腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

この世の果てで恋を唄う少女YU-NO(PS4版) 後編

2017年05月28日 22時14分09秒 | PS4ゲーム感想文
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キャラ評を行ってみる。


・有馬亜由美
主人公の義母、広大の後妻。年齢は恐らく26歳。46歳である広大にベタ惚れし、半ば強引に結婚に漕ぎ着けた。理系の才女。
幼い頃に実母を亡くした主人公は彼女に母親と妙齢の女性としての憧れを同時に抱く。が、無論表には出さない、出せない。
しかし物語の2ヶ月前、広大が事故死(世間的に)。亜由美は悲しみにくれるが、たくやの前では以前と同じく笑顔を見せていた。
一方ガキ丸出しのたくやはこの件からしばらくガッコで荒れ、亜由美は何度も頭を下げに回ったという。アホガキ持つと大変やのう。
その辺が少々落ち着いた今、いよいよ「そんなに年が離れていない、血も繋がっていない男女が同居」の事実がたくやを悩ませる。
開始当初からたくやが好意を持っているので、ある意味真ヒロインかもしれない。実際いいよね、義母もの。えへへ。はぁ。

……けど個人的には「フラフラした人だなぁ」と。あまり好感を持てなかった。自分も複数ヒロインの尻を追っかけるのにね。
最愛の人・広大を亡くした(亜由美は真相を知らない)ショックがあるにせよ、随分早い段階でたくやに寄りかかる気配を見せる。
「心変わりした」のならそれでいいが、そうじゃないならダメであろう。どうも彼女の本心がどこにあるのかが分からない。
そして、現代編で最も嫌な奴・豊富にも……。菅野氏は嫌な奴を描かせても一級品である。あらぁ強烈なNTR感だった。多分。
揺れ動く女性の心というやつなんだろうか。まぁ一番悪いのは、こうなるのを分かっていて結婚した広大なんだけどね。クソ親父め。

それと、亜由美は作中「会社にスケープゴートにされた気の毒な立場」という描写をされるが、これは非常に疑問に思う。
三角山での工事は調査ではなく、超念石の発掘が目的だった。亜由美は責任者として無論それを知っていた。どころか主導者だった。
この時点で完全に世間を欺いているのである。聡明な彼女のことだから、発掘と落雷の関連性にだって内心は気付いていたのだろう。
スケープゴートにされたのは事実だが、亜由美は「何も知らないのに」では断じてない。思い切り一枚も二枚も噛んでいる立場だ。
……正直、相当な「悪」だと思う。特に落雷で死者が多数出ているという点は見逃せない。重傷くらいにしておけばよかったのに。
だから彼女に降りかかる苦難の数々にも、あまり同情できなかった。豊富がムカつくから解決に動く動機には困らなかったけどな。
異世界編での気の毒な役回りは、現代編での罰だったのかもな。たくや以上に孤独だったであろう。最後は殺す必要なかったと思う。
ご褒美EDでは仲良くやっているようで、お幸せに。……戸籍上の夫婦にはなれないと思うが、それは言うまいか。はぁ。


・豊富
嫌な奴として描写される嫌な奴。凡そゲーム上において好感を持てる要素は何もない。何らかの形で殺してほしかった男。
……が、リメイクにより絵も声も嫌度が落ちてしまったと思う。サターン版では三木真一郎氏で、本当に本当に嫌な奴だったのに。
言い訳と責任逃れが巧みとされているが、実際は間抜けたくやの追及が甘いだけである。もっとやり様はあったのに。阿呆が。
その意味じゃ、プレーヤーが唯一豊富をやり込められる「証拠写真」は、ネタとして弱すぎると思う。単に会話してるだけやん。
あれであの豊富がぐうの音も出ないってのは不自然だと思った。もっと完全なネタを突きつけ、地獄に叩き落してやりたかったな。
ちなみにOVA(18禁)版では異世界編にも出没し、より悪い奴になっている。あのOVA、かなり大胆なアレンジを入れていたなぁ……。


・女守衛
現代編で唯一、名無しで立ち絵を貰っているキャラ。恵まれていると言っていいのかどうか分からんが。
ジオテクニクス社の守衛という立場以上のものは何もないが、出番は割と多い。超ザルセキュリティの一角を担ってくれ感謝。
このキャラくらいは、リメイクで「遊び」を追加してもよかったんじゃないか。本筋に絡まないという立場を生かしてほしかった。
ちなみにオリジナルでは顔が「EVE」のまりなとそっくりというお遊びがあるが、リメイクでは普通のお姉ちゃんになった。
新たな遊びは頑として入れないくせに、元々あった遊び要素を何故削るんだ。ガッカリだったナリ。


・一条美月
たくやのガッコの非常勤講師。本業は龍蔵寺の秘書で、彼に惚れている。が、気持ちを伝えられず、鬱屈した想いを抱えていた。
そこに父を亡くして荒れたたくやが現れ、二人はお互いを慰めるようにボデー関係を結ぶようになった。……らしい。よう分からん。
この人も亜由美共々、「本心」がどこにあるのかよう分からん。結局好きなのは龍蔵寺なの? たくやなの? 複雑やのう。
「正ヒロイン」ではないが、単なるお色気要員でもなく、結構純愛の人っぽく描かれてるし。うーん。物語の犠牲者、か。
かつて、講師の詰め所でたくやと盛ってる所を澪に見られるという大失態を犯している。首やろ普通。せめて鍵かけろや馬鹿者共。
……いいなぁ。俺も美人教師と秘密を共有したかった。俺の人生何だったんだろう。全てが虚しい。はぁ。

「運命なんて言葉は逃げだ。人間、最後の最後まで諦めてはダメだ」という哲学が、今作では様々な場面で語られる。
が、美月は「事象的」に、もう100%死ぬことが決まっているらしい。どんな並列世界でもそうなるという。多分。
実際美月ルートでも、ゲストである澪ルートでも死ぬ。気の毒な話である。本人に非はなく、操られていただけなのになぁ。
リメイク版での救済を少し期待していたが、そんなものはあるわけなかった。……まさに運命、か。まぁ仕方ない……。


・武田絵里子
学園ものの校医と言えば、求められる仕事はたった一つだ。……が、この人はグラマラスながら癒し系ではなく、無骨で男っぽい。
たくやの担任として彼を心配しつつ、龍蔵寺の同行を探るという謎の行動も取る。一体何者なのか、現代編ではまだ分からない。
異世界編で明かされるその正体は、別次元から龍蔵寺を追ってきた次元監査官。たくやとは完全に「次元の違う」存在だったわけだ。
今作全体を通し、「世界の構造」を最も知っている人物であろう。もっと早く話を聞いて、一緒に行動出来ていたらなぁと思う。
終盤に話してくれる次元講義は、頑張ってメモを取った。いつか俺もブリンダーの木を辿りたいです。絵里子先生と一緒に。
結ばれることはないサブヒロインだが、設定的にメインであっても良かったと思う。一緒に絵里子の次元に旅立つとか。うぅ。
才女で情に厚くて面倒見が良く、グラマラスでちょっと抜けたところもある。バッチリやん。たくやじゃダメですか。うぅ。
ただロッカーの中で行為に及ぶのは頭がおかしいと思った。「別次元人は固い床が好き」て設定があったが、もしかしてその絡みか。
あと煙草はほどほどになさってください。まぁ別次元人は体の作りからして違うのかもしれんけど。


・朝倉香織
人気ニュースキャスターでありながら、裏で産業スパイめいた仕事もしている。寧ろそっちがメイン? ……まぁ、無理がある。
一切変装もせず喫茶店やガッコで活動してるもんなぁ。まぁあまり言うまいか。「仕事」においては非常に有能であるらしい。
たくやとはお互い利用し合う関係となる。彼女に嵌められることもあるが、こっちにゃリフレクターがあるんだよふっふっふ。
良い人ではないが、豊富を潰すのに協力してくれるので、悪い印象はない。後で超念石渡してやってもよかったなとか思ったり。
サブヒロインとしてムフシーンあり。落ち着かないシチュエーションばかりの今作において、「高級ホテル」という破格の現場だ。
ある意味ゲーム中最高の待遇を与えられているヒロインである。ブルーカン大好きなたくやは不満かもしれないが。ったく。


・島津澪
絵が良かった。誰も彼もがリメイクによって違和感ある姿になっている中、彼女のみ、実に理想的に「今っぽく」生まれ変わった。
そして声は、かの釘宮理恵氏。ツンデレ気質の澪には言うまでもなくビタで合致。文句なし。気の強いお嬢様、大好きです。
ちなみに「ツンデレ」て言葉は21世紀に生まれたが、そういうキャラは昔からいたから、澪は「後から考えればツンデレ」だな。
最初からたくやに好意を持っているという時点でポイント高すぎである。無論ツンデレ故にそれを素直に表現できず、ポイント7倍。
歴史オタクで広大を尊敬しているという点でポイント4倍。カールのかかった髪とスタイルでポイント2乗。これは真ヒロインですわ。
同い年かつ「普通の人間」であることから、最も無難なヒロインとも言える。……はぁ。異世界編より、こっちのがファンタジー。

澪シナリオの骨子は「剣ノ岬の謎」である。三角山とも呼ばれる境町の名所はその形状から「謎の遺跡」感を放出しまくっている。
で、実際に謎があった。何と地下に大ダンジョンが存在し、先に進むには複雑な仕掛けを解く必要があり、更に巨大な設備も……!
……うーん。作中でもたくやが言っていたが、女子高生が調べて分かるようなことなら、大人がとっくに気付いてるだろうっての。
あんな地下迷宮や落雷マシンが誰にも気付かれず眠っていられるわけがない。過疎地じゃなく町中の「明らかに怪しい場所」なのに。
多少はフィクション割引をするにしても、もう少し舞台設定に気を配ってほしかった。あと双子岩の文字の秘密は結局何……?

現代編と異世界編を繋ぐ重要遺跡・剣ノ岬の秘密も、実のところ「真相」とはさほど関係なかったのも残念だった。
ただの奴隷の強制労働所。雑魚っぽい。もっとこう、デラ=グラントという存在の根幹にあるシステムと関連させてほしかった。
おかげで、俺の印象では剣ノ岬≒澪なわけだが、それ故に澪=本筋から浮いた存在 て感じにもなっている。うーむ。
まぁ澪は普通の人間、それでいいのかな。ご褒美EDでは理想的イチャラブをやっていて何より。おしあーせに……。


・結城正勝
たくやを慕う弟分の後輩。一方で澪に惚れていて、いつも一緒にいる。澪も満更でもない模様。たくやへの当て付けかもしれんが。
元版と比べてデザインが大きく変わったキャラであり、当然のようにそれが非常によろしくない。こんなの結城じゃないよ。嗚呼。
性格は可愛い弟分だと思う。たくやに嫉妬して起こした告発事件もそんなに悪い印象はない。それだけ澪に本気だったってことだ。
……まぁどうやってもその想いが成就することはなさそうだが。仮にたくやと澪が結ばれなくても、澪が結城の方を向くとは……。
こいつに関しては、せめて一度だけでも、見せ場がほしかったと思う。実際その機会はあったのだ。そう、洞窟探検のシーンである。
あそこでたくやの想像を超える活躍をするとか、死ぬにしてもたくやを庇って犠牲に、とか。あれじゃ何のための同行か分からんよ。
美月は「敵になる」という見せ場があるのに、結城は足引っ張るだけ、更に何やっても死ぬ。酷いよ菅野さん! 可愛い舎弟だろ!
報われないキャラである。あと、これは元版でも同じだが、岩の扉で分断されるシーンの一枚絵、扉の格子がスカスカすぎである。
あれなら普通に体が通るだろっていう。なんでリメイクで直さなかったのか……。


・波多野神奈
謎の転校生美少女。物静かな雰囲気で、学校での人付き合いは殆どない。その一方で「男関係」の噂が絶えない。
たくやは最初ナンパっぽく接するが、彼女に言葉では説明できない「何か」を感じ、徐々に関係を深めていく……。
その正体は、たくやの娘。母親は異世界デラ=グラント人であるアマンダ。……あれだけ匂わされている以上、俺は事実と断定する。
見た目は普通だが、アマンダの血により成長過程や寿命が一般人とは全く違っている。現在既に数十歳、まだ100年は生きるはず。
アマンダが次元の歪みに巻き込まれて時間的に過去の現代に転移、その後神奈を産んだ。たくやも神奈もお互いの関係を知らない。
……まぁ、これならアリだと思う。近親婚は「繰り返す」のがアカンのだし。知らんけど。当人同士が好き合ってりゃOKでいいよ。

しかし「血」の問題を乗り越えても、「男関係」についてはどうか。これについては噂などではなく、完全に事実なのだ。
神奈は、売春をしている。いや金を受け取ってるという描写はないから、趣味なのかもしれない。尚悪い。……そうなの? 知らん。
この話題になると、彼女は「有馬さんも他の人と同じ様なことを言うんですね」と返す。要は「一体何が悪いの?」てことだろう。
……まぁ別にクソ真面目に法や倫理を言う気はないよ。だから言ってしまえば別に悪くない。けど、失望するね。
完全にプロの売春婦をやってるなら分かるが、違うからな。俺は「その他大勢と同じこと」を言うよ。何やってんの君。はぁ。

アマンダと神奈は、普通の人間じゃないから定住は出来なかったが、それなりに幸せに暮らしていた。アマンダが死ぬまでは。
母の死後、神奈は「怖い大人」の食い物にされたらしい。……ここもピンと来ない。その辺の教育を叩き込まれていなかったのか?
既に成体になっており、そのまま何十年(何百年)も生きることになる彼女は、そこから売春と転居を繰り返し生活してきたらしい。
人生に何の意味も見出せなかったが、「剣ノ岬に近付く者に忠告しろ」「最後の最後まで諦めるな」という母の言葉を守って。
生きるには金が必要だから、この頃は売春だったんだろう。だが神奈の動機としては「寂しかったから」の方が強いようだ。
そこがね。あの容姿なら真っ当な好意を寄せてくる男も幾らでもいただろうに、何故そっちに行くんだ? 分からんです。
まぁ不老(語弊あり)の体を持つことの苦しさなんざ俺に分かるわけはないが……境遇にはどうしても感情移入出来んかったなぁ。

そうして孤独に生きていた神奈の前に、ある日有馬広大夫妻が訪れる。広大の妻・恵子は神奈と同じ特徴を持つ者だった。
その後広大は資金面を含めて神奈の面倒を見てくれたらしい。「惜しみない愛情を注いでくれた」という。実に良い話だ。
ちなみに恵子が存命であることから、夫婦と神奈の出会いは十数年前と思われる。……広大さん、スゲー甲斐性だな。偉いわ。
……なのに、神奈は売春を止めないの? 広大がいなくなったショックで? 鍵を託されたなら、事情も聞いていただろうに。
あーもういいや売春売春連呼してて嫌になってきた。とにかく俺はキレー事が好きなつまらん奴なんです。すまんな。チッ。
神奈の設定も、今作全般にある作り込み不足の一部だと思う。「不幸」を作るなら尚更キッチリと詰めてほしかったな。

ゲーム的には「現代編の最終目的」とも言える書斎の鍵を持つ人物。必然的に最後にクリアーするキャラとなるだろう。
あれだけ水に弱い超念石が必須だと、まともに日常生活を送れそうにない気がする。たくや、良い装置か何かを作ってやれ。
ご褒美EDでは幸せにやっている模様。寿命問題は考えるな。ともあれ今度こそ幸せに生きて下さい。最後の最後まで、諦めるな……。


・北条
神奈シナリオでの嫌な奴。元版では魚っぽい顔だったが、割と良いオッサン顔にリメイクされた。意外とモテそう。知らんけど。
嫌な奴担当だが、神奈との関係は合意の上だし、広大を探るのは仕事なので、豊富と違って悪事は働いていない。多分。
最後の暴走は操られてたんだしね。この人も美月みたいに死ぬ運命なのかな。さすがにそこまでは知らんしどうでもいい。


・龍蔵寺梅
ホラー担当。……色々な意味で「被害者」なのに、プレーヤーに一顧だにされない。そう、今作は美少女ゲーム。そういうこと。
年を取るってのは残酷なことなんだ。20年が経った今、梅さんは俺らにそれを教えてくれたのさ。……まだまだ、続く。はぁ。


・龍蔵寺幸三
ずっとこの名前で呼ばれるが、本人は物語開始時点でとうに死亡している。本物にとっては名誉毀損甚だしい。何とも気の毒な話だ。
その正体は、フィクション設定はあれど「人間達の物語」である今作において、唯一「思念体」というよう分からん生き物だった。
絵里子の世界で彼女の恋人アーベルを乗っ取ったことから追われる身となり、次元移動装置でこの世界に来訪(装置は壊れた)。
更なる次元移動のためにこの世界での次元移動装置を探し、リフレクターのことを嗅ぎ付けた。その過程で龍蔵寺を乗っ取った。
「乗っ取る」と言っても、本物の龍蔵寺の死体が上がっているから、体も一から作ったようだ。……え? どうやって? 漫画?
「思念体に体を乗っ取られる」なら想像出来るが、肉体含めコピーされるとなるとちっと行き過ぎに思える。うーん……。
ちなみに本物龍蔵寺の手記に登場する「恐ろしい彼女」とは、思念体が使っていた前身のことらしい。女性の姿をしていたんだと。
元版の時に発売された攻略本にて菅野氏が語っていたから間違いない。ゲーム内だけじゃ分からんよね。はぁ。

思念体は単にそうであるだけじゃなく、無限の時間を生きるような存在らしい。人間とかけ離れていて正直よく分からない。
絵里子曰く「奴にとっては数十年など一瞬」とのこと。奴はたくやにとっての悪事を色々働くが、当人にそんな認識はないであろう。
なんか噛み合ってないから、憎む気にもなれない。ラスボス的位置づけなのに、そう捉えるほどの感情が湧いてこない。
もっと黒幕的に、事態を裏から操っていたような描写が欲しかった。現代編ではそれやってるけど、上手く行ってないしな。
そして異世界編ではずっと囚人の身。思念体なら食事係を乗っ取ったり出来ないのか? ホントよう分からん奴だ。
大馬鹿者のたくやとあそこで出会わなかったら、どうなっていただろうなぁ。たくやこそが元凶かも。嗚呼。
そういや龍蔵寺と亜由美はどうやってデラ=グラントに来たんだ? なんかテキトーに? リフレクター要らんの?? はぁ。


・アイリア
異世界編で出会い、色々説明してくれた後、死亡。元々病に蝕まれていて、そこに怪物の一撃を食らったのが致命だったようだ。
「怪物から辺境を守る騎士」とのことだが、怪物の発生は結局4年間で一度だけ。そもそも周囲は他に誰一人住んでいない。
わざわざあんなとこに詰めて警備する必要あるんだろうか? 怪物つっても所詮剣技で倒せるレベルの相手だしさ。うーん。
普通に美女なのに、たくやと一切関係を持たなかった唯一の人物。男でもよかったというか、そっちの方がよかった気がする。
セーレスのことを手紙で帝都に伝えると言っていたが、それはもう傷を負って瀕死の時だった。……いつ、どうやって書いた?
しかもそれが4年間も見付からなかったって。うーん。物語の都合キャラ、か。お義姉さん……。


・クンクン
人間ではなく「ノガルド」。まぁ、色々と強引なキャラである。登場が強引、設定が強引、そして死に方も強引。無理がある。
「元は人間だが、環境適応のための遺伝操作により翼竜人間(?)種となった」「今は普通人の食用人種になっている」らしい。
……元は人間だが異形の種となった故に敵と認識された、なら分かるが、何故食用? その時代に食糧危機でも訪れたんだろうか。
トカゲの姿のままならともかく、成体は羽の生えた人間で、言葉も話せる。……食うとか頭おかしいやろ。異世界人、気持ち悪い。
そもそも飛べるんだから、ノガルドの方がずっと戦闘力高いと思うんだけどなぁ。まぁあまり言うまいか。異世界なんだし……。

両親以外の他者と接したことのないユーノに初めて出来た友達……という設定だが、その描写が少ない。もっと早く出すべきだった。
一緒に遊ぶシーン、喧嘩するシーン、病気のクンクンを看病するシーン、そういうのを入れて欲しかった。設定先行って感じ。
まぁしかし、クンクンと言えば最期のシーンだな。悲しいというか恐ろしいというか。アマンダが平然としているのがまたなぁ。
俺は普段肉や魚を平気で食ってるし、その辺に残酷云々言う輩はハッキリ言って嫌いだ。……けど見知った相手なら別だ。当然だろ。
思いがけず、ちょっと泣いちまったよ。救いは、クンクンもそれを望んでいたこと、か。……自己犠牲、か。ロクでもない……。


・サラ
今作唯一の、純粋なお色気要員。物語にはほぼ絡まず、たくやとのみ絡む。……上手いこと言った! はぁ。
縛られると興奮するといったマニアックなとこがあるようだが、よい子とよい大人のPS4で詳細を語れるわけもなく、殆どは不明。
そのままどこかへ行ってしまった。本当にお色気のみのキャラだった。アイリアらと三姉妹って設定でもよかったのでは。んーむ。


・近衛兵
個人ではないが。殺しても飽きたらん仇敵なのに、後半では敬語で挨拶されることに。同じ絵を使わないでほしかった。
神帝曰く「彼等は良くも悪くも純粋」らしい。セーレスが巫女の資格を失ってるからってレープするような奴等が? あ??
行方不明の巫女を発見したんだから、とにかく帝都に連れ帰るのが先だろうに。何考えてるんだかさっぱり分からん。
文化圏の違う人間とは、こうも異質に見えるもんなんだな。あ、でも、強いです。たくやの万倍。たくやが弱すぎかもしれんけど。


・収容所所長
異世界編の「嫌な奴」だが、その分かり易い嫌な奴っぷりは現代編の感覚に通じるものがあるので、ある意味安心できる存在だった。
こいつとは「対決」することも「やり込める」こともなく、地震で全部終わっちまった。非常に消化不良。あれじゃダメでしょ。
最終盤で神帝を拘束するのはこいつでよかったんじゃないか。思念体が乗っ取ったって形でもいいし。お返ししたかったな……。


・作業員AとB
異世界編での貴重過ぎる男友達。……が、名無し。冷たいよ菅野さん。助けてやりたかった。世界は名無しにとことん厳しい……。


・アマンダ
アイリアの妹だが、神帝の騎士である姉と真逆で、神帝の政治に反抗するレジスタンスのリーダー。
捕縛され収容所に連行された際にたくやと出会い、介抱されたことで惚れ、一緒に脱出した後にネットリを営む。
一時的に復讐を忘れて安らぎに身を委ねた(アホか)たくやはそのままインナーファイアー。アマンダの中に神奈が宿った。
そのまま時が過ぎれば「責任取れ」の一言でマジにたくやの後妻となったろうが、終盤の騒動の結果「過去の現代」へ飛ばされる。
現代は彼女にとっての異世界、寿命も文明も違う周囲の人々。生活し、神奈を生み育てるのがどれほど大変だったか想像も出来ん。
それもこれも、ブリンダー史に残る大馬鹿者・たくやが龍蔵寺を解き放ったから。全部こいつのせい。お前が世界の果てにでも飛べ。
……うーん。神奈に残した言葉から、現代でも希望を失わず生きていたと思われる。そこだけは救いだな。と思いたい。

レジスタンス活動が実際どういうものだったのかは不明。神帝の説明であっさり納得したのはちょっとなぁと思った。
砂漠では「自分以外のメンバーは全員殺された」て言ってるくせに、帝都到着後に「アジトが摘発された」と言ってたり。
なんだかよう分からん。異世界編は全体的にそうだ。描写不足と言うか、描写が荒っぽいというか。完成度が、なぁ……。
たくやへ示す好意は真っ直ぐで可愛らしい。萌え。……何故あの間抜けに惚れるのかはよう分からんが。異世界やのう。


・セーレス
異世界で巡り合い、たくやと結ばれ、ユーノを生んだ。「神帝の巫女」として「言葉」を捧げており、直接会話を自ら禁じている。
現代編澪シナリオで幽霊的に登場するが、あの時異世界でもセーレスはたくやに会い、砂漠で迷子のところを助けられたらしい。
よう分からんが、あの時たくやとセーレスはお互いを助け合っていたのだ。だから後に会った時には恩義を感じていた。多分。
まず何故巫女の務めを放棄したのかが分からん。単に嫌だったから、か? なら何故、脱走後も声を封じているんだ? 義理か?
逃げるにしてもラファエロ砂漠突破を狙うってのも分からん。無茶やろ。無事抜けられたとして、その後どうする気だったんだ。
それら全ては、分からない。何故なら彼女は喋らないから。筆談もしない。……シナリオ的にはありがたいキャラなのだろうな。
たくやとはある程度の意思疎通が可能なようだが、プレーヤーはたくやじゃないんで。巫女止めたなら喋ってもええやん……。

たくやも言ってたが、若い男女二人しかいない環境で、夫婦にならないわけがない。ある意味後ろ向きな理由だが、それはいいか。
やがてユーノが生まれる。元版では「俺が取り上げたんだぜ」て台詞があったはずだが、その辺も削除されてた、かな? 知らん。
それからは親子三人幸せに暮らしていた。文明の有無はともかく、3人きりで大丈夫なのかと思うが、大丈夫だったようだ。
無論セーレスにとっても楽しい生活だっただろう。……多分。そもそもセーレスってどういうキャラなんだ? 実は分からない。
元巫女で逃げ出して来たってのは分かるが、どういう生活してきたのか、どんな性格なのかも正直よく分からない。うーん。
悪感情があるわけではないが、思い入れを持ち難いキャラである。人物には背景ってものが大事だからな……。

しかしその最期は、本人にとってもたくやにとっても悲惨この上なかった。レープされた上に舌噛んで自害って。最悪だ。
ちなみにあの自殺の理由は、菅野氏曰く「巫女は自ら命を断つことで新たなる源の創造を行えると信じているから」らしい。
新たな世界へ旅立つため、なんだと。レープのショックや自分が汚されたからってわけじゃないようだ。それもあるかもしれんが。
……つくづく、後味が悪い。「敵」への憎悪はこの上なく抱けたかが、セーレスってそのためのキャラだったのか。うーむ。
まぁユーノという「メインヒロイン」がいる以上、こうなるのは仕方ないのかな。悲劇の人妻。はぁ。


・ユーノ
タイトルにもなっているメインヒロイン。「YOU KNOW」から取ったらしい。作中ではYU-NOではなくずっとユーノと表記されている。
たくやの娘である。神奈のようにボカしている部分はない。一応言うと、たくや以外が父親になれる余地も100%ない。
それでいてユーノは「この世の果てで恋を唄う」のである。その対象は? ……もちろん主人公であるたくやしかいない。
そしてユーノとも、イチャシーンは存在する。さすがにたくやは相当渋るが、彼女は本気だし、状況が状況だったからな。
要は、近親相姦である。しかもそれを肯定的に描いている。人類全体のタブーと言える行為を。うーん……。
最初の方に書いた「ファンがYU-NOのリメイクや移植を諦めている最大の理由」がここだった。ヤバいのである。許されないのである。
しかし、YU-NOは「そういう作品」だ。根幹にそれがある。それを省いて、或いは誤魔化してはYU-NOはYU-NOじゃなくなってしまう。
ホント、5pbはよくやってくれたよ。つってももちろん、今回のリメイクでは超ボカされてたけどな。キスはしたらしいが。多分。

ここで責められるのはユーノじゃなくたくやだろうが、彼にも言い分はある。デラ=グラント人の成長速度だ。
彼女ら(男もか?)は地球人類の約4倍の速さで急激に成長する。終盤のユーノは完全に大人の女だが、年齢的には4~5歳なのだ。
無論たくやもユーノが娘だという認識は持っているが、面影は残してると言っても、数ヶ月合わん間にいきなり成人されたのだ。
これは非常に戸惑うし、男としてドキドキしてしまうのも仕方なかろう。たくやとてこの時まだ22歳程度、超盛り時なんだから。
……実際に行為に及んだ時、たくやは「最後にユーノの望みを叶えてやりたい」とユーノ寄りの考えだったんだろうな。多分。

メインヒロインだが、なんせ娘なんで、プレーヤーとしても非常に萌えにくい。フィクションならともかくさ。フィクションだけど。
ユーノは幼年体時代も当然のようにパパパパと甘えてきて、この時は非常に可愛い。ユーザーの目線はこの時のままになるだろう。
また成体ユーノも精神的には明らかにこの時のままだ。デラ=グラント人の精神的成長は、身体のそれと比べてどうなんろうか?
「恋」がどう見ても幼いことも、本気になり難い理由の一つだ。本気のガチなら「タブーなんて!」と思ってもいいのだが。
そして、ED後はどうなるんだろう。「この世の果て」で二人はどうなるんだ? 俺はあのEDがグッドエンドとはまるで思えない。
ユーノが望んだわけでもないしな。それとも、たくやと共にいられれば、ユーノにとってはそれがどこでもいいのだろうか。
他に女がいれば、パパすぐ浮気するしね。はっは。お幸せに。よう分からんが、事象の平和を護ってくれ。……でいいのかな?

……ちなみに素朴な疑問が、服。赤子~幼児時代はいつも可愛い服を着ていたが、あれどっから調達したの? 他に人いないのに。
特にたくやの手を引いている一枚絵では、フリルの入った高そうな服を着ていて驚いた。自作としたらスゲーよあれは。
あんま突っ込むのも野暮だが、「3人きりの生活」てのはやっぱ無理があるよね。実際にやったら、どんな子に育つんかな……。


・有馬たくや
今回のプレーで、20年前から印象が激変したキャラ。ホント、自分でも驚いた。正直相当嫌いになったわ。
なんでって、コイツ、「無能」過ぎひん? プレー中何度「お前何してんねん!」と口にしたことか。どうかしている。
取る行動・言動に違和感があり過ぎて、感情移入し難いことこの上ない。まぁもちろん悪い奴ではないだろうけど。

まずは「察しが悪すぎる」ことだ。ゲーム中、プレーヤーが「あれはこういうことでは?」と思う場面で、コイツは尽く気付かない。
謎のボディコン女性が誰か、豊富が何を企んでいるのか、北条の雇い主は……そういうことを、とにかく、何一つコイツは察しない。
プレーヤーにはとっくに分かってることを延々謎として動いて喋るから、こちらとしては非常にイライラする。阿呆の子が!!
まぁコイツが悪いというより、物語の都合に引っ張られているのだろうが……それにしても、酷い。よく今まで生きていられたな。
ガッコで補習を受ける程度の劣等生だが、地頭が悪いという設定まではないはず。寧ろ優れた勘を持つ、んじゃないのか? 嗚呼。
理解力の低さも大問題だ。同じことを何度も言わすな! 一度聞いたなら理解しろ、覚えておけ!! と何度も叫んだ。
例えば誰かが「〇〇とは××ということだ」と説明してくれているのに、次に「○◯とはどういうことだ?」とまた返したり。
逆に誰かに質問する場面で、その質問内容がどうにも的外れだったり。他に訊くことあるだろ!? すごい一体感を感じない。
声優さんが迫真の演技をしてくれているのがまた痛かったりする。こっちとしては呆れるしかない場面なのに……はぁ。

次に、迂闊さ。これは異世界編で露呈した。ハッキリ言って、お前が事の元凶だよ!!
異世界に来て4年後、アイリア筆の手紙を発見。……元の世界に戻る方法を必死で探したんちゃうんかい。家探しはサボったんか無能。
まぁそれはいい。手紙が見付かった。何が書いてある? 何であれ情報だ。まずは解読に挑戦し、慎重に取り扱う必要がある。
……なのにこの大馬鹿者は、中身を何も確認せず、セーレスに「鳩使えるの? じゃあ出しといて」で終わらせる。死ねマジで死ね。
まぁそれをニコニコ顔で実行するセーレスのアホっぷりも相当だが……結果、帝都兵が来襲し、一家の暮らしは崩壊した。
心の底から阿呆としか言えん。お前に近衛兵を怒る資格あるか微妙やぞたくや。大馬鹿者。お前のせいでああなったんだよたわけ。
それから、龍蔵寺解放だ。あの時に現代編での記憶がどれだけ残ってたのかは知らんが、銃の件だけでも、奴は敵だと想像出来る。
そんな奴が相当な年月、無残に拘束されているのを発見。……解放、する? 交換条件とかそういう次元の話? コイツ頭大丈夫?
その際に一応見返りとして龍蔵寺から様々な話を聞いているが、釣り合うほどのネタとは思えん。あの時点では確認の術はないし。
その後龍蔵寺は騒動を起こし、アマンダや亜由美の悲劇に繋がった。たくやのせい。お前が余計なことをしたから、ああなった。
「うっかり」とか「つい」じゃない。なんかこの男はおかしい。ズレている。そう思わずにはいられなかった。

そして一番の問題は、「弱い」ことだ。単純明快、物理的な意味でね。コイツは弱い。闘いにおいて弱い。弱すぎる。
元々の設定としては「昔から剣道をやっていて、不良に絡まれている結城を一人で助けた」程度に「一般人よりは強い」のはず。
だが、作中では……悪漢どもに、尽くのされてしまう。それも全てが「完敗」。相手に一切ダメージはなく、瞬殺される。
最初は、亜由美に因縁を付けるヤクザ達。不意打ちの一発を入れたのに「いてーな」だけで済まされ、反撃でKO。雑魚すぎる。
この時は、豊富の動きを「普通の頭で」解釈すれば、もっといいやり方もあった。それを含めたら二重の意味で完敗だ。雑魚以下。
ちなみにこのヤクザ達、「痩せ型とふとっちょ」と表現されているのに、一枚絵では全然そう見えない。たくやは目までおかしい?
まぁ現代編はいい。まだ小僧だし、大人のプロには勝てんだろう。だが異世界編では……っ!
セーレスをレープしている糞近衛兵どもに怒りを爆発させるたくや。「テメェら全員、生きて返さねぇ!!!」……当然だ。
……で、一撃でKO。相手は複数いたとは言え、4年磨いた剣技も何の役にも立たず、頭に一撃食らって昏倒。今はお休み、永遠に。
本当に情けなかった。果てしなく情けなかった。近衛兵への怒りを方向転換したくなったくらいだ。この雑魚が。お前も死ね。
前述のように、連中の来襲は、たくやの迂闊な判断が原因だ。それを考えると二重三重に情けなく、腹立たしい。
最後は、神殿調査中にユーノを攫われた時。まぁこの時にはもう「ああ、またいつものやつだね」と読めてたけどね。で、読み通り。
直前に「俺の傍を離れるなよ」とかしつこく言ってるのに、結局同じことを繰り返している。お前に悔やむ資格あるんかと。はぁ。

思い出されるのは、菅野氏のもう一つの代表作「EVE」の主人公(の片割れ)・天城小次郎だ。
小次郎は港の隅っこに小さく汚い事務所を構える探偵だ。だがそんな所で繁盛しているわけもなく、日々ピーピーのダメ探偵だ。
……しかし、いざ事件が起きれば、かつて培った鋭い推理と体術で敵と渡り合う。まさにヒーロー、主人公。俺も大好きだ。
同じ作者の生んだ主人公だから、スケベさやボケの方向等、たくやと似ている部分は多い。……なのに、何故こうも違うのか。
小次郎は経験を積んだプロ探偵で、たくやはまぁただの高校生、比べるのは酷というもの分かるが……本当に……本当に。
20世紀にはこんなこと感じなかったんだけどなぁ。今回のリメイクプレーで一番自分の中で変化を感じ、驚いたことはこれだった。
目が付いちゃったことも完全に逆効果だったと思う。「あいつ」が歴史的大間抜け野郎・有馬たくやなんだよなぁ……。

無能以外についてはどうだろう。以前書いたが、たくやはずっと「受け身」だ。常に父・広大の後を追い続けていた。
その場その場の行動はともかく、根本的にはずっとそう。更にその本当の意味等もまるで分かっておらず、実にあやふやだ。
一応最終的には「父が望んでも行けなかった場所」に辿り着き、広大はそれに嫉妬していたが、それとて別にたくやの功績じゃない。
色々やった偶然の結果そうなっただけだ。……うーん。長い旅をやり遂げた男なのに、「何かを成した」感は実に薄い。
結局、たくやは良くも悪くも「普通の男」なんじゃなかろうか。特異な体験をする2次元主人公に向いてない。変な言い方だが。
セーレスとユーノと3人で暮らしていた時、たくやは満足そうだった。既に現代への郷愁も消え、自分の家族を愛している。
「人間の生活、人間としてあるべき姿とは、いったい何だろう?」と独白し、文明社会に疑問を呈したりもする。カッケー。
おかしな機械で次元を旅するんじゃなく、居を構えて愛する家族と平凡に暮らす……それがたくやに相応しい在り方では? 多分。
現代編の3人とのご褒美EDでも「普通の幸せ」て感じだったしね。……歴史学者を目指すのは止めた方がいいと思ったが。
……しかし「本当のたくや」は、「この世の果て」に辿り着いた彼は、今後どうなるんだろう。それはもう誰にも分からない。
もちろん幸せにやっていってほしいと思うが……そもそもそういう概念の通用する世界なのか? 時間感覚とかあるのか?
平凡な男は何故か神に近い存在となり、俺と分離してしまった。もう考えるだけ無駄か。お幸せに。それくらい。はぁ。


・有馬広大
この物語の黒幕であり元凶。自分が無茶するのはいいが、「何故たくやを巻き込んだ?」と言わずにはいれられない。
……まぁそのお陰でこの名作が生まれたからOKか。広大さんGJ! 息子さんにはイライラさせられましたが、面白かったですはい。
彼の言葉は非常に非常に重要なので、今回、手記や台詞はなるべくメモを取った。特に手記は完全書き写し。めっちゃ疲れた。
並列世界や、それを全て纏めた「歴史」の探求……思考実験でなら分かるが、実際に追い求めるとは、何と言うか狂気だな、完全に。
まさに「天才」ということか。残念ながら、人類はその才の恩恵にあずかることは出来なさそうだが。広大の自己満足やもんね。
彼の偉大な実績を、現世では誰も知らない。唯一知っていたたくやも今はより高位の存在(?)になった。全ては闇。
壮大なようで、実はスケールの小さな話なのかもね。実際んとこ、現代やデラ=グラントに何か影響はあったんだろうか?
いずれ、絵里子の世界のように現代でも事象科学が発達し、広大やたくやとコンタクトを取ることになると想像したい。
色々と無理がありすぎる想像だが、それくらいしか出来ないや。天才と俺らの間には、果てしない次元の谷がある……。


・有馬恵子
本当の名前は「ケイティア」で、デラ=グラント人、しかも巫女だったらしい。息子の嫁や孫と同じだったんだな。なんて因果だ。
病死したと思いきや、自害していたという衝撃の事実が広大の手記にて明かされる。……が、理由までは不明。何で???
例の20年前攻略本における菅野氏の説明によると、セーレスの自害の理由に加え、「グランティアを解放するため」であるらしい。
その身体にグランティアの精神を憑依させるのが巫女の儀式。儀式の末に現代に流れ着いたが、恵子の中にはまだ彼女がいたんだと。
何とまぁ。大体、グランティアら最初の指導者達があんな欠陥だらけのシステム作ったから、そのツケを子孫が払わされてるんだ。
どんだけ優れた文明だったのかは知らんが、当初の予定を全く実行出来てないんだから話にならない。見切り発車にも程がある。
意義や意味がきちんと後世に伝わってないのもなぁ。つーかあの優れた科学文明が、どうやって今のデラ=グラントになったんだ?
まぁ全ては想像だ。恵子母さんの出番は出だし以外にも欲しかったと思う。たくやに何かしら語りかけてくれていたら……。



ふぅ。あー長、キモ。でもいい。普通のゲームじゃここまではしないが、YU-NOは特別なんだ。故によし。キャラ評終わり。
他少し。グラフィックは、絵の変化を置いておけば、良質だったと思う。きちんとリメイクされていた。……絵の変化を無視すれば。
音楽はアレンジされていたが、原曲に忠実な感じで、これも不満はない。元作は音楽も評価されていたので、これで正解だろう。
俺は「手記」「澪のテーマ」「団らん(食事)」「校内」辺りが好きかな。改めて聴けて嬉しかったナリ。
そして今作の限定版には、驚きの「5枚組サントラ」が同梱されているのだ。5枚だよ5枚! ……ただし、CDではなくDVDである。
ハイレゾ音源というやつで、当然CDプレーヤーでは聴けないが、CDより帯域が広くて綺麗な音を聴けるらしい。……よう分からん。
俺の耳は相当ポンコツなので、その辺よう分からん。だからあまり嬉しくない。でも5枚目の「全曲MP3データ集」はありがたい。
どうせCD音源でも、すぐMP3化して聴くことになるんだからな。これが欲しかった。無論速攻パソに落とし、愛聴している。
オリジナル版、スーパー版(サターン版?)、そしてリメイク版の曲が全て、余すところなく用意されている。完璧だ。
限定版を買ったのは製作者への義理もあったが、これだけでも価値はあったと思う。YU-NO全曲集、うむ、素晴らしい。

他にはゲームの完全攻略本が同梱されているが、これは先に書いた通り無粋だと思う。まぁクリア後の資料としては楽しめるけど。
そして購入特典として、「YU-NO20周年記念本」的な小冊子も入っていた。多彩なクリエイターのおめでとう集である。
出演声優やYU-NOの影響を受けた人からYU-NO未プレーの人もいて、なかなかカオスで楽しめる。これはオマケ本だから無茶でいい。
……この冊子で許せないのが、表紙のタイトルを間違えていることだ。なんと「恋を歌う少女」になっている。たくや並のたわけ。
同じ間違いを最終ページ、このリメイクの総責任者である「浅田誠」氏のコメント欄でもやっている。責任者自身がたわけなのだ。
そこでは菅野氏へのリスペクトを語ったりしてるが、その前にタイトルくらい正確に覚えておけボケ! 全く話にならん。
この浅田氏は、今後「ミステリートF」の製作にかかるらしい。……これ、制作中止になったと思ってたが、まだ動いていたんだな。
今度はリメイクではなく新作、今回以上に難しい仕事になるだろう。「作品愛をキッチリ持って」、頑張ってほしい。
貴重極まるXBOX One独占タイトルとして、俺も購入候補に入れとくからさ。……独占、だよね? うーん。XBOX One……。


以上。俺の20年に渡る思い入れに一区切り付けられた。良かったと思う。改めて、本当にありがとう、5pb。
「封印作品」だっただけに、思い入れが妙な形で高められていたとも言えるからな。今回それを是正できた。うむ、良かった。
ちなみに限定版に入っている「オリジナル98版DLコード」は、まだ使っていない。……いずれ使うだろうが、プレーするかは微妙。
オリジナル版つっても規制入りまくりは間違いない。そんなのどこがオリジナルやねんてことになるし。まぁ仕方ないけど。
サターン版は今でも素晴らしいと思うが、あれはハードが不安定だからなぁ。セーブデータが消失が怖い。当時よくやれたもんだ。
まぁいいさ。もうYU-NOは封印作品じゃない。もしかしたら今後、オリジナルの完全復活もあるかもしれん。可能性はゼロじゃない。
20年後の復活を遂げると共に、俺の中でもゲーム史の上でもYU-NOは再び息をし始めたんだ。こんな嬉しい話はないね。はっは……。

……けーどなー。改めてプレーして、改めてあの20世紀、夢中でサターン版をやった頃を思い出し、切なくもなったね。
俺のゲーム感想は殆どが良さも不満も混在しているが、数少ない例外がサターン版YU-NOだった。プレー時間、全てが面白かった。
多分実際はそこまでじゃなかったと思う。思い出補正ってやつだろう。それでも、あんな楽しい時間は他になかった。最高だった。
20年前に確かにあった、至高のゲーム。20年前。20年前。今は? 20年後。ゲームが進化しまくりネットが快適な素晴らしい未来。
……ああ。ああああ。ああああああ!!! ……過去に戻りたいです。俺はあの頃がいいです。今なんて嫌いです。大嫌いです。
え? 時間は可逆? ほ、本当か? そうだった、俺はYU-NOでそれを学んだったな。時間は可逆。別の並列世界を築くことは、可能。
よっしゃ、俺はやるぞ。いずれどうにかしてリフレクターを再現し、あの頃に戻ってやる。それがこれからの俺の生きる目標だ。
過去に戻るのが夢……非常に歪んでるような気がするが、前人未到の領域であることは確かだ。俺はやる、やってやるぞ。
非常に前向きな気持で終わり。YU-NO、ありがとう。いつかきっと、あの頃に戻ってまたプレーするからさ!!

……え? 20年前に宝玉セーブはしたのかって? ……してるわけないやん。じゃあ……リフレクター作っても、戻れないやん。
仮に今リフレクターを手にしても、戻ってこられるのは今現在が限界。……ダメじゃん、ダメじゃん。ダメすぎじゃん。
時間は可逆じゃなかったよ広大さん。結局20年前も今もこれからも、俺は一通りの人生をタラタラ歩むしかないのであった。
思念体も相手にしないような、ブリンダーの木の枝葉も枝葉で、な。そのうち木を保つ為に、サクッと切り落とされるかもね。
はぁ……。


※6/5追記
6/5、今作の無料DLCが配信された。PS4・VITA両方。もちろん98復刻版にはない。
「新規ルート『???』」「5月中旬配信予定でしたが、現在最終テスト中です。もう少々お待ち下さい」と公式は言っていた。
一体何があるのか。普通に考えれば、元版のSPディスクのアレンジというところだが、完全新規ルートも考えられないわけではない。
多くのファンの期待と不安を乗せて、配信が始まった。俺も即日DLし、プレーした。ちなみにプレー条件は「異世界編クリア済」な。

……いやぁ、久々に「糞」と断言出来る酷さだったね。詳しくは語らないでおくが、製作者におちょくられたとしか思えん。
内容が糞ならボリュームも、せいぜい十数分程度で終わるほどの薄っぺらさ。ADMS? ンなもんあるかボケ、メッセージ送りだけだ。
はぁ~あ……盛大に、思いっきり萎えた。YU-NO復活に対する感謝を何度も述べてきたが、このDLCをもってチャラとさせてもらう。
浅田誠という責任者への信頼もマイナスに振り切られた。こんなDLCにGOサインを出す人間が誠実なクリエイターとはとても思えん。
ミステリートの購入も相当に可能性が下がってしまった。菅野ひろゆきの名前があるから、まだゼロではないけど。
とにかく、最低最悪でした。ありがとうYU-NO、さようならYU-NO? ……やっぱ、20世紀がよかったよ。あの頃に帰りたい。いつも。
はぁ。




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8 コメント

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Unknown (グレイ)
2017-06-01 22:41:23
ふーむ、こうして感想みると自分がやった今作の特典のオリジナル版も結構規制が入ってるっぽいみたいですね。あーなんかそういうシーンがあるんだろうなーとは思ってましたけど。
YU-NOはゲームシステムのためのシナリオ、シナリオのためのゲームシステムっていう構成が良かったです。終盤までは本当に面白い作品でした。が、終盤が……。これほど優れたシステムがあるにも関わらず今作をまとめる上で旧式のシステムを使わざるを得なかったのがなんだか切なかったです。話は異世界編も面白いんですけどねえ。
キャラで言えば女守衛が好きでしたが何のイベントも起こらず、100%にしたら何かが起こるかも!?と期待してたけど何も起きずに終わっちゃってとほほな感じでした……

ASD(浅田)さん新作も手掛けるんですか。今作といいケイブ時代のSTG大量移植といいアトラス絡んで絶望的だったぐわんげの移植といい不可能を可能にする人の印象が自分の中では強いです。YU-NOも正直良く出せたと思いますよ。オリジナル版付けたのも凄いと思いますし。

>……え? 20年前に宝玉セーブはしたのかって? ……してるわけないやん。じゃあ……リフレクター作っても、戻れないやん。
龍蔵寺の家にあった転送装置を使えば、あるいは……
返信する
Unknown (ota)
2017-06-02 21:10:35
>オリジナル版も結構規制が入ってるっぽいみたいですね。
それで萎えるのが嫌なので、プレーできずにいます。リメイク版だと、例えばプロローグの「裸の女性」に対して無反応でした。
元版ではしてたのに。そら三角山で全裸女性を見れば驚くでしょうが、同時に胸や尻に反応するでしょう普通。なのに何~も無し。
近親愛や食人を削除しなかった! 見事だ! ……とか言ってますが、よう考えたらもっと酷いレベルで規制が強められていましたね。
ほんま、表現規制は下らんです。「非実在」な「傷つく・怒る人」を仮定し、想定し、恐れ、必死に必死に創作物を損ねる。
……そんなんでモノ作りしてて楽しいのか? と思います。うーん。ありがとう、5pb……。

>YU-NOはゲームシステムのためのシナリオ、シナリオのためのゲームシステムっていう構成が良かったです。
そうですね。その噛み合いっぷりは見事でした。……異世界編を含めてキッチリ纏まっていれば、100年の名作にもなれたでしょう……。
>女守衛が好きでしたが何のイベントも起こらず
失態続きでクビになり、たくやが面倒見るてなダメEDはどうでしょうw 一つくらいプライベートで会うイベントが欲しかったですね。

>ASD(浅田)さん新作も手掛けるんですか。
へぇ、そんな経歴が……俺は今回初めて名前を知りました。YU-NO復活には大感謝ですが、タイトル間違いで大分マイナスですね。
ミステリートにも期待したいとこですが、このゲームはちょっと放置が長すぎるんで、とにかく続報を出せと言いたいです。

>龍蔵寺の家にあった転送装置を使えば、あるいは……
あれこそが実質タイムマシンなんですかね。絵理子先生の世界では、過去に戻りたがる人間だらけなんだろうなぁ……。
返信する
Unknown (Unknown)
2017-11-11 05:09:35
たくやくんについては感想前編でご自身が言われてる様に、ちゃんとしたデザインが与えられてパーソナリティを獲得してしまったがゆえに、言動への嫌悪感も増してしまったのかなぁと思ったり
ちなみに自分はリメイクやってません
大人の缶詰版が動く限り一生それやるつもり
返信する
Unknown (ota)
2017-11-11 17:09:03
>ちゃんとしたデザインが与えられてパーソナリティを獲得してしまったがゆえに、言動への嫌悪感も増してしまったのかなぁと思ったり
リメイクするなら、いっそたくやの顔は隠すくらいにしてほしかったですね。より描写してどないすんねんと。

>大人の缶詰版が動く限り一生それやるつもり
それが一番ファンとして正しい選択かもしれませんw 正直あれ(の伏せ字止め版)を配信してくれれば全員幸せなのにと思います。
リメイク展開が一通り終わったらやってほしいもんです。そうすれば今度こそ、この作品に決着を付けられます。難しいかなぁ……。
返信する
Unknown (Unknown)
2017-11-11 18:38:40
>リメイクするなら、いっそたくやの顔は隠すくらいにしてほしかったですね。より描写してどないすんねんと。

今回のリメイク企画は、なんでもTVアニメ化も最初から含まれていたそうですから、そのためでしょうね
実際、新デザインで漫画版が始まってるし…
そういう側面もあって、商売ありきな姿勢が見えてどうもリメイク版が好きになれなかったり
まあ企業としては正しいんでしょうけど、5pbには「かまいたちの夜」「Ever17」でもリメイクでやらかされてるので、不信感しかありません
返信する
Unknown (ota)
2017-11-12 01:06:03
YU-NOのアニメ化なんて至難の業だと思うんですが、本当にやるんですかね。やれてもファン以外が観るとも思えんし。
>そういう側面もあって、商売ありきな姿勢が見えてどうもリメイク版が好きになれなかったり
分かりますが、俺はそれでもYU-NOを蘇らせてくれたことに感謝したいです。「やりたくてもやれない」人にも届いたことでしょう。

>「かまいたちの夜」「Ever17」でもリメイクでやらかされてるので、不信感しかありません
そういや現代絵リメイクのかまいたち、発売後はさっぱり話題になりませんでしたね。つまりそういうことなんでしょうかw
リメイクはある意味新作より難しいもんですね。変えるのが正しいのか、変えないのが正しいのか、誰も正解を言えない……。
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Unknown (レトロ)
2018-09-26 23:01:51
今更ですが、このゲーム初めてプレイしたいのですがセガサターンとps4版って違いありますか?
コメントでは元版では三角山で全裸女性を見ても反応なしとかあるので~PC版の表現はできないのはしかたないのですが、他にもCGでもがっつり規制はいったら萎えるので、いまだに手が出せずにいます。
今の時代に据え置きで近親愛の表現出せるのはビックリですw
あと昔の絵に色気があったのは服とかパ〇ツとかに皺があったからじゃないでしょうか?2010年あたりからあまり皺がエロイからダメと自主敵にダメになって昔の絵との差異がうまれた感じがしますね~
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Unknown (ota)
2018-09-27 01:00:53
>今更ですが、このゲーム初めてプレイしたいのですがセガサターンとps4版って違いありますか?
ありますね。仰る通り、性描写への取り組み方がまるで違います。
サターン版は家庭用機なりに描写しようと頑張ってましたが、PS版はそもそもD指定、最初からその気がないようでした。
シナリオに関しても抜けてる箇所がある……ような気がしましたが、これは検証してないのでハッキリしません。

>あと昔の絵に色気があったのは服とかパ〇ツとかに皺があったからじゃないでしょうか?
そうそう、CGの「際どさ」は同じくらいですが、艶めかしさはやはりサターン版の方が上だった気がしますw
本文に書きましたが、最初の絵里子先生の下からアングルに全く色気がなく、ガッカリしましたね。

>今の時代に据え置きで近親愛の表現出せるのはビックリですw
そうですね。個人的にPS版は「出してくれて感謝」です。まさか今の時代にこの内容で出せるとは思ってませんでしたから。
今からプレーする人がどれを選ぶべきかは、これは非常に難しいですね。元版サターン版PS版どれも長所と欠点がありますので。
元版サターン版はプレー環境整備が難しいし、サターン版はデータロストが怖いので、個人的にはPS版を推しておきます。
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