腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

アサシンクリード(XBOX360版・PS3版)

2021年03月06日 00時27分43秒 | XBOX360ゲーム感想文
【ハード】XBOX360
【メーカー】UBIソフト
【発売日】2007年11月29日
【定価】7329税込)
【購入価格】110円(中古)
【プレー時間】35時間

【ハード】PS3
【メーカー】UBIソフト
【発売日】2008年1月31日
【定価】1650円(DL版 2とセットのウェルカムパック)
【購入価格】1650円(DL版 2とセットのウェルカムパック)
【プレー時間】8時間


新作ゲーム発売→ほーん、面白そうやな覚えとこ→
その続編が出る→ほーん、好評だったんやな覚えとこ→
更に続編が出る→ほーん、そろそろ箔が付いてきたな意識しとこ→
更に続編が出る→ほーん、ハードを跨いでも続くか、完全に定着したな、そろそろ俺も動かんとな→
更に続編が出る→ほーん。……お! 新作発売記念で旧作が安くなってるで! ゲットやで! プレー? それはそのうちに→
更に続編が出る→ほーん。もう正直数が多すぎてどうなってんのか分からんけど、そろそろ動きたいね。そろそろ→
更に続編が出る→ほーん。ところで人生に疲れまして。もうゴールしてもいいよね?
更に続編が出る→……はぁ。

何度繰り返しただろう、このパターン。幾つもの人気シリーズが俺の前で始まり、積み重なり、いつしか天辺が見えなくなった。
あまりしたり顔で「最近のゲームは~」などと語りたくはないが、昔と比べてハッキリしてるのは、「最近のゲームは多い」だ。
数が多い、量が多い、悩みが多い。ごめん何言ってるか分からん。未プレーの旧作に新作発売が毎日加わり、もうわやくちゃ。
質に関しては、昔の方がどうこうを言う気はない。思い出補正も絡むからそもそも真っ当な比較など出来るわけがないし。
ただ、昔はゲームが少なく、故に把握しやすかった(未プレーであっても)。最近は只管に多く、供給が止まることもない。
「そのうちやろ」なゲームがあっという間にシリーズ化し、多作化し、外伝が出てコラボして、リメイク版が出て以下略。
都度プレーしていればもちろん何の問題もないが、現代のゲーム数とボリュームでそれは不可能だ。時間と気力は有限だから。
俺にできることは、嘆かず腐らず一本一本ゲームをやっていくことだけだ。……けど愚痴だけは勘弁。時間がないよぅ! はぁ。

「アサシンクリード」である。XBOX360から始まり、順調にシリーズを重ね、今では大メーカー・UBIの看板タイトルになった。
現在では外伝を含めて15作くらいか? 途切れることなく新作が出ているしセールも非常に多いから、俺ももちろん知っていた。
ゲームのシリーズを「知っている」は、ゲーオタにとっちゃ≒「やりたい」だ。アサクリ、いつかやる。とうに決めた確定事項。
……しかしプレーするかはまた別の話。続編発売が多いだけでなく、「〇〇編」系の派生がややこしいのはUBIも悪いと思う。
気付けばこんなに時間が経っていた。2作セットパックを買ったのが5年前、PS4版100円セールで2本買ったのが3年くらい前か。
既にいっぱい持っているのである。いい加減限界なのである。そして俺がやるとなったら、やっぱ1作目からしかあり得ない。
あと去年、質問箱で「今更アサクリ1なんかやってどうすんじゃボケ」と言われてカチンと来たのも一因だ。ムキー!!
まぁあのムカつきは「図星を指されたから」である。実際今までサボってたからな。へん。だがお前が俺に火を付けたぞ。
長く眠らせていたPS3版をDLし、プレー開始である。13年前の1作目……正直不安はあるが、持ってる以上、やるしかない。


……うーん。正直、不安は的中。20分プレーしただけで「これはやっちまったかなぁ」と思った。面白いとは感じない。
グラフィックには別に不満はなく、寧ろこの時期にこの質を実現かと驚いたが、準OWなゲーム性がどうにもアレだ。しんどい。
スリープのないPS3で毎回立ち上げからやるのも重い。俺もすっかり現代人、この手の便利さには光の速度で馴染んでしまう。
しかし始めた以上投げ出しはあり得ない。どうするか。「我慢」して続けるしかないか……そう諦めた際、ふと思いついた。
そうだ。今作にはXBOX360版もあったじゃないか。ちなみに発売は360版の方が先である。内容に差はないが。多分。
そして360版は上位互換が為されていて、XBOX OneとでXbox Series Xでプレー可能。後者なら、クイレジュでスリープ可能!
加えて360版には実績が搭載されている。そう、PS3版は時期的にトロがないのだ。これもプレー意欲が上がらない原因だった。
「二度買い」にはなるが、幸いにも360版を調べたら中古110円であった。こんなん、この件がなくても手を出すわ。即買い。

で、結果としてこのやり方は大成功。360版に切り替え後はじっくりゲームに慣れていき、ドップリ最後までハマれたのである。
更に(嫌な言い方だが)義理としてPS3版もクリアーしておいた。こっちは最速プレーになったが、まぁ偉いだろう、多分。
こういうやり方は初めてだし、しかも成功したので、いい経験になった。この時代、ゲームの価値を高める方法は色々あるんだ。
……そこまで大袈裟な話か? そもそもこんなの、今更十数年前のゲームやる俺にしか当て嵌まらないっての。はぁ。

さて、アサシンクリード再始動だ。一体どんなゲームだ? 説明するまでもない。暗殺だよ。やっみにか~くれってブッ刺っし♪
……そう思ってた頃が、俺にもありました。いや当然だよね? タイトルにあるんだから。アサシンって暗殺者って意味だよね?
けどゲームでの実態は全然違いました。まぁ、背後からブスッともあるにはある。リスクなく一撃死だから非常に効率がいい。
だが、冷静になって考えれば分かるが、そればかりだとゲームにならないのだ。ゲームがゲームであるためには、苦戦が必要。
敵のボスと相対して、背後からブスッで終わったら次世代エンタテイメントにならんのだよ。こっちゃ娯楽なんだよ理解しろ。
結論として、そんな美味しい状況は殆どなく、殺すとなれば剣術で堂々と、という実に男気溢れる暗殺ゲームが誕生した。
仮に言葉通りの暗殺に成功しても、その後の逃亡で取り巻きに囲まれるから結局同じこと。闇の中では生きられないゲームだ。
そんなわけで、今作は背後ブス武器「アサシンブレード」より、小刀を使った剣戟戦闘の方がずっと多い。メインはこっちだ。
町中で衛兵と、ボス戦ではボス+取り巻きと、刃を向け合い大立ち回り。アサシンの法則が乱れる超新機軸ゲームである。

そうして堂々と殺しに行くんだから、当然ながら仲間が続々と増援にやってくる。なればもう暗殺どころじゃなくなる。
しかし今作は、その辺を完全に開き直った仕様にしている。俺は何となく「半径5メートル区切りのゲーム」と名付けた。
半径5メートル内では、仲間の戦いがあると応援が駆け付けてくるし、一般人もそこにある死体を異常事態として認識する。
しかしその結界を離れると、いつもの日常が戻ってくる。さっきあった修羅場も殺人事件も全部なかったこと。別世界だからね。
そうなのだ。どんなに大立ち回りを繰り広げても、話は半径5メートル(適当)を越えて波及はしない。その内部で完結する。
そこでの殺しで指名手配されることはない。フード付きとは言え顔も見られまくっているはずなのに、逃げりゃ忘れられる。
リアリティも何もあったもんじゃないが、そうでないとゲームとして成り立たないから、製作者は早々に諦めたんだと思う。
かくして出来上がったのは、リアルな町並みで起きるリアル無視チャンバラ似非暗殺ゲーム。次世代、意外とアレだった。はぁ。

「メタルギアソリッド」等もそうだが、結局ステルスものは、ゲームに合っていそうで相性が悪いんだと思う。
そりゃ、見付かるまではいい。敵の警備を掻い潜り目的地へ……無茶苦茶ゲームというジャンルに合ってる。最高のネタだ。
けど見付かったら、全部パー。そこで全てが終わる。即ゲームオーバーが自然。ペナルティの厳しいMGSですら不自然だ。
一度潜入が発覚したら、すぐ連絡が行き届いて警備が厳重になり、対象もどこかへ移動するのが普通だ。現実ならそうだ。
けどゲームでそんなことしてたら成り立たない。だから少しワチャワチャしたら元の状態に戻り、作戦はそのまま続行される。
ゲームの開き直りでしかないが、まぁ仕方ないとも思う。そして今作はその「仕方ない」に甘えに甘えまくっている。
最初から最後まで、半径5メートル内だけで繰り広げられる世界。フィールド自体は非常に広いのに、実態は点在する無人島。
そこらの町人でも国の重鎮でも、殺しても騒ぎになるのは半径5メートル内だけ。もしかして主人公の固有スキルか何かか。
俺は普段「フィクションなりのリアリティ」にうるさいのだが、ここまで開き直られると、もう受け入れるしかなかった。
今作にリアルなど間違っても求めてはいけない。暗殺もだ。取り敢えず対象を殺して5メートル離れるゲームだ。完。

今作は暗殺・ステルス(一応)ゲームだが、もう一つ、「OWを超身体能力で自在に走り回るゲーム」という側面がある。
主人公はアサシンということで鍛え抜かれた身体を持ち、その運動能力は凄まじい。ジャンプ力、握力、そして体力。
彼にかかれば、町中に行けない場所などない。舞台は12世紀、建物の高さも知れているから尚更だ。
ゲームの都合としてあちこちに掴まれる突起があるから、恐るべきジャンプと握力と胆力でそれを使って上へ横へ。
これは暗殺と違って動きとしてはリアルなので、やってて気持ちが良い。今作を楽しめたのは、移動モードのおかげである。
今作の町はかなり広く、非常に入り組んでいて、人通りも多い。普通に道を進んで目的地を目指すのはかなりのストレスだ。
しかし屋根の上ならその限りではない。「俺だけの世界」で縦横無尽に、ある意味無敵モード。……まぁ衛兵はいるんだけどね。
当然というか落ちればダメージがあり、序盤だとそれで死ぬが、HPの増える中盤以降は割と気楽に落下ダメージを耐えられる。
……「そんなことしてたら目立ちまくるのでは?」と突っ込むのは不可。言ったろ? 今作は大暴れ系アサシンのゲームだと。
半径5メートルの結界を越えれば、全てが刷新された日常が始まるわけよ。中世の中東、実に不可思議な世界ナリ。はぁ。

町を自在に闊歩するのは楽しいが、「町が作り込まれているか」と言われると、全然そんなことはない。正直、寂しいほどに。
広い町に夥しい数で存在する建物は、コピペばかりで個性など皆無。それが民家なのか施設なのかも何も分からない。
またどの建物も、戸も窓も開かない。主人公が開けられないのはもちろん、NPCも使わない。まるで書き割りのセットだ。
広大で一見リアルなのにそうではなく、建物に入れない――俺の経験だと「インファマス セカンドサン」を思い出した。
あのゲームも主に建物の上を移動したし、中には入れないし、半径5メートル結界も似てたと思う。やっぱそうなるのかね。
町人は物凄い数がいるが、全てコピペモブで、人格も人生も与えられていない。プログラム臭漂う移動を繰り返すのみ。
あと、町人も普通に殺せるから仕方ないが、子供が一切いない。そのため物凄く不自然な町になっている。不気味ですらある。
自分の中で色々と補正して「これはリアルなんだ」と信じるしかない。よく頑張ってはいるよ。ゲームには限界がある……。

町には本編には関係ないミニゲームもある。無辜の市民が衛兵にリンチされているので、それを助け出すというものだ。
……市民は「わしが一体何をした!?」と、衛兵は「このコソ泥め!」と言ってる。正直、どっちが悪いのか分からん。
ちなみに今作はゲームの都合で町に衛兵の数が異常に多い。屋根の上にもたくさんいて、どんだけ警備が厳重なんだと思う。
その一方で(主人公のせいで)あちこちで連続殺人事件が起きるんだから、治安が良いんだか悪いんだかさっぱり分からん。
とにかく主人公君は市民の味方をするわけだが、じゃあどうするか。衛兵を殴り倒す? ノーノー。衛兵を皆殺しする、ですよ。
そう、5人くらいで市民を虐めてる(ように見える)衛兵を、皆殺し。増援が来たらそいつらも。いつものアサシンスタイル。
それが終われば件の市民は「ありがとうございます、貴方は命の恩人です!」と大感謝。周囲は衛兵の死体ゴロゴロです。
いやー。このミニゲームは今作の狂気が一番出ていると思う。どんな空気なんだよ。これ絶対VRだからテキトーに描いてるだろ。
これがゲーム中に全部で30回くらい、全く同じ内容で発生するからほんま頭がおかしくなる。そら宗教戦争も起きるわ。
市民を救出すると、報酬として自警団が衛兵の邪魔をしてくれるようになる。……何言ってるか分からん? 安心しろ俺もだ。
カオスすぎて最早人殺し程度じゃ何も感じなくなった。……暗殺者としての精神修行になってるかも? だといいな。はぁ。


ゲームは章仕立てで、各章で上司にターゲットを指定されて殺しに行くが、最初から大立ち回りに行くことは出来ない。
まずはターゲットの情報を集め、殺害計画を練らねばならないのだ。……一直線に殺しに行く方が今作らしいんだけどな。
してそのために、関係者の話を「盗聴」したり、関係者の持つ資料を「スる」ったりする。シーフクリード始まったな。
あと関係者を拳でボコして情報を吐かせることもある。まぁあらかた聞いた後はグサッとやって証拠隠滅するのだが。
こういった過程の作業は、ある意味アサシンらしくて面白いと思った。……が、あまりに単調過ぎる。やることずっと同じ。
ゲーム序盤から終盤まで、ターゲットの情報集めは全て上記の3種(+サブもあるが)。先に進めば難度が上がるわけでもない。
ボコして吐かせる奴は顔まで使い回してて呆れた。お前さっきダマスカスで殺したやんけ! 一応イベントキャラなのによ。
このゲームは本当に、信じられないくらい「粗い」部分を平然と残している。あの大会社UBIがと呆れるより驚かされた。
これでいいと割り切ったらもう気にしない……そういうクールさも大作ゲーム作りには必要なのかもな。俺には無論分からん。
正直ここまで雑だと一周回って「これもまたよし」と思えてしまう部分もないではない。いいんじゃね? 移動楽しいし。はぁ。

前準備が終わったら、いよいよ暗殺。入手した資料を読んで侵入及び脱出経路を考え、いざターゲットのお命頂戴。
……のだが、実際のとこ資料はただのフラグで、暗殺の手助けにはならん。俺も一応目を通したけど「これ要らんわ」で終えた。
今作は暗殺という結果さえあれば万事OKで、仕事のスマートさで評価される等の要素はない。手段を問わずとにかく殺せばいい。
となればそう、上に書いたように、大立ち回りでのチャンバラ殺しだ。侵入こそはこっそりしても、殺害は大半を堂々とやった。
仮に資料を読み込んで完璧なやり方を考えても、ちょっとミスったら全部パーなのがステルスものだ。頑張る気にはなれない。
大立ち回りでも勝てるくらい難度が低いしね。そう、今作は戦闘が簡単なのだ。物凄く多勢に無勢だが、負けることは少ない。
雑魚もボスも行動はほぼ変わらず、カウンターを軸にじっくり戦えば誰にでも勝てる。受け身主体だから時間はかかるけど。
また敵がいくら大人数でも一度に襲ってくるのは一人だけという時代劇仕様で、数の圧力もない。お前ら殺る気あるんかと。
なので本命の暗殺でも堂々と刃物見せて向かっていき、衛兵含めて全員殺すのが一番効率的なのだ。冗談じゃなくマジで。
ターゲットも基本的に逃げずに攻撃してくるしね。中には逃げるタイプもいるが、当然ゲーム的に追い付けるようになってるし。
粗いゲームなのはいいとして、ボス戦はキッチリ用意してほしかったと思う。魔法使うとかさ。アホか、漫画じゃないんやぞ。
ターゲットも取り巻きも全殺ししたら、ホンワカパッパのスタコラサッサさ。あとは半径5メートル結界が俺を守ってくれる。
ただ、ターゲット殺害後は周囲の警戒度が上がっているので、普段の調子で目立つ移動をしてると別の衛兵に絡まれやすい。
拠点に帰るまでが暗殺、と師匠は教えてくれた。焦らずゆっくり拠点に戻って暗殺完了を報告。休む間もなく、次の殺しへ――。


物語はどうか。まず今作の「十字軍遠征時代のエルサレムが舞台」と聞いただけで、誰もが「それヤバない?」と思うだろう。
ゲームを起動すると「このゲームは多種多様な人種・宗教を信じる者達のチームで製作されました」と出る。UBIも大変だ。
しかし実際は、確かに宗教対立を描いてはいるが、それがテーマじゃないし、対立に深入りもしていない。別にヤバくなかった。
主人公アルタイルは「アサシン教団」に所属する凄腕アサシンで、今作ではこの教団が宗教対立に第三勢力として暗躍していく。
片方に加担し「こっちが正義」とする話ではない。大丈夫だ。人類皆平等です。我々は無関係です。他人の争いは止められない。
フィクション要素として「秘宝」がある。もっと言えば「古代文明の秘宝」らしい。……一気にゲーム臭くなったな。
これが不思議パワーバリバリで、使うと洗脳効果があり、それによる大衆支配を各陣営が目論んでいる……という物語だった。
最初は訳も分からず教団の首領にして師匠でもある「大導師」の命で暗殺を重ねるアルタイルだが、徐々に真相に近づいていく。
一連の暗殺指令には、暗躍している人物がいる。それは一体誰なのか!? 驚愕の真実が明らかに。……バレバレでしたけどね。

物語で面白いのは、アルタイル時代より寧ろ「現代」だ。実は今作、厳密には十字軍時代じゃなく現代の話なのである。
主人公も、実は現代の平凡(?)な青年「デズモンド」だ。彼はある大会社の研究員に拉致され、広い部屋に軟禁状態にある。
そこには機械仕掛けのベッドがあり、研究員のおっさんと助手の女がいた。現代編での登場人物はこの3人のみである。
おっさんは語る。生物のDNAには遺伝情報だけでなく、「先祖の記憶」も残されているのだと。それは参照可能である、と。
動物が誰に教わることもなく食える植物や住処を生まれながらに知っているのはその証拠だと。本能なんかではない、と。
機械ベッド「アニムス」はDNA記憶を読み取り、追体験させるシステムだった。そう、アルタイルはデズモンドの祖先なのだ。
大会社の目的は、アルタイルの記憶から「あるもの」の位置を知ること。後に判明するが、これは例の秘宝のことだ。
かの古代文明の秘宝は、現代でも血眼になって探す価値があるようだ。もちろん大衆支配のために。世界征服のために。
軟禁状態のデズモンドに拒否権はないが、危険も特にないので、言われた通りにアルタイルの人生を追体験していく。
そのうち徐々に彼も事態を知るようになり、外の世界もバタバタし始め、遂には……次回へ続く。まぁ規模的にしゃーないか。

かなり凝った構成の物語だと思う。「DNAの記憶情報」というのも、出鱈目と現実性が絶妙に混ざってて俺は好ましく思った。
散々書いた今作のおかしな部分も「記憶を追っている形だから粗くて当然」という解釈が出来なくもない。……無理があるか。
理想的なフィクション像を見た感じだ。アルタイル・デズモンド双方のその後が気になる引きも見事と言えよう。
……まぁキーアイテムを「不思議な宝玉」にしたことは安直だなと思ったが。それが現代でもバリバリ有効とか、ちょっと、ね。
尚デズモンドも実は普通の青年ではなく、現代のアサシン教団出身だった。つっても脱走者で、実務経験はないようだが。
アサシン教団もまた現代で健在てことは、ここも秘宝を探していることだろう。続編では相当な泥沼が繰り広げられそうだな。
現代デズモンド編も正式にゲーム化するかもな。特殊迷彩スーツ着てセンサー網を掻い潜り、見張りは麻酔銃で昏倒させる!!
……小島監督とのコラボ待ったなしである。でも実際続編では現代編ありそうだ。先の楽しみとしておこう……。


グラフィックは、単純な背景や人物は、とても美しい。次世代機パワーを感じられる絵にはユーザーも大喜びだったであろう。
特に高所に登った際に遠景を眺める高揚感は今でも格別なものがあった。ゲームって凄いよね。バーチャル体験万歳だ。
ちなみに今作はマップ情報収集のために高所に登ることが多い。中には「こんなとこ生身で行く奴がいるか」な場所もある。
そういうとこに登る時は、画面に地面が映ってるわけでもないのに、その、お下品な表現ですが、タマヒュンしまくりでした。
いやマジでこえーって。アルタイルの身体能力なら不可能とは言わんが、精神的にあんなの無理だって。奴は化け物だ。
正直、人殺し技術より落ちたら100%死ぬ高所を雲梯プレーで登る胆力の方が凄みがあった。クライムクリード始まったな。
あれはなかなかのものだったよ。高所タマヒュンはOWでは割と有り触れた現象だが、今作のそれは一段上を行ってたと思う。
尚、ゲーム的にはそういう場所の下には必ず藁束が積んであり、「イーグルダイブ」にて無傷で地上に戻れるようになっている。
いや凄いですよ、地上20メートル以上の高所から、藁束に向かってダイブですよ? そのまま平然と歩き始めるし。
ほんま、アサシンなのに人殺し力より移動方面の方が超人である。逆に暗殺技術をもっと磨いた方がええと思います。はぁ。

音楽はOW系ということで殆ど鳴らない。衛兵に見付かった時に流れることもあるが、極稀だし結局記憶にも残らなかった。
一方、非常に多く耳に入るのが、雑踏の声である。露天商、物乞い、衛兵リンチの被害者……色んな人の声が絶えず響き渡る。
バリエーションも多く、雰囲気作りはよく頑張ってると思った。……が、当然種類は限られているので、中盤からは飽きた。
どの町どの区画でも同じ声同じセリフが聞こえるんだからな。リアリティを頑張ってリアリティが消えてるのは皮肉な話だ。
またアルタイルがどこかに登ったりすると「あれは何をしとるんじゃ」「あんな馬鹿は見たことがない」と散々に言われる。
町中でアクロバット移動したら苦言言われるし、人殺したら大騒ぎになるし(当たり前だ)、12世紀も世間の風は冷たい。
あと物乞いと気違い。アルタイルの通行に邪魔がないと逃亡が簡単すぎるからか、町中至るところにこいつらがいる。
物乞いは「家族が病気で死にそうなんだ、恵んでくれよ」とか言って絡んでくる。全員女。今だとポリコリーだなと思った。
更にヤバいのが気違いだ。いやマジで「うっぇっへっへ」とかブツブツ言いながらアルタイルをドンッと押してくるのだ。
ハッキリ言って宗教ネタを扱うことよりこのお邪魔キャラの方が万倍ヤバいと思った。大丈夫なのUBI? これは擁護出来んよ?
中盤から町は物乞いの叫び、気違いの奇声、商店の客引き、衛兵の警戒等が同時に聞こえるようになる。俺も神に縋りたい。
アルタイルはともかくこれをVR体験してるデズモンドがよく平気だなと思った。さすが最近の子、バーチャル慣れしてる。はぁ。


さて、色々書いたが、実は今作のメイン要素には触れていない。殺人でも移動でもないそれは? ……「旗集め」だ!!!!
……お察しの通り、実績ネタである。各フィールドには膨大な数の旗が隠しアイテムとして設置されている。それの回収だ。
なんてことない要素のように思えるが、今作はOWである。そう名乗っていいレベルでフィールドは広い。滅茶苦茶に広い。
そのあちこちに旗は置かれていて、全てを集めなきゃならない。まず言えるのは、自力でこんなことやるのは俺にゃ絶対無理。
と言っても偉大なる人類の集合知インターネット界では先人達によるありがたい情報が残されていて、俺はそれを利用出来る。
旗の位置が記されているマップが攻略wikiにあるのだ。これをなぞればいい。多少面倒だが、簡単だろ? ……わけないよ。
場所は分かっても、平面的な位置だけで高さまでは分からない。建物の中なのか屋上なのかは行って調べる必要がある。
ハッキリ言って面倒臭い。物凄く面倒臭い。マップを作った人の根性とそれを公開してくらた博愛精神に只管感服致します。

旗集めで注意すべきは、実は「うっかり取ってしまうこと」である。見付けた端から闇雲に取っていくのは非常に危険だ。
というのも、ゲーム中で分かるのはフィールドにある旗の総数だけだからだ。取得した旗にチェックが入ったりはしない。
だからいい加減にやると、最後の最後で「あれ、一本足りないや。……どれを取り逃したんだ?」と悪夢を見る羽目になる。
面倒ではあっても、wikiのマップをガン見しながら、取った旗をきちんとメモしていく必要がある。……嗚呼、面倒臭い!!
この作業、本当はクリア後にやろうと思ってた。本編を追いながらだとあまりに進行が遅くなりすぎるからだ。
でも、普通にプレーしてもやっぱ少しは旗を発見するし、うっかり取ってしまう可能性もある。となれば後でえらいことになる。
結局同時進行がいいだろうと判断し、新しい赴任地ではまず旗集めを頑張った。……暗殺? そんなん後じゃ後!
ぶっちゃけプレー時間の大半は、旗とテンプル騎士団(ちょっと強い雑魚、これの全員殺害も収集実績)探しに費やしました。
トレジャーハンタークリード始まったな。ほんまアルタイルの万能さに改めて驚くと共に、何のゲームか分からなくなった。
ただ、旗探しはクソ面倒ではあるものの、プチプチと埋めていく快感はあった。そういう意味では割と楽しくもあった。
慎重にやったおかげで「見落としがあったけどどこか分からん!」も起きず、無事全部集める(&殺す)ことができた。
他のネタは大したことがないので、見事実績1000完了。はっはっは。古いゲームが今も輝く。実トロはいいものだ、ホント。


ふぅ。なんだか想像とは大分違ったが、ハマることは出来たから満足である。PS3版にも義理を果たせたしな。
もちろんシリーズへの興味と好感度も一気に上がった。次なる「2」も近いうちに始めるとしよう。……今更PS3版になるが。
更に、中古110円で「ブラザーフッド」「リベレーションズ」「3」を確保済み。「4」「ユニティ」はPS4版を持ってる。
既に溢れるほど手元にあるのだ。先日まではそれが少し重かったが、今は違う。やる気がある。だって俺はアサクリファン。
一本でもやって、それが面白かったんだから、ファンを名乗ることに何の躊躇いもない。俺はもうシリーズの中にいるのだ。
ガンガンやっていこう。比類なき人気暗殺ゲーム・アサシンクリードをどんどんプレーする決意をして終わり。
ちなみにアサシン教団の挨拶は「安全と平和を」だ。悪い冗談のようだが本当だ。暗殺で作る明るい未来!!
全く色んな意味で面白い。ふっふ、新たなシリーズを始めてその手応えがよくて……こんないい話はないよなぁ。俺ぁやるよ。

……けどこのシリーズに傾倒してたら、他が疎かになるんだよなぁ。「龍が如く」とか、油断してたらまた積み上がるぞ?
はい。この問題に対する答えはいつも同じ。のんびりじっくり一本ずつやっていくしかない。我がゲー道の安全と平和のために。
はぁ。






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4 コメント

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Unknown (サク)
2021-03-06 19:07:30
おお、アサシンクリードですか
私もちょうど手を出そうかなと考えていたシリーズでした
比較的新しい「オリジンズ」がストーリーの区切り的にもゲームの出来的にも新規にオススメという記事を見かけたので、私はオリジンズから始めてみようかなと思っています

1はあまり評判が良くないというか、シリーズの1作目だけあって、光るところはあるけど粗いという評価を受けている印象でしたが、otaさんは1作目からガッツリ楽しめたようで、なによりですね
2以降の感想記事も楽しみにしています
返信する
Unknown (ota)
2021-03-07 03:57:10
>私はオリジンズから始めてみようかなと思っています
シリーズの時間軸では最初の物語であるようですね。現在3本入りDL版がセール1000円弱で、ちょっとムズムズしてますw

>はあまり評判が良くないというか、シリーズの1作目だけあって、光るところはあるけど粗いという評価を受けている印象でし
いやほんま、粗い粗いw レベルは高いのに色んな意味でブッ飛んだゲームでした。
「今更な初代」で好感触を得られたのは僥倖でした。2は大幅にパワーアップしているようで、楽しみです。
返信する
Unknown (bath)
2021-03-31 03:00:26
ちょうど一昨日くらいに一作目のアサシンクリードをクリアしたので、
レビュー等を探していたらここに辿り着きました。
私もずっとアサシンクリードをやろうやろうと思いながら
何作も手元で積ませていた状態だったので凄く親近感を持ちましたw

流石初代だけあって、突っ込みどころも多いしアサシンらしいことがなかなか出来ないしで
修行でもしているのかと思いながら遊びましたねw
今は、1の後日談である「アサシンクリード ブラッドライン」をやっています。
相変わらず操作性は良くないですが、個人的に1よりは楽しめています。
新作のゲームを満足に出来るのはいつになるかなぁw

楽しい感想文が読めて良かったです!
返信する
Unknown (ota)
2021-04-01 00:05:23
>ちょうど一昨日くらいに一作目のアサシンクリードをクリアしたので、
おお、それは奇遇な。XBOX360版は互換やDL版の価格変更で現行プレー環境が整っていい感じだと思います。
今やるとさすがに古いですが、続編では恐らく消えているであろう狂気に溢れた魅力ある一本ですよねw

>今は、1の後日談である「アサシンクリード ブラッドライン」をやっています。
俺も中古で確保しました。アルタイルのその後は気になるので、そのうちやろうと思います。

>楽しい感想文が読めて良かったです!
楽しんで頂けたならなによりです。今後もお互いアサクリの続編をガンガンやっていきましょう。
では、安全と平和を!w
返信する

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