腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

キュービック

2022年10月02日 15時03分53秒 | SWITCHゲーム感想文
【ハード】Switch
【メーカー】Forever Entertainment
【発売日】2019年7月4日
【定価】499円(DL専売)
【購入価格】100円
【プレー時間】8時間




Switch安価ゲープレー道、順調に推移している。……という割に……まだこれで4本目よ? この程度で? いやそうは言っても!
ゲーム機はSwitch以外にも幾らでもあるんだよ。そうそうこればかりとは行かないんだよ! ……てないつもの嘆きを入れておく。
プレーはあまりしなくても購入はセールと共に増えていき、今じゃもう未プレーが20本くらいある。大半をタイトル覚えてない。
まぁそこはいいさ。海外ゲーのタイトルって頭に入らんからな。プレーした時に覚えればいい。では、今回は何をしよう。
一つ思ったのが「パズルをしたい」だ。それもパズル性のあるゲームではなく、純粋な、思考のみ問われるタイプを。
そこで今作に目を付けた。買っただけでロクに覚えてない安価ゲー群だが、今作に関しては「パズルだな」と目を付けていたのだ。
警戒心を込めて、ね。「安易に始めたら苦しむことになる」から。パズルゲーの苦しみは今まで何度も経験し、脂汗を流してきた。
でも気分が乗った時なら寧ろ歓迎する。今はやるべき時だ。かかってこいや。モノは定価でも499円の「キュービック」である。

さてキュービック。超が付くほどの安価ゲーだけに、ゲームは非常に簡素で、語るべきこともあまりない。パズルゲーム、完だ。
格子状のフィールドに主人公のキューブ君(仮)がいる。彼の目的は、フィールドに配置されている黄ブロックを全回収すること。
キューブ君に可能なのは移動だけで、とにかく移動して黄ブロックに触れる。全ブロックに触れればステージクリアーとなる。
ここで大事なのは、フィールドには重力が働いていて、キューブ君にジャンプはない。つまり一度下に落ちればもう上がれない。
先のステージではリフトやワープも出てくるが、基本は落ちたらそれまで。その時点で自分より上に黄ブロがあれば、詰みだ。
どうやっても上には行けないからな。なので自分のいるラインの黄ブロを回収しつつ徐々に降りていくという流れが基本となる。
重力は他のブロックにも働いていて、下を崩せば上から落ちてくる。別に難しくはなく自然な動きなので、すぐ理解出来るだろう。
ブロックの種類は他にも幾つかあるが、そんなに多くはなく、ルール把握に戸惑うことは一切ない。非常に平等で公平だ。
……が。それは逆に言うと、言い訳が一切出来ないということ。解けないステージがあれば、理由は自分の脳みそ不足のみ。
事前の予想通り、今作にアクション要素は皆無であり、求められるのは思考のみ。さぁ、考えろ。ゲームと己に勝つために。


となれば純正パズルゲーム、あとは只管解いていくだけ。それは無論今作も同じなのだが……一つ、非常に大きな問題があった。
今作、操作性が悪い。非常に悪い。劣悪。これお前テストプレーしたのかと小一時間問い詰めたい2022くらい、本当に酷い。
操作するためにキューブ君を「掴む」、ワープ先のブロックを指定する等、今作はカーソルの移動が大事なのに、これがもう。
カーソル移動がガクガクとカタつき、目当てのマスに来た時に「キュッ」と緩い抵抗が入るようなことがない。……説明が難しい。
「カーソルを目当てのマスに動かす」ことが自在に出来ず、プレーしていて物凄くイライラさせられる。ふざけんなよこら。
更に中盤以降はステージが大きくなり、表示に画面移動が必要となるケースが出てくる。そうなるとますます極悪操作性が際立つ。
キューブ君の移動、リフトの移動、ワープ先の指定といった必須&繰り返す動作がいちいち思い通りに出来ない。キレますよ。
繰り返すが、今作にアクション性はない。つまりキー操作に技術など要るわけがなく、思い通りに動かせて当たり前のゲームだ。
なのに今作はそうはいかない。パズルに頭を捻るのはもちろん、操作「技術」も求められる。まぁやや大袈裟に言ってるが。
本当に酷い仕様である。ゲーム産業40年、有名無名数多のゲームが積み重ねてきた偉大な経験を今作は全然取り入れてない。
「インディーズ系だから」で済むレベルの話ではない。真面目に作れやマジで。ゲームの価値を自ら物凄く貶めていた。はぁ。

操作性に関しては幾ら貶しても足りないほどだが、ゲーム性の核であるパズル部分は、面白い。パズルでハズレなどあり得ない。
チュートリアル的な鼻歌面を幾つか過ぎれば、やがて容赦なく難度が上がっていく。黄ブロックをどう食っていくか、考える。
考えて動かして、間違ってたから戻してまた考えて動かして……まさに試行錯誤である。余計なものが一切ない、パズルの楽しみ。
ちなみに今作は「一手戻す」コマンドがあり、連発すればほぼ幾らでも戻せる。これは非常にありがたい機能だった。
だっていちいち最初からとなると、例の劣悪操作性でやり直さなきゃならんてことだからな。全く罪深い欠点だよ。
……まぁ実際は、入り組んだステージでド詰まりすると「最初から見直そう!」となるとこも多いが。色々整理したくなるのよね。
この場にある正義は、解けること。この場にある悪は、解けないこと。人を殺そうとSwitchを破壊しようと、解ければ正義。
只管純粋に、パズルを解くことを求められ、俺も求める。……求めていた面白さをゲームが提供してくれる。嬉しいものである。

難度は基本的に上がっていくが、途中で新ギミックが登場するとそのチュートリアルが入って一時的に下がる。定番の傾向だ。
ステージは全90。全部クリアーしても隠しステージはない。まぁこれは値段的に仕方ない。……寧ろなくてホッとしたしな。
ちなみにメニュー画面からクリア率の閲覧や個別ステージの再プレーも可能なんだが、ここのインターフェースもまた劣悪で……
説明がし難いのでしないが、ほんまええ加減にせぇよと思った。「普通にやって」くれよ!! なんでこんなとこで苦しめるの!?
せっかくパズル部分は面白いのに、余計なとこで大いに足を引っ張ってくれるゲームである。ここは値段は関係ないぞほんま。
……しかしやがて、そんなことはどうでもいいくらいに「パズルゲームの苦」が襲ってくる。とことん難しく、解ける気がしない。
だけど解かなきゃ進めない。尚今作はマイナー過ぎて攻略サイトや動画なんてない。紹介してる人さえ数人見かけた程度だ。
正直、環境さえあれば俺がステージ攻略動画を作ろうかと思ったくらいだ。つまり誰にも頼れないから、自分で解くしかない。
とにかく考え、思考し、試行し、考える。今作はマス目単位で全てが動くので、不安定なアナログな要素はない。完全デジタルだ。
「何かの偶然で解けた」はない。頼れるのは自分の脳みそだけ。俺が望んだパズルゲームは、なのに俺を大いに苦しめた。

そこからはいつもの「静かな修羅場」である。誰も邪魔しないし画面上は長閑にキューブ君が佇んでるが、俺だけは全力必死。
「こんなん絶対無理やろ!」と何度も思い、何度もそれを突破する。つまり絶対無理ではなかった。人間に限界はなかった!!
……と思ったら、次のステージでまた「絶対無理!」が立ち塞がる。苦しくて切なくて。いや切なくはないか。テキトー言い過ぎ。
ただ今作は、他の極悪タイトルに比べたら「頑張れば解ける」域にあったと思う。本当に頭を掻き毟るような事態はなかったし。
でもそれはクリア後の今だから言えることで、やってる時は目の前の難問と、その後に立ち塞がるはずの超難問に恐れ慄いたよ。
「俺はもう一生これを解けないんだ」と想像してしまう絶望感。嗚呼、小さな、パズルゲームの修羅場だ。いつものやつだ。
だから俺は負けない。パズルゲームが好きなのだ。何だかんだ言って、こうして「思考のみを問われる問答無用」が好きなのだ。
考え抜いた先には、全90面を突破したキューブ君の笑顔があった。いや笑ってないけど。笑ってるのは俺よな。ふはははは!!!
……終えられて良かったよ。終わりよければ全て良し。でもそれは終わったからこそ言えること。修羅場の最中は……嗚呼……。


グラフィックは、ジャンルがジャンルだから綺麗も汚いもどうでもいい……と言いたいとこだが、実は非常に大きな問題がある。
「画面が暗い」のだ。信じられないくらい(洒落)。ちなみに今回はずっと携帯モードでプレーした。そのせいもあるかもしれん。
今作はオブジェクトの数が少ないが、それでも当然識別は必要だ。なのに画面が暗すぎるから、分かり難いったらない。
リフトが移動できる範囲は細いワイヤーで明示されているんだが、これも暗くて非常に見難い。この明度を設定したのは誰だぁ!!
操作性に続き、またしても素人でもしないクソ仕様である。パズルでやらかすならともかく、なんでこんな部分で……ほんまに。
「だから解けない」わけではないが、操作性共々著しくゲームの進行を邪魔してくれるのは間違いない。実に腹立たしい。
後は……フィールドにはゲームに関係ない宝箱や剣、ゴブリン等のお遊びオブジェクトがあり、選択するとメッセージが出る。
別に笑えはしないし、それどころかカーソルがそれを拾いやがるのが鬱陶しくて仕方ないが、お遊び要素だから笑ってあげよう。
音楽はほぼなし、なんかRPGのダンジョンみたいな厳粛な音が一応流れてるが、パズルの邪魔をしない程度。刺身のツマだった。

物語も一応あるようで、どうやら「平面だったキューブ君が段々次元を広げていき世界になる」てな内容であるようだ。
……そう、訳わからん。一応日本語化はされているが、読んでも全然頭に入らんのよな。まぁパズル的にはどうでもいいんだし。
ステージにはお遊び看板が多く設置されていて、カーソルを合わせると読める。けどこれも意味があるのかないのかよう分からん。
キューブ君は動かすと短い台詞を喋るが、「今ダイエット中なんだよね!」等、どうも面白くないネタばかりで面白くない。
何とも典型的な「Switch安価ゲーの日本語化」だった。お金をかけて丁寧にローカライズすれば、もっと伝わるようになるのか?
さぁね。ゲーム性については万国共通なんだから、それで満足しておくべきじゃないの。言葉以外の共通事項があるんだからさ。
俺らは言葉じゃなくゲームで繋がっているんだ。……うーん、いい話のようなそうでないような。まぁいつも通り、壁は厚く高い。


ふぅ。操作性と画面の暗さが返す返すも残念かつムカつくが、パズル部分は期待に応えてくれたからよし。面白いゲームだった。
またしても100円ゲーで十分に楽しめてしまった俺。敗北を知りたい。勝ち負けなの!? まぁ現状勝ってるからそういうことで。
Switch100円ゲーはまだまだあり、恐らく(ちゃんと確認してないが)謎解きアドベンチャーが多い。そう、となればパズル性だ。
安価ゲーは2Dアクション若しくはパズルゲームと相性がいい。安価ゲー道を歩んでいく以上、今後もパズル性には何度も会う。
つまり今後も何度もパズル性で楽しみ苦しめられるということ。おお上等。望むところ。……正確には、ビビりつつ望むところ。
歪んで捩れてこんな形になっちまったが、我がSwitchは順調に稼働中だ。比類なきSwitch安価ゲー道は希望に溢れていて終わり。
お前ら俺を馬鹿にしてるかもしれんけど、自分もどうせ任天堂タイトルしかやってないんだろ? はっ。それでええんかよ。
「ンなの人の勝手だろ!」と? その通り。故に俺も俺の勝手。君がスプラ3を数百万人とやる一方で、俺は一人パズルに苦しむ。
ゲー道色々であり、人の幸せの形も色々なのであった。……うーむ、安価ゲー道を歩むと、諸々の言い訳が上手くなっちまうのう。
はぁ。








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