腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

街 ~運命の交差点~(PS版)

2013年06月10日 22時06分38秒 | PSゲーム感想文
俺は今も昔もゲームをしている。多分これからも。
生活環境や金銭事情、ゲームに対する気持ちや考え、色々変わってしまったが、プレーしていることに変わりはない。多分これからも。
それでいいと思う。今後も俺の事情は刻々と変化していくだろうが、ゲームが生活から消えることは多分ない。それこそもう、生活の一部なんだから。

そんな我が愛すべき最強娯楽たるゲームだが、昔と今の俺で決定的に違うのが「再プレーを殆どしなくなった」ことである。
再プレー。過去プレーしたゲームをもう一度やることだ。周回プレーを間を空けてやる、と言い換えることもできるかな。
昔の俺は、これをよくやっていた。多数のゲームでやっていた。「ファイアーエムブレム」シリーズは、年1回やるのが自然だったりした。
理由としては、単純に金がなく、そうそう新作を買っていられなかったというのが大きい。新作を買えないから、旧作を回して時間を潰していたのだ。
しかしそれでも、再プレーには「ゲームへの思い入れが増す」という、得難い効果があった。再プレーで以前より嫌いになったゲームは、1本もないだろう。
1回より2回、2回より3回クリアーした方がそのゲームを好きになるのは当然のことだ。昔のゲームの方が思い入れが強くなりがちなのは、この理由も大きい。
ゲームというものは、他の娯楽に比べてとかく時間を食うものである(特にRPG系)。これは長所であり短所であるが、「再プレー」という観点だと、やはり短所であろう。
昔は今よりゲームに費やす時間が多く、かつ新作を買い難かった。自然、再プレーを頻繁に行い、手持ちゲームへの思い入れが増した。
……なんて理想的なんだろう。とっても幸せな時代だったなぁ。あの頃に帰りたい。あの頃は今よりずっと楽しかった。
まぁもちろん、当時は当時で「もっと新作を買ってプレーしたい!」と思っていたわけだが。無い物ねだりというやつである。世の中上手くいかん。
はぁ。

で、「街 ~運命の交差点~」である。久々の再プレータイトルである。この前「FE紋章の謎」をやったが、あれは「Wii U版」の意味合いが強かったからな。
今作の再プレー決行は、「428 ~封鎖された渋谷で~」をプレーした時に、ほぼ決めていた。その時点でソフトを押入れから引っ張り出しておいた。
……それから2年以上も経っているんだから、如何に俺から再プレーが遠ざかっているか分かるというものだ。うーむ。でも、しゃーないんだよな。

街と言えば、サターンの傑作である。98年1月、スクウェアのソフトを中心にしたPS軍団の圧倒的破壊力に蹂躙されたサターンの、魂の一撃である。
これと「グランディア」が見せたサターンの意地は、ゲーム業界史に残るべき「負けハードの戦い」であると思う。
男には、ゲーム機には、負けると分かっていても戦わなければならない時がある。それを身をもって示した2本のソフトを俺は決して忘れない。
ありがとう街、ありがとうグランディア、ありがとうセガサターン。ついでにありがとうセンチメンタルグラフティ。
歴史に残るゲームがあるように、歴史に残るゲーム機がある。満身創痍の身で最後まで戦ったサターンとソフト達の魂よ、永遠なれ!

……で、俺が所持してる今作は、PS移植版なんだけどね。うっせーなサターン版にはなかった投売りがあったんだよ。新品980円だったんだよ。
上にも書いたけど、当時の俺には金がなかったんだよ。だから今以上に投売りを愛し、投売りはゲーオタとしての生命線だったんだよ。
あの頃もサターンにロマンを感じていたことに変わりはないが、それだけじゃ腹は膨れねぇんだよ。街がしたかったんだよ。分かってくれよ。
そうして俺はPS版街を購入し、プレーした。今から13年くらい前かなぁ。評判通りに良く出来たゲームで、面白かったよ。
それが428のプレーに繋がり、随分と間は空いたが、今回の再プレーにも繋がった。美しい連鎖である。もっと増やせないもんかねぇ。
はぁ。

さて、今回の再プレーである。面白かったゲームではあるが、記憶は大分おぼろげになっており、ある意味理想的な再プレー状態だった。
つっても、システムはよく覚えている。渋谷を舞台に、8人の主人公が紡ぐバラバラの物語を、神として俯瞰し、フラグを操作するゲーム。
直接的な選択肢はもちろん、他人の行動によっても主人公の運命が変わる、ザッピング・フラグシステム(勝手に命名)。
言ってみればコマンド選択式ADVだが、他のゲームとは一線を画す、非常に凝ったシステムのゲームである。他所が真似しようにも出来ないだろう。
そしてもちろん面白い。唯一無二であり、面白い。名作であり傑作。未だ語り継がれるのも当然の、素晴らしいゲームである。


……しかし今回のプレーを開始してすぐ、正直後悔した。やらん方がよかったと思った。
このゲーム、快適性が非常に低い。プレーが重い。もっさりしている。サクサク進められない。もっともこれは、PS版の問題だと思われるが。
今作のようなゲームには「オートセーブ」の搭載が非常に重要だろう。プレーの状態をゲームが自動で逐一セーブし、常に最新にしておく。
そうすることでプレーヤーは快適に既読の文章を辿ったり、他キャラのルートへ飛んだり出来る。直前までのプレーが記憶されていないと、そんな事は不可能だ。
しかし初代PSのメモカシステムでは、オートセーブは多分不可能である。PSでセーブをするには、毎回メモカを選択し、ファイルを選択する必要がある。
実際今作もそうなっている。バッドエンドに辿り着く度に、「つづく」にぶち当たる度に、非常に鬱陶しいセーブ作業を強いられる。
一応電源を切らない限り、セーブをせずともフラグの状態は保っていられるようだが……それで長時間プレーするのは怖すぎる。セーブくらい頻繁にしたい。
サターン版や、最終形態であるPSP版は、当然オートセーブの快適仕様である事だろう。それがないPS版は、ゲーム内容以外で非常に大きいハンデを背負っている。
これならPSP版を入手してプレーした方がよかった。そう思えるほどに、今プレーすると面倒臭い仕様であった。
再プレーなんだからこの辺は承知してたつもりだが……428の快適さとどっかで混同しちまってたんだな。やはり新しいハードは偉大である。
古いハードを差別したくはないが、グラフィック等の分かり易い部分以外でも、こういう所で歴然とした差が出る。覆せない良さと悪さの差。
「昔は良かった」なんて安易に言っちゃいけないね。毎日のように言っちゃうんだけどね。はぁ……。

プレー環境の悪さを除けば、ゲーム自体は今も色褪せない。十分に楽しめた。
街と428は、システムこそほぼ同じなものの、「主人公の目的がバラバラ」「各主人公が最終的に一つの目的の為に動く」という点が違う。
この為428ではシナリオに統一性があったが、街では良くも悪くも本当にバラバラ。シナリオの雰囲気も全然違っていたりする。
これは好みの問題なので良し悪しの話ではないが、今作の作りの場合、どうしても「つまらないシナリオ」が出てきてしまう。やりたくないキャラが。
街も428も、気に入ったキャラのシナリオだけを延々プレーすることはできない。基本的に全キャラを同時進行、均等にゲームを進める必要がある。
それでも428なら全体の骨子が共通しているので、あまり好みでないシナリオも足手纏いにはならない。全てが関係しているからだ。
だが街の場合、全キャラが基本他人だ。なので合わないシナリオは本当に「ゲームを進める上での足枷」になってしまう。やりたくないのに、やらされる。
具体的には、俺は市川文靖(演:ダンカン)シナリオがどうにもつまらんかった。高尚ぶって意味不明なキチガイの戯言を延々聞かされたような。
個人的には428式統一感の方が好きである。まぁカオスでバラバラだからこそ「街」なのかもしれんが。うーん。

バッドエンドの数が非常に多く、かつつまらないものが多いのは今作の欠点だろう。3択でうち2択がバッド、しかも別物とか、回収が面倒臭すぎる。
バッドエンドは文字通りゲームとしての不正解だが、到達が無意味なわけではない。それどころか隠しシナリオ出現の為にはバッドの収集が必須である。
今作は(428もだが)当然グッドルート(仮称)を進めるのが目的だが、一方でバッドエンドをプチプチ潰していくのも重要なのだ。
そして難度的にもバッド回収の方が難しかったりする。「何が間違っていたか」はすぐ分かるが、「どう間違えばいいのか」なんて分からんよ。
今作のこの仕様は初プレー時から疑問である。ゲーム的にはバッドに到達する方が嬉しいって、何かおかしくないか?
バッドエンド一覧をプチプチ埋めていくのはまぁ楽しいが、内容の下らなさと無意味なまでの数の多さ、そしてセーブシステムのせいで不満も募った。
428ではこの辺大分改善されていたから、やっぱ不評だったんだと思う。まだ改善の余地があるんかね、このシステムには。

今作の特徴として、グラフィックは実写撮影の写真が採用されている。一応PS版には「シルエットモード」なんてのもあるが、不要だろう。
実写であることに文句はないが、時代的に画像の質が低く、魅力がイマイチ生きていないのは残念だ。渋谷の街並みもそう綺麗ではない。
ごく短いものながら幾つかの場面でムービーも存在するんだが、これも質が悪く、この程度なら入れない方がいいんじゃないかと思った。
今作は世代を一個ずらした方が適切だったかもしれんな。もちろんそれで売れるようになるとは言えんけど。

「サウンドノベル」を謳うんだから当然サウンドは重要……というほどでもなく、ごく普通の音楽や効果音がごく普通に流れるだけ。
BGMの質は別として、今作においてサウンド面で優れていると感じることはなかった。この点、ジャンル名を考えると残念である。
そもそも実写人物が前面に出ている以上、今作は「ノベル」じゃないと思う。小説や従来のサウンドノベルと違い、キャラの空想度が低いと言うか。
これなら音声がある方が適切なんじゃなかろうか。いやそうすると今度は冗長になり過ぎる。うーん、難しいな。
よく出来ているゲームなんだが、どっかキッチリしてない所がある。「隙のない作品」ではない。うーむ……。

発売が今から15年前、シナリオや撮影の製作は更に1~2年前だろう。てわけで、描写される風俗や技術が相応に古く、今見ると違和感バリバリ(死語?)だ。
特にIT系はやばい。頻繁に公衆電話やポケベルが登場する。携帯電話も一応出てくるが、限られたアイテムとしてだ。
もし今の10代が今作をプレーしたら、色んな意味でついていけないだろうな。思った以上に「古さ」が重いゲームだった。まぁその違和感を楽しめるとも言えるけど。

舞台が渋谷なので、現地の地理を知っていればより楽しめるだろう。逆に知らないと、魅力はかなり削がれると思う。428も同じだった。
一応TIPSで地名の説明はかなり詳細にしてくれているが、ンなもん結局そこを歩かんとさっぱり実感が湧かん。俺には最後まで「謎の街」の物語だった。
日本に渋谷を知らん人は多分いないだろうが、実際に歩いた事があるかどうかは別の話だ。今作は結構なご当地ゲームである。田舎もんは疎外感を免れない。
実写を採用する以上、舞台を現実の街にするのはごく自然なことだと思うが……その度合が強すぎたんかもしれんな。少なくとも俺には売りにならなかった。
難しいのう……。


あとは各キャラのシナリオ感想を。意外にハッピーエンドと言えるものが少なく、プレー後(読後?)感はそんなに良くない。
正直、記憶にあるイメージと随分違っていた。面白かったのは確かだが……再プレーも間を開けすぎると良し悪しなのかもしれんなぁ。



・The wrong man 牛
・The wrong man 馬

基本的に各キャラのシナリオがまるで無関係で、顔を合わせることすら殆ど無い今作だが、この二人は例外。
そっくりの顔を持つ(演者は同一人物)元ヤクザ・牛尾と売れない役者・馬部が、偶然が幾つも重なり合った結果、立場を入れ替わることに。
元々同じ顔な上、馬部がドラマ撮影でヤクザ組長役を演じていた為、牛尾と同じ位置に傷の小道具を付けていたことで、こんな出鱈目が現実となった。
もちろんそれぞれが誤解を解こうとするが、あれよあれよとそれぞれの立場を演じることとなり、奇妙な人間交換物語が紡がれる。

うーむ。
まぁコメディとしては面白いが、冷静に見ると突っ込み所が満載と言うか。突っ込んじゃいかんのか。すみません。
牛尾は半年前に足を洗った元ヤクザだが、今は何をしているんだろう。「プロポーズ」がキーワードなんだから、そこはハッキリしておいてほしかった。
馬部は見た目はともかく態度・言動が明らかに牛尾と別人で、これで三次(牛尾の元部下)に見破られない方がおかしい。
そもそも元部下の三次があれだけ主導権を握ってるってのがなぁ。元義兄弟、くらいの設定にした方がよかったんではないか。
一方牛尾は、演じるべき役が「ヤクザ」なので、素の状態であればそれでいい。こっちはしっくり来てたんだがな。うーむ。

途中までは入れ替わりコメディとして楽しめるが、終盤が非常に唐突だったのが残念だ。もうちょっと丁寧に纏められなかったのか。
他の主人公と違い、3日目で終わってしまうのも、やや物足りない感じがする。まぁ長けりゃいいってもんでもないが。
しかし一番の不満は、ヒロイン交換だな。最終的に牛尾は馬部の恋人・椎名みちるにプロポーズし、馬部は牛尾に惚れてたるい子と結ばれる。
おいおい。るい子→牛尾は片想いだったからアリかもしれんが、馬部とみちるは結婚も考えてた仲だろうに。こんな簡単に終わってええんかよ。
牛尾とみちるの関係も、入れ替わり中にそこまで深かったとは感じられなかったんだがな。みちるは牛尾に惚れたのか?
馬部とみちるも一方的な言い寄りという形にしておいた方がラストが自然だったと思う。ついでに年齢も10くらい若くして。
途中に「指詰め」のムービーが挿入されたのはビビッた。さすがに切断シーンではないが、指が飛んで転がってくのだ。
グロ系が苦手な俺は「うひぃいいい!」と指を抑えて目ぇ背けちまったよ。よくこんなのOK出たもんだな。時代を感じた。

あと有名な話だが、この二人のシナリオには当時駆け出しだった窪塚洋介氏が脇役として出演している。
テレビ制作の現実に失望して愚痴りまくる若手ADという設定だが、この人がアイキャンフライなんだなぁと思うと何か変な面白さがあった。



・やせるおもい

細井美子は三度の飯より食うのが好きな太り気味女。四六時中ものを食っている。フリーターなのに生活費大丈夫なんだろうか? どうでもいい。
そのあまりの食いっぷりに、恋人・洋一は愛想を尽かし、「5日で20kg痩せろ。でなきゃ別れる」と最後通牒を突き付ける。
美子は食い物命だが、一応洋一も同じくらい好きらしい。彼の愛を取り戻すべく、美子はダイエットを決意するのだった。

「5日で20Kg痩せる」なんて無茶な要求を突き付ける辺り、洋一は酷い男に思えるが、本音は美子が食い過ぎで病気になることを心配していての発言だった。
それくらい、美子は食にだらしない。シナリオ中も何度も決心を曲げて食う。コメディなのは分かってるが、お前本当に洋一と寄りを戻したいのかと。
同僚の薫に八つ当たりしたり、バッドエンドによっては正志に惚れたり、変な男と飯食いに行ったりと、性格もいいとは思えん。
いや分かってる、コメディですよね。でもコメディなりにどっか空回りしているようなシナリオである。うーむ。
最終的に洋一が真相を明かし、「もう無理しなくていいよ」と、元の鞘に戻った。問題は全然解決してないように感じるんだが、どうなんだろう。
美子が今後、無茶をしない健全なダイエットに励めればいいんだが……そう思える描写はなかったなぁ。
いやコメディだもんな。うん。ギャグ系バッドエンドがどれもつまんなかった。センスがない。うーむ。
あと脇役で登場する美子の同僚・薫嬢は、今作で一番俺好みだった。他の美人扱いされる方々がどうもうーんだし……。
水曜日・日曜日や椎名みちる等には正直もっとガチの美人を採用してほしかった。贅沢かのう。2次元ならこんなん楽勝なのにね。うーむ。


・で・き・ちゃっ・た

イケメンモテモテの高校3年・飛沢陽平。
ある日、数ヶ月前に合体した名も知らん女から「子供ができました」と報告される。更に、2年前に姿を消した元彼女が子供を連れて現れ、
更に更に現彼女とは急遽結婚することになり、つまりいきなり女3人から「責任を取る」ことを要求されたわけだ。
陽平は何とか全てを丸く収めるべく、嘘と立ち回りで右往左往するのであった。こんなんでよく今まで無事でいられたもんだな……。

陽平は名うての軟派男で、エロ描写こそないが、今見ると結構ヤバイんじゃないかと思える内容である。16歳の母親も出てくるもんな。
妊娠を告げる亜美(2号)を何とか堕胎にさせようと、だが直接的な表現は避ける辺り、相当なクズである。ホント、今見るとヤバイな。
だが基本はドタバタコメディなんで、深くは考えず楽しめた。単純に今作で一番面白いシナリオだった。
世の中真面目で誠実な男がモテるってわけじゃない。知らんけど。人間の魅力とはそう単純な話じゃないのである。全然知らんけど!
陽平は終盤まで、3人それぞれにその場しのぎの都合の良い嘘を吐きまくり、何とか事態を取り繕う。その修羅場っぷりは笑えて楽しい。
だが当然いつまでも隠し通せるものではなく、最後は親や親戚縁者の見守る中で全部バレてしまい、ここに修羅場は終わる。
あとは責任の取り方だが……結局、「全員俺の子だ!」という無理のある決意で丸く収まった。ようだ。多分。

ハレイムラブコメは2次元でも基本中の基本ネタだが、こういうものは始めるのは死ぬほど楽でも、綺麗に終えるのは泣くほど大変である。
日本を含めた世界は大半が一夫一婦制を是としている。複数の相手、パートナーなんてのは完全にファンタジーであり、やっちゃならないのである。
まぁだからこそ男は、特にロクでもない2次オタどもはそういうハレイムものが大好きなわけだが……陽平は実写の世界で、その道を選択した。
しかも少なくとも劇中では3人の女も特に異を唱えていなかった。「これからは7人で~」みたいなことも言ってた。それでええんかおい。
一応現彼女の親が金持ちだから、やろうと思えば不可能ではないだろうが……まぁED後のことまで考えんでええか。コメディだし。

陽平は基本クズだが、終盤の「ユキ(3号)の子供を亜美と2人で看病する」シーンは何かとても暖かいものがあった。お前ええ奴やん。多分。
女を一人にして、単純に結婚を迫られる物語だったら素晴らしく綺麗に終わってたかもね。それじゃコメディにならんか。あはは。



・七曜会

かなり変わった話。七曜会という謎の組織の一員「日曜日」から脅迫を受けた主人公篠田正志は、「金曜日」として他者を脅迫するよう迫られる。
最初は自身が脅されてた故だったが、徐々に正志は脅迫を楽しむようなり、そして……というものだ。
正志はお調子者の大学生といった感じで、七曜会の神秘性さえなければ、現実でもこんな感じで流されて行くんだろうなぁと想像できる。
そういう意味ではこのシナリオが一番「リアル」だった。まぁ細かく見れば結局つくり話だけどな。当然だ。

七曜会は要するにネズミ講組織で、晴れて7人を脅迫し終えた正志は上位会員に昇格することになり、喜ぶが……ここで組織のおかしさに気付く。
そしてラスト、今までからは想像もできない賢さを見せる正志は日曜日を一気に問い詰め、七曜会の真実を引きずり出す。
……ここまでは良かったんだが、日曜日の語る組織の真相が……何か妄想じみてて、ガッカリだった。もっと現実的であってほしかったなぁ。
そんなこんなで正志は七曜会を離れ、そこで終了。結局「脅迫ネタをどうやって入手しているのか?」という最大の謎は明かされなかった。
隠しマイクやカメラだけでは説明できないと思うんだが、そんな事いうのも野暮なんかね。リアル、なぁ。うーん。

あと正志がベタ惚れで、青ムシにも極上美少女扱いされてる「水曜日」だが……うーん。うーん。うーむ。笛を吹くのは可愛らしいけど。
予算の関係なのかなぁと生臭い想像をしてしまう。ちなみに今作で一番金のかかってる俳優は、ヤクザ組長役に竜雷太かな。さすがの存在感だった。
その予算を女性枠に回してほしかったと言うのは暴言かのう。静止画が全てだけに、残酷なまでに目立つんだよな。はぁ。


・シュレディンガーの手

なんちゅーか「作家の妄想を延々語られる」という非常に鬱陶しい話。
市川文靖は売れっ子のテレビ脚本家だが、本人はそれを低俗と唾棄しており、本当は売れそうもない純文学を志している。
そして何度も自身の望む作品執筆に取り組むが、その度に自身の中の「化け物」が自分を眠らせ、代わりに覚醒し、作品を破棄するというのだ。
そして勝手に低俗な作品を書き散らし、テレビ局に送りつけるという。左手に棲む悪の小人さんとか、もう完全にキチガイである。
徹底的に世俗を小馬鹿にしているこの人は、当然テレビゲームなんぞゴミの如く嫌っているのだろう。何でこんなシナリオを採用してるんだろう。
最初から最後までこのノリで、絡んでくる人達もいるが、結局自分の世界に閉じこもり、最期は発狂臭い形で死ぬ。
一体何を描きたかったのか、何をユーザーに伝えたかったのか、俺如き俗人には全く理解できなかった。
今作のメインライターたる長坂氏はこのシナリオも担当しているが、これが氏の本懐だったりするんだろうか。
ただダンカンの採用は当たりだったかな。陰鬱作家の雰囲気がよく出ていた。それくらいやね。はぁ。


・迷える外人部隊

当時こんな言葉はなかった(多分)が、今なら確実にこう言われるだろう。「中2病シナリオ」。
高峰隆士(25)は日本人だが、3年間フランス外人部隊で傭兵として活動していた。久々に帰国し、久々に渋谷の街を彷徨う。
傭兵時代に人殺しも経験し、その際のフラッシュバックに今も悩まされている。そして平和極まる渋谷の街を見下しまくる。
また傭兵時代に屈強な肉体と戦闘術を身に付けたので、当然喧嘩は最強レベルで強い。何度も有象無象に絡まれるが、尽くブチのめしていく。
そうしてフラフラと5日間を過ごし、隆士は「自分は何者なのか? どこへ行けばいいのか?」を追い求めるのだった。…………。

要するに、修羅場経験のある男が平和な世界を「牙を抜かれた~」的に馬鹿にし、チンピラを殴ってウサ晴らししつつ、自分探しの旅をする物語である。
市川とは違った形で陰鬱としており、また市川と違って社会人ではないはぐれ者なので、「グダグダ言わずに働けや」と言わずにいられない。
お前が見下してる平和な街は、真っ当な人達が真面目に働いてこそ維持されてるんだよ。お前もビール飲んでホテル泊まってんやんけ。阿呆が。
圧倒的な力を持って自分探しに耽るというのは男の夢ではあるが、現実を舞台にやられると正直全然浸れない。痛いだけである。
これが舞台がファンタジーで、隆士が大剣背負った元傭兵とかだったら普通に熱いんだけどな。つくづく、現実は残酷だよ。

それでもラストは自分の納得いく結論を出し、日本から旅立とうとしていた。そう決めたのなら問題はない。まぁ頑張れや、と思ったのだが……
何といきなり胸に弾丸を受けて道に大の字。犯人は不明。そんな衝撃的展開でそのまま物語は終わる。なんじゃそらあああ!!!
これまた何を描きたかったのかよう分からん。傭兵時代の罪が今になって追いかけてきたということか? 因果は巡る、と?
誰が撃ったのかが謎な所も含め、全キャラ中一番消化不良だった。うーん。俺も強くなって、ガキどもをバッタバッタとしばきたいなぁ。はぁ。



・オタク刑事走る!

今作の8人の主人公は皆同列扱いだが、一応このシナリオがメインになっているようだ。最後にプレーし、スタッフロールを観ることになる。
雨宮桂馬はゲームやPCが好きなオタ刑事。所属は少年課で、ゲーセン等のパトロールが任務だから、ある意味天職だと言えよう。
ある日、桂馬は謎めいた爆弾魔による犯行声明文を入手する。必死の操作の末爆弾を発見するが、それは悪戯のダミーだった。
そんな事を数日間繰り返し、周囲は無関係の少年による犯行と結論付けるが、桂馬と仲間たちは本物の匂いを嗅ぎ取り、操作を継続する。
そして5日目、とうとう犯人の真の狙いが発動する。果たして桂馬は野望を食い止められるのか!?

……むぅ。桂馬は頻繁に公衆電話でミニパソ(劇中で実際こう呼んでる)を接続し、パソコン通信を嗜む。これが当時のオタスタイル、だったんかな。
ゲームも当然やるが、話が話だけにほぼアーケードゲームのみで、家庭用の話題はない。ここはやや残念だった。
しかしゲームより何より、桂馬と言えば雪印コーヒー牛乳だろう。タイアップしてるんだろうが、それにしても異常と思えるくらい画面に登場する。
あんなに飲みまくってたらすぐに体壊すぞ。ちなみに俺もアレは大好きだが。ガキの頃は銀河一美味い飲み物だと思っていた。今もそうかもしれん。

んでシナリオだが……こういう作品では仕方ないのか、「キャラクターが勝手に進めていく」ので、あまり没入できなかった。
爆弾魔は毎度毎度非常に凝った暗号声明文を作るので、プレーヤーがそれを解くなどハッキリ言って不可能。
じゃあどうするかって、桂馬らが解く。俺はその巧みな推理をただボーっと読み進めるだけ。一体感を覚えられない。
巧みな推理つっても「こんなん知ってなきゃ分かるか!」と言いたくなるようなもんばかりで、少なくとも一介の刑事が解けるもんとは思えん。
「金田一少年」みたいに、難解は難解でも、説明されれば結構理解できるような謎解きにしてほしかった。ハッキリ言えば、無理がある。はぁ。
爆弾魔及び真犯人も、渋谷の街頭大型モニターを自在に利用する等、幾らハッキング技術に長けていたとしても、ありゃないだろうと言いたくなる。
犯罪の規模をもっと小さくし、個人でやれるリアリティを出してほしかった。そうすると話のスケールが小さくなるが、これじゃ乗れないんだよ。
正しい選択肢を選ぶ→爆弾は偽物だった 間違った選択肢→爆弾爆発してバッドエンド も出鱈目すぎる。シュレディンガーの猫かよ。アホらしい。
爆弾も渋谷全域がぶっ飛ぶというあり得ない規模だし、もしかしてこれもコメディシナリオなのか? 正直ノリが合わん。うーん。
最後の真犯人入力はなかなか燃えたが……TNT爆弾100キロを一人でどうやって運んだんでしょう。知るか。チッ。
今作のメインを張るなら、もうちょっときめ細かく作ってほしかった。アナグラムネタとかそういうんじゃなく。はぁ。



・花火

隠しシナリオ1。高峰隆士シナリオに一瞬だけ登場した彼の父親が主人公。
隆士シナリオではロクでなしな息子に失望し、軽蔑の眼差しと言葉を投げかけるが、実は本心では今も息子を心配していた。多分。
そして父は息子が死ぬほど可愛かった幼少の頃の思い出に浸る。「隆ちゃん」は花火が大好きだった。2人で花火を観るのが好きだった。
それを思い出した父は、会社の部下(彼は大企業の重役)に命じ、指定時間に日本中で花火を上げるよう告げる。理由は一切語らずに。
そしてゲーム中の最終日8時、花火は盛大に打ち上げられる。これは全シナリオのラストとシンクロしていて、全キャラこれを見上げて物語を終える。
もちろん隆士も。ただ隆士はその時凶弾に倒れ、死ぬ直前なのだが。そう考えると2重に悲惨だな。なんてこったい。

このシナリオは全体的に「感動」な雰囲気に包まれているが、やっていることはただの懐古であり、今の息子へ向き合った態度ではない。
また花火の打ち上げも強権を盾に部下を使ってやってるだけで、この父は何の労力も払っていない。これでは感動も何もない。
父が手製打ち上げ花火を作る……ってのは無理があるかもしれんが、もうちょっと何かしらやらせるべきだったと思う。うーん。
それか隆士との和解か。旅立ちを止めなくても笑顔で送り出すとか。それどころか隆士死んでんねんで。一体何なんだ。
俺、もしかして今作のシナリオライターとは全然合わないんじゃなかろうか。ゲームとしては面白いけど。むぅ。


・青ムシ抄

隠しシナリオ2。飛沢陽平のクラスメイトで、性格最悪のエロキモオタ・通称青ムシを主役にした、所謂ピンクのしおり。
実写ゲームなのにこのシナリオだけはアニメ絵で展開するという掟破りの異質さを見せる。またピンクらしく、微量のエロもある。
青ムシは実写のそれより随分可愛らしく描かれていて、そういう意味では親しみやすい。中身は変わってないが。

このシナリオはオマケでありピンクってことで、製作者も徹底的に遊んでいる。非常にアニメのパロディが多く、馬鹿馬鹿しいノリだ。
だが元ネタのアニメは結構古いものが多く、俺がその辺に疎いこともあり、半分以上分からなかった。ユーザー層と合ってんかこれ?
ノリは只管軽いのだが、青ムシら登場人物がやってる事は屑の極みで、ガチ犯罪ばかり。人を狙うサバゲーなんてちょっと笑えんぞおい。
その結果隆士に重傷を負わされることにもなり、ますます笑えない。製作者は何をしたいんだ? ここに至ってマジで分からなくなった。

極めつけはラストシーンで、偶然拳銃を入手した青ムシ(当人はモデルガンと思ってる)は、それを偶然見かけた隆士に向けて撃ってしまうのだ。
そう、高峰隆士シナリオラストで隆士を殺したのは、青ムシだったのである。言っておくがバッドエンドではない。隆士・青ムシの正規エンドである。
徹底的に軽いノリのオマケシナリオで、最後に高校生に殺人をやらせて終わり。これ何? 何を感じればいいの? コメディだからザマァと思えばいいの?
確かに青ムシは屑野郎だが、ユーザーが求める仕打ちはこれじゃないだろう。ハッキリ言って、ドン引きだ。この言葉も当時なかったと思うが。
何度も言うが、製作者が一体何を描きたかったのかまるで分からない。オマケシナリオまでやり切って、今作に抱く印象は謎だらけになってしまった。
うーむ……。


はぁ。
てわけで終了。思ったよりずっと時間がかかった。ボリュームのあるゲームである。バッドエンド埋めが特に大変だったなぁ……。
感想としては「こんな話だったっけ?」という驚きの連続だった。覚えてるつもりで覚えていなかった。既知であり未知、興味深い再プレーだった。
ゲーム的には面白かったが、シナリオがコメディとしてもシリアスとしても違和感があり、正直印象が悪い。マジこんな話だったっけ? 
市川、隆士、青ムシの話は製作者の意図する所が全然見えず、気味悪いくらいだ。寝かしてる13年間で中身が変わっちまったんじゃないか。
「セガサターンの誇り・歴史的傑作『街』」という俺のイメージは、今回随分変わることとなった。必ずしも悪くなったわけでもないが……。

街と言えば「売れなかった」ことが同列で語られる。本来は続編の予定があり、実際今作でもあちこちに伏線があるんだが、結局それは泡と消えた。
理由は一にも二にも今作の売上不振が原因だと、製作者が語っている。また一方、それが「悲劇の傑作」として今作の地位を上げたという皮肉な面もあったと思う。
けど今回の再プレーで、今作は実写やシステム等の特徴以上に物語がカルト過ぎて、こりゃ一般受けは無理だろうと感じてしまった。
これを広く娯楽作品として売ろうとしたというのは無理がある……気がする。428はその辺のカドが取れてて良い感じだったんだがな。
もちろん尖ってるのが悪いというわけではない。尖ってるからこそ濃いファンから未だ支持を得ているのだろう。それは素晴らしいことである。
俺は、どうなんかな。俺は街ファンなのかな。2回も完全クリアーしたんだし、当然だろ。チンチコーレ! …………むぅ。

あと、実は俺、「弟切草」「かまいたちの夜」といったチュンソフトの他サウンドノベルは一切未プレーだったりする。情けない話だ。
弟切草については、当時好きだった女の子の名前がヒロインと同じだったので、照れて避けてしまったという切ない秘話があるのだ。クッ。
今考えれば何を照れていたのか意味不明だが、俺も若かったんである。そんなわけで、これらは「やり残した」感が未だに強い。
今はPS移植版が手軽に手に入るし、いずれプレーしてみてもいいかもしれん。かまいたちは続編が幾つもあるよな。真とか。よう分からん。
チュンソフトが生み出し、ゲーム業界に新たな風を起こした比類なきジャンル・サウンドノベル。温故知新、で行きたいもんだね。はは。


適度な再プレーは俺の理想とするゲーム道だが、あまりに間を空け、内容を忘れ過ぎてると良くないのかもしれない。
それだと最早再プレーではなく思い出プレーになっちまうと言うか。「わ、懐かしい~!」ではダメなのである。難しいな。ああ難しい。
数年に1回が理想だな。正に理想だ。次々とやってくる新作。取りこぼした未プレー作。その間を縫って再プレー? 日常生活は? 他の娯楽は?
かつては暇と金欠を埋める手段だった再プレーが、今はすっかり「贅沢娯楽」になっちまった。俺も大人になったもんである。アホか。
でもま、贅沢だけにしょっちゅうやるわけではないけど、たまには奮発し、どっぷり浸りたいもんだね。俺はもうあの頃と違い、大人なんだからさ。
アホか。
はぁ。







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20 コメント

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Unknown (Unknown)
2013-06-11 00:21:18

街に関しては「ファミ通」の「心に残ったゲームタイトル」(だったかなぁ…?)で常にトップ10近くにいて、当時小学生だった自分は「SSってゲーム機はなんだ?」「このストレートなタイトルは?」と疑問だらけでした。

そしてPSPで快適にプレイできるようになったわけです。

確かにシナリオの方向性がバラバラで、一部のキャラは蛇足感がありましたが、コメディキャラが思いつきでやってしまった行為がシリアスキャラの命にかかわるという強引でありながらも他のジャンルが固まったADVには見られない斬新さが面白くかったです。

また街をプレイした後の後遺症なのか「このゴミ箱をどかしたことで二時間後、自分は優雅に部屋のベッドまでたどり着くことができた」なんて勝手に妄想でフラグたてたりしたこともあったので、大なり小なり影響の強いゲームだったんだなぁと思います。

「かまいたちの夜」はさらっとゲームアーカイブスでプレイしましたが、分岐シナリオが最初からわかれているわけではなく、セリフの選択で突発的に分岐するので、基本シナリオをプレイしてちょっと置いてます。

自分は428のディレクターが作ったタイムトラベラーがちょっと気になってるんですけどね…今は逆転裁判5発売前の予習として検事2や類似作のダンガンロンパをプレイしているのでできませんね…

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Unknown (S・R)
2013-06-11 07:34:16
428とタイムトラベラーはやったけどこれはやってないなあ……やっぱり古さがね。
街で知ってるのはそれこそEDの歌だけw
取り合えずタイムトラベラーは、なんというか窮屈でした。ザッピングというよりは単純に登場人物の視点が変わる1つの小説を読んでる感じ。もちろん燃える部分はあったんだけど、それがラストじゃないってのがw
クリア後の謎のオマケもクリアせずにやめちゃったし。いつか再プレイする日はくるのだろうか。
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Unknown (ota)
2013-06-11 18:13:45
>Unknownの方
俺も長くファミ通読者だったので、「街」には「読者が選ぶゲームランキング上位常連」という印象が未だに強いです。
今もそうなら結構広告効果があると思うんですが……その影響でPSP版が実は今もジワ売れしている、とかないかなぁ。

シナリオ方向性のバラバラ感は、もちろん意図してそうした事は理解できるんですが、それ以上に今作は品質という根本的な部分に問題があるような。
正直、ゲームシステムほどシナリオの完成度が高くないと今回プレーして感じました。名の通ったプロが書いたはずなのに……。

>んて勝手に妄想でフラグたてたりしたこともあったので、
これは分かりますw 俺も最近、エレベーターに乗ったりレジに並んだりする際、「今何かしたら誰かの運命変えられるかな」とか考えてしまいます。
実際そうかもしれませんが、そんなの誰にも絶対に検証できません。そこを覗き見られるのは正に今作の面白さですよね。

タイムトラベラーズは俺もちょっと気になってます。今丁度レベルファイブのDLソフト半額セール中ですし。うむむ……。
ADVはあまり売れるジャンルじゃありませんが、ちょくちょく良作が出ているのがなんちゅーか嬉しいですね。
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Unknown (ota)
2013-06-11 18:15:12
>S・Rさん

タイムトラベラーズは、街や428のディレクターが移籍して作ったんでしたっけ。
実はこの辺の事情は全然知らなくて。「善人シボウデス」どうだったっけ? 調べておこうか。こんなん自然に知ってなきゃなぁ……。
読みゲーはシナリオが命ですが、ゲームとして出す以上、システムも頑張ってほしい。でもそれらを上手く噛み合わせるのが非常に難しいんでしょうね。
個人的にはまだまだ開拓の余地があるジャンルだと思ってるんで、売上にめげずに作り続けてほしいです。勝手だなw
あまり制作費や人を必要とせず、少人数で作れる(多分)のもこのジャンルの魅力だと思ってます。
今の時代、新たな天才カリスマクリエイターの誕生を一番期待できるジャンルだと。勝手だなぁw
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Unknown (ジャン)
2013-06-24 00:17:41
「街」は街全体が生きている感じがいいんですよ。「痩せる思い」で主人公の隣の部屋にジェロニモが住んでいたり。各主人公が入るコンビニの店員がいつも同じ人だったり。
こいつらが次回で主人公になったらどんな話になるのだろうかと想像するのも楽しかった。

俺は主とは逆にシュレディンガーと外人部隊がよかった。花火も締めとしては最高だった。

主はラノベの読み過ぎで他がもう受け入れられないんじゃないかw
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Unknown (ota)
2013-06-24 01:37:45
街や428の魅力の一つが入り組んだ人間関係だということは承知してますよ。
社会的には無関係な人達が影響し合い、当人たちはそれに気づいてないけど、プレーヤーは俯瞰できる。今作ならではの面白さです。
ちなみにジェロニモが住んでるのは美子の隣じゃなく階下ですね。

ラノベ好きだろうと純文学好きだろうと、シナリオに好みはでると思いますが。
久しぶりにプレーしてみたら、今の俺には合わない部分、疑問の残る部分が多々あった、それだけですね。
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Unknown (サク)
2015-07-12 18:57:57
街は評価が難しいですよねえ
個人的には、エンディングが素晴らしすぎたんで、その時点で好きなゲームになってしまったんですが
one and onlyが街というゲームにぴったりすぎるし、EDがメイキング映像というのも実写ゲームならではって感じで、なんかもの凄く感動してしまったんですよねえ
正直シナリオ自体の出来は今一つだったと思いますが
牛馬や七曜会ルートは好きでしたが(飛沢ルートも男の夢って感じで割と好きでしたw)、市川ルートなんかは本当に誰が喜ぶんだろうこれ…という感じで
あとボリュームが多すぎて中弛みするとか、ザッピングシステムのせいで好きなルートの話がなかなか進まなくてちょっとイラっとくるとかがやってる最中の感想でしたね
しかしエンディングだけであれほど評価が変わってしまうとは自分自身思いませんでした
終わり良ければ全て良しとはこのことか!とか思ってしまったくらいで
とはいえ、自分がやったのはPSP版の特別編で、神ゲーという評判を散々聞いてからやったので、なんでこんなに評価されてるんだろう、という風には思いましたね
良作だけどかなり人を選ぶ、というのが一番妥当な評価かなと
サウンドノベル大好きで、428あたりと絡めれば街についてはいくらでも語れるんですが、迷惑だと思うのでここらへんでやめときますw

ちなみに、他のサウンドノベルについてですが、弟切草が評価されてるのは、弟切草自体よりも当時におけるサウンドノベルというジャンルの革新性によるものなので、今やる意味はかなり薄いかなと思います
弟切草の革新性自体は色んなゲーム開発者に影響を与えましたが、そういう革新性抜きで評価すると、当時としても良作とは言い難いかな…という気がします
いいところも多いゲームですし、ああいう雰囲気のゲームが好きならやってみてもいいゲームだとは思いますけどね

一方、かまいたちについては、本当にサウンドノベルの金字塔という感じで、これをやってないのは本当に大きなやり残しだと思います
特に90年代ゲーマーを名乗るotaさんなら尚更ですねw
もはや義務と言っていいレベルかと(本気で)
かまいたちシリーズが好きで初代から真まで全部やってますが、義務レベルと言えるのは初代だけで、あとは気に入ったらやればOKという感じです
ちなみに初代はSFCやPS、スマホなどで出ていますが、やるならPS版がベストです
PS3かVitaあたりでアーカイブスを購入してやるのがいいと思います
だいぶ持ち上げましたが、どっぷりとはまるゲームというよりは、万人が割とライトに楽しめる名作、というゲームだと思うので、本当に気軽にやってみて下さい
返信する
Unknown (ota)
2015-07-13 01:20:42
>街は評価が難しいですよねえ
んー……このゲームはそういう意味でも「続編が出なかった」ことが残念ですね。今作を踏まえた続きを見たかった。
メーカーとしても色んな意味で続編前提で動いていたはずですし。すごい作品なんですが、どこかモヤモヤが残ってしまったような。

>EDがメイキング映像というのも実写ゲームならではって感じで、なんかもの凄く感動してしまったんですよねえ
あ、これは思いました。まさに実写ゲーならではの演出ですよね。428でもEDでヒロインの子が可愛かったのを覚えてます。

>牛馬や七曜会ルートは好きでしたが(飛沢ルートも男の夢って感じで割と好きでしたw)、市川ルートなんかは本当に誰が喜ぶんだろうこれ…という感じで
シナリオライターがやりたかったのは市川だったような気もしますがw、あれはゲーム娯楽とはとても思えん空気でしたね。
どのシナリオも内容は面白かったんですが、締め方に不満が残りました。今作に限らず、物語で抱く不満は大抵そこですね。うーむ。

>サウンドノベル大好きで、428あたりと絡めれば街についてはいくらでも語れるんですが、迷惑だと思うのでここらへんでやめときますw
おお、そうなのですか。一時流行したものの、最近は完全に下火になってしまいましたね。「タイムトラベラーズ」辺りがもっと売れていれば……。
弟切草とかまいたちの夜はずっと心に引っ掛かってて、いい加減何とかしなきゃなぁと思ってます。どっちもPSアーカイブス版が手頃ですしね。
最近は年のせいかどうも集中力が希薄で、「読みゲー」に延々耽るのが難しくなってます。……我が事ながら、なんて表現だよ……。
昔はギャルゲ系を含め、好きだったんだけどなぁ。一方、本は昔より好きになってたり……ううむ、よう分からん。
「ゲーム性が低い」って、別に悪口とは限りませんよね。ボタン押して文章読むだけでも、面白ければそれでいい。それが正義。
はい、改めて意識しておきます。……そういや、「不思議のダンジョン」もずっと心に……こんなんばっかしや……っ!!
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Unknown (mizz)
2015-10-22 09:56:07

部屋掃除してたら出てきたので
久しぶりに最プレーしてみました。

時代背景とかは仕方ないにしろ
それ以外では古さを感じずに済むのが
サウンドノベルの長所ですね。今でも楽しめました。



思い返してみると、街って自分の趣味嗜好的に
まず確実に買わないソフトだったんですが

各所で不評の市川シナリオが、
自分の購入動機になりました。

体験版か何かだったかな?
序盤だけプレーできるのが何かの付属についてて

市川の部屋で原稿が燃えてて、本人以外の出入りは無くて

『これが推理小説なら完全犯罪だ』

で、ミステリマニア的に
どんなすごい謎なんだろう!と
それだけが気になって購入しました。

その解答がアレって反則だw
まあそれでも、楽しめたシナリオでした。

原稿を失わないようにするための対処が甘い、とか
眠っている人格はあんな都合良く干渉しない、とか
もどかしいというか、不満はありましたが。

美子シナリオが一番もどかしくて不満でした。
アタマも悪くて。

花火は、結構好きです。
締めとしてもまずまずだと思うし。

>やっていることはただの懐古であり、今の息子へ向き合った態度ではない。

とありますが

長らく会っていないこと、
長らく愛情を忘れていたこと、
夢をきっかけに思い出したことなどを考えると
ああいう態度になったのも、うなずけるかなと。


一番の不満は末永さんです。

他の登場人物にくらべて
目的も行動理念も思考回路も意味不明すぎる。

個人的に、街のマイナス部分の90%が末永さんです。
女性の悪いところを多く持ちながら
サバサバ系に見せようとするところがホントに嫌い。



チュンソフトと言えば、少し前までは
ハズレの無いメーカーってイメージだったんで
これからも頑張ってほしいです。

かまいたち2、真かまいたちの不調は
ゲームをしない作家を起用したせいだと思ってるので
ゲームがわかる人にシナリオ書いてほしい。

特に真かまは本当に残念です…。
メインシナリオの黒田研二なんて
ミステリ作家としても最底辺レベルなのに…。
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Unknown (ota)
2015-10-23 01:57:32
おお、久々の再プレーですか。
掃除・整理整頓中に手にした懐かしのゲームや本は3倍の面白さを持つという定説がありますからねw

市川シナリオをミステリと思って購入されたんですか。なるほど、面白い動機ですね。
んで予想とは違ったけど、市川シナリオは気に入った、と。そういう人もいるんですね……。
俺はシナリオの意味不明さ以外でも、このキャラの「娯楽を見下してる」ところがとにかく好きになれませんでした。
自分の思想や好みは別として、「そういうものも世の中には必要」だと、特に創作者ならよく分かるでしょうに。
まぁそんな男が優れた娯楽を生みまくってるんですから皮肉なシナリオですな。
……末永は、正直誰か思い出せませんでしたw 市川と隆司は意外と馬が合ったかもしれませんね。ないか……。

美子は馬鹿キャラでいいと思いますが、幾つかのシーンで浮気してたのは頂けませんな。馬鹿でも一途でないと。
花火は、本文にも書きましたが、もう少し父親に汗をかかせてほしかったですね。想いを感じるだけの労力がない。
例えば、打ち上げに際して役所が難癖をつけてくるが、土下座してゴリ押しする、とか。電話一本の指示だけじゃ……。
隆司の無残な死を知って、あの一家はどうなるんでしょうかね。永遠の謎ですな。

チュンソフトは、中村光一氏が現場を退いた(?)結果、作品クオリティが落ちていったように思います。
一時シレンを矢鱈と連発してましたが、続けるべきはトルネコの方だったんじゃないかなぁ。
ドラクエ製作より離脱~「街」製作 までは、泣く子も黙る腕利きメーカーだったんですけどね。
スパイクと合併して余裕は出来たでしょうから、また何か新しいことを始めてほしいですね。
ただサウンドノベルは、時代的にもう苦しいかなぁ。売れるジャンルではないですからね。うーむ……。
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