腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

VESTA

2022年03月11日 01時42分21秒 | SWITCHゲーム感想文
【ハード】Switch
【メーカー】eastasiasoft
【発売日】2018年4月26日
【定価】1080円(DL専売)
【購入価格】150円
【プレー時間】9時間


2022年の年始。任天堂は「2021年版、ユーのSwitchゲームプレー時間ベスト3を教えたるで」という企画を発表した。
任天堂はホアプリ「マイニンテンドー」を割と上手いこと使ってると思う。他2社よりも。意外である。まぁ褒めておこう。
で。俺もやったのよこれ。つっても情けない数字になるのは分かっていた。去年の俺、Switch全然動かさなかったからなぁ。
……そしたら、予想を遥かに上回るダメっぷりだった。総計で30時間弱。あり得へん。PS3の何分の1だよっていう。
これはアカン。俺のSwitch及び任天堂に対する今の感情はアレではあるが、だからってゲーム機を冷遇していいわけがない。
もちろん他にもハードはあるから、Switchばっかはやれない。けど「現世代ハード」はある程度優遇すべきだろ。礼儀として。
ほんま、大反省である。ごめんSwitch。……え? 態度で示せ? おうよ、上等。そうだ、ゲーム機への反省は、プレーで返す。
令和4年2022年、俺はSwitchをガンガン動かします。少なくとも去年よりは。いやそれじゃハードル低すぎやろ。もっと上げろ。
いや、変に具体的な目標を作るのもアレだ。自然に、やろう。ゲームは色々あるんだ。それを順次やっていけばいいのさ。
そうして決意も新たに俺のSwitch2022が始まった。じゃあ最初のゲームは? 「VESTA」となった。……150円購入。はぁ。

VESTA。ベスタ。ちなみに主人公の女の子の名前である。先日プレーした「イトル・デュー」とやってることが同じだな。
タイトル考案が面倒なら主人公名をそのまま使えば収まりがいいのかな。インディーズゲーらしいテキトーさを少々感じる。
購入理由は例によって「安かったから」だ。100円で買ったつもりでいたが、実は150円だった。世界一どうでもいい記憶違い。
購入前に販売ページの動画を見て「3Dのアクションパズルかな」と判断した。実によくある、そして俺の好みのゲームだ。
サクッと購入……したものの1年ちょっとお寝かし。上述のSwitch稼働指令発動により、プレーを開始した次第である。
ちなみに俺はここ数年Switchを携帯モードでのみ使っていたんだが、これが「気乗りしない」理由の一つだったと今では思う。
TVモードでやってみると、見栄えが全然違うのよね。グッと良くなる。大画面は小画面より良い。単純な事実である。
もちろん気楽な携帯モードもいいが、それ一択はダメだ。基本はTVモードでやる。今作もそれに倣いTVモードでプレーした。
どうでもいいことだが、正解だったと思いたい。Switchは据え置きハード、ファミコンの子孫なのだ。……と思いたい。はぁ。

さて、ベスタ。アクションパズルである。アクション要素がやや大きく、その分パズルの難度はさほどでもないと感じた。
プレーヤーが操るのはベスタだが、程なくして彼女に従うロボットが加わり、両者を切り替えて操作することになる。
切り替えはボタン一つで即座に可能だが、もう片方はその場にボッ立ちとなり、傍に敵がいた場合は一瞬で殺されてしまう。
ベスタは問答無用で一撃死、ロボには3発の耐久力があるが、連続攻撃であっという間に死ぬから同じようなものだ。
なので切り替え時の相方の配置には注意を払う必要がある。敵の動きは決まっているので、その範囲外にいさせるのが正解だ。
敵に触れたり穴に落ちたりすると終了だが、今時のゲームらしく、残機設定はなくてチェックポイントから速攻再開可能。
だから実のところ死ぬことをさほど恐れなくていい。……というのは序盤の話で、中盤からはそれじゃ困ることになるのだが。
ステージは9×4エリア。各エリアのラストはボス戦がある。次のステージにはロックがかかってるので、順繰りにやるしかない。
やはりインディーズであり、簡素である。面白さとは別の「おもてなし」感もやっぱ欲しいな、と。ゼータク言うな? うーむ。

今作のパズルの肝は「エネルギーの移動」である。ステージにある移動床や扉は、最初動かない。エネルギーがないから。
そこで、その傍にあるポッドにベスタがエネルギーを注ぐと、仕掛けが動き出す。そしてエネルギーは、取り出すことも可能。
つまりある扉を通過し、もうそこのEは要らないとなったら、抽出して別の仕掛けに使うことが出来るのだ。尚、何度でも可能。
そうしてEをあちこちで入れ替えし、効率よく仕掛けを動かさねばならない。用意されているEの数は恐らくギリギリに近い。
またステージクリア時にはEを3つ所持していることが求められる。手ぶらでゴールに辿り着いても、それだけじゃ門前払いだ。
とにかく、Eの効率的な運用が鍵。それが可能なのはベスタのみで、ロボの方は力仕事や敵への攻撃を請け負うことになる。
ロボは「ブロックを押す」「ベスタを放り投げる」「ミサイルで敵を攻撃」等が可能だ。ベスタは非力でその辺は一切不可能。
敵(こちらもロボット)はミサイルを当てると行動不能になるが、それだけでは数秒で復帰する。気絶(?)中に止めが必要。
これはベスタの担当で、敵ロボに止めを刺すとEを1個回収出来る。どこにもEが無い場合は敵から入手しなければならないのだ。
そうして一人と一機で役割分担しながらEをやり繰りし、ステージクリアーを目指す。そんなアクション・パズルゲームである。

アクションパズルで「面白くない」なんて、正直まずない。故に今作も面白い。普通に面白い。……それくらいしか言えない。
ゲームの進行はかなり淡々としていて、特に起伏がない。序盤は新アクションの追加もあるが、それが終われば非常に平坦。
難度は先に進めば上がっていくが、それも上限に達すれば後は平坦な感じだった。上限の高さも、まぁそんな極端ではない。
もちろん詰まることもあるが、目には涙で頭は沸騰な「パズルの恐怖」はなかった。解けるよ今作。心の底からホッとした。
となればガンガン進めるぜ! とやっていくわけだが……残念ながら、そう順調には行かなかった。今作には問題点がある。
それ故に、「面白さが保証されている」アクションパズルであり、実際面白いのだが、そうと断言するには微妙でもあった。
何か。操作性である。どんなゲームにも存在する基本中の基本であるこの要素に、今作は大きな欠点があった。はぁ。

まぁ単純に、操作性が悪い。今作は「3Dフィールド固定視点」でゲームが進む。カメラが写す範囲のみ動かせるが、傾きは固定だ。
それはいいのだが、その画面上で動かすキャラが、何とも鈍臭い。……これは言葉で説明するのが難しい。やれば一発だが。
とにかく「重い」。ロボはもちろんとして、ベスタの動きも重い。キーを入れてから動くのも他ゲーより遅い気がする。
それでいて3Dフィールドだから、動作にはアナログ要素が強い。ブロックを押す際等にはキッチリ軸を合わせないと反応しない。
足場や壁の判定も妙にシビアで、いちいち引っ掛かる。まるで90年代、3Dゲーム黎明期に作られたような操作感である。
ベスタより鈍重&デカいロボは輪を掛けて操作性が悪く、特にミサイルに関してはゲームクリアーまで終始イライラさせられた。
ロボは「その場に留まりながら三方向にミサイルを撃てる」のだが、その方向の定め方が……説明が難しいが、クソ過ぎる。
異様に合わせ難い上に、判定が小さいからキッチリ狙わないといけない。加えてミサイルは弾数制限があり、撃ち放題ではない。
弾は時間経過で回復はするが、割と遅い。だからしっかり当てたいのにその当て難さと言ったらもう。このポンコツがぁ!!
ステージが複雑化する中盤からは操作性にイライラさせられっぱなしだった。素人が作ったのか!? ……そうです。はぁ。

そしてこの操作性の悪さが、やり直しにも響く。今作はチェックポイント制で、復活自体は何度も可能。まぁ現代仕様である。
しかしそのチェックポイントが少なく、一度ミスって死ぬとかなり戻される。やり直しを思うとゲンナリするほどに。
基本はパズルだから、一度解いた場所までやり直すこと自体は簡単だ。……しかしそうはいかんのが、クソ操作性な今作だ。
重くて遅いキャラをチンタラ動かして元の状態にまで戻すのが非常に苦痛なのである。かと言って手抜きすると再度死ぬし。
「自分が悪い」ミスなら納得も行くが、今作の場合はそう感じない。クソ操作がミスの理由としか思えず、故に不快感が募る。
何より、この操作性が「ゲーム性に寄与していない」のだ。これが意図した、そこを楽しむための操作性だったらまだ分かる。
けど今作はアクションパズルだし、アクションもやること自体は単純だ。「やり難くすればゲームの深みが増す」ことはない。
無意味に悪い操作性が無意味にゲームの印象を悪くしている。せっかく「素で面白い」という勝ちジャンルのゲームなのに。

今作の欠点でもう一つ大きいのが、おまけ要素だ。こちらは欠点じゃなく「あり得ない仕様」と言える次元の酷さだが。
フィールドの各所に、クリアーに無関係なアイテムが幾つか隠してある。それらはメニュー画面で【4/5】と入手数が表示される。
まぁ昨今のゲームでよくある要素である。他に寄り道ネタはないので、キッチリと拘りたい。表示が半端だと気分が悪いからな。
そしてこの手のおまけにはご褒美の提供がお約束だ。入手度によって音楽やイラストが閲覧可能になる。今作でもきっとそうだ。
そう信じて、アイテム集めに励んだ。さほど入手困難ではないが、やっぱ基本的に隠されてるから、頑張って探したさ。
……けど、いつまでたっても「シークレットが開放されました!」的なのが来ない。入手度は上がり続けてるのに。アレレレ?
もしかして全入手で開放という厳しい条件か? さすがインディーズもの、頑固一徹だな。上等よ。集めきってやんよ。
中途では何の価値も発生しないアイテムをせっせと集め続けた。面クリはしてもアイテムが足りないなら即やり直して探した。
その度に今作の操作性の悪さにより不快感が募るのだが、半端なアイテム数で先に進むのはもっと気持ち悪い。頑張れ俺。
ああ、頑張ったさ。全部を集めきってラスボスを倒した。これ以上ない完全クリアーだ。さぁ、豪華なご褒美を俺に寄越せ!!
……そこには、何も変化のないタイトル画面があった。入手度はもちろんMAX、俺に瑕疵はない。あったのは絶望と失望だ。はぁ。

いや、何なんこれ? じゃあ何のために隠しアイテム用意したの? こんなの俺の長いゲーム歴でも見たことないわ。
もちろん、ゲーム中に「これを集めても意味はないよ」てな忠告があったわけでもない。まぁ褒美の約束もないっちゃないけど。
順当に考えれば、何かしら用意するつもりで仕込んだけど何らかの事情で出来ず、隠しアイテムだけが残されたのだろう。
いやいや、それならそれで一言書けや。そんくれー出来るだろうが。プレーヤーの時間と労力を何だと思ってる。舐めんな。
なんちゅーか、一気に今作の底が知れた。劣悪な操作性もこの舐めた隠し要素何もなしも、要は手抜きなのだろう。
なんでだよ。インディーズゲームだろ? 大メーカーの大作にはない細やかさと熱さが込められたゲーム、のはずだろ!?
ほんま信じられんわ。途中の褒美が一切ない時点で察することは出来たけど、コンプしても何もなしはさすがに顎が落ちた。
集めるメリットは唯一、ステージメニュー画面での表示が【5/5】になることの満足感のみ。ある意味ゲーオタ向けか。アホか。
まぁ勉強にはなったわ。「集めよう!」と用意されたアイテムを集めても何もない、そんなゲームもこの世にある。色々である。


物語は、かなり凝っている。今作で一番力が入ってるのはここかもしれない。……が。申し訳ないが、俺には全然伝わらない。
まずもって、翻訳が怪しい。いや実際翻訳家の手腕がどの程度なのかは分からんが、日本語化して尚、俺には全然伝わらない。
なーんか、会話が入ってこんのよな。耳には入っても頭には入らない。海外ゲーでよくある感覚が、今作でもバッチリあった。
この感覚に陥ると「あ、いつもの伝わらないお話だ」と思ってしまい、理解しようとする気すら失せる。以後、悪循環である。
物語の運びには最近流行り(?)の漫画調進行が使われており、なかなか凝っている。ここだけはインディーズと思えないほど。
舞台は人がおらず機械ばかりのある星。そこで目覚める少女ベスタがナビロボットの案内から事態の真相に近づくというもの。
んでこの主人公ベスタ、6歳である。まぁ要するに天才少女である。それは別にいいのだが……「こんな6歳がおるか!!」と。
いや、物語中の喋り方がさ。もう全く6歳じゃないのよ。知識も思考も。これじゃ天才というよりなのじゃ婆である。違う。
あとゲーム中にはアクションによりベスタの掛け声が聞けるのだが、それも全然6歳、どころか女に聞こえん。寧ろオッサン臭い。
見た目も野暮ったい眼鏡で可愛らしさはない。ハッキリ言って見た目も喋りも声も、何一つ好感度を高められる要素がない。
なんでこれでわざわざ幼女設定にするんだか。海外の感性はホント分からん。プレーする度に言葉の壁が高く厚くなっていく。

また漫画進行の時はメッセージの送りが自動で、バックログ機能なんてのもなく、それが更に「置いてけぼり感」を助長する。
なんで俺のペースで読ませてくれんの? ムービーじゃなく漫画なのに。自動でページがめくられる漫画てどんな欠陥商品だよ。
話自体は面白そうで、追って行きたくはなるのだが、もうなんちゅーか絵と文字と演出が全力でそれを阻んでくる感じ。
日本語化はされてるのにここまで忌避感が出るのは驚いた。創作物に「お前は受け手として見ていない」と言われるのはキツイ。
これは俺のせいでもあるのかなぁ。最近は「物語耐久力」が落ちているとは確かに思う。話がつまらんと感じると、すぐ投げる。
「理解力が落ちている」ではない。……と思いたい。けどつまらない、いや「伝えようとしてない」と感じると、ブワッと来る。
さっきも書いたが「お前は客じゃない」と言われてる気がすると、頑張って理解しようという気持ちも失せる。当然だろう。
それでも話が面白いなら縋ることもあるが、ンな魅力の際立った物語なんてそうそうあるもんじゃない。今作ももちろん違う。
まぁ好きな人なら好きになりそうとは思ったが。ベスタと案内役ロボの騙し合いのような流れは興味を引くとこもある。多分。
しっかしあれだね、創作で描かれる人類の未来は、いつも暗いね。そら明るかったら物語作れんしね。世に混乱あれ。はぁ。

グラフィックは、値段にしてはよく描けていると思う(極めて偉そう)が……しかし、単調である!! ずっと同じ絵面ばかり。
ステージが進めど延々同じような場面が続くし、やってることもEを利用した謎解きで同じ。これはさすがに飽きが来るナリよ。
まぁインディーズ系に絵の多さを望むのはあかんかもしれんが、もう2パターンくらいは増やしてほしかったと思う。
イベント漫画に関しては、アメコミ調で高品質。……テキトー言ってる。ごめんあっち方面は分からん。日本漫画育ちなんで。
ただ返す返すも、ベスタの顔に全く可愛げがない。別に美少女にしろとは言わんが、客に好感くらいは抱かせるべきでは?
ここでも「お前は客じゃない」てことなのかな。ベスタが異様に老成してる理由も結局語られなかった。何者なんや、君は。
音楽は特に耳に残らず。ベスタの小ダッシュ時の「ホッ!」「ハッ!」てボイスばっか響くゲームだし。元気な6歳児である。

ふぅ。アクションパズルとしては楽しめたし、自力で完全クリアー出来て満足である。……けど、総合的にはムズムズする。
「バトルプリンセス マデリーン」に続き、俺のインディーズゲー幻想を打ち砕いてくれる作品だった。考えが、甘かったな。
もちろんインディーズゲーといっても数は多い。物凄く多い。ならば玉石混交で当然だ。面白さだけでなく、その志も。
全てのインディーズゲーが熱い創作欲とゲーム愛で作られてるわけじゃない。それがあっても技術が稚拙な作品とかもあろう。
結局は人が作るものなんだから、その人次第だ。商業ゲームと何も変わらない。良くも悪くも色眼鏡で見ちゃいかんね。はい。
それでも俺は今後もインディーズゲームをやる。だって安いし。100円とかだし。俺にとってこんな大きな動機はないよ。
既にSwitchだけでも数本確保している。面白さは十分期待できる。今作だってつまらなかったわけじゃないんだから。
俺としては安価ゲー梯子をしているつもりだが、図らずもインディーズゲームの勉強にもなってる。なかなか意義深い。
こういったゲームとの付き合いは今後も増えることはあっても減るこたない。ガンガンやって、もっと身近になってもらおう。
比類なきインディーズゲームを、いつかそんなこと意識せず普通にプレーする時が来ることを願って終わり。
100円でも8000円でも同じテレビゲーム、そこに差はない。多分に建前ではあるが、俺の本音でもある。頑張ってな。

……んで俺が掘り当てた一本が後に大化けして「先見の明ありすぎ!」という称賛を浴びる未来があったりして。ダメ?
妄想にしても無理があるか。100円セールを追うだけのくせに厚かましい。そういう夢を見るのは作り手だけだよ。
そーだよなー。ゲームで遊んでるだけではなー。ほんま、作れる人は偉いわ。改めて、尊敬します。はぁ。






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