腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

シュタインズ・ゲート ~比翼恋理のだーりん~(XBOX360版)

2017年12月04日 01時15分00秒 | XBOX360ゲーム感想文
【ハード】XBOX360(XBOX Oneでもプレー可能)
【メーカー】5pb
【発売日】2011/6/16
【定価】9504円(税込)
【購入価格】391円(中古)
【プレー時間】33時間


俺がシュタゲをプレーしてから、もう2年近く経つんか。早いもんだ。早すぎるもんだ……。

「シュタインズ・ゲート」である。近年の読みゲーでは間違いなく最大のヒット作だ。……近年じゃないか。もう8年も前の作品だ。
それはともかく、1作目のシュタゲはヒットを飛ばした。ジャンル補正を入れれば大ヒットと言ってもいい。となると? 事業拡大だ。
ゲームの続編はもちろん、アニメ化やCD等、シュタゲはメディアミックスにも精を出した。概ね受け入れられていたと思う。
……しかしながら、一つ問題があった。シュタゲは、一作目でほぼ完結しているのだ。少なくとも伏線めいたものは残ってなかった。
時間移動が絡む作品で、散々それを繰り返した末の「トゥルーエンド」で初代は幕を閉じていた。続きをやる余地が、正直ない。
そこが製作者もファンももどかしいところだったと思う。続編を出せばWin-Winなのに、ネタがない。半端なものだと逆効果だし。
結局正統な続編「ゼロ」は、初代から6年も後に発売された。それとて「別次元の話(多分)」であり、続編とは違うかもしれない。
アクションやRPG系のゲームと違い、読みゲーは物語が核。今の時代に良作を生むことが困難なら、続編製作もまた至難。
それでいて市場規模も知れている。まこと、報われないジャンルである。残念ながら、今後も復権はまずないだろうな……。

「シュタインズ・ゲート ~比翼連恋理のだーりん~」は、そんなシュタゲの2作目である。初代の次に発売された作品という意味な。
実は今作、初代をやる前から持っていた。限定版(の中古)があまりに安かったんで、確保に動いてしまったのである。
その後ゼロを購入。初代シュタゲPS4版のDLコードが付属していたので、それ目当てでもあった。当然、まず初代をプレー。
面白かった。となれば続編をやらねば。でもいきなりゼロではなく、やはり順番だろう。幸いにも比翼は既に持ってるし。
まぁちょっと間を置いて、半年後くらいにプレーしよう。うんそうしよう。はっは。……で、2年。世界は早く、俺は遅い。
いい加減シュタゲを前に進めなきゃと思い、プレーを開始した。ちなみにXBOX Oneの互換機能を使用。無駄に生活レベルが高い。
互換具合は全く問題なし。ちなみに互換ではセーブをクラウドで行う! 仕組みは知らん。XBOXライブ有料会員でなくても利用可能。
実績も問題なく取れるし、簡単にスクショや動画を撮影出来るのも最高。無能PS4は過去の資産を大事にするXBOX Oneを見習え。
ただし、中断は不可能。スリープ(厳密には違うが)で本体を落とすと、セーブデータからやり直しになる。そこは注意。
ま、開始。今回もゲーム性はほぼないだろうが、読みゲーはそれでいい。物語さえ面白ければそれでいい。そこさえ……。

ふーむ。
先述のように、シュタゲは続編製作が難しい。つーか無理。初代から1年で発売された今作では最初からそこは度外視していたようだ。
じゃあ何をもって「続き」をやるのか。答えは、ファンディスクだったようだ。シュタゲのキャラを使った外伝集と言えるかな。
パッケージの文句は「それは─あったかもしれない。ラボメンたちとの物語」。要は初代の本筋とは関係ないということだろう。
実際、今作はもちろん「あのキャラ達」が「あの世界」で動き回るが、初代で起きた事件や設定は引き継がれていないようなのだ。
簡単に言えばパラレルワールドなのか? ごめんよう分からん。恐らく考えるだけ無駄であろう。そういうもの、と受け取るべし。

シナリオは、サブタイトルから分かるように、ラブコメ、ギャルゲなもの。登場ヒロイン6人に合わせた6つのシナリオを収録。
初代も強引に解釈すればギャルゲの範疇に含まれるが、その要素は薄かった。本筋が重いから気楽にイチャる雰囲気でもないし。
今作ではそういったことがなく、各シナリオで存分にヒロインと絆を深められる。「だーりん」は無論、岡部倫太郎だ。
「選択肢が存在しない」という作りは今作でも健在で、シナリオ分岐は「メールを送るタイミング」にて行われる。
まぁ結局それが選択肢代わりなんだからあまり意味があるとは思えんが、シュタゲの特徴ではあるだろう。ちなみに、未だガラケー。
最初は強制的に牧瀬紅莉栖シナリオに進み、それをクリアーすることで各キャラ分岐が可能になる。よう分からん作りだ。
分岐は分かり易いが、阿万音鈴羽と椎名まゆりのみ二者択一になっていて、そこに至るまでのメール返信によって更に分岐する。
これは非常に分かり辛い。俺は幸い素でまゆりシナリオに入れたから問題なかったが、自力で解明できていたとは思えん。
初代でもそうだったが、オーソドックスな読みゲーであるシュタゲにこんな「分かるわけない」分岐要素を入れる意味があるのか。
謎解きを仕掛けたいなら、プレーヤーが論理的に推測可能なものにすべきだろう。何でこんなとこで足止めさせるのか理解できん。
まいい。シナリオ感想に入る。ほぼそれしか語ることがない。読みゲーだからそれでいいのだ。多分……。

ルート分岐後は、どのシナリオも「Dメールの影響で得た環境であって、岡部が能動的に動いた結果ではない」状態になる
紅莉栖との腕輪事件を解決する為にDメールを送ったら、「岡部が知らない過去を経た」現在になっている。どのシナリオでも。
岡部が知らないんだから当然プレーヤーも知らない。いきなり「そういうことになっている」現実が訪れる。……納得出来ず戸惑う。
またキャラの好感度も、当人のシナリオに入ると、さすがに即ラブラブというわけではないが、いきなり岡部に対して激増する。
一方他キャラは逆で、自分のシナリオ以外では岡部に興味を失い、シナリオキャラとの仲を応援するようになる。……これも戸惑う。
結ばれることはなくても、嫉妬の一つや二つはすべきじゃないのか。一点の曇りもなく「おめでとー!」って。なんじゃそら。
唯一全体通して岡部に好意が感じられたのは、るかだけだ。……だが男だ。それでいいのか。いいとは思えないよ。
ちゃんと自分でシナリオを読み進めてそうなったなら納得するが、前述のように「いきなりそうなった」だ。感情移入出来ん。
「本編とは違うお遊びシナリオ」とはこういうことではないだろう。実に「作られた」空気がして、素直に浸れなかった。
ただそれぞれのキャラシナリオを愉しめばいいだけで、そこまで期待しちゃいかん作品なのかな。重みがない。うーむ。
本編ではない、外伝。と言うか同人作品? 公式の。そんな位置づけか。聞いた話じゃライターもキャラ毎に違うらしいし。
まぁあまり煩くは言うまいか。じゃあキャラについて。全6シナリオ6人。クリアリストではもう一つありそうだったけど……。


・牧瀬紅莉栖
初代のヒロイン。初代プレー前は「まゆりとどっちが真ヒロイン?」なんて思っていたが、比較はまゆりに気の毒なくらいだった。
ヒロインとしての魅力だけでなく、時間移動の悩みを相談(「共有」は不可能)出来る優れた頭脳も非常にありがたかった。
終盤、紅莉栖を救う為に岡部は奔走する。まさに本筋、迎えるはトゥルーエンド。シュタゲは紅莉栖のための物語だったね。
……その反動なのか、今作では扱いが微妙。つーか一番悪いと思う。最初に強制的にやらされるルートだから特別扱いかもしれんが。

しばし平穏な日常を過ごした後、紅莉栖が新作ガジェットを開発。忘れがちだが、岡部は「未来ガジェット研究所」を運営している。
それまでは(Dメール関係を除き)おもちゃのような品ばかりだったが、さすが天才少女、紅莉栖は実用に耐えうるものを開発。
「男女それぞれが腕輪を装着し、二人が仲違いしたり1m以上離れると電流ビリビリ」というラブアイテムだ。……非常に危険だ。
電流で死ぬことはないが、苦痛としては十分。そして外すには「二人の心が一つになる」必要がある。なんちゅう無茶な道具だ。
つっても紅莉栖自身本気ではなく、一応作ったが問題がありすぎると自覚していた。……なのに、うっかり岡部と二人で装着。
離れることも心を一つにすることも出来ない二人の強制的共同生活が始まる。……トイレ描写はなかった。誤魔化しやがった。はぁ。

うーん。「非常にストレスの強い設定」である。女の子と繋がれて嬉しい? アホ言うな、一時ならともかく常時って。嫌過ぎる。
実際、男女が1m離れず数日も生活すれば、どんな仲の良い恋人同士でも破綻確実である。人間関係は距離感あってこそのものだ。
今作では、最初こそ二人は喧嘩ばかりする(そして電流を食らう)が、話が進むにつれ絆が深まっていく。うーむ、しっくり来ぬ。
シャワーは相方ドア前待機で浴びてる描写があったが、1m縛りでンなこと出来るか? トイレは誤魔化すし。そこ一番重要だろ。
その後も、半ギャグキャラであるシド軍団にボコられたり、紅莉栖の妄想が公になるのを必死で防ぐとか、どうにも本気になれない。
「場の空気」にいちいち浸れなかったな。腕輪設定がギャグなんだから、終始軽いノリで進めた方が良かったと思う。
秋葉原で真っ昼間から愚連隊引き連れて暴行事件を起こしながら警察沙汰にならないとか、シドも初代と変わらずおかしい。
あのキャラ一体どういう位置づけなんだ? 明らかにギャグキャラ描写なのにやってることがまるで笑えない。さっぱり分からん。
ハッキリ言ってシュタゲの世界を壊してると思う。少なくとも愛すべきサブキャラでは絶対ない。もう金輪際見たくないわ。はぁ。

他、ガジェットを買いたいという人の素性をロクに知らんまゆり、値段交渉の描写が一切ない、等、ツッコミどころは非常に多い。
挙句、ラボメン総出のガジェット回収作戦は紅莉栖の妄想が公にするのを止めるためというしょーもないもの。全然笑えない。
そこまで恥ずかしいもんとも思えんしな。正確には妄想じゃなく夢だから、「男役はたまたま岡部だった」て言い訳も可能だし。
うーむ。残念ながら比類なき初代のヒロイン・紅莉栖の好感度を落とすレベルの質だった。もうちょい頑張れとしか言えん。
……あまりに酷いから、6シナリオクリア後、初代よろしくトゥルー紅莉栖シナリオが始まると思ってたんだけどな。
クリアリストを見て同様の想像をしていたプレーヤーは多いだろう。それかダルシナリオか。それにもガッカリしたのう……。


・桐生萌郁
初代では序盤ただの変な奴枠だったのに、中盤から完全に敵対、和解もせず。よってヒロインな風貌ながら個別EDもなかった。
まぁやったことを考えればそれも当然である。結果的には「なかったこと」になるが、プレーヤー心理的にも無理だろう。
で、今作。「初代の設定を無視」という作りの恩恵を一番受けているキャラである。取り敢えず裏の顔は無くなった。……多分。
ちなみに萌郁と関わりの深いブラウン店長もただの後見人となり、こちらも救われていた。あの辺の設定元々無理があったしな。
やっとただの「美人・無口・メール魔」というあるべきキャラになれた。……今だとLINE魔になってるんだろうな……。

今作らしく、個別シナリオに入った時点でスイッチが切り替わったが如く岡部に好意的になり、仲を深めていく。
無口になったのは家庭環境が理由で、また「誰にも必要とされてないと思い込む病」にも罹っている模様。……ここがなぁ。
初代でも思ったけど、美人と言える外見を持っている以上、周囲が放っておくわけなかろう。引き篭もりじゃなく街歩いてるんだし。
……まぁツッコミが野暮か。でも岡部にだけは話しやすいらしく(基本はメールだが)、徐々に心を開いていく。うむ。
編集プロダクションで働いていて、仕事面では結構有能である模様。その辺を膨らませて自己肯定させてやりゃいいのにと思った。
今一番人気のケータイ小説(懐かしい響き)の筆者が逃げちまったんで、ゴーストライターをやっているという驚きの設定も。
これも間違いなく彼女の長所なのに、あまり触れられず終わったのが勿体無い。素人バンドよりそっちの方が良かったよ。
最終的に極端な無口が直ったわけでもなく、あまりハッピーを感じられなかった。まぁ彼女の場合は「これから」でいいのかな。
自己肯定ってのはほんま厄介やね。強すぎても弱すぎても人生に支障を来す。やり方は自分で学ぶしかない。……はー……。


・フェイリス・ニャンニャン
……うーむ。甲高い声でニャンニャン言う、けど素の姿は秋葉原に名を轟かせる名家のお嬢様で、能力的にも非常に優秀。
正直、苦手なキャラである。特に桃井はるこ氏のボイスが俺には合わん。電波ネタ語る時は禁断の台詞飛ばしをしてしまうほど。
だがキャラ自体に嫌味はないから嫌いではない。紅莉栖やダルにも劣らない有能枠だしな。……岡部ももっと頑張れよ……?

シナリオは、無論フェイリス中心だが、ラボメン全員に見せ場があり、なかなか楽しめた。総合的には一番良かったかもしれない。
……敵がシドだってのがアレだけど。あれがコンサルで、しかも成功してる? 全然しっくり来ない。マジで戦う気になれない。
シドを倒せたのも、正面から戦った結果ではなく、ダルのハッキングというチートのおかげだもんな。あれじゃ盛り上がらんよ。
そもそもこのシナリオにおいて、シドは帳簿以外では法から外れたことはしていない。資本にものを言わせてるだけだ。
それにより客はあっちに行ってんだから、フェイリス側は概ね正当に負けている。これがシナリオ上の一番の不満点かもしれない。
もっとシドを外道にし、プレーヤーの戦意を煽ってほしかった。金の力はフェイリスだって恐らく大なり小なり使ってんだしね。
あと、客の残酷さ・身勝手さも話を進める上で不快だったな。秋葉の濃い客なら、シドの実態だって知らないわけじゃないだろうに。
……ま、あれで当然なんだけどね。フェイリスは客のためにもつってたけど、客は裏はさておき表の姿がいいとこに行くからね……。

フェイリスとのラブコメは、まぁ普通。あんだけ一緒に動いてたらそら結ばれるよな、て。……何故あんなに本名を勿体ぶる?
このシナリオでは岡部も執事姿でバイトをし、しかもかなり女性受けが良かった。ラボメンも最初は見惚れてたくらいだ。
思考と言動で台無しだが、岡部の見てくれは結構イケてるようだ。普通にしていればギャルゲ主人公らしくモテるはずなのにな。
厨二病なのはいいとして、19歳で色気に全く興味を示さないのは不自然と言うしかない。……ま、創作だからな。しゃーない。
ED後はフェイリスと共に秋葉原での商売を進めていくのだろうか。意外と岡部に向いてるかもしれない。頑張って下さい。


・漆原るか
見た目はラボメンでも一番の美少女。だが男だ。最初に言っておくと、今回は女体化もせず、終始男だ。だが男だ。
このキャラの設定、どう捉えればいいのか初代の頃から分からん。ギャグなのかシリアスなのか、ネタなのかマジなのか。
基本的に「何故かそうなってる男の娘」としてネタ系で描かれているが、本人は女装を嫌がらず、岡部に惚れている。つまりガチだ。
実家の神社で巫女をしているが、それも父親が率先して巫女服を用意しているという。……虐待ちゃうの? ネタ扱いでええの?
ほんま分からん。そして岡部に同性愛の気はまるでないから、そこも噛み合わない。俺どうしたらええのん。分からんのう……。

このキャラは唯一どのシナリオでも岡部ラブを貫くので、そこは非常に好感度が高い。だが男だ。あーあ。そこ大事よ。超大事よ。
してるかシナリオに入ると、その時点で2人は付き合ってることに「なっている」。無論岡部は困惑する。非常に無理があるよなぁ。
「個別シナリオに入った時点で勝手な設定が決まる」今作の悪いところが如実に出ている。残念ながらこれでは話に浸れない。
シナリオはファンタジーがかかった内容でそこそこ面白かったが、オチは途中で見えたのが残念。最後までは浸れなかった。
……そして、このキャラだけは「めでたしめでたし」とは行かない。その後を想像すれば、上手くいくとはとても思えない。
結局のところは、単純に同性愛者とノンケである。岡部もそうなるのか? るかが性転換手術でも受けるのか? どうなんよ。
一番大事なところをボカしている以上、やはりネタなのか? こっちは「ねーよwww」と笑っていればいいのか?
まぁええわ、知らん。作り手が誠実に描こうとはしてないんだから、俺が真面目に考える必要もない。洒落よ、洒落。多分。


・椎名まゆり
本来は最後のキャラになるはずだが、俺は偶然先にルートに入れた。初代における「悲劇のヒロイン」である。色んな意味で。
岡部の幼馴染で最初からラボメン、当然一番親しい女性という位置づけ。長年育んだ絆はぽっと出にどうこう出来るもんじゃない。
……それが、ぽっと出の紅莉栖に完膚なきまでに奪われた。しかもシナリオ上では数え切れないほど殺される。悲惨の一言。
もしまゆりが客観的に初代を見たら、精神を病むに違いない。仕方ないとは言え、あんまりと言えばあんまりな扱いだった。完。

続。……それが! 今作で思い切り汚名返上名誉挽回、大逆転ホームラン!! 間違いなく真ヒロイン級の扱いを受けていた。
もう単純に、まゆりのシナリオだけ他キャラとは質が違っていた。もちろん紅莉栖とも。ある意味今作では浮いている出来だ。
「個別シナリオに入った次点でスイッチオン」なのは他キャラと同じだが、まゆりと岡部は歴史があるからまぁ違和感はない。
そして描かれるラブストーリーは正統派で、何の衒いもない。それ故に安心して読み進め、安心してニヤニヤ出来る。
他キャラを含めた水着シーンが唯一あるのもまゆりシナリオの嬉しいとこだ。……あんま色気はないが。帽子は取りぃや、な?
プールでお色気、遊園地撮影でしっとりラブコメ、そして終盤の引っ越し騒動……うむ、完璧。文句なく今作一番の内容だ。
岡部が結婚まで言い出すのもまゆりだからだ。やはりギャルゲ主人公は幼馴染に帰着するんだ。……ギャルゲじゃない? 知らんな。
紅莉栖は紅莉栖で、結ばれるにしてももっと時間をかけなきゃいかんと思う。「あの世界線」に戻れないなら尚更だ。
とにかく今回はまゆりの完勝。次回作で決着を付けようね、クリスちゃん。……止めとき。今回だけで満足しとき。むぅ。


・阿万音鈴羽
未来から来た未来人。今作では「絶望的状況にある未来を変えるため」という目的は撤廃されたが、未来人設定は残された。
鈴羽シナリオは、岡部自身「どっかの映画で見た」と語るように、完全に「バックトゥーザフューチャー」のパク……オマージュだ。
初代で判明した鈴羽の父親は、ダル。ある日鈴羽のお願いをダルが叶え、嬉しさのあまり鈴羽は思い切りハグをする。天然で。
しかし純粋培養オタであるダルは、その生まれて初めての経験で一瞬にして鈴羽ラブへと堕ちる。……これは、非常にまずい。
鈴羽の相談を受けた岡部は未来人という秘密に驚愕するが、ダルを何とかしないとまずいことは理解する。で、色々奔走する。
だが上手くいかない。鈴羽によると、両親の出会いは数日後の夏コミであるという。その時までに何とかしなければ……!!

まぁ、面白いシナリオだった。俺もあの映画は(珍しく)知ってるから、パロとしても楽しめた。
堕ちたダルがすっかり「勘違い」しているのも笑えた。……お前は凄い能力を持ってるんだから、将来モテるよ、マジで。
ただ、だからと言ってすぐさまコミケを無視するのはちょっとやり過ぎだと思った。全然迷いがなく、さすがに無理があった。
そんなダルを夏コミに呼ぶために鈴羽がコスプレまでするのに、まだ「バイトがあるから」と渋る。あり得んだろこれ。
ダルがおかしくなる描写には笑えたが、頑なに夏コミを避けさせる所には「ライターの意思」しか感じられず、白けた。
ここの描写をもっと上手くやっていればシナリオ完成度は格段に上がったと思う。残念である。
あと誘導が成功せずキレた岡部が「あいつは未来からやってきたお前の娘なのだぞ!」とブチ撒けたのは、心底阿呆だと思った。
当然ダルは「何言ってんだ」と返していたが、あれはないだろう。岡部、お前そこまで無能だったか。……これもライターのせいか。

最終的には何とかダルを夏コミに連れてきて、鈴羽母と運命的な出会いを果たし、即プロポーズ→友達から となる。目出度し。
俺は鈴羽母はラボメンの誰か、恐らくフェイリスだと予想していたんだが、完全新キャラだった。ちなみに絵はなく姿は不明。
だったら初代の時点で名前は出していてほしかったな。ファンは今作が出るまで余計な予想に時間を費やしたことだろう。多分。
鈴羽母と出会ったダルはコロッと元に戻り、鈴羽を振り(ダル視点)、その後は鈴羽母一直線のオタに。良かった良かった。
でもフェイリスファンやエロゲは止めるんかな。その辺の描写も欲しかったが、そこまでは望めなかった。残念。
で、鈴羽は未来へ帰る。その時にはもう岡部と良い仲になっていたが、別れるのは仕方ない。頬にキスして、彼女は消えた。
……が、元ネタの映画よろしく、即座に戻ってくる。と言っても「別の」鈴羽が。そして今度は岡部を未来に連れて行く。
「いいから来て!」と。ほんま、元ネタ通りだ。未来ではどんな騒動が待っているのか? 岡部と鈴羽の物語は続く……。


・橋田至
岡部の「マイ・フェイバリットアーム」として今作でも活躍。……ダルシナリオも用意しといたれよと思わずにはいられない。
まぁ鈴羽シナリオである意味人生最高の喜びを得られたから、本人的には満足か。初代からの頑張りがやっと報われたな。
相変わらず関智一氏の演技が実に見事だ。従来の声からはかけ離れてるのに合ってる。次代の七色ボイス使い手だな……。

・岡部倫太郎
だーりん。今作ではある意味前作以上にドタバタと動き回る。ご苦労さん。……ま、いい思いもしているから満足であろう。
何度も言うが、「Dメールを送ったらキャラに好意が芽生える」感じなので、本当に岡部が好かれているかはピンとこない。
それは岡部自身も同様のはず。シナリオ中は必死に頑張っていたが、いざ結ばれて落ち着けばそれを考えてしまわないだろうか。
まゆりシナリオくらいキッチリやれば問題ないと思うけど……うーむ。ま、考えてもしゃーない。故に考えない。
初代で素晴らしかった宮野真守氏の演技は、作風の変化故か少しパワーダウンしたと感じた。絶望岡部とかなかったしね。
「深刻な厨二病患者だが二次元に興味がない」点は相変わらずおかしいと思った。それで厨二病になれるか? うーむ。


ふぅ。あとは……。
グラフィック。まず俺はhuke氏の絵が正直好きじゃない。まゆりがアップになった時の目玉とか明確に気持ち悪いし。
つっても「シュタゲと言えばこの絵柄、他はもう考えられない」のも事実。見た目に関しては諦めて接するしかないな。はー。
で、そのグラフィック、立ち絵は前作の流用が大半で、ハッキリ言って手抜き。こんなのが許されるのか? というレベル。
かと言って新規一枚絵が多いわけでもない。低予算なんだろうが、さすがにもうちょい頑張れよと。ギャルゲ、レベル低いよ
流用だらけなのに立ち絵の数が少ないという問題は放置。衣装が一生一緒(洒落)なのも同じ。……ギャルゲ、この程度。はぁ。
「そこに力を入れる作品じゃない」と開き直ってるんかなぁ。ギャルゲの大事な要素だと思うけど。よう分からん。
音楽も初代の流用・アレンジが大半だったと思う。けど初代のメインテーマをポップにアレンジしたテーマが気に入ったからよし。
ちなみに限定版にはCDが同梱されていて(中古なのに未開封だった)、BGMが収録されている。……何故か1曲地続き収録だった。
シュタゲの曲は「聴けば思い出すが耳には残っていない」のが正直なところだ。昔のギャルゲ曲は今でも頭再生可能なのだが。
これは俺が年食ったからであろう。もう色々と「残りにくい」のだ。質が落ちたわけではない、と思う。ごめんな……。

システムはKID時代からある安心の品質で問題なし。今作ではメール分岐をクリアリストで可視化してくれてるのが有難かった。
まぁそもそもあんな分岐を実績やトロフィーに絡めないでくれと言いたいが。別にメールの内容が面白いわけでもないし。
俺は今作をほぼ自力でプレーしたが、唯一、共通シナリオでのまゆりメールが一つだけ埋められず、最終的にネットに頼った。
……やはり納得出来ない分岐条件だた。だーかーら、こういうゲームにああいう予測不可能な分岐を入れんなや!!!
能力と無関係だからカンニングで負けとは思わんが、気分は悪いよ。素直に作れよ素直に。能力はシナリオに使ってくれ。ったく。


ひぃ。
ごく普通の読みゲー、シュタゲの関連作としてまぁ普通に楽しめた。ちなみに全部埋めれば実績コンプ可能。これも楽だった。
2年ぶりにプレーし、この世界を引き戻すことには成功した。オッケーである。……さて、この流れを続けていかねばならない。
次は「線形拘束のフェノグラム」である。PS3版をPSプラスフリープレイ提供で持っている。……来年中……にはやろう。うむ。
その次こそ「ゼロ」だ。発売日に買ったのに未だ未プレーて。既にフリプ提供もなされていて悔しいったらない。俺が悪い。ごめん。
俺はシュタゲに関しては、残念ながら明らかに機を逃している。やるなら作品が爆発した8年前からやっておくべきだった。
でもこればっかしは、な。ゲームに乗り遅れるのはシュタゲに限られたことじゃなく、寧ろ俺の日常だし。「最新」は疲れるから。
時流を気にせずゆっくりやれるというメリットもあるしな。まぁこれもシュタインズゲートの選択というやつさ、きっと。

シリーズは今度、初代のリメイクを発売するらしい。アニメ版の動画を使った全く新しい見せ方をする、とか?
俺はデモを見た限りじゃ正直全く欲しいと思わんかったからパスだな。濃いファンには訴求するだろうか? 分からんな。
やはりシュタゲの「続編」は難しいんだろうなぁと改めて思う。もしリメイクが成功したら、次の作品を出せるか? 余地は?
全てはシュタインズ・ゲートの選択のままに。この台詞便利だよなぁ。エル・プサイ・コングルゥ。……これも便利だ。は。
俺も無論軽いファンではあるので、これからもシュタゲの世界が広がることを願う。岡部とラボメン達に楽しい未来あれ。

……今作やってて、「若者達の物語」というだけで、何か謎にダメージを受けたね。最近よくあるんだ。まぁ、そういうこったな。
俺と彼らは無論違うが、その脳に寄生させてもらって物語を楽しむ。というスタンスでやって来たが、それが苦しくなってきた。
やれやれだ。いつまでこうしていられるのかねぇ。これもシュタインズ・ゲートの選択、か? いやこれは全て、俺自身の選択だ。
あーあ。若さはいいなぁ。若さだけがいいなぁ。今後新たな「ゲームの苦しみ」が生まれそうだ。アホか。はぁ~あ……。






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