腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

ドンキーコングリターンズ3D

2013年07月05日 23時59分27秒 | ニンテンドー3DSゲーム感想文
D! K! D!K! DONKEY KONG!(ドンキーコングジャングルビートのテーマ曲より)。
俺、何を隠そうドンキーコングファンなんだよね。いや別に隠してないけど。誰も気にしてないだけ。チッ。

比類なき初代「ドンキーコング(俺にとってはファミコン版)」シリーズもまぁ好きだが、これは別物だな。
実質的始まりは、比類なき二代目ドンキーコングがデビューしたSFC「スーパードンキーコング」であろう。
このソフトは、売れた。売れまくった。日本だけで300万本突破とか、当時ぶったまげたもんだ。
時は1994年、サターンとPS及びその他雑多な新ハードの登場によりゲーム業界は沸いていたが、最大のヒットはこのタイトルだったのだ。
同年の「FF6」より上と言えばその凄まじさが分かるだろう。実質新規のアクションと言っていい作品が、全く大したものである。
次世代機が発売され、SFCのグラフィック性能は当然それらに劣っていたが、スードン(悪い略)は工夫により、非常に優れた絵を実現した。
まだまだ未熟だった新ハードに対し、使い込まれたSFCの長所を最大限に活かしたとも言える。つくづく見事なカウンターパンチだ。
非常に怪しい噂だが、開発中のスードンを山内前社長が視察した時「次世代機に勝つにはこの絵しかない!」と喝破し、
開発中だった他のソフトが開発中止に追い込まれたらしい。と、当の「サウンドファンタジー」製作者が(あくまで噂として)語ってた。
ともかく二代目ドンキーコングは任天堂キャラクターとしての地位を強烈に確立し、現在に至る。うーむ、素敵。

その後スードンは「2」「3」と続き、1作目程ではないが、後期のSFCとしては十分なヒットを飛ばした。完全に人気シリーズと化した。
……尤も、俺がプレーしたのは3発売からも随分後だ。初代の頃から興味はあったが、比類なき1万円以上のソフトはそうそう買えないのである。
だが、2と3には、投げ売りがあったのである。数年後には新品980円で売られていた。そりゃもうホクホク顔で購入しましたよ。
購入後は、一気にプレー。評判通りの優れたアクションを堪能した。その後1作目も購入し、シリーズコンプ。
全作品、隠しパネルを全て集めた……はず。なので全作完全クリアーしている。随分遅れたし汚い形だが、俺はドンキーファンになったのだ。

しかし、俺がここから次のドンキーに触れるまではまた随分間がある。「ドンキーコング64」は当時も今もプレーしていない。
ドンキーファンになったと書いたが、俺はキャラが好みと言うよりも、「優れた2Dアクション」としてSFC版を楽しんだのだろう。
そういう意味じゃ別にシリーズファンじゃなかったんかな。ドンキーというキャラを意識するのはこれからだ。
GC版「ドンキーコングジャングルビート」を、例によって投げ売りにより、タルコンガ付きで購入。
更にどうせタルコンガがあるのだから、と「ドンキーコンガ」シリーズを3本買い、タルコンガ用タイトルを全部揃えた。
今から5~6年前かなぁ。それから暫くは、ゴリラのようにタルコンガを叩いて拍手する日々を送ったよ。拍手はちとアレだが……。
コンガもジャングルビートもどちらも面白く、今でもたまに再プレーする事がある。タルコンガいいよ。太鼓の達人が好きな人にお勧め。
ジャングルビートのドンキーコングはアクション面でも演出面でも力強く、意外にも「カッコ良さ」を感じた。これは本当に意外だったな。
ドンキーコング、カッコ良い。マリオにはないキャラ的魅力。これは先が楽しみなシリーズになったものである。

……ここまで条件が揃っていたのに、俺は3年前のWii版「ドンキーコングリターンズ」をプレーしなかった。
Wiiでの正統ドンキーであり、SFC以来の2Dアクションとしての復活。何をどう考えても、プレーしない理由がない。
正直自分でも分からん。単に気分が乗らなかったんだろうか。今となっては機を逸したことを悔やむと同時に不思議に思うばかりだ。
発売後も何度も手を出そうかと検討したが、どうにも何か乗り遅れた気がして、購入には至らなかった。

で、そんな中、今作、3DS版「ドンキーコングリターンズ3D」が発表された。Wii版の移植にプラスαしたパワーアップ版である。
これはもう、考えるまでもない。買うしかないし、やるしかない。最近新作ソフト買ってなかったしな。新作?
まぁ、いい。Wii版は非常に硬派なアクションだったと聞いている。そういう意味でも望む所だ。上等。かかってこいや。


まずパッケージを開けて驚いたのが、既に任天堂ソフトは「簡易説明書」すらやめちまってたことだ。あるのは「電子説明書を読め」の紙だけ。
紙資源の節約だとか言ってるが、要は任天堂のコストカットに付き合わされているだけだ。簡易説明書の頃から非常に不愉快である。
まぁこれで電子説明書の使い勝手が良ければ構わんのだが、読み込み・切り替えが遅く、とてもじゃないがゲーム中に使いたくなるもんじゃない。
アクションである今作はまだマシだが、RPG系でじっくり説明書を読みたい作品ならどうなるのかと、割と本気で心配してしまう。
同時に、非常にアホらしい。繰り返すが、これは完全に任天堂の都合でユーザーに不自由を強いているのだ。一体何なんだと思う。
……でもあまり不満の声は聞かないな。皆これでええんか。そうか。俺は好かんがな。岩田式「おもてなし」が強く伝わってくるよ。ケッ。


取り敢えずゲームを始めよう。見慣れた2Dアクションだけに説明書の必要性はそんなになかった。はぁ。
……で、開始1分、早くも後悔。これはやっちまったかも。買っちまったかも。うああああ……。
重いのである。ドンキーコングのアクションが重いのである。ジャンプにもダッシュにも1テンポの遅れを感じ、快適に操作できないのである。
その違和感は「これはヤバイ」と瞬時に思わせるほどで、頑張って慣れた今でも重さは感じる。ダッシュジャンプの失敗も頻発する。
まぁ、これが意図した調整であることは分かる。言うまでもないが、ドンキーコングはゴリラだ。人間より鈍重な動きになるのは自然である。
だがキャラはゴリラでも、今作はマリオと同じジャンプアクションである。ジャンプアクションでジャンプが重い。これはどうか。
最重要アクションだけに、最後まで拭えなかった違和感は残念だった。単純に軽快であれば良しとも言えないが……うーむ。

もう一つ、「攻撃手段」にも不満がある。
繰り返すが、ドンキーはゴリラである。そしてゴリラには誰もが「力強い」というイメージを持っているだろう。
が、今作のドンキーの攻撃手段は、専ら「踏みつけ」である。つまりマリオと同じ。横から敵に触れれば当然ダメージ。敵の方が強い。
ゴリラであり、力強いイメージがあり、実際ドンキーは怪力を誇っている(多分)。だのに、何故「殴る」アクションがないのだろうか。
ドンキーには「地面を叩く」というアクションがある。これを使えば敵を気絶させ、安全に踏みつけられるが、まどろっこしいことこの上ない。
ンなめんどっちいことせず、さっさと怪力でぶん殴って敵を星にしてよドンキー! そう思ってしまうのはおかしいだろうか。
ワールドボスを倒した後等には、演出としてボスをぶっ飛ばすシーンが挿入される。キャラクター敵に「殴る」のが禁止されているわけではない。
だのにこれでは、ドンキーのイメージとの齟齬を強く感じてしまう。もちろんゲームの調整の結果であることは分かるが、素直に受け入れられない。
殴らせるのが難しいなら、せめて「物をぶつける」くらいは出来なかったのか。力強い攻撃手段を用意できなかったのか。
一応今作にも敵にぶつけられるアイテム・樽は存在するんだが、登場が異様に少なく、攻撃に生かせる場面は殆どない。
敵の存在にビクつき、慎重に上に乗って倒す、彼奴の名はドンキーコング、最強のゴリラ(適当)。
ゲームの質とは別次元で、キャラクターコンセプトと合致していない気がしてならない。それが非常に残念だった。
SFC版も似た感じのアクションだったはずだが、こういうことは感じなかった。ジャングルビートの影響かのう。
ジャングルビートのボス戦は、ガチ殴り合いで燃えたなぁ。そして勝利後、胸を叩いて雄叫びを上げるドンキーコング。
あらぁカッコ良かったよ。俺のドンキー像はまちがいなくあれなんだが、間違ってんのかなぁ……。

あと、今作でのBダッシュこと「ローリング」もダメだ。ローリングには攻撃判定があるのだが、これの持続が異様に短いのだ。
恐らく「便利過ぎるから」こうしたのだろう。それはいいにしても。攻撃判定終了後もグラフィック的にはまだ転がっているのが頂けない。
これでは判定の終了が分からない。例えば敵が3体歩いてくる時にローリングをすると、3体目付近で攻撃判定が切れ、ダメージを食らったりする。
ローリング状態はまだ続いているのに、だ。非常に理不尽である。不安定で当てにならず、俺は攻撃にローリングは殆ど使わなかった。
この為ますます攻撃手段は踏み付け一辺倒になり、ドンキーの力強さが損なわれていた。納得いかんよ。うーむ。



とまぁ操作系には不満が多いが、総合的にゲーム自体はハイレベルだ。マリオに劣らぬ、非常に質の高い2Dジャンプアクションである。
今作とマリオとの大きな違いは、何と言っても「難度」であろう。そりゃもう決定的に、圧倒的に、今作の方が高い。
マリオに触れるのと同じような気持ちで近付けば、情け容赦なくボッコボコ、ボッロボロにされることだろう。マジで、難しいよ。
んで、オリジナルのWii版にそういう声が多かったのか、調整移植である今作では難度を落とした「ニューモード」が搭載されている。
基本HPを2から3に増やし、お助けアイテムにはより便利なものを用意。それでもまだ難しいと思うが、オリジナルよりは万人向けになった。
俺は3DS版を買ったんだ。選ぶモードはもちろん……………………オリジナルに決まっとろうがァ!
難しいからゆとりモードを用意した? 俺を舐めてんか任天堂! ファミコン30周年の今年、俺のファミ魂を試そうってのかオラァ!?
ふっ、上等よ。要は俺を焚きつけてんだな。よかろう、その挑発に乗ってやんよ。俺が最後に笑う姿を、とくと見せてやろうではないか。
……などという病的な妄想をチロッとしなかったわけでもないが、迷いなくオリジナルモードを選択した。難しい、どんと来い。俺はやるよ。
徹底的に、やってやんよ。


こっからはあまり書くことはない(嘘)。とことん、只管、どこまでも、ゲームの続く限り、ステージをクリアーしていくだけである。
散々難しいと書いたが、単にゲームをクリアーするだけなら、そこまで極端でもない。「任天堂」的な範囲に収まっていると思う。
だが単にクリアーするだけではつまらない。それではゲームに負けている。キッチリと、挑戦状を受けて立たねばならない。
今作では、各ステージに2種類の隠しアイテムが用意されている。「KONGパネル」と「パズルピース」だ。
KONGパネルはアルファベットで4枚、パズルピースはステージによって枚数が違う。それぞれ隠し面の登場とオマケモードの品揃えに影響する。
もちろん、区別する気はない。どちらも、全て、集めきってやる。これこそが俺の今作のプレー方針だ。マリオと同じだな。

そうなると、難しい。当然ながらどちらのアイテムも基本的に厄介な場所に置かれていて、無難にゴールを目指していても取れない。
KONGパネルは、「隠されて」はいない。見えるよう配置されている。その分取得が難しく、また「入手が記録されない」という特徴がある。
つまりゲットしてもその後ミスして死ねば、やり直す際にもう一度取る必要があるわけだ。
KONGパネル入手を確定させるには、チェックポイントを通るかゴールするしかない。
一方パズルピースは、大半が隠されていて、探し出すのに苦労する。ステージによっては9個も隠されていて、全収集は容易ではない。
ただパズルピースはKONGパネルと違い、入手が記録される。1度取れば、死んでも既にゲットしたことになってくれる。
つまり厄介な場所に置かれていたら、1ミスを覚悟で無理矢理取りに行くという強引な戦法も可能だ。
醜いとは思うが、今作の難度ならしゃーない。
俺は基本的に、両アイテムを集めきるまでは先に進まない方針でやった。安い意地だが、ファミ魂だよ。……時々曲げたけど。チッ。

今作は難しいが、ステージでコインを集めれば、「クランキーコングの店」にてお助けアイテムの購入することができる。
ちなみにこのクランキーコングこそ、比類なき初代のドンキーコングである。ここは抑えておこうぜ。うん。
お助けアイテムは「パズルピースの在り処を教えてくれる」「HPを+1(ステージ中有効)」「HPを+10(1回限り)」の3種類。
ゆとりモードにはもっと便利なものも用意されているが、オリジナルモードではこれだけだ。これだけは、許されている。
本来ならこういうお助けアイテムも全拒否してプレーするのがファミ魂の見せ所なのだろうが、今作の難度だと……まぁ、使っていいと思う。
別に逃げてるわけじゃなく、感覚的にな。俺は別に理不尽なゲームに悶えたいってわけじゃないんで。感覚的に。うん。はぁ。
だがHPを増やすのは個人的にどうかと思ったので、パズルピースの場所を教えてくれる鳥のみを自由に利用することとした。
取り敢えずステージを1~2周し、自力での探索に務める。それでも漏らしてしまったら、アイテムに頼る。この方針で。
結果的に、これで正解だったと思う。完全自力でもやれないわけではないと思うが、それに要する時間と気力を想像すると、今の俺には無理だ。
パズルピースの隠し場所と隠し方にはどうにも納得できないものもチラホラあり、探索が全て楽しかったというわけでもないし。
特に「周囲のバナナを全部取れば出現」がなぁ。ヒントも何もないのに勘だけでそれをやれってのはどうかと思う。うーん。

ステージでKONGコインをコンプリートしていけば、各ワールドの最後に「Kステージ」が登場する。まぁ隠しステージだな。
ただでさえ難しい今作だが、このKステージは別格。KONGパネルを集めきった猛者のみを対象としてるだけに、難度は非常に高い。
このステージにもパズルピースは存在するので、当然集めていかねばならない。ただクリアーするだけでも涙ものなのに、だ。
今作にはKステージを中心とした、本当に本当に難しい、一切の情け容赦を感じられないステージも幾つかは存在する。
それらはある意味、今作には、任天堂のゲームとしては相応しくないと感じる程だった。難しさの一定ラインを超えちまってると言うか。
正直、それら極悪コースに数十回死にながら挑んでる時は、プレーが苦痛だったな。他の高難度ゲームじゃ割とその辺大丈夫なのに。
根本の操作に違和感があったことが響いてるのかなぁ。高難度ステージでは、ドンキーの猛々しさなど無縁、慎重に慎重に動かす必要があるし……。

「ニューマリオU」でも感じたことだが、任天堂のジャンプアクションには、爽快感が足りない。
踏みつけた時の効果音や演出には快感を得られるよう気を配っているのが感じられるが、それだけでは薄い。踏みつけるだけでは、薄い。
やはり「攻撃」要素の薄さが爽快感の薄さに繋がってると思う。敵を倒す爽快感、これはテレビゲームの根源的面白さの1つではなかろうか。
マリオも今作も優れた2Dアクションであることに疑いはないが、長く時間と作品を重ねてきて、俺はそこに不満を抱くようになってきた。
まぁマリオはしゃーないにしても、ドンキーは差別化の為にもっと豪快なジャンプアクションになってくれないもんだろうか。
その上で、泣きたいほどに難しく。難しさは問題じゃない。どんだけ難しくても文句は言わん。だがその質には、色々言いたいんだよなぁ。
はぁ。

今作はジャンルと同様ステージ構成もほぼマリオコンパチで、8つのワールドに8~9のステージが用意されている。
それだけでもボリュームは十分過ぎるほどある。アイテム集めにも凝れば、相当な時間楽しめるだろう。……苦しむことにもなるだろうが。
更に3DS版として新たに9ステージが追加されている。ここが一応オリジナルをプレーした人にも売りになると思う。のかな?
だが追加ステージは、構成的にも難度的にも特に面白いものではなく、これに期待する人がいたら肩透かしを食らうんじゃないかなぁと思った。
もうちょっとネタ的に頑張ってほしかったと思う。まぁ酷評するほどではないけど。
ただ最後の最後、9-9ステージは今作のラストを飾るに相応しく、非常に厭らしくムカツキMAXの極悪ステージである。ありゃ参ったわ。
BGMに旧ドンキーのアレンジを使うというイカスお遊びがあったが、それを楽しむ余裕はなかった。
最後くらい、こっちにも遊ばせてほしかったのう。

ステージギミックはさすがの出来で、これだけボリュームがあるのにどのステージも個性豊か、アイデアに溢れている。
まぁ「敵」の強さで幅を出せない以上、ここを頑張るしかないとも言えるが。納得の出来栄えだった。見事だ。
ただ残念ながら難度が高いので、あまり「もう1回やってみたい」気持ちは起こらない。寧ろ「もう2度とやりたくない」が多い。
これは別に悪口ではなく、褒め言葉だ。達成感と安堵感に包まれるのも難しいアクションゲームの喜びだからな。やれやれ。

ボリュームたっぷりなのは結構なことだが、ディスクメディアでもないのに読み込み時間があるのは呆れた。
ゲームスタート時もそうだし、ステージ開始時にも読み込みが入る。それも結構長い。「気にならない」レベルではなかった。
アイテム集めの為の店との行き来で、ステージの出入りは結構頻繁にする。その度これでは萎えるしかない。なんでこうなんだ?
俺はROMカセットやカードは「(体感で)読み込み時間がない」のが今でも大きな強みだと思ってるんだが……最近は違うのか?
オリジナルはどうか知らんが、移植に際して改善が出来たのなら、してほしかったのう。はぁ。

難度が高く、ガチな雰囲気ビンビンの今作だが、実は近年の任天堂思想に則り、「お助けモード」もバッチリ用意されている。
仕様もマリオと同じように、8回死ねば最強お手本ドンキーが勝手にステージをクリアーしてくれる。金やアイテムを消費することもない。
まぁあくまで「仮クリアー」扱いになるのもマリオと同じだが……毎度毎度、萎えるねぇ。でも、今作の難度なら分からんでもない、か。
ただお手本プレーはいつでも止められるので、ステージ中の、文字通り「お手本」を見られるという意義はある。
今作には紙一重の落下死シチュエーションも多数登場するので、そういう場面の突破の仕方をサクッと見学できるのは大きい。
途中でお手本を止め、再度最初からステージに臨めば、これはインチキではなかろう。そういう使い方を奨励したい。
……ま、俺には他人の気持ちは分からん。ゲームが下手な人の気持ちは凄く分かるが、お手本クリアーで納得できるのは……なぁ。

ドンキーコングにパワーアップの概念は一切なく、最初から最後まで性能は何も変わらない。
ただステージ中、特定の樽を壊すことで「ディディーコング」が出現し、ドンキーに手を貸してくれる。
ディディーが加入するとHPが2倍(それでも4ライフだが)になり、ジャンプ中にホバリングが出来るようになる。
落下死が非常に多い今作ではホバリングは非常に役立つ。ディディーの存在は難度を大きく左右すると言える。
……のだが、個人的には必ずしもそうではなかった。ディディーなしの方が寧ろスッキリ挑戦できるという所もあった。
今作では「敵を踏む際、タイミングよくジャンプボタンを押す」ことで、高い踏み付けジャンプを出すことができる。必須テクニックである。
しかしこの高度踏み付けジャンプが、ディディーのホバリングと非常に相性が悪いのである。高度ジャンプを出そうとすると、ホバリングをしてしまう。
ボタンが別だったら何の問題もないのだが、残念ながらどちらもジャンプボタンを使用するのだ。だから高度踏み付けジャンプを重視する時は、
敢えてディディーを捨てることもあった。この点はシステム的に理不尽で、納得がいかなかったな。
本来は別ボタンにすべき操作だが、オリジナル版ではWiiリモコンのボタンが足りず、こんなことになってしまったのだろう。
だったら3DS移植の際に改良すればいいのに。こんなトコでもオリジナルを再現されても嬉しかねーよ。
ディディーの存在でも、今作の操作周りに疑問を抱くことになってしまった。残念である。
ちなみにディディーをもう一人が操作する2人同時プレーも可能だが、ソフトが2本いるし相手もいるしで当然未体験である。畜生。
まぁ今作はどう考えても一人孤独にウジウジ挑むべきゲームだから、同時プレーなんかやりたくもないけどな。本当だって。畜生。
はぁ。

グラフィック。
今作の移植がニンテンドーダイレクトで発表された際、岩田氏は「グラフィックが立体視と非常に相性がいい」と語っていた。
となれば当然、期待するしかない。ゲームは常時3Dボリューム全開でプレーした。まぁ普段からそうしてるんだけど。
……で、正直、言うほどじゃぁなかったなという感じだ。もちろん迫力はあったが、強烈な売りになるほどでもなかった。
元々が2Dアクションだけに、「マリオ3Dランド」「引ク押ス」のような3Dパワー(?)を促進させる効果は望めない。
「こんなもんかなぁ」と思うだけだった。十分使いこなせてるとは感じたから、これが3D立体視の限界なのかのう。はぁ。
一方で立体視の欠点は強烈に発揮されていて、プレー中とにかく「画面ブレ」が鬱陶しく、気分が削がれる。
3DSの立体視は可視範囲が狭く、少しでも手元を動かすと途端に画面が大きくブレて、とてもじゃないがゲームができなくなる。
対策としては当然、「手元も動かさない」に限るのだが……今作は2Dアクションである。しかも難度が高い。ンな行儀よくやれない。
難所で指に力が入る場面でこそ画面ブレが発生し、それで死ぬことも多かった。……俺が悪いんかなぁ。嗚呼、3DS。
ここぞという場面では止むを得ず立体視をオフにすることもあった。なんだかなぁ。これでいいのか3DS。
現在の3DSは、発売直後の大不振が嘘のように、完全に国内最強ハードの座を邁進している。実に見事だと思う。
それは当然ハードが支持されているからなのだが、そこに「立体視の魅力」はどのくらい影響しているんかなぁ。
正直全然想像できないや。多くのユーザーは、今もこの機能に強い魅力を感じてたりするんかなぁ……。


今作には「タイムアタック」モードも用意されている。とにかくステージを早くクリアーするのが目的で、成績により評価もしてくれる。
しかし俺は、このモードには全く興味を抱けなかった。今作のゲーム性でタイムアタックは、正直キツ過ぎるのではないかと思う。
ステージに幾つもチェックポイントがあるゲームなのに、タイムアタックとなるとちょっとでも躓いたらもう失格だろ?
とてもやれる気がしないので、このモードはほぼ完全にスルーした。隠しアイテム集めと違い、負けた気もしない。これはちと違う。
まぁ制作者もこのモードは完全にオマケと考えているようで、表示される「達成率」にタイムアタックは無関係だ。だから別にいい。
やりたい人だけやればいい、濃厚本格アクションモードである。タイムアタックで全ステージ最高評価を取れる人は……いるんだろうなぁ。
今回も、己のゲームの下手さを強く実感させられた。ファミ魂を燃やそうと、指先が成長してくれるわけではない。はぁ……。


全ステージをパズルピース全取得でクリアーすれば、晴れて達成率は100%、今作を完全クリアーしたことになる。……わけではない。
何とクリア後は「ミラーモード」という反転世界のモードが登場し、しかもそこではHPは1! ディディーコングは登場しない!
HP1ということは、つまり即死モードである。敵に触れれば即終了。ディディーがいないってことは、ホバリング不可ということである。
落下死を避ける為にホバリングに頼ったプレーをしていたら、こんなに困ることはない。それが当たり前の世界になるのだ。
俺は見事に達成率100%を成し遂げた。これだけでも非常に頑張ったと自負しているのだが……ホント、やってくれるねぇ。
現在ミラーモードは手付かずだが、まぁのんびりじっくり、やれる範囲でやっていこうと思う。ここからは焦らず行こう。
パッと思い出すだけでも、ダメージ必至の場面は幾つもあるんだよなぁ。即死モードでどうやって突破するんだよ。嗚呼。
クリアーしたら制作者にドヤ顔してやるつもりだったが、逆に鼻で笑われたようだ。怖いゲームやのう。ゲームって怖いのう。
難しいゲームに終わりはない。来るなら来いやと虚勢を張るのも、いつまで続けられるのか……な。


ふぅ。
して先月のE3にて、ドンキーシリーズ最新作「ドンキーコング トロピカルフリーズ」が発表された。……フリーズ、ってええの?
Wii UとだからHDグラフィック化は当然、演出も更に見栄えがするようになっているらしい。またゲームパッドプレーにも対応するだろう。
……逆に、新たな売りはそれくらいで、恐らくゲーム性に変化はないだろう。俺が望む力強い攻撃アクションも多分ないだろうなぁ。
順当に絵を綺麗にし、ステージ構成を練り込んだ続編ってとこか。まぁそれはそれで悪いとは言わんが……。

オリジナルのWii版は、何気に大ヒットと言っていいと思う。日本だけで90万本を突破し、ドンキーブランド健在を見せ付けた。
年末商戦という追い風があったにせよ、90万とはWiiの「カービィ」よりも「ゼルダ」よりも上である。そう考えると凄いな。
またドンキーブランドと同様に、「任天堂の難しいアクション」にまだまだ需要があることも、Wii版は証明したと思う。
最近の任天堂には、目を覆いたくなるような「配慮」ばかりが目に付く。今作にもそれは一応あるものの、ガチの空気もちゃんとある。
これが、一概に比較できるわけでもないが、「誰でも遊べる」路線のカービィよりも売れたのは、大きな意味を持つのではないか。
そして3DSに移植された今作も、現在17万本ほどと、十分なヒット(だと思う)を飛ばしている。20万本は行けそうだ。
ドンキーコングと「難しいアクション」を、任天堂ファンは今も強烈に支持している。その事を任天堂も強く意識してもらいたい。
まぁ分かっていると思うけど。孤独に黙々とアクション、好きだよ。マリオの原点、任天堂テレビゲームの原点でもあるんじゃないかなぁ。

トロピカルフリーズは、早ければ今年の年末にも発売されるらしい。マジで早いな。当然、前向きに検討しておこう。
基本路線は同じでも、何がしか新要素は搭載されるだろう。フサフサ毛並みのカッコ良いドンキーコングを操れればいいなぁ。
D! K! D!K! DONKEY KONG! っと。またタルコンガセットを引っ張り出してチロっと再プレーしますかね。
初代ドンキーの時には、まだマリオにその名はついていなかった。そういう意味ではドンキーコングこそ、任天堂ゲームキャラの元祖だ。
その魂を引き継ぐ比類なき2代目ドンキーの更なる活躍を願う。ウホホーウホー。……ま、彼はゴリラだからね。ゴリラ。
ゴリラの活躍に期待する人間、か。いや別にいいんだけど、ちょっとだけ悲しかった。俺も真似しよう。ウホホーウホー。胸ドンドン。
……はぁ。









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6 コメント

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Unknown (Unknown)
2013-07-06 23:09:21
SFCの「スーパードンキーコング」、懐かしいですね。自分がプレイしたのは高校生のときでしたが、
当時、同級生を家に呼んでその映像を見せたところ、
「SFCでこんな美しいグラフィック、信じられない。一体どんな技術を使ってるんだ。」
と、本気で驚かれたのを今でも鮮明に憶えています。
思い返せば、「このハードでここまでの映像表現が出来るのか」と驚嘆させられたのは、
FCの「メタルスレイダーグローリー」とSFCの「スーパードンキーコング」、この2本ぐらいかもしれません。

それにしても難易度高いですよね、「リターンズ」は。
自分がプレイしたのはWii版ですが、こちらのレビューで書いてらっしゃること、ほぼそのまま該当するように思います。
ゴリラなのに腕力で勝負できないというのも、考えてみればおかしな話ですよね。
まあタイトルを直訳すると、「マヌケなコングが帰って来た」ですし…(違ったらすいません)
その分サイが強いからいいのかもしれませんが…

救済措置としてのお手本プレイも、自分はちょっと納得できません。
山歩きで挫けそうになった時、こちらとしては杖を貸して欲しかったのにヘリを用意されてしまった…そんなお節介さを感じました。
個人的には、チェックポイントの数を大幅に増やすぐらいで十分だったと思うのですが…

なんだかんだ言って好きなシリーズですので、
次回作のトロピカルフリーズでは、グラフィック以上にその辺の調整を頑張って頂きたいですね。
返信する
Unknown (司 真)
2013-07-06 23:56:04
otaさんついにプレイされましたか~!!。自分も当然コメントで言及したからにはプレイしましたよ

自分は当時SFCを親に買ってもらえず、友達の家でのまわしプレイでいつも最初の鼠にやられて、即交代。友達はすいすいクリアという屈辱を味わったり、ゲームボーイの初代移植ではどうしてもトロッコステージがクリアできず挫折したりとドンキーでいい思いでといったらスマブラの溜めパンチの必殺技で吹っ飛ばして気持ちいいぐらいだったんですけど…

今回は本家を楽しめて満足してます。自分はオリジナルを極めず、「ニュー→オリジナル」を一周ずつ流しでプレイしましたが、やはり本作の難しさは一撃アウトのロケットバレルとトロッコにあるなと実感してます。一週目はプライドが邪魔してニューモードでもお助けアイテムをほぼ使わずガチンコでやった結果、オリジナルでも体力がやたら多いボス戦に無敵使うぐらいで(その時点でプライドはないか…)意外とすいすい行けましたね。

アクションゲームに慣れるって大抵は作業的でマンネリなんですけど、本作は慣れることで上達を感じそれが喜びに繋がったので、やはり超えるべき壁があるのは重要なんだなぁと勝手に再認識してしまいました。

あと言うほどのことじゃないと思いますが、ガチンコプレイと携帯機は相性いいですね。WIIはリビングにありましたし、家族のいる前でロケットバレルのAボタンを無言で微調整できたかどうかわかりません(笑)。(バルーンファイトの新作が万が一でたならロケットバレルモードがスキンで搭載されてもおかしくないですね)

この作品を起爆剤にきたるスマブラ新作に向けて、多くの作品を現行機でリメイクされてほしいなと願っています。あ…これを短冊にでも書こうかな。
返信する
Unknown (ota)
2013-07-07 14:55:45
>Unknownさん

スーパードンキーコングは凄かったですね。ドット絵じゃない「綺麗なCG」を家庭用ゲームで見せてくれた初めての作品だったかもしれません。
ハード後期の、その性能を使いこなしたソフトは、時が経っても色褪せないものです。スードンは正にそれですね。グローリーもw

おお、リターンズはWii版を。ほぼ同じゲームだから当然ですが、オリジナル版も難しかったんですね。
「力強いアクションが欲しい」は俺の勝手な要望なので、制作側にすれば「いやそれは違うだろ」となるのかもしれません。うーむ。
>その分サイが強い
あいつが出てくるステージは爽快でしたねw 何でもぶっ壊すしトゲを踏んでも平気だし。あの爽快さをドンキーにも少し分けてくれれば……。

>杖を貸して欲しかったのにヘリを用意されてしまった…そんなお節介さを感じ
言い得て妙ですね。一方で「さっさとヘリで頂上に運べ!」と叫ぶユーザーもいるのかもしれません。その為の救済措置だ、と。
ただそういう「おもてなし」を、逆に強く不快に思うユーザーも間違いなくいるってことは任天堂に理解してほしいですね。
そこまで理解した上で「それでもお手本プレイは入れます」というならもう諦めます。……実際どうなんでしょうね。
メニュー画面でオン・オフさせればいいと思うんですが、何故かそれはやってくれないし。はぁ……。

トロピカルフリーズは今後ガンガン情報が出てくるでしょうから、期待と不安を織り交ぜて注目しておきましょう。
Wii Uでは販売本数でマリオを超える! というくらいの野望を持って制作してほしいですね。
返信する
Unknown (ota)
2013-07-07 14:57:25
>司 真さん

おお、プレーされてたんですね。今作をやった上にラストオブアスも……最新ゲームをガンガン行ってますね。素晴らしい。

スードンの回しプレーですか……下手すりゃ開始2秒で交代もありそうですねw GB移植があったのは忘れてました。考えてみたら凄い挑戦ですね。
スマブラのドンキーは問題なく殴ってる(?)のがいいですね。あのアクションを本編にも持ってきてくれんかなぁ……。

ニューモード→オリジナルモード ですか。それは理想的なプレー形態ですね。製作者も喜んでると思います。俺とは大違いだw
しかもニューを一通りやったことでオリジナルを比較的楽に進められたのなら、尚のこと素晴らしいですね。腕が上がっている証拠です。
今作は結構売れてますけど、ニューモードの需要はどれくらいあるのか、気になりますね。そしてそのデータは続編に生きてくるのかな……。

携帯機と今作の相性の良さは、個人的には半々でした。
気軽に中断できる(最近は難しいゲームをやるとすぐ気力が尽きるのでw)のは非常にありがたかったんですが、
3DS(DSも)は正直アクションゲームに向いてないと思うので、テレビでやりたかったと思うことも何度もありました。
まぁ一長一短ですね。Wii Uのトロピカルフリーズは、リビングでもゲームパッドでプレー出来ますよw

>多くの作品を現行機でリメイクされてほしいなと願っています
スードンシリーズは先日VC配信が終了してしまいましたし、開発のレア社との権利関係に問題があるんじゃないかと想像できます。
俺も今作をやって、スーパーシリーズを久々にやりたくなったんですが……リメイクは難しいかもしれませんね。
取り敢えずはトロピカルフリーズとスマブラ新作で、この愉快でカッコ良いゴリラが更なる活躍を見せてくれるよう願いましょう。
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Unknown (ロッカー)
2017-12-24 00:09:47
リターンズとスーパードンキーコングは似てるようで結構違う感覚なんですよね
スーパードンキーコングはタルとか鉄球とか、敵や壁にぶつける物が結構頻回に出てくるし、ローリングで敵を倒すと加速して攻撃時間も延長するので並んでる敵を一気に倒せたり、攻撃手段を持つアニマルフレンドが何種類か登場したりと、マリオに比べて攻撃的な行動も結構とれました
今作はあまりにもジャンプアクションとしての完成度のみにこだわった結果、紹介映像などで言われる「パワフル」とは程遠いゲームになりましたね
とても完成度は高く、面白いゲームですが、単なるジャンプアクションならマリオでいいんじゃないかなぁと思う一本でした
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Unknown (ota)
2017-12-24 01:46:27
「パワフルゴリラが踏み付けで攻撃」というのはやはり違和感ありますよね。何故そうしたのかと未だに思います。
それでもスーパー3作や今作は圧倒的な品質で十分面白いゲームではあります。……でも根本的な部分で「惜しい」。
「トロピカルフリーズ」でも殆ど同じ路線だったのはガッカリでしたね。マリオさえマンネリなのに何で更に重ねるのかと。
SWITCHで今度こそ攻撃的なドンキーのアクションを出してほしいです。3D2Dどっちでもいいから……っ。
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