腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

Dagger hood (ダガーフッド Switch版)

2022年06月05日 22時45分06秒 | SWITCHゲーム感想文
【ハード】Switch
【メーカー】eastasiasoft
【発売日】2019年2月21日
【定価】580円(DL専売)
【購入価格】100円
【プレー時間】16時間

マイSwitch活性化計画、順調に進行中である。今回ももちろんセール100円ゲー、モノは「ダガーフッド」ナリ! ……なにそれ?
もちろん俺も知らない。知らなかった。購入理由は「100円と安いから」のみだった。のだが、実は今回はもう少し強かった。
今作の販売ページにあるムービーを見て、「おお!」と思ったのである。今作に搭載された「あるシステム」が目を引いたのだ。
ジャンル自体は安価ゲー定番のドット絵2Dアクションだが、このシステム一つで随分と面白そうに見えた。興味を抱いた。
もちろん迷うことなく購入した。キッカケは値段ながら、ゲーム内容に興味を持って購入出来たのは実にいいことだと言える。
「VESTA]「エージェントA」とパズル系ゲームが続いたので、次は純粋なアクションに燃えたいと思った。この動機にもピタリだ。
100円ゲーを「これ!」と指名して開始したのは初めてな気がする。ダガーフッド、俺100円ゲー歴に名を刻んだな。はぁ。

さて。基本は40年前からある面クリア型2Dアクションである。主人公は左右移動と二段ジャンプ、そしてダガー投げが可能。
ジャンプの挙動はかなり癖があり、二段を含めて感覚を掴むのは少し時間がかかると思う。そこまでシビアな話でもないが。
また「壁捕まり(ずり落ちる)」「壁キック」も可能で、これらを駆使した壁アクションの感覚もジャンプと並んで重要。
攻撃は真っ直ぐ飛ぶダガー投げのみで、回数制限はない。武器やシチュエーションで何となく「チャレンジャー」を思い出すな。
今作にパワーアップの要素は一切なく、主人公のアクションは最初から最後までずっと同じ。極めてシンプルなゲームである。
……で。このシンプルなゲームに一つだけ、特徴的なシステムがある。それぞ購入時に俺の目を引いた「ダガーワープ」である。

主人公はボタンを押すとダガーを投げる。その後もう1回ボタンを押す。すると? 「ダガーの位置に主人公がワープする」のだ!
…………理屈は問わないでくれ。俺は知らんし、ゲーム中でも何の説明もない。そういう魔法だ。こまけぇこたぁいいんだよ。
とにかくこのダガーワープ。使用回数やシチュエーションに制限はなく、幾らでも実行できる。となると、ゲームがどうなるか。
例えば遠くてとても届かない足場にダガーを投げ、足場に届いたらもう1回ボタンを押してワープ。晴れて足場に到着、となる。
例えば谷に落下していて、このままだと底の針でティウン。しかし落下中にダガーを投げてワープ、見事谷から脱出成功。
などなど。少し考えただけで動きにかなり幅が出るのは分かるだろう。ゲームとしても面白く、十分な当たりシステムだと思う。
だが特異なシステムだけに、慣れるまでは非常に扱い難い。敵にダガー→うっかりもう1回押す→敵前にワープして死 とか日常。
ダガーの速度はそれほどでもないが、遅くもない。また射程は有限で、届く範囲を掴んでいないとこれまたミスワープに繋がる。
更に、ゲームは平地の上だけで展開するわけじゃない。先に進めばジャンプしながらダガーワープ等の複合作業が必須になる。
主人公の動きは良くも悪くもキビキビしていて、速い。自身とダガー両方の動きを目で追い計算するのはなかなか骨が折れる。
しかしながら、面白い。難しいがシステムに理不尽な部分はなく(仕組みは知らん)、計算通りに事が運んだ際の快感は格別だ。
ダガーフッド、面白いアクションゲームである。……また100円で当たりを引いてしまった。ええんか!? ええんよ。はぁ。

ゲームはステージ制で、目的は「出口に辿り着く」のみ。鍵は不要で、扉に触れればそれで面クリアー、次へ。
ステージは20ごとに区切られていて、5エリアx20の計100ステージが用意されている。価格と比較してもボリュームは十分ある。
エリアが進んでもやることは同じだが、進んでいくほど「仕掛け」が増えていき、難しくなっていく。そう極端な坂でもないが。
仕掛けについての説明は一切ないが、試行錯誤すれば仕組みが分かるものばかりなのでまぁ大丈夫。不親切だが意地悪じゃない。
エリア最終面ではボス戦がある。逆にそれ以外は本当に扉に入ることだけが目的で、極めてシンプルな一直線ゲームだ。
ステージはどこも入り組んではいても広くはなく、迷うことはない。先に進んでいけば必ずゴールがある安心設計。
が! 今作の主人公はHP1、つまりオワタ式ゲーである。HP増やバリアー等もなく、針や敵で常に一撃死、そして最初から。
ステージにはチェックポイントがなく、死ねば常に最初から。残機という旧世代の遺物もないので、やり直しは無限に可能だが。
今作は「こんなん初見でやれるか!」な罠がゴロゴロあり、操作難度も高い。とにかくもう「死ぬほど死ぬ」ゲームである。
ついでに言えばポーズから「ステージをやり直す」がない。じゃあロスがでてやり直したければ? はは、自殺すればいいのよ。
冗談で言ってるんじゃなく、今作はマジでそういう設計なのだ。「躓いたら死んでやり直せ、何度でも、やれるまで」である。

じゃあガンガンやっていくぜー!! ……と気合を入れても、ステージクリアーだけでは刺激不足であまり燃えられない。
今作は難しいが、扉到達だけを目指せばまぁ何とかなる。時間を含め制限が一切ないから、泥臭くやればいずれ突破は可能だ。
でもそれじゃあ面白くない。ゲームは高い壁があってこそ!! ……偉そうに。まぁ実際、楽しめた後だから言えることだわな。
で。今作のステージには3つサブ要素がある。「クリアタイム」「宝石集め」「妖精入手」である。……本当にサブかは微妙だが。
クリアタイムは言わずもがな。タイムによって星で評価され、星3つが最高。当然ながらチンタラやってたら間に合わない。
宝石は各ステージに必ず5つ配置されていて、これを集める。触れるだけで取れるが、当然ながら設置は厭らしい場所が中心だ。
妖精は各ステージに一体だけ配置されているんだが、宝石と違い「一定時間で消失する」。なので急いで取らねばならない。
これらサブ要素、もちろん1回のプレーで全部達成してもいいが、序盤以外でそれは実質不可能。とてもじゃないが間に合わん。
なので1回で一つを達成し、次に別の目的をやり、最後にもう1個満たして完了、次のステージへ。これが今作の流れになる。
扉到達だけでも先には進めるし、実のところサブ要素は達成してもご褒美は一切ない。何も解禁されないし、EDも変わらない。
この点は同様の仕様だった「VESTA」の時に憤慨したのだが……何故か今作では許せた。だって「埋める快感」が十分あったから。
3つのサブ要素を満たすと、ステージセレクト画面でそれがキラキラと表示される。やってなきゃ空白表示。……答えは一つだ。
「3つのサブ要素を全回収した上で先に進む」。方針は固まった。後は只管、只管に先に進むのみ。ゲー道に後戻りはないのだ!
……振り返りはしまくるけど。はぁ。


ぬぅ。鼻歌でやれたのは、エリア1の15面くらいまでだろうか。宝石は簡単に取れて妖精には余裕で間に合って……楽勝である。
しかし当然、そんな日常は続かない。だんだんと牙を剥き始めるゲームバランス。宝石は厄介な位置に、タイムはよりタイトに。
ステージをコンプしない限り先には進まないと決めた。逃げは許されない。じっくり頑張る。やがて達成できる。ぬふふふ。
……しかしすぐに次のステージが待っている。同じ課題が再び出される。俺は頑張る。そして次へ。次へ。次へ次へ次へ!!
こんな、ガチでファミコンでも再現可能であろうゲームに令和も4年になって必死で取り組む自分が愛おしい。嘘、結構惨め。
まぁ、面白いんだよ。最初はやれない、やがてやれそう、結局やれる。こんな楽しいことはない。ゲームの基本であり根源。
死にゲーという言葉も今や定着したが、今作は間違いなく死にゲーである。あまりに死にすぎて、たまにわざと死ぬくらいだ。
そして俺は「死から学ばない」タイプの間抜けで、同じ死を何度も繰り返す。我ながら情けないが、こういう性だと諦めている。
でも今作の場合、何故か死から成長出来るのだ。同じ死を繰り返すうちに、徐々に「そのステージのリズム」が見えてくる。
今作はどのステージも20~30秒もあればクリアー出来る。もちろん上手く行けばだが、必要な時間はごく短いのだ。
そのためか何度も死に戻り(?)しているうちに、そのステージの最適解が分かってくる。後はそれに沿って死を重ねればいい。
この感覚は気持ち良く、新鮮でもあった。重なる死が無駄にならず確実に攻略に繋がってる。俺は死んでいい、死んでいいんだ!
まぁ表現はさておき、事実だ。苦戦しつつも着実にサブ要素を埋め、俺はゲームを進めていった。素敵。

……けどやっぱ、しんどい。いやぁ今作、長いわ。今振り返れば大したプレー時間ではないが、やってる最中はホント長かった。
やってもやっても、先がまだまだある。エリア2の途中くらい(30/100面辺り)で「……まだこんなにあるの?」と途方に暮れた。
確かに進んではいるけど、どのステージでもそれなりに詰まり、頑張り、何とか突破してる状態だ。ゴールはあまりにも遠い。
正直、「これくらいでもういいんじゃね?」と思うこともあった。実際割と頑張ったし。ここまでパーフェクトだし。偉いし。
ちなみに後で知ったが、PS4版ではエリア1分、つまり20面程度でトロコン可能らしい。それもプラチナを。なんてこったい。
どうせ先に進んでいくほどマニアックになるんだし、そこまでやらんでもええやろ……なんて誘惑がチラチラと頭を掠める。
……アホか。難度に詰まって諦めるならともかく、一応順調に進んでるんだろうが。ここで止める馬鹿がどこにいる。やれ!!
おうよ。千里の道も一歩から。コツは、いちいちゴールを見ないことだ。足元の1ステージに集中し、一つ一つやっていく。
さすれば、気付いた時にはゴールしているものよ。まぁ実際はそんな綺麗にはいかんが、決意を新たに、コツコツやっていった。

今作をやり切って思ったのは「意外と無茶な難度ではないな」というものだ。いや、難しいよ? 一筋縄ではいかんゲームだ。
が、システムを知った時は「先に進めば超難度のダガーワープを何度も求められるに違いない」と戦々恐々だったが、違った。
速さを求められるクリアタイムと妖精入手も、あくまで普通に、「誰でもやれる」範囲の攻略でやれば達成できる。
もちろん相応の迅速さは必要だが、「こんなの出来るか!」てなスキルは必要ない。正統派プレーを貫くだけで達成できる。
正直、途中から「これは寧ろ甘くね?」と思ったほどだ。俺でも数秒余裕があったりしたからな。そう、今作は簡単なのだ。
だからそれは語弊があるって! つまり難しいは難しいけど、十分やれる範囲ってことだ。「やる気があるなら」。ここ大事。
制作者が「本気」を出してこなかったことには、正直ホッとしている。高めるなら幾らでも難度を上げられたはずだからね。
「やれる範囲でめっちゃ難しい」ってのは理想的な調整かもしれない。適度なストレスとクリアの快感で、ゲームは常に面白い。

エリアの最後にはボス戦がある。5エリアだから計5回。ただし全部「倒す」ことはなく、逃げて扉に入ればOKな奴もいる。
つーか5回中3回、ラスボスまでもが逃げボス戦だったりする。この仕様はどうかと思った。ラスボスはさすがに倒させてよ。
けども逃げだろうと討伐だろうと、ボスは強い。ほんま強い。初見では「こんなの勝てるわけねーよ」と思うこと請け合いだ。
んで死を重ねて何とか攻略を見出し、倒せても、ボス戦でも他と同様に3つのサブ要素はある。それもこなさねばならない。
宝石と妖精は、当然ながら「取った上でクリア」しないと記録に残らない。取得はしてもボスに殺されれば全部パーになる。
そしてクリアタイムは、単純に素早くボスを倒す(逃げる)ことを求められる。いずれもかなりの効率プレーを求められる。
「やっとのことで倒した」では、突破は可能でもサブ要素を埋められない。求められるは「確実に倒せる」レベルの攻略法。
最初は比喩でなく瞬殺される。そこからまず死なない立ち回りを考え、身に付ける。その次に攻撃。ちゃんと当てられる方法を。
回避と攻撃を確立できたなら、最後に速さ。チャッチャッと無駄なく美しく! ……そしてこれが、やれてしまうんだなぁ。
今作に関しては、自分でも不思議なくらい、死を重ねることで徐々に攻略を確立できた。死が無駄にならない。素晴らしい。
ラスボスまでキッチリと倒し、全面クリアー。もちろんサブ要素は全て網羅。マップ画面の達成度表示が美しいったらない。
文句なしの完全クリアーである。この難度のゲームを完璧にやれたことは我ながら偉い。肌に合ったんだな、多分。
いつもの泥臭いプレー形態に、華麗な攻略も加わった完全クリアー、大満足である。……ま、たまにはいいでしょ。へへへ。


物語。……も一応ある。一応ローカライズもされているが、日本語表示がOPとED、あとチュートリアルだけなので正直微妙。
主人公のフッドは大泥棒、とある王国でやりたい放題やってたら遂に捕まってしまい、懲役1億年的に地下の大迷宮に投下された。
復讐を誓う(いや自業自得やろ)フッド君は地上を目指して迷宮を進み始める、というまぁ非常にどうでもいいお話だった。
そしてEDは、何故か財宝の山を見付けて喜ぶフッド君で終わる。いや地上を目指してたんちゃうんかい。そっちどうなってん。
実際そんなのどうでもいいゲームなのだが、どうでもいいからって雑に扱われると不快ではある。……どっちやねんってな。
せめてダガーワープの理屈だけは用意しておいてほしかったな。システムとしては面白かったんだし。「魔法」でええからさ。

グラフィックは、「よくある現代レトロ風ドット絵」として良好。特に刺さるものはないが不満もなく、値段を考慮すれば十分。
ゲームが3D化した時にはドット絵技術の消失が強く懸念されたが、何だかんだでそんなことは起きず、今も健在である。
それ自体はいいことなのだが、今のドット絵つってもただドット絵なだけで「綺麗な」ではない。感銘も何もない。
「メタルスラッグ」のような狂気のドット絵技術はやはり失われたということか。……いや安価ゲーに何を望んでんだよ。
それを求めるならスクエニのHD-2Dにしろ。3Dでも2Dでも、優れた絵には金が要るんだよ。ドット絵=安価と考えるな。はぁ。
音楽は、1エリアで一曲が延々流れ続ける仕様になっている。死んでもステージをクリアーしても一切途切れずずっと垂れ流し。
だがそれ故にかなり頭に残った。曲自体も悪くなく、「BGM」としては十分。クリア後のサウンドテストモードが欲しかった。
一つ大きなバグ(多分)があり、ボス戦では専用の曲が流れるのだが、「一度死ぬと無音になってしまう」のだ。文字通り。
今作の強大なボスを初見で倒すなんてまず不可能なので、ボス戦はほぼ無音のなかシコシコと攻略を模索することになる。
正直、アホかと。こんなのテストプレー1回で分かるバグだろうに、何で放置したんだ。ボス戦攻略自体は楽しいのに台無しだ。
他はほぼ「全く不満のない」ゲームだったが、ここだけは話にならん手抜きだった。曲自体は良いのに、何とも残念である。


ふぅ。さっきも書いたが今作はPS4版もあり、しかもトロコンが非常に楽らしい。それ知って少し後悔したが……どうでもいいね。
俺はトロのためにゲームやってんじゃない。いや「トロ目的のプレー」はしょっちゅうあるけど! ソフト自体をそれで選ばん。
根本はゲームを楽しむこと。当たり前だね。俺はダガーフッドを大いに楽しめた。問題なし。PS4版だと100円で買えんしね。
このSwitch100(均)ゲー道は毎回「これでいいのか?」と疑問に思うが、毎回楽しめてるんだから、是とするしかない。
今回も相当な当たりだったもんなぁ。今作は定価でも僅か580円なんだから、全く恐ろしい時代である。任天堂に感謝。多分。
疑問に思うとか言ってる間にも100円ゲーは日々ストアに置かれ、俺はフラフラと買っている。現状既に未プレーが10本以上。
最早誰にも止められないし止める気もない。今後も100円ゲーは俺のSwitchを賑やかしてくれるだろう。良かったね! そだね。
まぁ、物事が予定を大きくズレて動くなんてよくあることさ。別にゲーム以外の用途に使ってるわけじゃないんだし、ええやろ。
比類なき任天堂史上最高の大成功ハード・Switchをこれからも俺なりに使っていこうと決めて終わり。5周年!? マジか。
「ソフトとともにハードの歴史を歩む」経験を全然してないから、変な感じである。ある意味面白い経験ではあるな。
ゲームの選択肢が天井知らずで増えていく昨今、こんな使い方をするハードがあってもいい。そう信じて、また次のゲームへ。

……あーちなみに。今作プレー中は指が痛くて仕方なかったです。もちろんジョイコンのせい。ボタンが硬いったらない。
この件にジョイドリは無関係だが、ジョイコンはアクションゲーをガチでやるのに全く向いてないことがよく分かった。
プレー中、何度もプロコン(正確にはパチもんプロコン)を買おうかと考えたが……結果としては止めた。最後までジョイコン。
俺のSwitchは良くも悪くもジョイコンとともにあるのだから。最後までお前と心中してやんよ。いや愛着はね―ぞ勘違いすんな。
はぁ。









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