアクションだが、実は操作キャラがメインではない。ゲームを進行させるのは、タイトルにある「Maw」だ。
マウは丸い体に1つ目と口が付いた凶暴な化物だが、何故か主人公には懐き、後を付いてくる。紐で繋いで連れ歩くことも可能。
そしてマウは「敵を食」い、その敵の能力を身に宿す。炎や飛行能力等を。……明らかにピンク玉さんリスペクツだな。
今作に死はないが、フィールドではあちこちに行き止まりや高い壁等がある。それをマウの能力を使って突破していくわけだ。
そこには簡単ながらパズルの要素があり、解ける快感もある。今作はアクション寄りのパズルゲームといったほうが正確か。
出現する敵は決まっているので、マウの変化も決まっている。すべきことにさえ気付けば、迷うことなくゲームを進められる。
パズル要素を加味しても、非常に簡単なゲームである。……子供はこういうので喜ぶのだろうか? 俺には分からんや。
ステージは全部で6つくらい。その時その時でマウの形態が変化するので、割と飽きずに遊べた。
最終面だけは何故かシューティング(戦闘機的なの)になるが、ここでも死はなく、あっさりクリアー出来た。
元が1,000円のゲームだし、こんなもんか。……無料だから割と満足したけど、買ってたら……うーん……。

今作には一つ大きな欠点がある。「操作キャラの移動が非常に遅い」のだ。フィールドの広さにまるで合ってない。
これも子供を想定した調整なのかもしれんが、子供はこれを不快に思わんのか? せめてダッシュボタンを付けてぇや。
普通にプレーするだけでも遅すぎるのに、実績に拘ると更にイラつくこととなる。いや実績難度はかなり低いんやけど。
「全ての敵をマウに食わせる」というネタがあるのだが、敵がフィールドに散逸しているのだ。自然、歩き回らねばならない。
えっちらおっちらチンタラと広いフィールドを歩き回って敵を探すのは非常に面倒だった。作業性自体が悪いとは言わんけど。
まぁでも、一度やればそれでいいから我慢は出来る。あと実績には「一日に6回起動する」という頭おかしいネタもあった。
XBOX360の時間設定を弄ってインチキ取得したが、それで正解だろう。子供向けゲームにこんな捻くれたネタ入れんなや。
少々面倒臭かったが、実績コンプも終了。繰り返しやって楽しい要素はないから、これでもう完全終了であろう。

物語は……まず主人公の少年が、OPで武装兵に捕らえられ、何かの研究所に放り込まれる。そこには謎の生物・マウもいた。
ある日研究所が事故でぶっ飛び、ドサクサで少年とマウは脱出、二人は仲良くなるが、武装兵達に追われる立場となる。
以後は逃げる二人とそれを追う武装兵、巻き込まれる星の生物という構造になる。……そもそも何故追われてるんかね?
それはEDで判明する。武装兵をあらかたブッ倒したんで、少年は自分の星に帰ろうと宇宙船に乗り込む。マウに別れを告げて。
感動の別れの後、少年は旅立ち、めでたしめでたし……と思ったら、巨大化したマウがゲームの舞台の星をパクっと食う。
どうもこのマウは何でも食い、最終的には星をも滅ぼす危険生物だったようだ。要は武装兵達は星の守り人だったのである。
少年はもう宇宙船で旅立ったので、マウのその後は知らない。……つーか少年が捕まったのは? 彼も実は問題児だったのか?
少年と謎生物の友情物語が、実は星食いの化物を野に放つ惨事だった……という皮肉を込めているのだろう。多分。
ちょっとだけ面白いかもしれないが、俺には特に響かなかった。子供にはどうなんだろう? メリケン感性は分からんや。

グラフィックは、ハッキリ言ってレベルが低い。安価ゲーだし、そこにお金をかける気はないのだろう。まぁいい。
一応売りとしては、美しさより奇怪さであろう。マウは「キモ可愛い」路線で行ける、かもしれない。俺は魅力を感じんが。
フィールドの木や岩、爆発エフェクトなんかも大層ショボかった。安価ってだけじゃなく、10年も前のゲームだしな。
音楽は、鳴ってたかどうかすら覚えてないレベル。こちらも曲よりもマウの鳴き声や咀嚼音の方が売りだろう。多分。
マウは見た目通りの不気味な声を出すから、小さい子なら泣き出すかも。メリケンの子はそんなヤワじゃないのかな。


ふぅ。GwGへの妙な感情移入と複数回選出の印象からプレーし、まぁ手軽に数時間楽しめた。よしとしよう。
そして何よりタダゲーだ。これだけでクロレビ点数+5だ。浜さんもニッコリだ。タダより嬉しいものはないんだから。
「無料」は評価を上げる、これ常識よ。……ゲームは中身? はっ、現実を知らない坊っちゃん嬢ちゃんは向こうへ行きな。
ぶっちゃけ無料ゲットという時点で今作は勝ちだった。その上で数時間それなりに楽しめたんだから、俺としちゃ文句はない。
たまにはこういうのもいい。いや寧ろいつもこうならいい。タダゲー万歳。……つっても、そうはいかないのが現実。
基本はあくまで金を払ってゲーム。当然だろうが。別に金払うのが嫌なわけでもないし。時々だからタダゲーは素晴らしい。
人はこうも「無料」に魅せられるであった。比類なきタダゲーがこれからも何かの拍子に手に入ることを願って終わり。
XBOX360のGwGも、終了の気配がプンプンつーかもう実質そんな感じだが、最後の最後まで、ユーザーに夢を届けてもらいたい。
タダゲーが輝く社会、誰もが安心してタダゲーを楽しめる社会の実現を。タダゲー大好き党です。世界を変えましょう。
……歪んでんなぁ。やっぱタダでゲームあげたら、プレーしたらまずくね? 俺ら、どんどんダメになっていってね???
はぁ。



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