腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

Oniken(PS4版)

2023年06月14日 23時15分10秒 | PS4ゲーム感想文
【ハード】PS4
【メーカー】Eastasiasoft Limited
【発売日】2020年3月27日日
【定価】1980円(2本セットのOniken + Odallus Collectionで購入)
【購入価格】594円(DL専売)
【プレー時間】23時間


近年、DL版のゲームが完全に定着した。俺も既に購入タイトルの大半がDL版である。……まぁ大半がセール安価ゲーであるが。
で。DL版つってもゲーム内容は現物版と変わらないが、「形」が無いものだけに、感覚的には色々と違うところがある。
そのうちの一つが「パッケージ絵」だと思っている。まぁDL版にもあるにはあるのだが、存在感には格段の差がある。
現物ソフトは、店頭で実際に手に取ってパッケ絵やパッケ裏をじっくり見られる。これの影響力は意外と大きいと俺は思う。
音楽方面でも「ジャケ買い」て言葉がかつてはあった。……ゲームと同様、今は廃れたな。電子化には便利と空虚が併存する。
DLゲームでもパッケ絵(なんて呼ぶべき?)で第一印象は決まるが、その後ほぼググりで情報を補完するので、重視はされない。
そこで「Oniken」である。今作は、まぁ例によって安いから買ったのもあるが、それ以上にパッケ絵で「お!」と思わされたのだ。
具体的に言うと「北斗の拳!?」」と思った。描かれる主人公ザク(弱そう!)の姿が、ケンシロウそっくりに見えたのよね。
画像貼ってみよう。……どう? 「北斗の拳やん!」て思わない? そのせいで興味が湧いてこない?


まぁ実際にはザクは剣士であって拳士ではないのだが、ちょっとオマージュは入ってるのかな? 海外ゲーだからその辺は知らん。
DLゲームセール紹介サイトで、サムネイルが小さかったことも見間違いを増幅させた。んで、ネタ的に「買ったれ!」と決断。
しばらく放置し、「なんか安価ゲー(≠100円ゲー)をやるか」と開始した次第である。……うーん。毎度毎度、どうでもいい。

さて、Oniken。……海外ゲーって公式でも場合によって大文字小文字が違うのが気に食わんのよな。今作も「ONIKEN」の時あるし。
まいい。取り敢えずジャンルは「8bitリスペクツ2Dドット絵アクション」である。ああそういう感じ? そうそういう感じ。
より具体的に言えば、主人公の攻撃が剣振りなので、「忍者龍剣伝」が近いと思う。ステージ間のドラマ風デモもそれっぽい。
ただ龍剣伝のような多彩なサブ攻撃はなく、あるのは手榴弾投げ(回数制限あり)、パワーアップは剣のリーチアップだけ。
かなりシンプルなゲームだが、その分ステージのバリエーションで飽きさせない工夫をしている。全6ステージ、まぁ十分。
ちなみにonikenとは敵の要塞みたいなものらしい。……何度もデモを見たんだが、何故か頭に入らん。入れる気がないからかな?
事前準備に困るゲームではないから、ちゃっちゃと始めよう。あとは苦戦しつつ慣れていき、最後にEDを眺め自己満足に浸るのだ。

……ぬぅ。ステージ1から始めて、まず思ったのは「速い!」だ。敵の動きや放出されるレーザーのスピードが、とにかく速い。
今作で最初に遭遇する敵は「壁に設置されたレーザ吐き顔面」なのだが、そのレーザーが超速くていきなりビックリ。
その後もごく序盤の雑魚からの攻撃がいちいち速い。当然ながらそんな速い攻撃は「避けられるわけがない」から、喰らいまくる。
おえおえこのゲーム……と慄いたが、確かにこれは「8bitリスペクツ」な感じがある。ファミコンゲームだと思えば、問題ない?
また被弾の回数は多いが、ダメージに関しては何気にかなり甘く、なかなか死なない。ここはファミコン感覚からかけ離れていた。なので被弾しまくりながらしばらくゲームを進めると……見えてきた。今作はとにかく速い。だが、動き自体は常に画一的なのだ。
最初の敵である顔面も、よく見れば常に一定のリズムでレーザーを吐いている。なら? 吐き終えたタイミングで斬ればいい。
他の敵も概ね同じだった。「敵の動きを見て対処」するのはまぁ正しいが、今作の場合それでは限界がある。「知って」なければ。
そう、今作は覚えゲーである。初見で避けられるわけのない攻撃を食らいまくりながら、じりじりと攻略パターンを構築していく。
幸いにもHPには余裕があるから、「死ぬばかりでパターン構築なんて無理!」とはならない。今日のダメージを明日のパターンへ。
すると「正しい攻略法」が徐々に組み上がっていき、それが気持ち良い。うむ、面白い。oniken、良質アクションゲームである。

アクションは無限に可能な斬撃でガンガン敵を真っ二つにしていく。敵と同様ザクの動きもかなり速く、キビキビ動かせる。
被ダメの無敵時間もあるので、場面によってはダメージ覚悟のゴリ押しも可能。ただし吹っ飛びもあるから狭い場所では落下注意。
対処し難いタイプや固い敵には手榴弾の出番。使いこなすと快適に進められる。有限だが多めに手に入るからガンガン使える。
今作はキャラを動かしてるだけで気持ちいいわけではないが、パターンを覚えて適切に動かしているととても気持ちよく遊べる。
とにかく覚えてからだな。無論初回の手探りプレーも楽しめるが、知らぬが故の不快感も一緒に味わうことになるのは仕方ないか。
ボス戦は相手が人だったり巨大ロボだったり巨大生物だったりと多彩で面白い。これもパターンさえ覚えれば快適に倒せる。
尚、忍者龍剣伝リスペクツ度が高いから警戒していた「画面切り替えの雑魚瞬時復活(分かる人には分かる?)」はなかった。
俺は忍者龍剣伝1が大好きだが、アレは今もトラウマなくらい大嫌いな要素だった。今作は理不尽ではない。良かった。はぁ。

その後の攻略は割と順調に進んだ。やはり今作のダメージ周りは甘い。正直この点はヌルすぎでは? と今でも思う。
また、今作はステージ各所にアイテム箱が置かれていて、パワーアップ、特殊弾薬、回復アイテムのいずれかが入っている。
大半は特殊弾薬で、パワーアップは恐らく設置箇所が固定されている。そして回復アイテムの出現は「固定&ランダム」だ。多分。
どういうことかと言うと、「基本的に固定出現だが、主人公が死にかけ状態だと確定で出現する(特殊弾薬が化ける)」。
つまりピンチの際にアイテム箱を開けると確実に回復が入っているのだ。……甘い、甘すぎる。無論、非常に助かるのだが。
もちろん落下の一撃死はあるし、あまりに攻撃を食らいまくったら死ぬ。しかし普通に頑張っていればなかなか死なないバランス。
最初はゲームの速さにビビるかもしれんが、実のところそんなに難しいゲームではない。心にファミ魂を灯しているなら、尚更だ。

ステージは全6つで、スムーズにやれれば30分もかからずクリアー出来る。コンティニューは有限だが、さほど困らない。
基本は横スクアクションだが、所々でバギーカーに乗りながらのシューティングが挟まったりと、飽きさせない工夫がしてある。
探索要素は殆どないが、1UPアイテムは隠されていて、これだけは探す必要がある。まぁすぐ気付くレベルの隠し方だが。
ちなみに、今作は初出が結構古いようだ。そのためか、現行品は内容がバージョンアップしているらしい。それも、大幅に。
あんま詳しく調べてはいないが、旧バージョンと思われるタイプは、グラフィックやステージ構成が全然違っていた。えええ?
あれが元祖だとしたら、今作はリメイクと名乗っていいというか名乗るべきだと思うんだが……よう分からん話である。
なのでこの現行バージョンは、尖ってた元祖を丸めたものなのかもしれない。難度面では恐らくその通りだろう。うーむ。

物語は……なんかテロリストが凄い軍団を率いて襲ってきたから、ビビった司令官が伝説の傭兵・ザクを呼んできたとかそんなん。
気にする必要のないタイプである。非常に失礼な言い方ではあるが、じゃあこの物語は頭捻って考えたんですか? と問いたい。
全体の流れはともかく、面と面の間のビジュアルシーンは凝っている。寡黙なザクをカッコよく見せようとする努力は伺えた。
続編の伏線的なものもあったが、未だに出てないんだからそういうことだろう。尚セット売りのもう一本は全くの別世界。
ちなみに「ONIKEN」は、敵側の巨大兵器の名称……だと思う。ラスボスでもあったのかな? 何周もしたのによう分からん。
というのも今作、ローカライズはされているのだが、例によって日本語のレベルが……わざとかと思えるほど分かり難かった。
更にメッセージが自動でガンガン流れるからゆっくり読めないし、改行箇所が酷いし、たまに2回同じ文章が流れたりするし。
「安価ゲーのローカライズらしい」出来だった。そこは別に力を入れる必要なくない? 日本語なだけ感謝してね? ってか。
真面目に語られていない物語を真面目に追う気になるわけもない。勿体ないのう。外人と分かり合える日はAIさんの発展次第、か。

グラフィックは「8bitリスペクト」らしいそれになっている。つってもかの時代まんまじゃなく、現行ぽい感じも微妙にする。
本当にあの頃まんまだとさすがにアレだからね。これでいいと思う。まぁ俺には特に響かないが。普通のドット絵ゲームだった。
音楽も同様に、「8bitライクだけど微妙に現代ぽい」感じだった。各ステージやボス戦でいちいちノリが良く、気に入った。
となればサントラだ! スポッチにきっとあるはず!! ……なかった。けどデータ販売してるのを発見!! ……ドル建てで。
「シャンティ ~海賊の呪い~」の時と同じ販売サイトだった。円安の時代にドル買いは痛いが、買ったよ。……3ドルで。安っ!
ここは購入価格を自分で決められる(1ドル以上)んで、ゲームの規模的にまぁこれくらいかなと思った。セコかったかな?
でもシャンティではつるセコ全開で1ドルしか払わず後悔(購入後聴きまくり)したから、3ドルは自分の成長を感じたよ。アホか。
ただ今回は曲数が少ないのに全曲は収録されておらず、シャンティほど満足は出来なかった。曲自体はもちろんいいんだけどね。
一番好きなのはラスボス戦曲かな。チープな音源でシンプルな曲ながら、燃える。これよこれ。ゲーム音楽は古い方がいい……?


さて。開始前はビビっていた難度がそうでもなく、寧ろ楽だったので、俺はすっかり油断していた。……で、しっぺ返しを食らう。
そう、ここから始まるはトロフィー道。普通にクリアするだけ? そんなので気を抜いてどうするの? 君それでもトロ厨???
いや全くその通りである。家に帰るまでが遠足なら、トロコンするまでがゲームクリアー。それは言い過ぎ。だが正しい。んー。
ともあれ、今作でも俺は当然トロコンを狙った。……いやー、大変だった。ノーマルと比較し、難度が一気に跳ね上がっていた。
現代風に甘くしてあるのはあくまで表面上であり、真の姿はキッチリ80年代仕様ってことか。つっても理不尽要素はなかったが。
厄介ネタが幾つもあるから、一つずつ潰していくしかない。30分で全クリ可能なボリュームなのに、何時間かかったことか……。

・各ステージをノーミスクリアー
文字通り、全6ステージのノーミス突破を求められる。個別にやればいいのでそこは楽。ゲームに慣れれば十分可能なレベル。
何度も書くがHPには余裕があるので、注意すべきは徹底的に「穴」である。どんな兵器より魔王より、穴が怖いファミコン世代。

・各ステージを規定タイム内でクリアー。
ここからが大変。設定された規定タイムはかなりシビアで、各ステージの迅速な突破をキッチリ身に付けておく必要がある。
しかしもちろんそれを実行するのは簡単ではない。リズムが大事な今作では、一度崩れると一気にグチャグチャになりがちだ。
余裕のあるHPに飽かせて雑にプレーしてきた弊害がここで一気に来た。ゲームに手を抜くな。何万回失敗すれば学ぶんだボケ。
とにかく繰り返しプレーし、効率の良い流れを身につけるしかなかった。しかし序盤はともかく、後半の面はしんどいしんどい。
5分以上も最速プレーを続けるってのは実にハードである。いやぁ、甘くない。8bit時代にはトロなんてなかったのに……。

・ハードコアモード
更に困難は続く。ノーマルクリア後に開放されるハードモード、これは名に違わず実にハードなモードであった。
敵の動きや数は変わらないものの、攻撃力が跳ね上がり、HP全く余裕がなくなる。数発も食らえばあっという間に死ぬ。
更にこのモードでは初期残機がゼロになり、死ねば終了。まぁ1UPアイテムは幾つかあるので、途中から少し増えはするが。
そしてこのモードは、コンティニューが不可。ゲームオーバーは即タイトル画面行き。厳しい。あまりにも厳しい。
超威力な敵の攻撃を必死になって避けて進み、何とか終盤に辿り着いても、残機を使い潰せば一瞬で全部がパー。
マージ大変だった。今までは要所要所のゴリ押しがある意味攻略だったのだが、ハードでそれやったら即座に殺される。
ならば、従来から一歩も二歩も進んだ攻略を構築するしかない。被ダメを抑えた、死なない攻略を。当たらなければ何とやら。
無論実際には当たりまくってどうということになる。何度もタイトル画面に戻され、「トロ厨の虚無」に苛まれることになる。
嗚呼、こんなことに励んで何の意味があるのか。たった一つのアイコンのために。ファミコンはもうすぐ40周年を迎えるのだった。

・ボスラッシュ
最後はこれ。恐らくハード仕様の強いボス達と連戦。一応戦闘の間に2回だけ回復アイテムを貰えるが、殆ど焼け石に水だ。
まぁーこれもキツい。体力が据え置きだから、とにかく被弾が許されない。ノーミス討伐レベルの攻略構築が必須になる。
それ自体はここまでで既に完成してはいるのだが……理論と実践が同じにならないのは世の常。ミスってしくって振り出しに戻る。
尚当然ながら残機などなく、死ねばゲームオーバー。中ボスもいるから、ラスボスまでに10体くらいだろうか。ああ、キツい。
いやホント、各ボス単体ならもうほぼ完璧と言える攻略が出来上がってるのよ。勝てるのよ俺は。やれば出来る子なのよ本当に。
でも、やれば出来ない子なのよ。気持ちは焦るし手は震えるしでしなくていいミスをする。つくづく人間「性根」は成長しない。
落ち着いてやればやれるのになぁ。はっは。……もちろん最終的にはやり遂げたが……よくある「達成感後の敗北感」を味わった。
ファミコン時代にはこんなこと全く思わなかったよな。8bitリスペクツゲームも、「あの頃」の再現は出来ない。はぁ。

ふぅ。後はNPCのお姉ちゃんキャラを操作する特別ステージもあるが、これは普通に突破できた。何とかトロコン達成ナリ。
そんな絶望するほど難しかったわけではないが、なんかいい感じに思い切り苦戦したなぁ。……自分でも意味不明な表現だ。
しかしその分、楽しめたよ。繰り返し繰り返しプレーしたことにより、この規模の小さいゲームをほぼ全部掌握できた気もする。
なかなか気持ちいい。現代ゲームをクリアしてもトロコンしても、全てを知ったとはそうそう言えんからな。この規模ならではだ。
「サムネイルがケンシロウに見えた安価ゲー枠」というネタ購入だったが、十分以上に楽しめたと言える。満足である。
続編の「Odallus」もそのうちやろう。続編つっても世界設定は全然違うようだが。……正直セット売りにするは変な気がするが。

現代の肥大化しまくった大作ゲームの対の存在として、小規模ゲームは絶対に必要だ。表現の新旧は実のところあまり関係ない。
そしてラタライカゲームス作のような極小タイトルも、あれも嫌いじゃないが、さすがにボリューム的に小さすぎるとアレだ。
今作のように詰まりつつも数時間でクリア可能、けどトロコン目指せばもっとガッツリ行けるというボリュームは理想的である。
軽くも深くも遊べたというかな。トロに拘る意義があったとも思うし。……あるよね? まぁ自分でそう思うならあるんちゃう。
ありがとうoniken。……ずっと訊きたかったんだけど、漢字にしたら鬼拳? 鬼剣? 実は日本語無関係? 最後の謎だな。
10年後くらいにサクッと再プレーして華麗に30分クリアしてみたいね。生きてたらね。8bitゲームは永遠でも俺は違うからな。
もうほんま、触れるゲームは全て「意識しないとこれっきり」になるんだよなぁ。せめてしっかり記憶しとかんと。な。
はぁ。






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