【ハード】PS4
【メーカー】カプコン
【発売日】2016年1月21日
【定価】4063円(DL版)
【購入価格】975円
【プレー時間】40時間
「4」の再プレーから始まった、俺の新たなバイオハザー道。……作品数が格段に増えたので、やり遂げられるかは不明だが。
ともあれ、一歩ずつ進むしかない。4の後はまず原点(のリメイク)たる「1HD」をプレー。順調にゾンビウイルスに染まった。
では次だ。普通に考えれば「2」である。今回はリメイク版にすると決めている。……が。もう一つ候補がある。「0」である。
初代の洋館事件の直前を描いた、「後から作られた最初の物語」。時間軸を先に進める前にこちらをやっておくべきではないか?
俺は長い葛藤の末(嘘)、結論を下した。0を先にやろうと。まぁラジコンバイオだし、1の次にやれば纏まりが良いっしょ。
実際、GC版は1と0を連続的に購入・プレーしたので、この2本は兄弟作のような印象がある。並んでプレーが適切であろう。
0と共にシリーズの未プレータイトルを一気に購入し、舞台は完全に整った。……もう逃げ場がないとも言えるが。頑張ろう……。
さて、バイオハザード0である。最初はN64用として開発され、途中から市場事情によりGC用へ変更。属性は「旧バイオ」だ。
ただ、正直立ち位置が半端だった気がしないでもない。当時は4が新時代バイオで、旧バイオは1リメイクがフォローしていた。
そこにシステム的には旧バイオまんまな0を追加するのは、なんかムズムズする。面白さとは無関係に当時からそう思っていた。
実際、品質は1リメイクに劣らず高いものの、売り上げはもう一つだった。まぁこれはGCというハード自体の調子も絡んでるが。
1リメが今も「偉大な初代の息子」である一方、0は何か、兄に劣らず優秀だけど、何か足りない次男というような。テキトー。
まぁ、今更そんなこと言っても詮無い。「全ての始まり」というアドバンテージを誇りに、俺は再び魔列車(違う)に搭乗した。
ぬぅ。まず、今作も1HDと同様、ラジコン操作だけでなくアナログ操作にも対応している。寧ろ後者がデフォである。
リマスター時期が同じなんだからこれは当然のことだ。1HDでは非常に驚いたが、今回は分かりきってたから自然に受け入れた。
基本システムがほぼ同じだからアナログ操作のマッチ具合も1HDと同じで、非常に動かしやすいが、画面切り替え時にやや困る。
切り替え後の画面に合わせた操作をするとワヤクチャになりがちだ。他ゲーとは違う感覚をまず身につける必要がある。
切り替え後はしばしスティックをそのままにすること。すぐに見た目通りの操作をするとラジコン操作以上の醜態が演じられる。
けど総合的にこちらの方がやりやすいのは言うまでもない。少々後ろめたさはあるが、時代補正を考慮して快適に動かそう。
難度はいつも通りノーマルで開始。今回はキャラ選択がないから迷うことはない。浜崎あゆみの申し子を、いざ危険な世界へ。
最初のステージは、列車。バイオ0と言えばここが一番印象深い。他のことは大半を忘れていたが、魔列車はしっかり覚えていた。
2階建ての寝台列車なので意外と広いが、それでも通路でゾンビに囲まれると非常に窮屈で、バイオ的な焦燥感を的確に煽られる。
ゲームには影響しないが「列車が走ってる」というのはそれだけでかなり演出として面白い。男の子は基本的に電車好きなのだ。
てわけで舞台は実にいい感じである。13年ぶりの懐かしさと快適な操作でレベッカと再開しさぁガンガン行くぜと思ってた。
……む、む、難しいですねぇ!!!! 4、1HDに続いて3本目のバイオで、3回目の叫びだった。バイオハザード、ほんま難しい。
列車の敵はほぼゾンビで、ゾンビとしての挙動は割と対処しやすいノーマルタイプだ。また1HDにあった紅頭変化も今作にはない。
少なくとも序盤は楽にやれると思ってたんだが……ダメだ。俺にはバイオの才能がない。それ以上に、レベッカのHPがない!!
いやホント、この事も記憶にしっかり残っていたのだが、再プレーで改めて実感した。レベッカの虚弱体質は半端ではない。
1HDのジルさんもひ弱だったが、彼女と比べるのも失礼なくらい弱い。俺よりHP低いんじゃね? ごめんさすがにそれは侮辱だな。
まぁ、レベッカは18歳でスターズ入隊の秀才&未熟者だ。それをよく表現してるとも言える。常人がゾンビに噛まれりゃ死ぬさ。
だがことゲーム進行上においては致命的な欠点である。一瞬でHPが危険域に入るから、回復を使うタイミングも見切り難い。
例によって弾薬や回復アイテムも少なめで、やり繰りに苦労する。先が見えない以上、無駄遣いは絶対にできないからな。
一方、1HDと比べてインクリボンは大幅に多く入手出来た。つまりセーブ可能回数が増えたので、ここは十分に利用すべきだろう。
セーブ回数は記録されるので恥ずかしくもあるが、ンなこと言ってたらゾンビの餌だ。バイオはサバイバルホラー、忘れるな。
バイオ0と言えば、二人同時プレーである。……この表現だと語弊があるな。プレーはあくまで一人用で、所謂COOPではない。
二人のキャラをリアルタイムに切り替えて操作するわけだ。もう一方はNPCとして自律行動するか、その場待機かを選択出来る。
当然ながらこれを利用した仕掛け、例えば一人がレバーを押して扉を開いた状態でもう一人がそこを通る、等が多く存在する。
そして戦闘ではダブルの効果で威力2倍。更に相方がゾンビに噛まれていたら射撃でそれを助ける、といった協力プレーが可能。
ずっと孤独活動、イベントで仲間が登場すると「今までどこにいたんだよ」と寧ろ不信感が募った従来とはまるで違う暖かさ。
まさにバイオ0の肝である。まぁ暖かさつってもレベッカとビリーにラブコメはないが。レオンとエイダは早熟すぎんねん……。
だがしかしこのコンビシステムはなんちゅーか理想と現実を見せてくれる。世の中、そうそう思い通りには進まないな、と。
二人一緒に行動するでしょう。ゾンビをダブルでバンバン撃つでしょう。半分の時間で殺せるでしょう。非常に快適でしょう。
……が、当然、弾薬は2倍消耗しているでしょう。そしてこのゲームはバイオハザード。物資の浪費が何より恐ろしいゲーム。
まぁそれでも、難度ノーマルでハンドガン程度ならあまり気にせずCPUにもパンパンやってもらっていい。けど、それ以上なら。
ショットガンやグレネード等の貴重な弾でやられると、正直かなり困る。だがAI万能時代ではない今作のCPUにそんな頭はない。
逆に攻撃しろと指示しても謎にガンジー状態に入ったりと、よう分からん。一緒に行動すると寧ろ相方に不信感が湧いてしまう。
また、ビリーはともかくレベッカは散々言ってるように超虚弱体質だ。探索に連れ回すことがそもそも大きなリスクになる。
だから基本的にビリーで行動、レベッカお留守番となる。ゲームに慣れれば効率化も出来るが、初回はそうせざるを得ない。
総じて「理想は分かるんだけど……」な調整である。製作者も分かってたと思うんだが、引き返す時間がなかったのかな。
ガワは同レベルの高品質なのに、システム的な噛み合わせの悪さのせいで、今作は1リメと比べて一枚落ちる印象である。
シリーズの問題解決に果敢に挑んだ攻めの作品とも言えるんだけどな。世の中結果でしか見てくれないわけで。はぁ。
二人操作に加え、もう一つ0の特徴であるシステムが「置く」である。ゲーム中の多くのアイテムを全て足元に「置け」てしまう。
旧バイオはとにかく持てるアイテム数が少なく、その管理に頭を悩まされるゲームである。「一番難しい部分」と言ってもいい。
そのアイテム管理をする拠点こそ、アイテムボックスである。何でも幾らでも入り、各所のそれが四次元で繋がっている!!
……何でも幾らでもはともかく四次元てどうよ。一応はリアル寄り世界を描くゲームなのに。これはシリーズ長年の問題だった。
そこで、置く。「物を持ちきれないなら置く」は極めて現実的な思考であり、ゲームに採用すればリアリティが格段に増す。
いいアイデアではあったと思う。が、これも二人操作と同様、理想と現実のギャップにズガーンって感じのシステムだった。
置く。つってもゾンビがあーうー言ってる部屋でそんなことしたら、拾う時に危険極まりない。可能ではあるんだけど。
なので自然、置くのは専ら安全な拠点になる。養成所のロビーは誰がやってもアイテムの展覧会会場になることだろう。
あちこちに点在させると管理しきれなくなるから、一箇所に纏める。つまりやってることはアイテムボックスと大差ないのだ。
それどころか当然ながら四次元効果はないから寧ろ手間が増えたとさえ言える。とても手放しで歓迎できるシステムではない。
また置く・拾うのアクションは一般配置アイテムと同じように行われる。バイオのそれは動作が重く、結構なストレスである。
配置アイテムなら新入手の喜びで相殺出来るそれが、置く・拾うにはない。なのにゲーム中に何十回もやる必要がある。
置くはいいとして、アイテムを拾う際の判定が非常に曖昧で掴みにくく、ボタンを押しても反応しなくて非常にイライラする。
やっと拾ったと思ったら隣の別アイテムだったりすると「廃棄すんぞ!」と怒鳴りたくなる。もちろんシステム的に無理だが。
拾うのはメニュー画面から選択でするとかにしてほしかった。それはそれで雰囲気が壊れるが、判定の悪さに比べりゃマシだ。
そして、所持可能アイテム数。今作はレベッカ・ビリ―共通で、6つ。あまりに少ない。「置く」に甘えきった露骨な不自然さ。
実際置くを乱用すればやれんことはない。けど! 2マス使うショットガンやグレネードを持ちつつの探索のストレスと言ったら。
体感だが、物持ちのストレスは1HD以上だった。いや遥かに上回ってたとまで言えるかも。本当~~~に、お前ら工夫しろ!!!
いやプレーヤーこそ工夫しろと言われりゃそれまでだけどさ。物を置いてる拠点を何度も往復する間抜けさは強烈だった。
いっそ回復アイテムを無視すれば大分楽になるのだが……いやでも、先にどんな危険が待ってるか分からんし……ううむ……。
そう、結果としてはクリア時に回復は結構余った。なので変に温存(置く)せず、もっとテキトーにやれば早く進めたと思う。
でも一周目にンなこと読めんからね。インクリボンはダダ余りしてたから「これは使いまくって大丈夫だな」と判断出来たけど。
それにレベッカの貧弱さを見ていると、備えを怠る気にはなれんかったし。満タンから一撃死さえありそうな気がしてたからな。
ともあれ、結局今作も一番大変なのはアイテム管理であった。一度でいいからやってみたい、四次元ポケ持ちでやる旧バイオ。
グレネードの弾は3種類あるから圧迫率が高く、ほんまストレスだった。だからって不要かと言えばそんなわけがないし。
更に今作は中盤で2マス食いのフックショットがしばし必須となり、これがまた圧迫感を倍化させる。邪魔で邪魔で仕方ない。
プレーヤーにアンケートを取れば、恐らく満場一致で「一番嫌いなアイテム」1位を獲得するだろう。ある意味可哀想な奴だ。
俺も嫌いで嫌いで、勝手知ったる2周目以降は用が済んだら速攻その場に置いたからな。投げ置いた。そんな日本語ねーよ。
置き拾いも合わせ、今作のアイテム管理は楽しいゲーム性だったとは思えない。周回重ねても1HDほど効率化出来なかったしなぁ。
戦闘方面はどうか。紅頭化がなくなり、ゾンビは倒せば消える。また全体的にカメラアングルが良好で攻撃を避けやすかった。
なので銃パンパンはもちろん、頑張ればナイフで完封することも可能である。レベッカの体力が怖いから実際にはやらんけど。
が、その分、ゾンビ以外の雑魚キャラが強い。ゾンビ犬、シリーズお馴染みのハンター、そして初登場の猿。いやマジで猿。
ゾンビ犬の出番は列車で1回だけだが、ハンターと猿は中盤から出現し、レベッカを何度もデンジャーにしてくれる。
こいつらは強いというか、おかしい。力のないモーションなのに攻撃力高いし、こちらの攻撃でもなかなか怯んでくれないし。
そして、バイオは基本的に敵味方共に単発攻撃のゲームであり、1回当てたら仕切り直しになる。だが今作はそれを守ってない。
猿とハンターは平気でコンボ、いや避けられない攻撃をしてくるのだ。一発食らっての怯みが解けた直後に攻撃を重ねてくる。
これが痛いのはもちろんだが不愉快この上ない。バイオハザードでこれやっちゃいかんだろう。猿のくせに。猿のくせに!!!
ハンターも初代からの伝統的強敵だが、見た目の迫力に欠けているとはずっと思ってる。ぶっちゃけ怖くない。ゾンビより下。
それが腕を軽く振るっただけで、レベッカはともかくビリーまでうぎゃあなんだから納得いかん。ウイルス万能説に頼りすぎ。
これでは厄介さは感じられても怖さがない。旧バイオも作品を重ねて、雑魚ネタが枯渇してたんだろうな。大変やのう。
ボス戦も何度かある。ラスト以外全てガチ戦闘で、ここは1HDよりシビアだった。ガチ戦闘だから、なんたって弾薬不足が怖い。
ボス戦では温存していた強力兵器を一気に注ぎ込むことになるが、だからって全部使っていいのか? その不安感が付き纏う。
ボスの動きはそうキツくはなく、被ダメージは抑えられる。だが耐久力はさすがであり、さっさと死ねと願いながら撃つばかり。
まぁこれは物資不足の恐怖を煽るのが上手いと言っておくか。強力兵器が余ってるとさすがに緊張感が皆無になっちまうしね。
今作でもタイラント(初期型?)が出現し、2回戦うことになるが、どちらも動きが隙だらけで、ノーダメ撃破も余裕だった。
お前、グラサン肝煎りの最強兵器なんやろ? なのに1HDでも今作でもダメすぎだろう。続編で名誉挽回せんと笑われるぞ。
一方、今作のラスボスにもなるお化けヒルは強かった。最終戦はCPUレベッカと協力してやることになるが、例によってアレだし。
ただヒルは気味が悪いだけで別に怖くはなく、バイオボスとしてはイマイチと思った。日光に弱いってのもありきたりだしなぁ。
物語は……スターズ新人レベッカと、濡れ衣死刑囚ビリーが列車で邂逅し、なし崩し的に協力してヒル野郎を追うというもの。
当初はビリーが事態の犯人と思われていたのに、それをド新人のレベッカ単独で追わせるのはアホかと思った。実際アホだろう。
1HDもだが、スターズは何故単独行動ばかりさせるんだ。せめて二人だろう。答えてください隊長! 「ゲームだから」。はい。
散々虚弱体質を詰ってきたが、18歳新人と考えるとレベッカは相当頑張ってるし有能である。ゾンビにも大してビビらんしな。
一方ビリーは社会的に既に死んだ身で、しかも濡れ衣を着せられてそうなった。よく自暴自棄になってないもんだなと思う。
自分を嵌めた連中への復讐を伺ってるようでもないし、何を動力に動いてるのかはよう分からなかった。レベッカへの庇護欲か?
事件はスペンサーと共にアンブレラを立ち上げたものの後に裏切られたヒル男の復讐劇で、当然ながら二人はそれに関係がない。
完全無欠の巻き込まれである。レベッカには難しいかもしれんが、せめてビリーには何らかの因縁を作れなかったのかと思う。
ヒル男は裏切られたのは可哀想かもしれんが、所詮はアンブレラ創業者、つまり極悪人だし、お前も大概やろと言うしかない。
巻き込まれ型だけにイマイチ「燃える理由」が見い出せない物語だった。「龍が如く4」の桐生ちゃんみたい。例え適切?
わざわざ追加された最初期エピソードとして光ってたとも思えない。まぁ今作だけでキチッと纏まってるのは美点であるが。
レベッカはともかく、着の身着のまま・戸籍なし状態で放り出されたビリーは今後どうなるんだろう。敬礼してる場合ちゃうぞ。
あと最後にあんな大爆発があったなら、スターズ以外の調査班もあの森に来るだろう。……ツッコミが野暮? そだね。はぁ。
さて、一周したなら、様々な埋め行為に走る。まずは「リーチハンター」なるサブゲームだ。クリア後開放要素の一つである。
本編での養成所に多数配置されたオブジェを脱出するまでに幾つ集められるかというゲームだ。もちろん敵もいて、邪魔される。
オブジェは100個あり、レベビリそれぞれ専用で50個ずつ、アイテム欄は10個単位で埋まる。ちなみにアイテム所持上限は6枠。
そしてこれが非常に重要なのだが、オブジェは「置け」ない。一度取ったら持ち続けるしかない。今作を根底から否定している。
つまりオブジェを考えなしに取ると、武器や回復の所持が徐々に厳しくなる。最終的には残り一枠、ハンドガンしか持てん。
しかもそれ以上持てないんだから、今作の仕様上弾薬の充填も出来ない。オブジェは目的でありながら爆弾でもあるのだ。
これを100個中何個集めて脱出できるかで評価が出る。途中で死んだらそこまで。中途セーブは不可能な一発勝負の漢仕様。
完全クリアーのSランクがトロに絡むから、当然これを狙うしかない。なので頑張ってみた。……が、自力は早々に諦めた。
オブジェの仕様を考えれば分かるが、集めるのは最後でいい。寧ろ序盤からガンガン取っていくとアイテム周りで詰みになる。
ならどうするか。先に敵を駆逐するのだ。オブジェ集めの邪魔になる連中を一掃し、それからゆっくり回収し、脱出する。
……どうよこれ。ハッキリ言ってゲームとして破綻してない? どう考えても、本来あるべきは「集めながら戦う」だろうに。
敵を倒しきってオブジェを集めるのはただの作業だ。ぶっちゃけそんなのなくてもいい。じゃあこのモードの存在意義て何よ?
オブジェはアイテムとは別枠にすればいいし、収集状況で舞台に変化が出るとかやれることは色々あるはず。でもやってない。
初期コンセプトは面白いと思うが、調整で投げ出した感がありありで、正直プレーしていて不快だった。これはあかんやろう。
真面目にやる気にならんから、ネットに頼って機械的に埋めた。館全体を掃除してから改めてオブジェ回収。アホらしい。
オブジェ取得にもいちいち座り拾いモーションが入るのもどうかと思う。このモードは何度も遊びたくなるように作れよ。
残念なミニゲームだったが、最高評価を取れたのでよし。無限マグナム、ゲットだぜ。トロさえ取れれば何でもいい。最っ低。
次は本編ミニゲーム(?)こと「ウェスカーモード」だ。これはHD版での追加要素らしい。確かにGC版にはなかったかな。
本編でのビリー役をあのウェスカーが務めるという半ギャグモードだ。ただし当然というか、物語まで書き起こされてはいない。
なので台詞やムービーはビリーのまま。ただリアルタイムムービーではウェスカー状態で喋るので、そこはかなり笑える。
だがそれは副次的な話で、本領は戦闘力。自慢のウイルスを摂取した状態という設定か、ウェスカーは人間離れした能力を持つ。
「溜めてからのダッシュ」と「範囲攻撃」がそれで、どちらも無尽蔵に使える。範囲攻撃も溜め可能で、その際の威力は絶大。
なので説明するまでもなく、このモードは無双状態になる。ウェスカーの気合で化け物どもがバタバタ死んでいく面白ゲーム。
溜めダッシュも駆使すれば相当な早解きも可能になるだろう。俺はそこまでやる気はないから単なる無双で遊んだけど。
このウェスカーの攻撃は「赤の斬撃」というのだが、見た目で何やってるか分からん。気合を撒いてるような。そこはつまらん。
ムービーでウェスカーが(ビリーと同様)ピアノを弾いたりとった馬鹿馬鹿しさはあったが、あんまし魅力のないオマケだった。
あと無双可能はあくまでウェスカーで、レベッカは変わらず虚弱だから何も考えず進めるとあぼんするので注意。やれやれ。
んで、再び本編。「ノーセーブ」「ノー回復」クリアー等の案件をこなしていく。リーチハンターで得た無限マグナムを手に!
マグナムは言うまでもなくバイオ最強クラスの銃器、それが撃ち放題。ヒャッハーすぎる。これもまたバイオの楽しみ方だ。
しかしノーセーブとノー回復を同時にやるのは、不可能とは言わんがさすがに緊張感が強いので、これは分けて行った。
1HDほどではないが、周回を重ねるにつれプレーはどんどん上達し、効率的になっていく。旧バイオの美徳は今作にもある。
そして他のトロを全て取ったら、最後に残るはハードモードクリアー。尚、無限武器は使用不可能、素の状態で開始になる。
敵の攻撃力・防御力が一段と上がり、ノーマルでさえ不足しがちだった弾薬がマジでカツカツ。一層の節約が求められる。
数周やってゲームを掴み、やっと挑戦できるレベルの難度である。最後を飾るに相応しい。おうさ、やってやんよ。
……ごめん、難しい。「無理」とは言わんが、ほんま序盤から弾がない。落ちた薬莢を拾って再利用したくなるほど弾がない。
例えば最初のボスであるサソリは、弾で戦うと恐らく後に詰む。コイツは実はナイフで十分倒せるので、原始的に倒すのが正解。
インクリボンはノーマルと同程度手に入り、つまりかなり潤沢にあるから、セーブはこまめに出来る。これに縋るしかない。
刻みセーブをしながら、とにかく節約プレーで進む。余裕のあるゾンビはナイフで始末。ハンドガンの弾一発さえ大事なのだ。
ましてショットガンやグレネード弾など、使う際は断腸の思いである。外した時はゾンビに噛まれるより強い絶望感に苛まれる。
壁になるのはやはりボス戦で、ここで貴重弾が切れると終わる。普段は徹底的に節約と言うか使わず、ボスに全てを注ぎ込む。
しかし耐久力の上がってるボス達はなかなか死なず、こちらの焦りを誘う。バイオは敵のHPゲージを見せてはくれないからな。
セーブを頻繁にやるから、回復アイテムはある意味余る。けど無碍に扱ってるとどこで困るか分からん。故にこれも当然節約。
となるとロビーで店を広げる(物をズラッと並べることの例え、一般用語)ことになる。結局はアイテム管理が一番難しい。
まぁ、仕方ない。今までもやってきた慎重なプレーを更に強めて、息を潜めるように進めた。アイテム運送業ゲームである。
それでもラスボス辺りはヒヤヒヤだったが、何とかクリアー。CPUレベッカとの連携プレーは心臓に悪いよほんま。
と同時に、トロコン達成。くふふ、やれてる、ちゃんとやれてるぞ俺は。今も変わらずバイオに負けなかったことが嬉しい。
……んな大袈裟な話か? うるさい浸らせろ。再プレーも様々なものを背負うんだよ、この歳になると。何言ってんだか不明。
グラフィックは、1HDと同レベルなので、同レベルで良好。GC版でこれでもかと気合を入れて作ったおかげで今でも映える。
特に列車部分は雰囲気があって今見ても実にいい。「動く舞台での旧バイオ」て多分ここだけだよな? 独自性がある。
まぁ幾ら走っても目的地に着かないのは謎だが。環状になってるのか? だとしたらちょっと雰囲気壊れるな。知らん。
あと電線接続を素手で、豪雨の中でやるなよ。あのムービーは何度見ても「ヒッ!」となる。ある意味今作で一番怖いとこだ。
HD化の弊害で、綺麗なはずのプリレンダムービーの方が汚くなってるのは1HDと同じ。よう分からんけど最適化が難しいのだろう。
ちなみに1HDと同じく画面を16:9対応に出来るが、特に効果は感じなかった。これは自然に出来ていたという褒め言葉になる。
今更だけど、ゲーム画面のワイド化ってかなり大きな変化だったよな。そしてほんの20年前まで4:3だったことに妙に驚いた。
音楽というか音声は、こちらも1HDと同様に日本語ボイスが新録されている。今回は分かってたから特に驚かなかった。
相変わらず字幕と合ってないから、表示させていると非常に気持ち悪い。ここは明確にサボっているだろう。真面目にやれや。
声や演技は何の問題もなく良好。……レベッカ役に浜崎氏を連れてきたら神だったのに。今ならギャラも抑えられるのでは?
いや、色んな意味で合わんわな。モデルはあくまで20年前の浜崎氏。もうそれだけ時間が経ったのだ。バイオも俺も。
ふぅ。やはり「1HDよりは一枚落ちる兄弟作」という感想に落ち着くが、普通に楽しめる旧バイオでもあった。これでよしとする。
旧バイオは、逆に言えば新作ではやろうにもやれないのだ。今更バイオがこの方式に戻るわけがなく、やりたきゃ旧作でとなる。
このもどかしさや物資不足の不安感、周回を重ねる面白さは恐らく最近のバイオにはない。古かろうと、価値ある独自性なのだ。
ならこれでよい。古いのは確かだが、確立された古典だ。今も通用するほど絵に力を入れてリメイクしたのは大正解だったな。
てわけで旧バイオはここで一旦一区切りし、次は「2RE」である。PS4でリメイクされたガチの今風バイオだ。……発売3年前だけど。
2はPS版を総計10週以上はやった。生まれ変わったレオンやエイダがどうなってるか、予備知識が皆無なので楽しみである。
古いものも良ければ新しいものも良い。理想的だな。そうありたい。それを同一ハードで遊べるというのがまた素晴らしい。
比類なく新旧それぞれ違ったゲーム性を楽しめる現代ホラーゲームの祖・バイオハザードのファン度を一段回高めて終わり。
コロナ禍の現在、「ウイルスと戦う」という設定は微妙にグッと来るしな。何かの参考になるかも? なるわけねーだろ。
はぁ。
拍手を送る
【メーカー】カプコン
【発売日】2016年1月21日
【定価】4063円(DL版)
【購入価格】975円
【プレー時間】40時間
「4」の再プレーから始まった、俺の新たなバイオハザー道。……作品数が格段に増えたので、やり遂げられるかは不明だが。
ともあれ、一歩ずつ進むしかない。4の後はまず原点(のリメイク)たる「1HD」をプレー。順調にゾンビウイルスに染まった。
では次だ。普通に考えれば「2」である。今回はリメイク版にすると決めている。……が。もう一つ候補がある。「0」である。
初代の洋館事件の直前を描いた、「後から作られた最初の物語」。時間軸を先に進める前にこちらをやっておくべきではないか?
俺は長い葛藤の末(嘘)、結論を下した。0を先にやろうと。まぁラジコンバイオだし、1の次にやれば纏まりが良いっしょ。
実際、GC版は1と0を連続的に購入・プレーしたので、この2本は兄弟作のような印象がある。並んでプレーが適切であろう。
0と共にシリーズの未プレータイトルを一気に購入し、舞台は完全に整った。……もう逃げ場がないとも言えるが。頑張ろう……。
さて、バイオハザード0である。最初はN64用として開発され、途中から市場事情によりGC用へ変更。属性は「旧バイオ」だ。
ただ、正直立ち位置が半端だった気がしないでもない。当時は4が新時代バイオで、旧バイオは1リメイクがフォローしていた。
そこにシステム的には旧バイオまんまな0を追加するのは、なんかムズムズする。面白さとは無関係に当時からそう思っていた。
実際、品質は1リメイクに劣らず高いものの、売り上げはもう一つだった。まぁこれはGCというハード自体の調子も絡んでるが。
1リメが今も「偉大な初代の息子」である一方、0は何か、兄に劣らず優秀だけど、何か足りない次男というような。テキトー。
まぁ、今更そんなこと言っても詮無い。「全ての始まり」というアドバンテージを誇りに、俺は再び魔列車(違う)に搭乗した。
ぬぅ。まず、今作も1HDと同様、ラジコン操作だけでなくアナログ操作にも対応している。寧ろ後者がデフォである。
リマスター時期が同じなんだからこれは当然のことだ。1HDでは非常に驚いたが、今回は分かりきってたから自然に受け入れた。
基本システムがほぼ同じだからアナログ操作のマッチ具合も1HDと同じで、非常に動かしやすいが、画面切り替え時にやや困る。
切り替え後の画面に合わせた操作をするとワヤクチャになりがちだ。他ゲーとは違う感覚をまず身につける必要がある。
切り替え後はしばしスティックをそのままにすること。すぐに見た目通りの操作をするとラジコン操作以上の醜態が演じられる。
けど総合的にこちらの方がやりやすいのは言うまでもない。少々後ろめたさはあるが、時代補正を考慮して快適に動かそう。
難度はいつも通りノーマルで開始。今回はキャラ選択がないから迷うことはない。浜崎あゆみの申し子を、いざ危険な世界へ。
最初のステージは、列車。バイオ0と言えばここが一番印象深い。他のことは大半を忘れていたが、魔列車はしっかり覚えていた。
2階建ての寝台列車なので意外と広いが、それでも通路でゾンビに囲まれると非常に窮屈で、バイオ的な焦燥感を的確に煽られる。
ゲームには影響しないが「列車が走ってる」というのはそれだけでかなり演出として面白い。男の子は基本的に電車好きなのだ。
てわけで舞台は実にいい感じである。13年ぶりの懐かしさと快適な操作でレベッカと再開しさぁガンガン行くぜと思ってた。
……む、む、難しいですねぇ!!!! 4、1HDに続いて3本目のバイオで、3回目の叫びだった。バイオハザード、ほんま難しい。
列車の敵はほぼゾンビで、ゾンビとしての挙動は割と対処しやすいノーマルタイプだ。また1HDにあった紅頭変化も今作にはない。
少なくとも序盤は楽にやれると思ってたんだが……ダメだ。俺にはバイオの才能がない。それ以上に、レベッカのHPがない!!
いやホント、この事も記憶にしっかり残っていたのだが、再プレーで改めて実感した。レベッカの虚弱体質は半端ではない。
1HDのジルさんもひ弱だったが、彼女と比べるのも失礼なくらい弱い。俺よりHP低いんじゃね? ごめんさすがにそれは侮辱だな。
まぁ、レベッカは18歳でスターズ入隊の秀才&未熟者だ。それをよく表現してるとも言える。常人がゾンビに噛まれりゃ死ぬさ。
だがことゲーム進行上においては致命的な欠点である。一瞬でHPが危険域に入るから、回復を使うタイミングも見切り難い。
例によって弾薬や回復アイテムも少なめで、やり繰りに苦労する。先が見えない以上、無駄遣いは絶対にできないからな。
一方、1HDと比べてインクリボンは大幅に多く入手出来た。つまりセーブ可能回数が増えたので、ここは十分に利用すべきだろう。
セーブ回数は記録されるので恥ずかしくもあるが、ンなこと言ってたらゾンビの餌だ。バイオはサバイバルホラー、忘れるな。
バイオ0と言えば、二人同時プレーである。……この表現だと語弊があるな。プレーはあくまで一人用で、所謂COOPではない。
二人のキャラをリアルタイムに切り替えて操作するわけだ。もう一方はNPCとして自律行動するか、その場待機かを選択出来る。
当然ながらこれを利用した仕掛け、例えば一人がレバーを押して扉を開いた状態でもう一人がそこを通る、等が多く存在する。
そして戦闘ではダブルの効果で威力2倍。更に相方がゾンビに噛まれていたら射撃でそれを助ける、といった協力プレーが可能。
ずっと孤独活動、イベントで仲間が登場すると「今までどこにいたんだよ」と寧ろ不信感が募った従来とはまるで違う暖かさ。
まさにバイオ0の肝である。まぁ暖かさつってもレベッカとビリーにラブコメはないが。レオンとエイダは早熟すぎんねん……。
だがしかしこのコンビシステムはなんちゅーか理想と現実を見せてくれる。世の中、そうそう思い通りには進まないな、と。
二人一緒に行動するでしょう。ゾンビをダブルでバンバン撃つでしょう。半分の時間で殺せるでしょう。非常に快適でしょう。
……が、当然、弾薬は2倍消耗しているでしょう。そしてこのゲームはバイオハザード。物資の浪費が何より恐ろしいゲーム。
まぁそれでも、難度ノーマルでハンドガン程度ならあまり気にせずCPUにもパンパンやってもらっていい。けど、それ以上なら。
ショットガンやグレネード等の貴重な弾でやられると、正直かなり困る。だがAI万能時代ではない今作のCPUにそんな頭はない。
逆に攻撃しろと指示しても謎にガンジー状態に入ったりと、よう分からん。一緒に行動すると寧ろ相方に不信感が湧いてしまう。
また、ビリーはともかくレベッカは散々言ってるように超虚弱体質だ。探索に連れ回すことがそもそも大きなリスクになる。
だから基本的にビリーで行動、レベッカお留守番となる。ゲームに慣れれば効率化も出来るが、初回はそうせざるを得ない。
総じて「理想は分かるんだけど……」な調整である。製作者も分かってたと思うんだが、引き返す時間がなかったのかな。
ガワは同レベルの高品質なのに、システム的な噛み合わせの悪さのせいで、今作は1リメと比べて一枚落ちる印象である。
シリーズの問題解決に果敢に挑んだ攻めの作品とも言えるんだけどな。世の中結果でしか見てくれないわけで。はぁ。
二人操作に加え、もう一つ0の特徴であるシステムが「置く」である。ゲーム中の多くのアイテムを全て足元に「置け」てしまう。
旧バイオはとにかく持てるアイテム数が少なく、その管理に頭を悩まされるゲームである。「一番難しい部分」と言ってもいい。
そのアイテム管理をする拠点こそ、アイテムボックスである。何でも幾らでも入り、各所のそれが四次元で繋がっている!!
……何でも幾らでもはともかく四次元てどうよ。一応はリアル寄り世界を描くゲームなのに。これはシリーズ長年の問題だった。
そこで、置く。「物を持ちきれないなら置く」は極めて現実的な思考であり、ゲームに採用すればリアリティが格段に増す。
いいアイデアではあったと思う。が、これも二人操作と同様、理想と現実のギャップにズガーンって感じのシステムだった。
置く。つってもゾンビがあーうー言ってる部屋でそんなことしたら、拾う時に危険極まりない。可能ではあるんだけど。
なので自然、置くのは専ら安全な拠点になる。養成所のロビーは誰がやってもアイテムの展覧会会場になることだろう。
あちこちに点在させると管理しきれなくなるから、一箇所に纏める。つまりやってることはアイテムボックスと大差ないのだ。
それどころか当然ながら四次元効果はないから寧ろ手間が増えたとさえ言える。とても手放しで歓迎できるシステムではない。
また置く・拾うのアクションは一般配置アイテムと同じように行われる。バイオのそれは動作が重く、結構なストレスである。
配置アイテムなら新入手の喜びで相殺出来るそれが、置く・拾うにはない。なのにゲーム中に何十回もやる必要がある。
置くはいいとして、アイテムを拾う際の判定が非常に曖昧で掴みにくく、ボタンを押しても反応しなくて非常にイライラする。
やっと拾ったと思ったら隣の別アイテムだったりすると「廃棄すんぞ!」と怒鳴りたくなる。もちろんシステム的に無理だが。
拾うのはメニュー画面から選択でするとかにしてほしかった。それはそれで雰囲気が壊れるが、判定の悪さに比べりゃマシだ。
そして、所持可能アイテム数。今作はレベッカ・ビリ―共通で、6つ。あまりに少ない。「置く」に甘えきった露骨な不自然さ。
実際置くを乱用すればやれんことはない。けど! 2マス使うショットガンやグレネードを持ちつつの探索のストレスと言ったら。
体感だが、物持ちのストレスは1HD以上だった。いや遥かに上回ってたとまで言えるかも。本当~~~に、お前ら工夫しろ!!!
いやプレーヤーこそ工夫しろと言われりゃそれまでだけどさ。物を置いてる拠点を何度も往復する間抜けさは強烈だった。
いっそ回復アイテムを無視すれば大分楽になるのだが……いやでも、先にどんな危険が待ってるか分からんし……ううむ……。
そう、結果としてはクリア時に回復は結構余った。なので変に温存(置く)せず、もっとテキトーにやれば早く進めたと思う。
でも一周目にンなこと読めんからね。インクリボンはダダ余りしてたから「これは使いまくって大丈夫だな」と判断出来たけど。
それにレベッカの貧弱さを見ていると、備えを怠る気にはなれんかったし。満タンから一撃死さえありそうな気がしてたからな。
ともあれ、結局今作も一番大変なのはアイテム管理であった。一度でいいからやってみたい、四次元ポケ持ちでやる旧バイオ。
グレネードの弾は3種類あるから圧迫率が高く、ほんまストレスだった。だからって不要かと言えばそんなわけがないし。
更に今作は中盤で2マス食いのフックショットがしばし必須となり、これがまた圧迫感を倍化させる。邪魔で邪魔で仕方ない。
プレーヤーにアンケートを取れば、恐らく満場一致で「一番嫌いなアイテム」1位を獲得するだろう。ある意味可哀想な奴だ。
俺も嫌いで嫌いで、勝手知ったる2周目以降は用が済んだら速攻その場に置いたからな。投げ置いた。そんな日本語ねーよ。
置き拾いも合わせ、今作のアイテム管理は楽しいゲーム性だったとは思えない。周回重ねても1HDほど効率化出来なかったしなぁ。
戦闘方面はどうか。紅頭化がなくなり、ゾンビは倒せば消える。また全体的にカメラアングルが良好で攻撃を避けやすかった。
なので銃パンパンはもちろん、頑張ればナイフで完封することも可能である。レベッカの体力が怖いから実際にはやらんけど。
が、その分、ゾンビ以外の雑魚キャラが強い。ゾンビ犬、シリーズお馴染みのハンター、そして初登場の猿。いやマジで猿。
ゾンビ犬の出番は列車で1回だけだが、ハンターと猿は中盤から出現し、レベッカを何度もデンジャーにしてくれる。
こいつらは強いというか、おかしい。力のないモーションなのに攻撃力高いし、こちらの攻撃でもなかなか怯んでくれないし。
そして、バイオは基本的に敵味方共に単発攻撃のゲームであり、1回当てたら仕切り直しになる。だが今作はそれを守ってない。
猿とハンターは平気でコンボ、いや避けられない攻撃をしてくるのだ。一発食らっての怯みが解けた直後に攻撃を重ねてくる。
これが痛いのはもちろんだが不愉快この上ない。バイオハザードでこれやっちゃいかんだろう。猿のくせに。猿のくせに!!!
ハンターも初代からの伝統的強敵だが、見た目の迫力に欠けているとはずっと思ってる。ぶっちゃけ怖くない。ゾンビより下。
それが腕を軽く振るっただけで、レベッカはともかくビリーまでうぎゃあなんだから納得いかん。ウイルス万能説に頼りすぎ。
これでは厄介さは感じられても怖さがない。旧バイオも作品を重ねて、雑魚ネタが枯渇してたんだろうな。大変やのう。
ボス戦も何度かある。ラスト以外全てガチ戦闘で、ここは1HDよりシビアだった。ガチ戦闘だから、なんたって弾薬不足が怖い。
ボス戦では温存していた強力兵器を一気に注ぎ込むことになるが、だからって全部使っていいのか? その不安感が付き纏う。
ボスの動きはそうキツくはなく、被ダメージは抑えられる。だが耐久力はさすがであり、さっさと死ねと願いながら撃つばかり。
まぁこれは物資不足の恐怖を煽るのが上手いと言っておくか。強力兵器が余ってるとさすがに緊張感が皆無になっちまうしね。
今作でもタイラント(初期型?)が出現し、2回戦うことになるが、どちらも動きが隙だらけで、ノーダメ撃破も余裕だった。
お前、グラサン肝煎りの最強兵器なんやろ? なのに1HDでも今作でもダメすぎだろう。続編で名誉挽回せんと笑われるぞ。
一方、今作のラスボスにもなるお化けヒルは強かった。最終戦はCPUレベッカと協力してやることになるが、例によってアレだし。
ただヒルは気味が悪いだけで別に怖くはなく、バイオボスとしてはイマイチと思った。日光に弱いってのもありきたりだしなぁ。
物語は……スターズ新人レベッカと、濡れ衣死刑囚ビリーが列車で邂逅し、なし崩し的に協力してヒル野郎を追うというもの。
当初はビリーが事態の犯人と思われていたのに、それをド新人のレベッカ単独で追わせるのはアホかと思った。実際アホだろう。
1HDもだが、スターズは何故単独行動ばかりさせるんだ。せめて二人だろう。答えてください隊長! 「ゲームだから」。はい。
散々虚弱体質を詰ってきたが、18歳新人と考えるとレベッカは相当頑張ってるし有能である。ゾンビにも大してビビらんしな。
一方ビリーは社会的に既に死んだ身で、しかも濡れ衣を着せられてそうなった。よく自暴自棄になってないもんだなと思う。
自分を嵌めた連中への復讐を伺ってるようでもないし、何を動力に動いてるのかはよう分からなかった。レベッカへの庇護欲か?
事件はスペンサーと共にアンブレラを立ち上げたものの後に裏切られたヒル男の復讐劇で、当然ながら二人はそれに関係がない。
完全無欠の巻き込まれである。レベッカには難しいかもしれんが、せめてビリーには何らかの因縁を作れなかったのかと思う。
ヒル男は裏切られたのは可哀想かもしれんが、所詮はアンブレラ創業者、つまり極悪人だし、お前も大概やろと言うしかない。
巻き込まれ型だけにイマイチ「燃える理由」が見い出せない物語だった。「龍が如く4」の桐生ちゃんみたい。例え適切?
わざわざ追加された最初期エピソードとして光ってたとも思えない。まぁ今作だけでキチッと纏まってるのは美点であるが。
レベッカはともかく、着の身着のまま・戸籍なし状態で放り出されたビリーは今後どうなるんだろう。敬礼してる場合ちゃうぞ。
あと最後にあんな大爆発があったなら、スターズ以外の調査班もあの森に来るだろう。……ツッコミが野暮? そだね。はぁ。
さて、一周したなら、様々な埋め行為に走る。まずは「リーチハンター」なるサブゲームだ。クリア後開放要素の一つである。
本編での養成所に多数配置されたオブジェを脱出するまでに幾つ集められるかというゲームだ。もちろん敵もいて、邪魔される。
オブジェは100個あり、レベビリそれぞれ専用で50個ずつ、アイテム欄は10個単位で埋まる。ちなみにアイテム所持上限は6枠。
そしてこれが非常に重要なのだが、オブジェは「置け」ない。一度取ったら持ち続けるしかない。今作を根底から否定している。
つまりオブジェを考えなしに取ると、武器や回復の所持が徐々に厳しくなる。最終的には残り一枠、ハンドガンしか持てん。
しかもそれ以上持てないんだから、今作の仕様上弾薬の充填も出来ない。オブジェは目的でありながら爆弾でもあるのだ。
これを100個中何個集めて脱出できるかで評価が出る。途中で死んだらそこまで。中途セーブは不可能な一発勝負の漢仕様。
完全クリアーのSランクがトロに絡むから、当然これを狙うしかない。なので頑張ってみた。……が、自力は早々に諦めた。
オブジェの仕様を考えれば分かるが、集めるのは最後でいい。寧ろ序盤からガンガン取っていくとアイテム周りで詰みになる。
ならどうするか。先に敵を駆逐するのだ。オブジェ集めの邪魔になる連中を一掃し、それからゆっくり回収し、脱出する。
……どうよこれ。ハッキリ言ってゲームとして破綻してない? どう考えても、本来あるべきは「集めながら戦う」だろうに。
敵を倒しきってオブジェを集めるのはただの作業だ。ぶっちゃけそんなのなくてもいい。じゃあこのモードの存在意義て何よ?
オブジェはアイテムとは別枠にすればいいし、収集状況で舞台に変化が出るとかやれることは色々あるはず。でもやってない。
初期コンセプトは面白いと思うが、調整で投げ出した感がありありで、正直プレーしていて不快だった。これはあかんやろう。
真面目にやる気にならんから、ネットに頼って機械的に埋めた。館全体を掃除してから改めてオブジェ回収。アホらしい。
オブジェ取得にもいちいち座り拾いモーションが入るのもどうかと思う。このモードは何度も遊びたくなるように作れよ。
残念なミニゲームだったが、最高評価を取れたのでよし。無限マグナム、ゲットだぜ。トロさえ取れれば何でもいい。最っ低。
次は本編ミニゲーム(?)こと「ウェスカーモード」だ。これはHD版での追加要素らしい。確かにGC版にはなかったかな。
本編でのビリー役をあのウェスカーが務めるという半ギャグモードだ。ただし当然というか、物語まで書き起こされてはいない。
なので台詞やムービーはビリーのまま。ただリアルタイムムービーではウェスカー状態で喋るので、そこはかなり笑える。
だがそれは副次的な話で、本領は戦闘力。自慢のウイルスを摂取した状態という設定か、ウェスカーは人間離れした能力を持つ。
「溜めてからのダッシュ」と「範囲攻撃」がそれで、どちらも無尽蔵に使える。範囲攻撃も溜め可能で、その際の威力は絶大。
なので説明するまでもなく、このモードは無双状態になる。ウェスカーの気合で化け物どもがバタバタ死んでいく面白ゲーム。
溜めダッシュも駆使すれば相当な早解きも可能になるだろう。俺はそこまでやる気はないから単なる無双で遊んだけど。
このウェスカーの攻撃は「赤の斬撃」というのだが、見た目で何やってるか分からん。気合を撒いてるような。そこはつまらん。
ムービーでウェスカーが(ビリーと同様)ピアノを弾いたりとった馬鹿馬鹿しさはあったが、あんまし魅力のないオマケだった。
あと無双可能はあくまでウェスカーで、レベッカは変わらず虚弱だから何も考えず進めるとあぼんするので注意。やれやれ。
んで、再び本編。「ノーセーブ」「ノー回復」クリアー等の案件をこなしていく。リーチハンターで得た無限マグナムを手に!
マグナムは言うまでもなくバイオ最強クラスの銃器、それが撃ち放題。ヒャッハーすぎる。これもまたバイオの楽しみ方だ。
しかしノーセーブとノー回復を同時にやるのは、不可能とは言わんがさすがに緊張感が強いので、これは分けて行った。
1HDほどではないが、周回を重ねるにつれプレーはどんどん上達し、効率的になっていく。旧バイオの美徳は今作にもある。
そして他のトロを全て取ったら、最後に残るはハードモードクリアー。尚、無限武器は使用不可能、素の状態で開始になる。
敵の攻撃力・防御力が一段と上がり、ノーマルでさえ不足しがちだった弾薬がマジでカツカツ。一層の節約が求められる。
数周やってゲームを掴み、やっと挑戦できるレベルの難度である。最後を飾るに相応しい。おうさ、やってやんよ。
……ごめん、難しい。「無理」とは言わんが、ほんま序盤から弾がない。落ちた薬莢を拾って再利用したくなるほど弾がない。
例えば最初のボスであるサソリは、弾で戦うと恐らく後に詰む。コイツは実はナイフで十分倒せるので、原始的に倒すのが正解。
インクリボンはノーマルと同程度手に入り、つまりかなり潤沢にあるから、セーブはこまめに出来る。これに縋るしかない。
刻みセーブをしながら、とにかく節約プレーで進む。余裕のあるゾンビはナイフで始末。ハンドガンの弾一発さえ大事なのだ。
ましてショットガンやグレネード弾など、使う際は断腸の思いである。外した時はゾンビに噛まれるより強い絶望感に苛まれる。
壁になるのはやはりボス戦で、ここで貴重弾が切れると終わる。普段は徹底的に節約と言うか使わず、ボスに全てを注ぎ込む。
しかし耐久力の上がってるボス達はなかなか死なず、こちらの焦りを誘う。バイオは敵のHPゲージを見せてはくれないからな。
セーブを頻繁にやるから、回復アイテムはある意味余る。けど無碍に扱ってるとどこで困るか分からん。故にこれも当然節約。
となるとロビーで店を広げる(物をズラッと並べることの例え、一般用語)ことになる。結局はアイテム管理が一番難しい。
まぁ、仕方ない。今までもやってきた慎重なプレーを更に強めて、息を潜めるように進めた。アイテム運送業ゲームである。
それでもラスボス辺りはヒヤヒヤだったが、何とかクリアー。CPUレベッカとの連携プレーは心臓に悪いよほんま。
と同時に、トロコン達成。くふふ、やれてる、ちゃんとやれてるぞ俺は。今も変わらずバイオに負けなかったことが嬉しい。
……んな大袈裟な話か? うるさい浸らせろ。再プレーも様々なものを背負うんだよ、この歳になると。何言ってんだか不明。
グラフィックは、1HDと同レベルなので、同レベルで良好。GC版でこれでもかと気合を入れて作ったおかげで今でも映える。
特に列車部分は雰囲気があって今見ても実にいい。「動く舞台での旧バイオ」て多分ここだけだよな? 独自性がある。
まぁ幾ら走っても目的地に着かないのは謎だが。環状になってるのか? だとしたらちょっと雰囲気壊れるな。知らん。
あと電線接続を素手で、豪雨の中でやるなよ。あのムービーは何度見ても「ヒッ!」となる。ある意味今作で一番怖いとこだ。
HD化の弊害で、綺麗なはずのプリレンダムービーの方が汚くなってるのは1HDと同じ。よう分からんけど最適化が難しいのだろう。
ちなみに1HDと同じく画面を16:9対応に出来るが、特に効果は感じなかった。これは自然に出来ていたという褒め言葉になる。
今更だけど、ゲーム画面のワイド化ってかなり大きな変化だったよな。そしてほんの20年前まで4:3だったことに妙に驚いた。
音楽というか音声は、こちらも1HDと同様に日本語ボイスが新録されている。今回は分かってたから特に驚かなかった。
相変わらず字幕と合ってないから、表示させていると非常に気持ち悪い。ここは明確にサボっているだろう。真面目にやれや。
声や演技は何の問題もなく良好。……レベッカ役に浜崎氏を連れてきたら神だったのに。今ならギャラも抑えられるのでは?
いや、色んな意味で合わんわな。モデルはあくまで20年前の浜崎氏。もうそれだけ時間が経ったのだ。バイオも俺も。
ふぅ。やはり「1HDよりは一枚落ちる兄弟作」という感想に落ち着くが、普通に楽しめる旧バイオでもあった。これでよしとする。
旧バイオは、逆に言えば新作ではやろうにもやれないのだ。今更バイオがこの方式に戻るわけがなく、やりたきゃ旧作でとなる。
このもどかしさや物資不足の不安感、周回を重ねる面白さは恐らく最近のバイオにはない。古かろうと、価値ある独自性なのだ。
ならこれでよい。古いのは確かだが、確立された古典だ。今も通用するほど絵に力を入れてリメイクしたのは大正解だったな。
てわけで旧バイオはここで一旦一区切りし、次は「2RE」である。PS4でリメイクされたガチの今風バイオだ。……発売3年前だけど。
2はPS版を総計10週以上はやった。生まれ変わったレオンやエイダがどうなってるか、予備知識が皆無なので楽しみである。
古いものも良ければ新しいものも良い。理想的だな。そうありたい。それを同一ハードで遊べるというのがまた素晴らしい。
比類なく新旧それぞれ違ったゲーム性を楽しめる現代ホラーゲームの祖・バイオハザードのファン度を一段回高めて終わり。
コロナ禍の現在、「ウイルスと戦う」という設定は微妙にグッと来るしな。何かの参考になるかも? なるわけねーだろ。
はぁ。
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最新作「ヴィレッジ」は今年発売されましたが、内容がコロナ禍を連想するものだったら、不謹慎故に延期&内容変更になってたかもしれませんね。
なんせカプコンは過去「ディノクライシス3」でそれを経験しているので……。
バイオRE3とコロナを関連付けた海外報道を見掛けた事があったので、バイオ8がディノ3と同じ轍を踏まずに済んだのはホッとしています…。
確かにあります。ムカデのボスを倒すと取れますね。……その読みは深いですねw 今作が旧バイオ最終作なのは事実ですし。
>バイオRE3とコロナを関連付けた海外報道を見掛けた事があったので
そんなのがあったんですか。仮にピッタリであったとしても何の問題もないと俺は思いますが、世間の空気は違いますからね。
カプコンとしてはヴィレッジ発売前に肝が冷えたことでしょう。ディノ3の悪夢もマジで頭に過ぎったと思いますw