腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

Abyss:エデンの怒り

2022年12月10日 01時40分14秒 | SWITCHゲーム感想文
【ハード】Switch
【メーカー】Artifex Mundi
【発売日】2021年1月21日
【定価】990円(税込)
【購入価格】108円(DL専売)
【プレー時間】6時間


SWITCH100円ゲー道、第……何弾だっけ? 忘れた。まいいや。たまに150円も混ざるから嘘だし。安価ゲー道で。それで。
SWITCHのDLゲームは毎日のようにセールをやっていて、それは何も100円ゲーだけではない。フルプライスタイトルも同じだ。
けど俺はそっちには一切興味が湧かない。4000円とか高い、と思ってしまう。目玉の任天堂タイトルも滅多に来ない上、高いし。
このハードに関しては「100円ゲームをやるもの」という意識が完全にこびりついてしまった。恐ろしい話である。ええんか。
これにはいつもニコニコ笑顔だった岩田さんも天国で苦い顔をしていることだろう。なわけない。変な妄想はいい加減止めろ。
まぁ実際んとこ、歴代最高に儲けてる今の任天堂には俺のこんな乞食行動など痛くも痒くもない。いいよいいよと許されるだろう。
任天堂が儲けてるから、変に貢献を考えず乞食に勤しめる部分もある。……あと、その異様な好調ぶりに対するアンチ心も少し。
まいい。どうしてこうなったとは思うが、現にこうなったんだから。こういう形でゲームをすればいい。ゲームさえすればいい。
しかして今回は「Abyss:エデンの怒り」である。元が1000円の9割引であった。ある意味、一番平均的な100円ゲーである。はぁ。

むぅ。まず今作、謎解きADVだ。カーソルを動かしあれこれ調べ、部屋を移動し、アイテム入手。時に提示されるパズルを解く。
非常にテンプレートな、新鮮味はまるでない作りだ。そしてこれは「非常に100円(1000円だよ!)ゲーらしい」とも言える。
俺ももう結構100円ゲーをやってきて、この価格帯の大体のボリュームやシステムの限界が見えてきた。ごめん大分フカしてる。
元が1000円なら、どう頑張っても凝ったシステムは作れない。テンプレADVか、2Dドット絵アクションか、その辺に落ち着く。
ボリューム面もそうで、やはり値段なりの小ささがある。面白さは別として、価格から来るゲームの幅が今は何となく見えるのだ。
今作はプレー前から「これくらいのゲームかな」と思っていて、それが見事に的中していた。この上なく100円ゲーであった。
ほどほどの物語、そこそこのボリューム、割と綺麗なグラフィック、ちょっと困らされる謎……全てがシナリオ通りって感じ。
つまらないわけではないが、非常に淡々と、数時間でクリアーに至った。正直、100円ゲー道においては一番感触が悪かった。
いや悪いじゃなく軽かったと言うべきか。けど考えてみれば、これが本来の100円ゲー、定価を考慮しても1000円ゲーだとも思う。
今まではたまたま値段の枠を超えた(と俺は感じた)100円ゲーに触れてこられたが、全部が全部そうじゃない。あるわけがない。
なので薄かったプレー感触にも、別に怒りも嘆きもない。まぁ少々寂しい気はするが。うーん、ゲーム。価格。作品。商品……。

今作は謎解きADV。このジャンルで怖いのが「詰まり」だ。フラグを立てなきゃアメリカ大統領でも通せんぼされる頑固ジャンル。
選択肢やアイテム収集を一個でも見逃していると、絶対に先には進めない。絶対にだ。絶対に許さない。もう許してやれよ。
しかし! 今作にその心配はない! 何とビックリ、ヒント機能が標準搭載~~!!! いやマジ結構驚いた。標準搭載だからな。
まず、パズル。ゲームのあちこちでゲーム的なパズルに挑戦させられるが、下部に「パスする」のコマンドがあったりする。
使っても何のペナルティもない。……いや俺は一度も使わんかったから分からんが、ゲーム的に罰を科す余地がないから多分ない。次に、オブジェクト選択。今作には「画面上にゴチャゴチャあるオブジェクトの中から提示されたものを拾え」てネタが多くある。
パズルではないが謎解きの一種だな。非常に多くの物が表示されているので、目的物を拾うのは難しくはないが面倒臭くはある。
そこにヒント機能。使えば「これだよ」とアイテムが光ってくれる。ヒントどころか答えやん! まぁオブラートに包んでるんよ。
そして一番役に立つ、「次に行く部屋(画面)を教えてくれる」機能。謎解きADVでは、次どこへ行くかで迷うことが非常に多い。
ゲームは基本一本道だから、正解の部屋も一つ。序盤はともかく行ける部屋が増えると正解を探し出すのが死ぬほど面倒になる。
それがヒントで一目瞭然。これまたヒントじゃなく解答やん! まるでレベルファイブゲームのようなストレス無し仕様。
ちなみに一応ヒントを使うとゲージを消費するが、時間で回復するから問題ない。その時間もかなり短く、ぶっちゃけ使い放題。
纏めると、今作で詰まることはない。謎解きADV新時代の幕開けだ。脂汗流して頭を捻る時代は終わったのである。……ええんか。

そんなわけで、今作は非常に甘い。そして俺自身、パズルは自分で解いたが、アイテム拾いと行き先表示は普通に使った。
どちらもゲーム性に関係ない(なのでアイテム拾いは「こんなことやらせる意味があるか?」とずっと疑問だった)からな。
ゲーム性になってない足枷に存在意義などない。昔のゲームならともなく、忙しい現代に作られるならね。賢明だと思う。
なのでゲーム進行は非常にスムーズ。パズルも、ヒントを使わなかったのは「使うまでもなかった」こともある。正直簡単。
ハッキリ言って手応えがなく、スムーズ&淡々と眼前のミッションをこなしていった。……うーん。これは「面白い」か……?
つまらないとは言えないだろう。また金返せとも言えない。値段以上の商品だった。……しかし、肯定はあまり出来んなぁ。
今まで100円ゲー100円ゲエエエとはしゃいでいたら、いきなりふと現実に立ち戻ったような感じだ。そう、これが本来の100円だ。
……と決めつけるのも違うだろう。恐らく今後も100円の当たりゲーはある。たくさんある。そう単純な話ではない。
ただ100円は100円、1000円は1000円。なんつーか、あまり調子こいちゃいかんな。現実を認識させられた一本だった。うーむ。


物語。ゲーム性が平坦だからADVとしてここに期待するしかない!! ……のだが、実はゲーム性以上に平坦でガッカリだった。
まず今作、深海ものである。主人公(女性)の恋人は深海探検家(多分)なのだが、ある調査中に行方不明になってしまう。
居ても立っても居られなくなった主人公、彼女も同じ職なのか、装備を整えて恋人が連絡を絶った海に飛び込み、捜査する。
すると彼の潜水服や装備はあっさり発見、当人はいない。しかしそのすぐ近くに謎の扉が。仕掛けを解いて開いてみると……
そこにあったのは海底都市だった!! ……都市は言い過ぎかな。村程度の施設と、幽霊のようなそこを支配する謎の生き物。
主人公は海底村の調査を進め、そこにいた普通の人間や恋人と対面した。ならば脱出だ! ……を、幽霊の化け物が阻む。
果たして主人公達は無事に脱出出来るのか。恋人が謎の病気で倒れたり何だりで、苦難の脱出劇は波乱万丈こうご期待。はぁ。

うーん。色々書いたが、ハッキリ言って物語はつまらなかった。全然引き込まれない。キャラに魅力がない。名前ももう忘れた。
恋人との絆や海底村で会った人達との交流等、響きそうなネタはあったが、全然響かない。不思議なくらい面白くなかった。
ちなみに、情緒系ではない。描くべきことはちゃんと作中で描いている。単純にそれがつまらんかったということだ。尚悪いな。
そもそも、舞台設定がなぁ。時間は現代だと思うが、それで海底都市って。潜水したらすぐ見つかったレベルだし。無理だよ。
更にそこに多くの人が囚われていて、彼らを束縛しているのは宙に浮く謎の生命体で……正直、もうちょい真面目にやってよと。
絵本レベルの設定と言えようか。全然真面目に読む気がしない。キャラ絵がリアル調なのもこの場合不似合い極まりない。
ゲームを作る以上、制作者は誰もが「残って欲しい」と願っているはずだが……今作のような場合、そこが非常に疑問である。
これで感動したり、プレーの1年後にしみじみ思い出す人がいるんだろうか? まぁそこは、いつも通り、他人のこた分からんが。

グラフィックは、実は綺麗。値段にそぐわない品質で、絵が今作で一番いい仕事してたと思う。……ゲームに活きたかは微妙だが。
この手のADVに写実的なグラフィックは合ってないのではないかな。質の低い「エージェントA」の方がまだしっくり来た。
絵が写実的&綺麗なだけに「背景とオブジェクトの判別がしにくい」という問題があるが、そこは今作、ヒント機能で無問題。
やっぱ担当者頑張って描いたであろう綺麗な絵が無碍にされてるように思う。……誠実に堪能しない俺が悪いのか? うーむ。
音楽はほぼ鳴ってないから存在感皆無。ボイスは少しあるが当然英語なので特に何も。英語声優の良し悪しは全く分からんなぁ。
日本語ローカライズはちゃんとなされていて、プレーに問題はない。まぁ今作のヒント機能があれば英語でも大丈夫かもしれんが。
けど、訳が良くてもそれで内容が変わるわけじゃないからな。それとも、洒落た訳ならもっと面白い物語に? ……ないか。


ふぅ。まぁたまには失敗もあるさな一本だった。どうしようもないダメゲーとも言えないだけに、なんか余計ガックシ来た感じ。
「100円で数時間遊べた」と考えれば、寧ろ優れた作品と言えなくもないが……空気ゲーだ。これもまたゲームの在り方、かな。
ゲームを始めとした娯楽の本来的な意義に「暇潰し」がある。これは決して悪い意味じゃない。娯楽の根本の要素なんだから。
寧ろゲームをただの暇潰しと捉えてる人の方が世界にはずっと多いと思う。ネット見てると声のでかい連中が目立つけどね。
もちろんその暇潰しが面白い時間になれば最高だが、平坦に淡々と滔々と遊べたなら、それも優良可の可ではあるんじゃないの。
……問題は、娯楽に、ゲームに、暇潰しどころか人生を賭して意義を求めるオタクだよなぁ。奴らは暑苦しく、厚かましい。
面白いもつまらないも、ンな騒ぎ立てるようなことじゃないやろ。所詮日々の数時間を占めただけの話やないか。忘れろよ。
はは。それが出来たら俺は今頃こんなことせずに渋谷でニッポンニッポン言ってるよ。……それはないか。もう負けたしね。
どんなゲームも我ゲー道の足跡であり、残す。残しておけばいつか価値を見出すこともあるさ。俺にとって、に限られるけどな。
100円の並ゲーにも五分の魂。比類なくても比類あってもテレビゲームである以上は肯定し、残していき、終わり。

……けどなー。極めて順調だったSwitch100円ゲー道に急激に疑問を抱き始めてしまった。ええんかこれでで。本当に。
そうは言っても、既にいっぱい買い溜めてるし。もう行く道は決まってるんだよ。このまま進んでいけや。何か見えるさ、きっと。
はぁ。







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